蜷川幸雄シアター「身毒丸 復活」
劇場公開日 2017年5月20日
解説
日本が世界に誇る舞台演出家・蜷川幸雄の一周忌追悼企画として、数多くの名舞台の中から厳選された作品をスクリーンで上映する「蜷川幸雄シアター」の第2弾。死んだ母を求め続ける少年と義理の母親が繰り広げる壮絶な愛憎を描いた寺山修司作の舞台で、藤原竜也のデビュー作でもある1997年上演の「身毒丸」を2008年にオリジナルキャストで再演した「身毒丸 復活」を収録。母を売る店で買われた女・撫子と、亡くなった実母を想い続けている義理の息子・身毒丸。ふたりは“家”という呪縛の中で憎しみあうと同時に惹かれあい、禁断の愛に落ちていく。
2008年製作/100分/G/日本
配給:東急レクリエーション、ホリプロ
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蜷川さん、藤原竜也を見出してくれて、ありがとうと心から感謝したい気持ちになりました。
この方は日本の財産ですね。
映画なんですが、最後は私も立ち上がって拍手したかったです。そのくらい素晴らしかった。
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素晴らしかったです。
寺山修司の世界が具現化された舞台だったと思います。冒頭の演出であっという間にその世界に落ちていく感じが最高にワクワクしました。
世の中の常識を代表するようなお父さん、差別と偏見と世間体にまみれているこの人の末路は悲惨です。一見素直に見えて腹黒い弟はお父さんと同類でしょう。
身毒丸を演じた藤原竜也の演技は圧巻でした。この人は天才かもと思ってしまった。母に眼を奪われ、反発していたのに惹かれていく。最後は2人で修羅の道か。
悲しいでも嬉しいでもない、感動の涙は久しぶりでした。もう一回見ようかと思う作品。心から、舞台で見たかったなぁと思います。
2017年5月21日
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鑑賞方法:映画館
大人になれない身毒丸と継母、家族の物語。
死んだ母を想うがあまり継母を認められない身毒丸だけど、母売りの場では一目で彼女に魅入られたような素振りを見せていて、その後は母を想いながらも何処かで彼女に惹かれる気持ちの狭間でもがいていたように思えた。
体裁を気にする父親と継母と連れ子の弟との家族ごっこにも入ることは出来ず苦しむ身毒丸、継母をことごとく拒絶する様は愛に飢え意地を張っているようで痛々しかった。
最後は家族も崩壊、しかし身毒丸と継母はやっとお互いを見つめ合い抱き合い二人で歩いて行く。
役者陣の鬼気迫る強烈な演技と演出がエグくて壮絶でただただ惹きこまれた。
藤原竜也は26歳、綺麗で儚げで でも全身で演技する姿は誰よりも大きく力強くてドラマや映画で見る彼とはまた違った魅力に溢れていた。
白石加代子、最初は凄い顔したオバさんだなーなんて思っていたけど艶やかで狂気溢れる演技に頭をガツンと殴られるように感じた。
セリフや演出が全て理解出来たわけではないけど、もうひたすら面白かった。
劇団四季を観ても小さな劇団を観ても、舞台特有の大きな声と抑揚と演出がどうしても苦手だった。
今回この舞台を映画館のスクリーンで観て、これはナマで見たかったと心から思えた。
多分ストーリーや演出で好き嫌いはあるけれど面白いものもたくさんあるはずで、これから色々観に行きたいと思う。
ただ、もう蜷川幸雄演出 藤原竜也出演の舞台を生で観ることは叶わないんだと思うと残念極まりない。
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