ウインド・リバーのレビュー・感想・評価
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終盤だけ良かった!!
「プリズナーズ」や「白い沈黙」のようなサスペンスを期待しましたが、会話主体で進むので台詞ばかりで退屈に感じました。終盤、酔っぱらいに絡まれて、やっと待ち望んだ不穏な空気なりましたが、総じて物足りなかったです。
気分が凹む・・・
『ボーダーライン』シリーズが好きなので、同じテイラー・シェリダン脚本でとても楽しみにしていました、監督も務めたんですね! やはり気分が良くなる映画ではないですが(笑)、この人の脚本の映画の雰囲気が好きなんですよねえ。 車が一列で走っているのを空から撮っている場面は『ボーダーライン』シリーズっぽい撮り方でしたね。 エリザベス・オルセンが寒くて着替えをする場面で、Tバックっぽいのをはいてるのが一瞬観れたのはもうけもんでした(笑) あの場面だけで『この映画を観る価値が上がった』と思いました、映画の内容を考えると、バカみたいなレビューですが・・・
極限の世界
その世界では生きるか死ぬかしかない。
正にそんな映画でした。とにかく重たい。そして難しい話で観るのが大変でした。初見だと内容が完全に掴めなかったので、出来れば2回目を見たいです。
総評
やっぱりカンヌ作品は難しい。
何が起こるか分からない無法地帯
よくある、殺人もののサスペンスかなーと思っていたら、とんでもない。
予備知識なしで本作を鑑賞したため、事の重大さは後にわかりました。
夜間には気温-30度にもなる極寒の地に、ネイティブアメリカンが2万人程生活しているらしく
(というか、昔侵略してきた白人たちに追いやられたらしく)仕事もない、治安も悪い、楽しみが
何もない過酷なウインドリバーで起こった殺人事件。
雪深い森の中で裸足の少女の遺体が発見される。
-30度の気温で走ると、空気の冷たさで肺が凍り出血。肺に血がたまり窒息するのだそうだ。
一番近い人家からは5キロ以上離れており、少なくともそれ以上の距離を裸足で走って逃げ途中で力尽きたとのこと。
考えただけでも恐ろしい話なのに、実際ウインドリバーでは、毎年多くの女性が行方不明、またはレイプ被害にあっており、その被害件数は把握されていないということが、現実に起こっているらしい。この地域は、日本でいう広島くらいの広さがあるのだが、その中に警官はわずか6人。
いつどこで犯罪が起きても、自分で自分の身を守らなければならいない。
アメリカの格差社会を改めて目の当たりにしました。
作品全体に、いつ何が起こってもおかしくない緊迫感、寒く、重苦しい空気感が常に漂っていて
サスペンスとしては面白かったです。
少女が、なぜ逃げなければならなかったのかの過程も描かれていましたが、リアルで痛々しかった。
こういう作品がきっかけとなり、世の中が少しでもいい方向にむかえばいいなとか
いろんなことを考えさせられる作品でした。
サスペンスとしては楽しめるが、現実の世界で日常的に起きていと実感した時の胸クソ悪さは一級品。
ネイティブの方の歴史を深くは知らないが、虐げられてきた歴史に向き合う作品だと感じた。
後はやっぱり自然って怖いっすねー。
【極寒のネイティブアメリカン保留地で起こった事件を苛烈に描く。「ボーダーライン」「最後の追跡者」で現代アメリカの暗部を描いて来たテイラー・シェリダン渾身の一作でもある。】
天から見放されたような土地に強制移住させられたネイティブアメリカンの境遇をベースに、様々な謎を提示しながら、この苛烈な物語は描かれる。
白い世界で行われる数々の行為は夢か幻か。
<テイラー・シェリダンは、現代アメリカに巣食う数々の問題
・メキシコ移民問題
・アメリカ西部、貧困層が抱える問題
・アメリカ先住民族問題
を過去の「ボーダーライン」「最後の追跡者」で描いてきたが、それを下地にブレる事無く、アメリカの暗部を抉り出した作品。
彼の優れた脚本の魅力が全面的に表れている作品でもある。
<2018年7月27日 酷暑日に映画館でセカンド上映にて鑑賞。
ヒンヤリした気持ちで映画館を後にした作品。>
ネイティブアメリカンの闇
アイヌ民族と同じく、ネイティブアメリカンについては更に無知な自分がこの映画でその世界を垣間見ただけでも、とてつもなく悲しい。
少数民族は無くなってよいのか?そんなはずはないのに、消えていくのを待ってるかのように黙って見ている現在。
終わりのほうで父親が、教えてくれる人が居ないから自分でやった、という死化粧。
なんと貴重なものが消えていっているのか。
この映画は決して社会派ではないが、私の印象に残る場面だ。
事件の捜査の仕方は、保護居住区ゆえの不利な制約が多いが、その代わり、罰し方は胸がすっとする。
殺人事件で、一人しか殺してないから死刑に出来ない、前例無いし、とか言ってる日本の裁判がアホらしくなる。
静寂と冷気
この映画はとても静かだ。
だけどとても胸に刺さる。
今回雪の中で見つけた友達の娘の遺体。
友達がとても辛そうにしている時にかける言葉が本当に胸に刺さる。
「時間が癒してくれるなんてのは真実ではない。
だが、痛みには慣れるんだ」
この言葉は同じ痛みを感じたものからしか出てこない言葉だ。
私も父を亡くしており、
どこにぶつけていいか分からない気持ちがあった。
もう10年以上も前の事だが未だに傷は癒えていない。
だけど、痛みには慣れてきた。
ほんとうにその通りだと感じた。
コリーも娘を亡くしている立場のためこの言葉が出たんだろうと思う。
綺麗事ではない。
また罪を償わせるだけでは気持ちが落ち着かないってのも分かる。
そんなんで済ませてたまるか、と言うのが正直な所だ。
だからコリーのあの決断には私は賛成したい。。。
そしてオルセン、色気を封じ込めてなかなか演技が良かったと思う。
催涙スプレーをかけられて、あとのあの演技は女優魂を感じて胸が熱くなった!
あと、急に始まる銃撃戦、とても興奮する。
なにかが起きる!という予感はしていたが痺れた。
アメリカ先住民保留地
とても寒いアメリカ先住民保留地で殺人事件が発生、警察権を唯一持っているFBIから若い女性捜査官(エリザベス・オルセン)が派遣されてくる。
彼女はハンターをしている白人(ジェレミー・レナー)を頼ることに。
かなり陰惨な話だが、エリザベス・オルセンの、捜査官としてはイマイチで天然だけど、真面目で一生懸命なキャラが救いとなり、最後まで目を離せない。
運など無い世界
ネイティブアメリカン。インディアンは土地を追われ過酷な地に生きるしかない。
生き抜くためには運など無い。
自分の生きる力だけが全て。
インディアン保留地で起きた事件。
厳しい土地。何も無い土地。
絶望感しかない。
生きるために10キロも走って亡くなった彼女。
酷寒の土地にフロリダから来たFBIの彼女と事件を追う。
法が及ばない土地。
復讐劇。
とても秀逸な作品だった。
銃ね…
事件としての目新しさは感じられないし寡黙なスーパーマンが1人いて頑張る若いねーちゃんがいるってのも既視感が拭えないし。銃が無いと生きていけない、殺される前に殺せ、女を人間として扱わない男たち、悪者の風貌はこうでなきゃ感、侵略者と被侵略者。嫌な感じがこれでもかってぐらい満載だけど、なぜか離脱したいとは一瞬も思わなかった。なぜだろ?
悲痛で言葉にならない
重く重く、底はかとなく悲しく、非道な行いが続く…静かで凍てつく町。
この場所で生まれ育って、こんな運命を辿らなければならないのはあまりにもむごすぎる。
犯人の卑劣で必死に逃げようとする行動は腹立たしくて仕方ない。
観終わっても余韻を引きずって悲しみから抜け出せない話。
そして、ジェレミー・レナーの引き込まれる演技。
過酷な環境と悲しみを抱えながら冷静沈着ででも心を持っている強く逞しい姿が素晴らしかったです。
意志の強さ
「アベンジャーズ」でおなじみの二人が共演しているとは知らず、FBIの登場シーンには、思わずくすりと笑ってしまいました。
内容を振り返ってみると、特別これといったシーンはないのですが、割と最後まで物語に引き込まれていました。
とにかく、ジェレミー・レナーが終始かっこよかったです。
演者の力は偉大ですね。
暴力と銃でしか解決できない場所
アメリカには、色々な場所があるとはいえ、
このネイティヴアメリカンが隔離された辺境の地は、
鹿児島ぐらいの広さの場所に警察官は6名しかおらず、
レイプは、犯罪にならない。なんていう貧困と秩序なんか何もない場所。
若い女性がその場所で生きていくには、どれだけの危険と隣り合わせにいるか。
映画のストーリーは、ほぼ西部劇のようだけど、
それ以上に誰も守ってくれなければ、銃を持ち、自分の身は自分で守るしかないという、
危険地帯が現実にアメリカにもいたる所にあるということだと思う。
貧困が支配する社会の恐怖をもっと知るべきだと感じた。
雪深い田舎だと考える事は同じか。
うちの近くでは、中高生の通学バッグはTHE NORTH FACEだらけ。頼むからアウトドアや休日で使ってくれ。
愚痴から始まりましたが、今回のレビューはウインド・リバー。ある女性が雪深いの地にて遺体発見される。地元のハンターと雪深い地に慣れていない女性FBI捜査官が真相に迫る物語。
ネイティブ・アメリカンネタ(差別、今の暮らし)が絡んでいるものの、雪深いド田舎&冬何もやる事が無くなる習慣を考えればこのネタで無くても起こり得る事件だし、日本は今治安が良いから感心が湧くのであり、昔なら日本でもあったろうなと思う。
(雪深い県の方が籠りがちで、やる事も少なくなり性的行為が季節的に多くなる傾向は、統計で拝見し自分も雪深い県出身なので納得しております。)
なので私には凄い事件・内容だとも思えず、寒い山間地域への予備知識が増えたぐらいでした。山育ちだからだろうな。。。。
「雪山登山や、山菜収集登山、夏登山する時は服装は十分注意下さい!」と思える映画でした。(内容からかなりかけ離れてますがw)
とことん悲しむんだ、共に生きたいなら
映画「ウインド・リバー」(テイラー・シェリダン監督)から。
まずはタイトルが気になったが、物語前半、道路脇の看板に登場した。
「ウインド・リバー 先住民保留地」(INDIAN RESERVATION)
そのアメリカ辺境の地「先住民保留地」で起こる事件は、
酷いとしか表現できない差別問題であるが、
娘を、開拓してきた奴らに犯され殺された、先住民の父親は、
どこに怒りをぶつけていいのか、途方に暮れていた。
そんな時、親友の主人公が声を掛けた。
「時が癒すと言うが、実際は違う。
気休めに過ぎないが・・痛みには慣れる」と前置きをして、
主人公自身が同じようなことを体験し、
悩み苦しんだときにカウンセラーに言われた言葉らしい。
「いい知らせと悪い知らせがある」
「悪い知らせは、君が決して元には戻れないこと。
娘の死を埋められるものなどどこにもない。
いい知らせは、事実を受け入れ、苦しめば、娘と心の中で会えること。
娘がくれた愛も喜びも憶えていられる。
痛みから逃げちゃダメなんだ、逃げると失う。
娘の思い出すべてを、1つ残らずな。
初めての一歩から最後の笑顔まで消えちまう。
苦しめ、マーティン。とことん悲しむんだ、共に生きたいなら」
とても心に残ったアドバイスだったし、胸が張り裂けそうになった。
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