ボンジュール、アンのレビュー・感想・評価
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これはダイアン・レーンを再生する女性史ドラマ?
誰もが知る巨匠、コッポラと公私共に関わった妻、エレノアが、夫の全盛期に思いを馳せつつ、映画製作と、ついでに夫婦生活の裏側を、自らの演出で詳らかにしていく。「地獄の黙示録」をリアルで観た世代にとって、それは楽屋落ち的楽しみに満ちた時間なのだが、エレノアの主眼は、セレブ夫の影に隠れていても、それなりに人生を謳歌した妻の時間の再生にあると見た。リベンジとまでは言わないが。夫の仕事仲間である粋なフランス男の運転で、映画祭に沸いたカンヌからプロヴァンスを経て、パリへと向かうロードは、アバンチュール一歩手前の、何かが起こりそうで起きないもどかしい時間。そんな半端な空間に、ダイアン・レーンの美しく歳を重ねたことで生まれる余裕が見事にハマる。これはコッポラの妻というより、むしろ、ダイアン・レーンを再生する女性史ドラマ。目尻の皺がこんなにも愛おしい女優がほかにいるだろうかと思う。
心の旅・・・
「ボンジュール・アン」
フランスは、カンヌからリヨン
そして、パリへ向かうロードマップ
カンヌ国際映画祭で
バカンスを楽しむ予定の
アンと、その夫マイケル
映画プロデューサーのマイケルに
仕事が入り、急遽別行動に・・・。
マイケルの仕事仲間のジャックが
アンを車でパリへ送り届ける事になり
寄り道の旅が始まります。
名所を巡る毎に
アンの気持ちが少しずつ揺れ変化してゆく
趣味のカメラ撮影シーンが
あちこちに 散りばめられていて
楽しく美しい映像です。
アンは、その美しい景色の中で
忘れていた感情
自分が、求めていた物を
再発見するのです。
ヒロインアンを演じる
ダイアン・レインさんは
昔から大好きな女優さんで
上手に年を重ねられていて憧れです。
そして、あの コッポラ監督の奥様
エレノア・コッポラさんの
実体験が元になっている作品です。
2024年 4月12日
映画監督
エレノア・コッポラさんが
逝去されました。
心より 哀悼の意を表します。
2024 04/14
フランスの観光ロードムービー
パリからカンヌへと向かうロードムービーとしては『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』があった。ジャンルは違うがMr.ビーンの方がお勧めだ(笑)。オシドリ夫婦とも評判のあるマイケルとアンの夫婦。ある事情からビジネス・パートナーのフランス人ジャックがアンをカンヌからパリまで車で送り届けることになった。
どこにも寄らず進めば1日で到着するものの、タバコ休憩に入ったり、あちこちの観光名所を案内したりで全然到着しない。夫婦間のトラブルなんてのもない(ロレックスの件くらい)のに、フランス人だからという理由で心配するマイケル。米仏の文化の違いや、女性観といったものを改めて知るかもしれません。仕事上のこともあるのでアンも安心しきっていたが・・・
レストランの食事というシーンが何回登場したのだろう?美食家でもあり、ツアーガイド並みの知識も持っているし、何かとジャックに惹かれていくアンだったが、やっぱり互いに秘密を打ち明けることで一気に加速。かといって、無理強いはしない。あぁ、これだな。今度使ってみよ!となるかもしれません。
巨匠映画監督を夫に持つ女性がフランス男性と美食と名所旧跡巡りをするうちに、自分の有り様に向き合うまでをコート・ダジュール地方の美しい景色を背景に映し出す
ダイアン・レイン(撮影当時51歳とは信じ難い程のエレガントな美しさ)演じるアンがひょんな事から人生を謳歌する食通のフランス人男性アルノーとカンヌからパリへ予期せぬ旅をすることに。
車で7時間で到着する程度の小旅行だが、プロヴァンス地方の美しい風景の中、徐々に開放的な気分になっていくアン。
品のあるホテルで美味しいランチを食べ、ローマ水道橋を観たりする内、一日目が終わりヴィエンヌ地方のホテルに宿泊することに。ここでも、美味しい夕食(勿論、ワインも)を取る二人。アルノーのちょっとした失言もあるが、そのまま旅を続ける。
川のほとりでピクニックをしたり、リヨンに入ってからも「リュミエール研究所」や布地好きのアンが惹かれた「リヨン織物装飾芸術博物館」そして、アンが自分から寄りたいと口にした「サント・マドレーヌ大聖堂」へ。
結局40時間近くかけてパリに到着。
旅を続けるうちに、ダイアン・レイン演じるアンがどんどん美しく笑顔の時間が増えていのが印象的であった。
人生には時には、旅と美食は必要なんだなあ、と思った小粋な小品である。
<2018年1月5日 旅先のミニシアターで観賞>
好みではある
カンヌからパリ。プロヴァンス、リヨンを経由してフランス旅行。観光映画として面白く観た。今日はぼーっとしたいなという時にいい映画だと思う。肩の力が抜けた、リラックスする、こういう映画もありだと思う。
気楽なグルメトリップ映画
コッポラ夫人のエレノアが80歳にして初監督した自伝的作品。といっても、主人公は50代か60代で設定は現代。
プロデュース業に忙しい旦那について世界中を回る主人公が、ひょんな事からフランス人の映画関係者と2人でフランス田舎町をのらりくらりとロードトリップする。
道中、過去の事や、子供が巣立ったこれからについて思いを馳せるが、とにかくひたすらオシャレで美味しいものを飲み食いする映画。
感傷に浸るというよりはウィンターボトムのグルメトリップシリーズのように気楽に旅気分を味わえる作品。
娘・ソフィアコッポラの旦那が率いるバンド・フェニックスの曲が所々使われているところなど、エレノアの可愛さが垣間見えニヤニヤしてしまった。
コッポラ夫婦が見えてくる感慨深いロード・ムービー。いつまでも仲良く、お元気で!
映画監督フランシス・フォード・コッポラの奥さんで、同じく映画監督ソフィア・コッポラの母ちゃん、俳優ニコラス・ケイジのおばさんである、エレノア・コッポラ80歳にして、初監督作品です。
才能のある人たちを陰で支え続けたエレノアさんの心の叫びを聞きたくて、張り切って観て来ました。
『ボンジュール・アン(2016)』
原題 Paris Can Wait
※ネタバレあり。
(あらすじ)
エレノアさんが監督・脚本をやってて、このお話は実体験らしいです。
夫マイケル(アレック・ボールドウィン)は映画プロデューサーで成功して、娘は独り立ち。全てが自分の手から離れ、ちょっと寂しさを感じるアン(ダイアン・レイン)。
そんな時、夫の仕事仲間ジャック(アルノー・ビアール)と車でパリに迎うことに。
7時間で着くパリなのに、美しい風景と、美味しい食事と、ジャックはいかにもなフランス男だしで、なかなかパリに着かない!っていうロード・ムービーですね。
このあらすじを読むと、なかなかお金が集まらなさそうな映画だなーって思うでしょ?
しかも監督は80歳にして、新人。
しかし夫は、あのフランシス・フォード・コッポラ!
旦那さんがお金集めに協力しなければ、完成しなかったかも?
じゃ、なんで旦那さんは協力したか?
そりゃ罪滅ぼしでしょうね(笑)
劇中、アンはずっとデジカメで写真を撮り続けてるんですが、その姿を観てなんだか切なくなってきました。
エレノアさんだって、したいこと沢山あったろうな。
けど、夫と娘の雑用係な人生(劇中バタバタしてはったよ)。
エレノアさんだって、映画撮りたかったのかも。夢、あったかも。
けど、フランシス・フォード・コッポラは、暴君だからね。
夢を脇に置いて、エレノアさんは尽くして来たんでしょうね。
そんなエレノアさんの苦労を、町山さんがどこかで語ってました。
そんな妻エレノアさんにもあった、数日だけのアバンチュール。
その映画化を助ける夫の図。
いやー、なんか感慨深いです。
ラスト、お金目当てだと思っていたフランス男が、約束通り借りたお金とチョコレートを送ってきます。
そのチョコを、カメラ目線でカリっとかじって意味深に微笑むアンにて終了。
「ラ・ブーム」のソフィ・マルソーのウインクみたいに、アンにも新しい恋が待っている?そんなラストでした。
この映画の制作を助けたであろうやんちゃだったフランシス・フォード・コッポラと、それを許して自分だっていろいろあったんだからね!って笑うエレノアさん。
全てが溶けて混ざって、ようやっと本物の夫婦になれたんだろうな。
表面的にはなんてことないロード・ムービーですが、コッポラ夫婦の心の中を覗くような、不思議な感覚に陥る映画でした。
いつまでも仲良く、お元気で!
後半戦
人生後半戦に来たんだから、楽しく、美味しく、ロマンチックに過ごせたらそっちの方が良いのかもしれない。映画を観ている間は、難しいことなんて何も考えなくもいいんだし、女ひとりも楽しいし。私、初夏の南仏に旅に出ても良いんじゃない?『お疲れ様』と自分自身に言ってあげたくなりました。
心の旅
夏が終わるこのタイミングで、まだこの映画に間に合ってよかった。
やっと見ることができました。
二人の個性にとても好感が持てました。
最後まで笑顔で見ることができる素敵な映画でした。
今夏、自分自身も満足のいく旅行ができたので、共感的に見ることができました。
一期一会。
生涯忘れることがないだろう、今回の旅は、主人公の彼女を(あの年齢であっても)、ひと回りもふた回りも成長させてくれるのだろうと思います。
戸田奈津子さんの翻訳作品に巡り逢えたのも久しぶりです。
仏語を理解できる人は、翻訳されていない部分の会話でもクスクス笑えて楽しさ倍増だと思います。
フランス行ってみたい
主演の方はきれいだし、衣装素敵だし(スタイリストの方はアカデミー5回受賞したらしい)、フランスの美味しそうなご飯(ワインも!)がたくさん出てきてもぅお腹減ったしで
言ったら怒られるかもだが…『食べて、祈って、恋をして』の映画の雰囲気をちょっと彷彿とさせるような
あ~フランス行ってみたい!と思う映画だった。
ターゲット層は、既婚で結婚何十周年を迎えて子育て終わりかけた女性、という感じで、万人受けではないため星4つとする。
ただ、個人的には、既婚女性だけでなく既婚男性にも見ていただきたい。どきっとするかもしれないが。。。笑
全体を通してとてもゆったりした時間が流れていて、まるで自分も旅行に行ったような癒された気分になった。
しかし、フランス人てこんな自由なのか!?と思うくらい恋愛に自由奔放な描写がされていて
フランス人の恋愛感がよくわからないため、正直少し戸惑ってしまった。。
が、映画が終わってみて、せかせかと生き急ぎず、美味しいものを食べ、行きたいところに行き、表現したいことを表現できることが本当の幸せな人生なのかなぁと思った次第。
ダイアンレインが美しい
ワインが飲みたくなる、フレンチが食べたくなる、
また旅に行きたくなる映画。
美しく歳を重ねたダイアンレインが印象的。
欲を言えば、もう何ヶ所か観光してほしかったかな。
やや物足りない感じ。
またフランス人から見たアメリカ人像、
アメリカ人から見たフランス人の描かれ方が
アジア人の私には新鮮だった。
ボンジュール・アン
アリバイ作りの夫に泳がされたのか、それを承知でフランス男を利用したのか、その妻ダイアン・レインが適役かどうかは疑問だ。
彼女がデジカメであちこちアップで撮る写真はカメラ趣味に何らかの刺激を与えてくれる。
グルメ趣味かラブロマンスかカメラオタクかで 評価が分かれるが、その全てではない。
ダイアン・レインの自然体な演技で主人公と気持ちがいつの間にか自分と...
ダイアン・レインの自然体な演技で主人公と気持ちがいつの間にか自分と一体化してしまった。風景も料理も美しく楽しめた。ところどころに出てくる絵画やワインのウンチクも鼻に付くちょっと手前のいい感じ。結末はいろいろ含みがあるのかもしれないが中途半端で残念。
夫の世話を離れて。
御年52歳にしてこの美貌を誇るダイアン。アンチエイジング
は当たり前の時代に、この人の顔に刻まれた皺は本当に素敵。
コッポラの妻役にしては随分美人すぎる気もするが(ゴメン)
そりゃこんな奥さんと同乗したら7時間の間に口説き落とし
てやるとフランス男ならずとも思うでしょうよ~(^^;と納得。
かくして夫とパリで落ち合うことを約束し、友人のジャック
の車に乗り込んだアンだけど、もう冒頭からこのジャックの
思惑が分かりすぎるくらい明確に表現されるのでまぁ何とも…
不倫するの?しないの?と思わせつつ、パリまでの芳醇な旅
が描かれていくが、おそらくこれは世代別で違う感想を持ち
そうな気がする。マダム系はこんな旅を満喫したいと思った
だろうが、若い女子なら金欠エロ親父に魅力は感じないはず。
お互いの過去や悲劇を語る手法もありきたり、行く先々では
愛人と鉢合わせ、ついには友人である夫君の浮気?ネタまで
披露するとはどうゆう奴だお前!と思ってしまうところだが
こういう女心に入り込むタイプだからモテるのかもしれない。
ケチで仕事人間の夫(監督がそうなのかは知りませんけれど)
にない魅力を垣間見た奥さんなのは間違いないところだろう。
夫婦でみてみたい映画
主人公に共感する人、多いんじゃないかな?
人生を楽しみたいと思う心と自分の倫理観、夫に対する愛情。疑問にも思ってなかった、幸せか?という質問。
幸せだけど。。。だけどにちょっと揺さぶりをかけられる。
心配する夫もわかるし、愛されてるのもわかるし、寄り道を楽しんでいる自分もいる。
フランスの観光地、フランス人の人生の楽しみ方をみることができる映画。
もう一回見るかな
贅沢なロードムービー
出だしはスローで平凡なのに、フランスを車で巡りながら美味しい料理を次々と食べていく様子に、もう、地図が見たくて、レストランガイドも見たくてたまりませんでした。
それに、大人の恋の盛り上げ方?フランス流みたいな。
そうか、フランス男性はこういう感じ?って、想像を掻き立てられる場面が散りばめられていて。
そこにクラッシックと絵画と、贅沢としか言いようがない!
それにしても、アレックス・ボールドウィンが見事に太っちょになり、昔の面影がなくなり、しかも駄目夫だし(笑)
ダイアン・レインは昔のまま。
ホントに素敵。
負けちゃいられないって、エンジンかかりましたっ!
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