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映画「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー」 米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー
劇場公開日:2017年8月26日
解説
アメリカ占領下にあった戦後の沖縄で、米軍の圧政と戦った1人の男の生き様を描いたドキュメンタリー。沖縄の民衆に支えられ、那覇市長、国会議員と立場を変えながら闘い続けた政治家・瀬長亀次郎。米軍統治下の沖縄で弾圧を恐れず米軍に対して「NO」と叫びつづけ、演説会では毎回何万人もの人びとを集め、そして聴衆を熱狂させた。瀬長亀次郎の知られざる実像と、信念を貫き通したその人生を関係者の証言や貴重な映像によって描き、第54回ギャラクシー賞月間賞を受賞するなど高い評価を得た2016年放送のテレビドキュメンタリー番組を、追加取材、再編集をおこない映画化。監督は「筑紫哲也NEWS23」でキャスターを務め、本作が初監督となる佐古忠彦。テーマ曲を坂本龍一が手がけ、大杉漣が語りを担当。
2017年製作/107分/G/日本
配給:彩プロ
スタッフ・キャスト
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2021年2月28日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
これがドキュメンタリーということに驚きを禁じ得ない。今の国政を担う人々の姿を見ていれば、さもありなん。それほどまでに初志貫徹、権力に屈せず、とことん沖縄の人々のために生きた姿に敬意を表したい。沖縄の人々にとってはよく知る人物だと思うが、瀬長亀次郎といいう一人の人間の実像に迫る映像、関係者の証言は胸に迫るものがある。
2022年9月10日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
内容は沖縄占領から本土復帰。更には現代まで続く米軍基地問題について尽力した瀬長亀次郎の生涯をまとめたモノ。好きな言葉は『アメリカ民主主義が沖縄民主主義の崩壊を招いた』パラドックスの様な言葉には沖縄に付随する呪いに振り回される姿が痛々しい。民主主義である以上誰がリーダーになってもおかしくない筈なのにカリスマが役割担う姿は辛かった。1人の人生と言うよりもプロパガンダ的な意味合いが強かった様に感じました。しかし本土に生きる人間が遠く離れた沖縄の歴史を知る事は決して無駄でない様に感じます。自分が感じることは戦争の合間の一時の平和の陰に様々な問題が累積し決して心よりの平和は望めないかもしれないなあとつくづく思う事です。映画と言うには構成力に乏しくTVドラマというには面白くなかったのは懸念される記録映画でした。
2020年8月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
敗戦後、アメリカに占領されていた沖縄で、帝国主義による民主主義の実態にあきらめることなく、アメリカ軍にモノ申し、県民のカリスマとなった瀬長亀次郎のドキュメンタリー。
驚いたのは、沖縄返還に伴う国会質疑で佐藤栄作首相と瀬長議員の質疑応答で、二人ともに誠実に本当のことを話していたことで、今の国会からは想像もできない。
2020年8月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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戦後の沖縄史の一面であるが、カメジロー(瀬長亀次郎)がかくも不屈の民主運動の闘士に育まれたのか、映画では「うるま新報」(後の琉球新報)の社長となって以降の足跡だが人格形成の礎となった生い立ちから知りたくなった。
掘り下げが足りないのは昔過ぎて追えなかったのか、テレビの事件報道志向の弱点なのだろうか、ネットで調べてみると生家は貧しい農家で父は彼が幼少の頃からハワイへ出稼ぎしていたと言う、そんな境遇にもかかわらず医師を志して東京の順天中学に編入できたのはハワイへ呼び寄せるため父の送った船賃だったのか、父についても不明なことが多い、また若い頃から社会主義運動に染まり旧制七高(現鹿児島大学)の退学処分や治安維持法抵触で投獄もされている。
同郷の共産党の重鎮徳田 球一の影響もあったのだろうか。徳田は「沖縄は少数民族であり歴史的に搾取、収奪され続けた民族である」と言っていたがマッカーサーは逆手に取り沖縄を日本から分離統治する口実に使われたのは皮肉である。瀬長の主要な戦法となる組織化の重要性と方法はかっての共産党から学んでいたのだろう。読売のナベツネも数の力学を共産党時代に学んだとテレビで言っていた。
中国での兵役も経験し人種を問わず人間の残虐さ、不条理さは肌で感じていたに違いない、復員後は沖縄で新聞記者となり映画へと続く・・。
アメリカの掲げる民主主義とは名ばかり、沖縄の軍部による統治は圧政を極めたが、兵士に理性など通用しないのは万国共通、もし北方領土に攻め入ったソ連軍に占領されていたとしたらアメリカよりましだったとは思えまい。民主主義国家、法治国家を標榜するというアメリカ自身の痛いところを突いたからこそ本土復帰を勝ち取れたのだろう。
当時の機密文書、アメリカの不都合な真実が辿れてしまうのもまたアメリカの民主主義の底力なのかもしれない。
沖縄問題をアメリカに責任転嫁しているが占領直後ならいざ知らず復興を遂げる本土の陰で辛酸を舐めたであろう沖縄に今なお基地負担を強いる現状に今更ながら胸が痛む。
隙あらばと自国の覇権拡大を目論む輩がいる限り薔薇色の解決策など簡単に見つかる訳ではないのは分かっているが真に恥ずべきは本土の人々の無関心だろう、硬派なドキュメンタリーにもかかわらず、あえてコミカルなタイトルを冠したスタッフの英断に拍手を送りたい。映画を通じて沖縄について、ひいては人間社会を考える若者が増えることを願ってやまない。