寝ても覚めてものレビュー・感想・評価
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「小骨」の映画
諦めた夢とか、好きだけど彼女がいる人とか、突然いなくなっちゃった人とか。
人生の中で刺さって取れない小骨があっても、みんな「別に平気」みたいな顔して生きてる。
けど、ふとしたことでその小骨を意識し出した時、それでも平気でいられるのか…って映画なのかなと。
みんながそれぞれの小骨と対峙して苦しむ中、年齢的にも状況的にも全てを諦めてるようにニコニコ笑う田中美佐子だけがはっきりと「羨ましい」って言うのが印象的だった。
過去の小骨に苦しむって、つまり諦めてないってことで、もしかしたらそれだけでも恵まれてるのかもしれない。
後半の衝撃的な展開はびっくりしたけど、私はあのまま、あの選択を貫いてほしかったとも思う。
彼女の人生は彼女のものだ。
誰に叩かれても、後ろ指さされても、それが幸せなら後悔するよりいい。
伊藤沙莉の「バカだねー、でも年取った時にネタにできるといいね」ってメールがとてもよかった。
幸せは相対的なものじゃなく、どこまで行っても主観なんだ、っていうのは、この映画でも、こないだ観た「美人が婚活してみたら」でも思ったな。あと「愛」と「情」について。
このあたりが、今の私のテーマなのかもしれない。
最初は、朝子と麦の行動が理解できなかったけど、2回目観て、まぁこう...
最初は、朝子と麦の行動が理解できなかったけど、2回目観て、まぁこういう人もアリかな、、、と思えるようになった。
出演者全員の「ありがとう」の発音、間違ってはないんだけど、誇張気味でそこばかりがとても気になった。
そして、やっぱり唐田えりかの演技が残念。
凄い、凄い、凄い!!!
恋愛映画は得意ジャンルでない俺でもわかる。これは、傑作だよ。
中盤のあるシーンでの亮平と朝子の会話。「窓から天の川が見えますよ。淀川の支流です」「亮平、私、ここ好き。もっと好きになりそう」
(「きれいな川だね」「ほんと」という会話をしてたと思い込んでたけど
朝子は、『間違いではないことをしたい』という思いから、震災被害の東北を毎月ボランティア訪問してきた。つまり、彼女の心の奥では、そっくりな亮平と付き合っていることは、正しくないことに位置付けられていた。
亮平は、麦の存在を知って以降は、朝子にいつかは去られるかも知れないと感じながら、つきあっていた。
ふたりは、あんなに幸せそうに付き合っていたのに…
そして朝子は麦に会う。一度は避けた朝子だが、再度の出会いでは自分の心に気づき、亮平の目の前から去る。それは、観ている我々にもそれこそ衝撃の展開。そして…
終盤でのあるシーン。再び亮平と朝子の会話。
「(雨で)水嵩が増してる。汚い川だな」「でも、きれい」
この(序盤のシーンとの)対比の見事さ!
お互いに麦の存在に気づきながら、二人ともそのことを心にしまっていた当時(序盤)。心のままに従ったとは言いながら、手ひどい裏切りとも言える行為を行った朝子と、受けた亮平。とくに亮平のもとを一旦は去った朝子は、自らをきれいな流れには例えない。(終盤)しかし、今の方が心から亮平を好きだと言える。汚く見える流れだが、きれいな流れだ。いや、汚く見える流れだからこそ、いろんな気持ちを織り交ぜて流れている川だからこそ、きれいな流れだと今は思える…
ううむ。終わってみれば、ラストに向かって一貫したストーリー。しかし実際に観ている間は、特に後半は、予断を許さない展開が次々と続き、あっという間にエンディングになだれ込む。
それはもう見事な映画でした。
おまけ1
タイトルは「寝ても覚めても」(誰々を愛する) ではなく、「寝たら覚めたら」(その度に心は移ろう)だよね。それが前提だからこそ、今この時の気持ちは尊い。みんなも是非、堪能して!
おまけ2
「万引き家族」がカンヌを取らなかったら、これが日本アカデミー賞だったのだろうなあ。
おまけ3
ネタバレなしでレビューできなかったことはとても残念
-------2020/1/26追記
主演二人の不倫が発覚して、意外なところでまたクローズアップされそう。ただ、この映画が「あの、不倫に繋がった映画ね」という評価だけになってしまうのは、あまりにも惜しいです。
-------2023/4/20追記
Amazonで再び観た。
そうか。高速で、東北での麦との会話で、「あれ、亮平と違う」と感じた朝子。そこで自分が好きなのは「麦に似ている亮平」ではなく「麦ではない亮平」だと気づいたんだな。2回観て初めて気づいた。
初回は、レストランから去って「驚き」、東北で引き返して、さらに「驚き^2」と、正直、驚いてるだけで精一杯だったからなあ。
終盤、汚ねぇ川だなっていう台詞に今まで一枚ベールを着飾っていた男が...
終盤、汚ねぇ川だなっていう台詞に今まで一枚ベールを着飾っていた男が女に裏切られた事に巣に戻った瞬間こそこの映画の輝きがあると思った。この先、気を使わない生活ができるのかあるいは暴力臭が漂う生活があるのかどっちに転がっても仕方がない夫婦生活にドロ臭い雰囲気が漂い面白い未来を予想させる結末がいいね。
引き込まれた
私ならあの場面で麦の手は取らない。
でも「あの時あの人について行ってたら…」と考え続けそう。
表面上だけ仲のいい夫婦でいられれば亮平はそれで幸せだったのかな。
朝子はどうなんだろう。
二人はあのあとどう暮らしていったのかな。
分かってしまう
麦のような男を何人か見たことある。フワフワしてて掴み所が無くて自由人。すごーくモテるけど、好きになる女のコはだいたい不幸そう。
亮平と付き合って、彼のことが好きなのは本当だけど、亮平が好きなのか麦の面影を追ってるだけなのか分からなくて、そんな時ひょっこり帰ってきた麦について行ってしまうのもダメだけど分かっちゃう。
東出くんカッコいいので、それだけでも見た甲斐あったけど、なんだか友だちの恋愛話を聞いてるような映画でした。
嫌悪感抱く人と、楽しめる人、分かれる映画かも。
猫の演技が一番良かった
評判が良いので旧作上映で観に行ったけど、2時間見続けるの辛かった…。
表情が少なく、すぐに黙り込んでしまう主人公に共感できなかった。黙ってる間とか仕草に、とくに葛藤とか感情も感じられなくて。
なんというか「女性や恋愛感情は掴み所のないもの」として作られてるように思えて、それが辛かったです。
猫の働きはとても良かった。
すごく奇妙で引き込まれる
かなり無理のある設定ながら不思議と引き込まれていく作品。
あからさまなハッピーエンドではないが、そこがまた良い。「同じ顔の男」というファンタジーの中に、「一度壊した関係は修復されない」といった生々しさが両立する奇妙な物語。
それ故に印象に残った、のかな?
ありそうで無い恋愛物
言葉では表現しずらいけど、全体的なトーンとか登場人物のセリフだとかが今までありそうで無かった感じがした。
朝子がまるで何を考えているのか解らないし、麦も解らない。。
解らないから感情移入はしなかったけど最後まで目が離せなかった。
不思議な作品
亮平の普通さがただ愛しい
ずっと観たかった作品、日本に住んでいないので映画館に行く事が叶わずDVDをようやく手に入れての鑑賞。
そこまでハードル上げての鑑賞にも関わらず、文句無しの5つ星。別に映画館にこだわる類の作品では無いけど、映画館で是非観たかった。
初見ではバクのキャラクターに惹かれていたが、時間が経つごと亮平の本当にどこにでもいそうな普通さがじわじわ愛おしい。
自分はお人好しじゃない、許さないと言いながらもやや糸も簡単に家にあげてしまう(正直女からしたらチョロい男)というどこまでも普通の感覚の持ち主。
バクの居ない時を喫茶店で消化戦のごとく過ごしてきた朝子。
バクにずっと振り回されっぱなしで結局はこういう普通の男が1番だと気づいたのだろうと朝子の突然の心変わりには共感してしまった。(あんなに待っていたわりには心変わりまでの時間がやや早過ぎでは?と思わずにはいられませんが…)
東出さんの演技は色々言われているけど、作品次第なのでは…。
不安定さ
麦みたいな男性に惹かれるけど、現実的には亮平の方が幸せになれるという恋愛の矛盾や不安定さを描いているのかなあと思いました。後半の麦の登場シーンは恋する気持ちを求める朝子の妄想かと思っていたのですが、、違ったのか。
ネタバレサイトを考える
かなり変わった風合いの作品であり、元々は鑑賞する予定もなかった。その理由は東出昌大の印象である。偏見は良くないのだが、体格として異様な程の長身と童顔、そして優等生の風味と、ヲタク気質を体よくアナウンスしているあざとさ。全方向、老若男女に愛されるキャラクターの俳優に胡散臭さをどうしても感じてしまうのだ。その優等生っぷりは、『桐島』での出演からかもしれない。
そんな作品なので観る事もないがあらすじだけは知っておこうと調べたのだが、またこのネタバレサイトも考えモノであるということが、今回鑑賞して相当思い知らされた。というのも、その某サイトでの解説が大変興味深く思わせる秀逸な文章力なのである。付合っていた男が急に目の前から消え、そして幾年かにまるでドッペルゲンガーのように顔かたちが同じの男が眼の前に現われそして付合う、しかし以前の男が急に現われ、元の鞘に戻ってしまう。と、ここまでは普通にあるラブストーリーなのだが、そこから又逃避行中に、やはり元彼から別れ、今彼に戻ろうと又考えが180度変容する、奇っ怪な構成なのである。
これは確かに面白いと思い、自分なりのイマジネーションを確かめるべく、高崎映画祭にて鑑賞した次第である。
そしてそのギャップの打ち拉がれた一番のポイントは、元彼と逃避行途中に休んだ宮城の海岸線沿いの防波堤の二人の印象である。主人公の女性は、東北大震災に対する思いが強く、ボランティア迄する程の入れ込み。片や元彼は、その間海外にいた性で日本の事情は知らないからその防波堤の思い入れもない。そのギャップに主人公は改めて一緒に手伝ってくれた今彼を思い出して本当に好きだった男は誰だったのかを理解するというシーンなのだが、これが件のネタバレサイトだともっとドラマティックに解説しているように思えて、主人公の気づきに共感性が持てる話になっていたが、しかし実際はかなり薄味のシーンなのである。ということは、自分の注目したポイントと、実際の映画のポイントが丸っきり違ってしまっている典型的な“ミスリード”を勝手に起こしてしまっていたのである。本作でのクライマックスは、戻った主人公と、裏切られた今の彼との、修復できない程の傷を果たして埋めるのかどうなのかの余韻を観客に投げかける作りなのである。そういう意味では後半というか、ストーリーの3/4を過ぎてのセンテンスの為の長い長いフリをどう感じるのかに好き嫌いがハッキリ分かれる作品なのだろう。
外野や第三者はどう見たって元の鞘には戻らない関係性を、当事者同士が乗り越える意思を貫くのかそれとも力尽きるのか、そんな人間の浅ましさを表現している部分では理解は出来るのだが、淡々とした作りに没入感が得られにくいのが残念ではある。
そもそも、自分がミスリードしていての鑑賞なのだから悪いのは鑑賞者である自分ということがダメなのだが・・・
爽やか癒し系ラブストーリーかと思いきや
鬼クレイジーな女を振り回す男と振り回される男の話だった。どの角度から観ても真っ白ふんわり女子をナチュラルに演じた唐田えりかの説得力が凄くて何が正解かもうわからん。観終わったあと「愛に逆らえない。」というコピーに慄いた。
どっちにしろイケメンがいる選択肢
ぼんやり寝ても覚めてもイケメンがいるってなめてんのか!!働くでもなく趣味があるわけでもなく。男2人はキャリア重ねてるのに悔しくないのか!!私は悔しい。
女友達がステレオタイプというか朝子を肯定するための陽キャラって感じでシラけた。あんな都合の良い友達はいないよ。
信じられないままずっと一緒に生きてくって結構な拷問なので、朝子はほんと自分勝手だなと思う。
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