孤狼の血のレビュー・感想・評価
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見ごたえのある素晴らしい作品
役所広司という人は本当に器用な俳優である。「三度目の殺人」では無私の犯罪を犯すおとなしい男、「山本五十六」では穏やかで寛容な軍人、「渇き」では家族の愛を失ったチンピラみたいな無法者、「日本のいちばん長い日」では割腹自殺を遂げる国家主義者の陸軍大臣を演じた。いずれの役も強く印象に残っている。
本作で演じた主人公大上は「渇き」の役に似た外見だが、中身はだいぶ違っていて、あちらが良心の欠片もないやくざな男だったのに対して、大上には人間愛がある。心優しき荒くれ者の役は手慣れたもので、楽しそうに存分に演じていた。個人的に警視庁組織犯罪対策課の刑事を知っているが、彼らの外見はどう見てもやくざにしか見えない。役所広司のコスチュームは見事にハマっている。
松坂桃李は「麒麟の翼~新参者」で存在感のある演技をしているのを見てから注目している俳優で、「彼女がその名を知らない鳥たち」では軽薄で無責任な優男を好演するなど、芸達者なところも見せている。本作ではぎりぎりセーフだったかなという演技ではあったが、県警本部のエスという難しい役どころを力技で演じたところに好感が持てる。
作品は昭和63年の広島が舞台となっていて、缶ビールのプルトップが缶から離れるタイプだったり、連絡がポケットベルの語呂合わせだったりして、ディテールへのこだわりが伺えた。時代はバブルの最中だったはずで、市民生活はそれほど派手ではなかったが、企業は交際費を湯水のように使えていて、広島のクラブも接待の客で賑わっている。
そんな時代背景で、一方で殺したり殺されたりのヤクザの抗争があり、一方で警察内部の隠蔽や反社との癒着がありといった複雑な関係の渦中にあって、マル暴刑事である大上は、本人の弁によれば、情報を武器にヤクザの抗争を収め、街に平和をもたらそうと日々努力している(らしい)。
松坂桃李の日岡刑事は広島大学出身だ。国立大学の中でも広島大学は難関大学のひとつである。少なくとも1988年頃はそうだった。広島大学を出たとなれば地元ではそれなりに優秀だと思われていた筈だ。そういう事情も踏まえて、大上は新配属の日岡を広大と呼ぶ。親しみと揶揄、それに僅かばかりの尊敬をこめてそう呼ぶのである。
映画は、世間知らずの日岡が大上と一緒に捜査を進める中で世の中を少しずつ理解し、一方的だったものの見方が立体的になっていく成長の過程も描く。登場人物それぞれの人生が折り重なり、様々に蔓を伸ばしながら複雑に絡み合っていく、見ごたえのある素晴らしい作品である。
レッドカーペット見逃した(泣)
ほぼ原作通りでした。
この監督さんの作品はいつも
後もうちょっと
何か欲しいって感じなんだけど
今回のはそれが1番
少なかった(笑)
松坂桃李がマジ良かった‼︎
役所広司カッコ良すぎ‼︎
江口洋介男前だゎ‼︎
「警察じゃけぇ
何をしてもええんじゃ‼︎」
原作には無い台詞ですが
耳に残るぅ
深作欣二へのリスペクト?
深作欣二へのリスペクトなのか、嫌に昔風に撮っておりBGMまで当時風であった、もうちょっとスマートなものを期待していたのでちょっとがっかり。原作と比べるとネタバレが早かったが、解釈を変えて結末を変えたようである。原作では尾谷組がやたらとかっこよく描かれていたが、映画の方のヤクザは全員クソミソに扱っており、これでは昔みたいに憧れる奴も出てこないだろうから反ヤクザ映画としては良かったのではないか。しかしこの終わり方では続編は作れそうもなさそうである。
スゴい映画が出来ました!
ここ数年、邦画にお金を払う度に後悔ばかりでしたので、今回も期待せずに観たのですが、日本でもこんなに凄い映画が出来るんだと久々に心が震えました。名優としての役所広司を久し振りに思い知りましたし、監督には脱帽です‼️
こういう日本映画をまっておりました!!
いゃあ~~こういう映画をまってました。
名作映画「仁義なき戦い」の作品の意思を受け継ぎ久々に登場した東映らしいR18指定アウトロー映画!!
予告でも言ってましたが、まさに「アウトレイジ」の答えはここにあってもいいかもしれません。
絶対テレビでは流せない演出がどんどん出てくるR18指定当たり前の作品。
オープニングのロゴもあ~~これこれぇ~って言えるほどなつかしぃ~~って感じだったし、血気盛んな昭和居最後の年の広島県呉原という架空の街を舞台に、冒頭から暴力シーンから始まりナレーションも入って、この物語の説明もあったり、懐かしい~もぉ~これこれぇ~~これが日本のアウトロー映画じゃいって感じで観てました。
今のテレビ番組はあれはダメこれはダメと規制をかけすぎてつまらない中、「凶悪」「日本で一番悪い奴ら」の白石監督のコンプライアンス完全無視の素晴らしい作品にもぉみとれました。原作は女性が書いているのにも驚き、警察小説と「仁義なき戦い」を融合させたすごい作品!!
役所さんと松坂さんも良かったです。
2人直接店で語り合うシーンに長回しシーンがあるのですが、じっくりのめり込めて、好きなシーンなのでご注目。
真木よう子さんのクラブのママの演技も良かったですし、まぁ~着物が似合ってるしこんなママなら自分も通いますって思っちゃいましたしカッコいいそしてキレイ。「龍馬伝」の時の真木よう子も好きですがこっちのほうがよかったですねぇ~。
他にも、江口さんや竹野内さんそして、音尾さんなどみんな良かったし白石作品常連メンバーも良かったし見どころありすぎなのでぜひ本編でご確認を(ネタバレになるので言えないのが悔しい。)
暴力団の話でもあるし、警察の話でもあるけど、最後は自分としては結構好きな結末でもあるし最後のシーンもかっこよかった。「警察じゃきぃ、何をしてもいいんじゃ。」カッコいい~
お子さんは観れないのが残念ですが、完全な大人向けドラマです。観て損はなしとハッキリ言えると思ってます。
よーできちょる
小説を読んでたので、映像になると どうなるのか楽しみにしてました。
内容はほぼ一緒ですが、ガミさんの人柄と、日岡の目的はクローズアップされた感じ?
小説を読んだ人でも、納得な作品
なんだろな、、、、
あとひく作品??
見終わっても、ガミさんが頭に残る
良い作品は また見たいと思うが、これは辛いわ。。
出来過ぎという印象
よく出来てたけど、仁義なき戦いの荒削り感とめちゃくちゃなスピード感を期待してたけど、案外のんびりした印象を受けた。
ラストの松坂桃李さんのリアクションもすごく長く感じて、一番ハッとする所なのに、もうええって早く見せろよ。という感じで萎えてしまった。
脚本もすごく分かりやすくて、俳優さんも演技上手いし役柄にマッチしてた分、仁義なき戦いを期待すると落ち着いて見れてしまったなと思う。
松坂桃李さんは観客の誘導役だと思うので役としては印象が薄まってしまったけど、役所広司、江口洋介、竹野内豊始め、組の幹部、警察の上層部はキャラが立っててとても良かった。
漢の生き様
日本警察vs暴力団
R-15指定 テレビで放送不可能な過激な描写。
想像ではめちゃくちゃバイオレンスで気分悪くなるかな?と思っていたけど、そこまでではなく「漢の生き様」が描かれてかっこよくて痺れました!大上章吾役の役所広司さんがめちゃくちゃだけど
ぶれない感じがかっこよくて…。
大上に振り回される日岡役の松坂桃李さんの前半と後半の違いに驚き、日岡なしにこの映画はなかった。
昭和63年の暴力団の闘いで
恐い人たちが大暴れ…。
初ヤクザ役の江口洋介さん、竹野内豊さん
悪役だけどかっこよかった!
大上の「正義とはなんじゃ?」と「警察じゃけ、何をしてもいいんじゃ!」のセリフが耳から離れない!
「狼狼の血」の「血」
この「血」は誰のなのか?
暴力描写が多い映画はあまり得意ではないけれど
この映画は暴力だけをクローズアップしてるわけではなく、男の人はもちろん女の人も楽しめると思います。
濃厚な126分の映画をぜひ。
原作
原作を読んでしまったのがつくづく悔やまれる。
肝は14年前の殺人犯は誰かと言うことだと思うのだが、こちらは原作を読んでしまったものだからガミさんが犯人ではないことを知っている。
だから、クラブのママの告白で観客が驚くところを(展開が読める方は未読でもわかられたであろうが)一緒に驚くことが出来なかった。
面白かったのは面白かったと。
ラストは片方は殺され、片方は逮捕。考えはわかるのだが・・・案内したのは日岡でしょう?
バレますよね。
そこの矛盾を考えると、スッキリしない。
孤狼の血
約半世紀前の実録やくざ映画、「仁義なき戦い」との衝撃的な出会い!それ以上に強烈なシーンの連続!単なるやくざ映画と言うより、今迄の日本映画には無い、全く新しいストーリー展開が、最後のシーンに至るまで一気に魅せる。傑作だと思う。
白石監督の深作欣二監督へのオマージュが随所に垣間見えた。
素晴らしいのだが、何か物足りない。
映画『孤狼の血』を見てきました。血と暴力の匂いがフンプンとする作品です。出演者もみな力量のある人ばかり。素晴らしいのだが、原作を読んでいる身から言うと、何か物足りない。
いくつか原作と違うところがあります。
大上がやられて以降の最期のエピソードは、観客のカタルシスを目的としたものでしょうが、悪くない。日岡の捜査日記に、大上が添削していたことが最後のほうで判りますが、これも良い。また、日岡の恋物語らしきものも描かれていますが、これさえも大上の仕組んだことだったという展開はなかなか良い。
ただ、真木よう子が演じる里佳子は、原作では、クラブのママなどなどではなく小料理屋をやっていたのですが、その方がしっくりきますね。この点だけは感心しない。
面白かった!
原作を読んでたので気になって見たら、いゃ〜面白かった!配役が見事で、アウトローデカ役の役所広司は味出まくりで最高。それに、真木よう子は正にはまり役。この人この手の役はめちゃいい。MOZU以来久しぶりに真木よう子を堪能。思わぬ拾い物した感じで楽しめた映画でした。
描写がエグ過ぎる秀作
本作は R15+ 指定なので,15 歳未満は親と同伴でも見ることができない。映像描写のエグさはあの「アウトレイジ」シリーズさえも上回るのではと思われるほどで,よくぞここまで思い切って描いてくれたものだと感心した。原作は,岩手県出身で山形市在住の女性作家・柚月裕子の3年前の小説で,未読であるが,第 69 回日本推理作家協会賞の長編および連作短編部門賞を受賞し,直木賞や吉川英治文学賞などの候補にもなっている。まず,女性作家がこれを書いたということには本当に驚かされる。
昭和 63 年という設定が映像からよく感じられた。30 年前の車や自販機など,よく探してくるものだと感心した。脚本は良くできていて,役所広司演ずる大上刑事の俗物っぷりに目を奪われていると,その真の姿に愕然とさせられる。そして,その教えに覚醒したかのような松坂桃李の成長っぷりも見事であった。それにしても,よくもあれだけエグ過ぎるリンチの方法を描けたものだと思う。暴対法で表面的には大人しくなったかのように見える現在の暴力団も,陰では未だにこんなことをやっているのかと思うとゾッとさせられた。
役者は役所広司の演技に負うところが大きかったが,松坂桃李もかなり頑張っていたように思う。この二人が共演した作品といえば,「日本のいちばん長い日」のリメイクがあったが,あの時の松坂桃李は違和感ありまくりだったので,だいぶ良くなったと思った。一方,竹野内豊はかなり役に恵まれていなかったように思った。「シン・ゴジラ」で総理大臣補佐官を好演した彼には,是非もうちょっとクレバーな役をやらせて欲しいと思う。江口洋介が「一之瀬守孝」という役名で,大上刑事から親しげに下の名前で呼ばれているのだが,どうしても「森高」と呼ばれているような気になって可笑しくて仕方がなかった。:-D
音楽は,ベテランの安川午朗で,よく雰囲気を作り上げるのに貢献していたと思う。演出のえげつなさは最近見た中でもトップクラスではないかと思う。到底子供に見せられるものではないし,カップルで見に行くようなことも全くお勧めできない。暴力描写にはやたら厳しいアメリカでは,おそらくこのままでの上映はできないのではないかと思う。現代日本の究極の大人向けの作品ということになるだろう。
(映像5+脚本5+役者4+音楽4+演出5)×4= 92 点
エネルギー溢れる映画
ここまでの過激な暴力描写と俳優達の体を張った演技は絶対今の日本映画とテレビでは中々みれない!最近の日本映画やテレビがつまらないと感じてる人は絶対観るべき作品です‼︎
埋められど喰われず
小道具のひとつひとつが懐かしく、舞台構成に貢献していた。
また、強烈なエログロは無いが、本気の東映ノワール映画を撮らんと奮闘しているのが伝わり、久方振りに画面から血の匂いがした。
役所広司と石橋蓮司は言わずもがな、滝藤賢一は少しオーバーに感じたが、それが良いと思わせる顔だった。
松坂桃李は、序盤からずっとキャラクター以上に空回りしているように感じたが、ラストカットで漸く一皮剥けた良い表情が出来ていた。
田口トモロヲは少しクドく、阿部純子は墓前に相応しくない軽さに思えた。
また、白石監督らしさとも言える構成の不自然な丁寧さが本作でも何箇所か見受けられ、物語の熱が少し下がってしまった。
しかし、世界的に綺麗事という豚の糞で塗り固められている映画業界や現代社会に、引き金を引く意義は大いにある。
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