ニッポン国VS泉南石綿村

劇場公開日:

ニッポン国VS泉南石綿村

解説

「ゆきゆきて、神軍」「全身小説家」など数々の作品を生み出した原一男監督が、大阪・泉南アスベスト工場の元労働者らが国を相手に起こした訴訟の行く末を記録したドキュメンタリー作品。明治時代から石綿(アスベスト)産業が盛んとなった大阪・泉南地域。アスベストの健康被害を被った石綿工場の元従業員や近隣住民たちが国を相手に国家賠償請求訴訟を起こした、いわゆる「大阪・泉南アスベスト国賠訴訟」。原監督のカメラが「市民の会」の調査などに8年間にわたり同行し、裁判闘争や原告たちの人間模様を記録する。しかし、長引く裁判は原告たちの身体を確実にむしばんでいった。山形国際ドキュメンタリー映画祭2017(17年10月5~12日)のインターナショナル・コンペティション部門に出品され、市民賞を受賞。2017年・第18回東京フィルメックス(17年11月18~26日)では特別招待作品として上映され、観客賞を受賞した。

2017年製作/215分/日本
配給:疾走プロダクション
劇場公開日:2018年3月10日

スタッフ・キャスト

監督
製作
小林佐智子
撮影
原一男
構成
小林佐智子
編集
秦岳志
整音
小川武
音楽
柳下美恵
制作
島野千尋
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(C)疾走プロダクション

映画レビュー

4.0「超人」と「システム」

2018年6月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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マユキ

3.5昭和47年の線引き

2022年5月4日
iPhoneアプリから投稿

裁判の争点は国家が介入して規制に踏み込まなかったことに過失が認められるか否かだと思われるが、この映画はそこに踏み込まない。科学的知見があっても行動が見送られている事象もある訳で、何から何まで公的権力が介入することに誰もが賛同するわけでは無いと思う。規制がなくとも抑制する人もいて、規制されないと行動を抑止しない人もいる。これはガス規制もコロナも同じ。どこで規制を求めるかは判断が難しい。
カメラはひたすら被害者を追う。このことが強烈なメッセージを帯びる。行政側の過失を論じていても救われない。目の前に過失なく被害を負った者がいる。対応する役人が問うべき相手ではない。塩崎大臣が頭を下げても、何をもって詫びているのか?と被害者と同じ不思議な気持ちになる。
責任はむしろ二の次で、優先すべきは救済である。救済されるべきか否かで判断すれば、早いはずである。

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Kj

5.0韓国や在日の話でもあったんだと知る。国は害を知ってて放置していた。...

2022年1月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

韓国や在日の話でもあったんだと知る。国は害を知ってて放置していた。韓国の害を出した工場も、日本が作ったものだった。
どんどん人が死んで行く。残された人の悲しみが語られる。
見てて辛い。民主党の時だったのだ。国は控訴した。補償が来る前に、患者たちは死んで行く。
大阪弁。
弁護士の人たちも泣く。
最高裁では勝ったけど、市民の会会長が述べたように、限られた期間の労働者のみに限られていた。裁判って何かと思うところはある。
運動の中に生まれる分断をきちんとこぼさず撮っていてすごい。

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えみり

5.0アスベスト

2019年12月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

石綿は不燃性で保温効果も大きいため工場や倉庫でよく使われていた。
泉南が一大産地で石綿の紡績を行っていたが、作業員は飛び舞う風綿を吸い込み、肺を痛めていった。
工業化の裏面史だが、問題は国がこのことを知っていて、国民に黙っていたことだ。
過ちを認め救済策を講じればいいのだが、国家はなかなか動かない。
三権分立は建物のことじゃないのだが・・・。

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いやよセブン

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