孤狼の血のレビュー・感想・評価
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孤狼の生き様
この作品をきちんと予算かけて豪華俳優を使って大きく上映されていることが本当に感激で幸せなことだなと思う。
冒頭から容赦ない痛みのある暴力の描写に全身ゾクゾクする。
豚の脱糞を大画面で観られるなんて最高。
勢いよくプリッと出ていたけど、撮影時は豚が催すまで待っていたんだろうか…
大上のダークヒーロー感が強くて、そのぶっ飛んだ痛快さにどうしたって惚れてしまう。
余りにも酷いやり口も多くて、この人は何のために捜査を続けているのかと疑問に思うこともあったけど、終盤に判明する彼なりの正義と信念と人間味にはグッときた。
殺しても死ななそうなキャラだったため、まさかの拷問&死亡にはかなりのショックを受けたけど。
最後、孤狼の姿に学び思いを受け継いだ日岡が凶犬と化し落とし前を付けてくれたのが良かった。
小気味好いナレーションと共に進むストーリーは終始息を飲む展開で、コミカルな部分も多くて本当に楽しかった。
設定に先日二回観た犯罪都市と似た部分あるなと思っていたけど、ダークな部分も物語の要素も多めでやり切れない絶望感も味わえる今作の方が好き。
監督と役所広司のインタビューでも言っていたけど、近年の韓国映画に全く引けを取らない、本気の日本映画を観られたなと思った。
豚の印象がとにかく強くて、映画の後に豚のモツ焼きを食べて酒を飲んだ。
今までで一番美味く感じた。
豚小屋で
冒頭から汗や血や糞にまみれたバイオレンス描写に、泥臭い昭和感漂う映像で、役所広司のやさぐれた暴力刑事ぶりなど役者の演技も見応えがあり、最後まで面白く見れました。
汚職刑事と思いきや実は良い人だった的な、疑惑の真相をママに教えてもらう流れなどは、意外性はなく説明的過ぎるように感じましたが。
役所広司が遺体捜索時に手を合わせる場面、松坂桃李が報告書の添削で役所広司の人柄を悟る場面や豚小屋で這いつくばり証拠を探す場面など、そういった無言で心情を示す描写は良かったと思います。
松坂桃李の演技は悪くはないと思いますが、「日本のいちばん長い日」を観た時もそう感じましたが、昭和の雰囲気の中では少し浮いているように感じてしまいました。
大卒のエリート若手ということで、敢えて異質感を出している、浮いていて正解なのかも知れませんが。
真木よう子も、綺麗で迫力はありますが、クラブのママの貫禄や迫力とは違うように感じました。
泣けるヤクザ映画
日本で一番悪い奴らは期待していて裏切られた感が強かったが、本作品はとても良い映画だった。 役所広司は言うまでもなく最高だったが、後半の役所広司と絆の芽生えた松坂桃李の姿はかっこよすぎた。 何でもかんでも殺しまくるような映画ではなく、殺しのシーンも必要最低限で、駆け引きに重きを置いているのもリアルで見応えがあった。 何回かカメラを回転させるシーンが出てくるけれども、松坂桃李の揺れ動く心情を表しているかのようで引き込まれる。 痛く下品なセリフが何度も出てくるけれども、変に濡れ場が多い映画よりもくだらなくて楽しめた。 エンディングで涙が出てくるヤクザ映画は初めてでした。 ただ、あのレクサス…笑 自販機やビールの飲み口、時代に沿って作りこんでいる小道具が多い中で、あんな目立つところに止まるレクサスをなぜ退けなかったのだろう。しかも冒頭で。 あのシーン以来、他に荒がないかを探してしまっている自分がいた。もったいない… 正直、松坂桃李の濡れ場は欲しかったなぁ笑
久しぶりのヤクザもの
最近ヤクザ映画あまり上映されていなかったような。 一触即発の状態のヤクザ組織を、なんとか抗争を避けさせようと、ルール無視のやり方で奔走する大上(ガミさん 役所広司)と、彼と組まされた県警本部から派遣された新米刑事の日岡(ヒロダイ 松坂桃李)の物語。 映画上のいろんな制約があるのだろうけと、ストーリーは硬派で面白かった。 役所広司は、この手の役はハマりますね。「渇き」を思い出しました。 タイトルとラストシーンがバッチリはまってて、格好いい。
俳優さんの技量差
役所さん、石橋蓮司さん、さすがでした 竹野内、江口さん迫力不足でこういう役はやめた方がいいと思います 松坂桃李さん頑張っている、真木よう子さんガリガリで魅力無し 仁義なき戦いとは比べようもなし
久しぶりに
血が滾りました。 冒頭の文字通り「糞食らえ!」のシーンからこの映画のテンションがうかがえる。 常に脂ぎった顔で画面を支配する役所広司のエネルギッシュさと、むせ返るような色気。 子犬から狼へと成長を遂げる松坂桃李。 もはや文化遺産レベルの外道っぷりが見事な石橋蓮司。(うな重食うだけであんなに人を不快にできるなんて) 他の演者さんの演技も素晴らしかった。 ヒーロームービー、成長譚、陰謀劇、そこに正に今の日本を覆っている問題(奇しくもアメフトとか)等を絡ませながらも説教臭くなることなく痛快に、かつ熱く命を燃やす漢どもの魂の滾りを見せつけてくれた傑作。是非とも続編希望。
暴力団vsマル暴
ジメジメした暑苦しい感じと黒電話の音…そしてあのナレーションの声…昭和臭プンプンである。
冒頭のリンチシーンでまさかの竹野内豊が悪役⁉︎意外とイケてる。
警察に相談に来ていた女がMEGUMIだった事にエンドロールまで気付かなかった。
チョイ役にも目が離せない豪華な役者陣。
広島呉原署のマル暴刑事大上と新人刑事の日岡。
大上の一見ヤクザのような振る舞いに日岡はついて行けず苛立っていた。広島大学卒のエリート刑事日岡が呉原署に配属された目的は大上の素行調査だった。
一刻も早く証拠を見つけ大上から離れたいと思う日岡だがいつしか滅茶苦茶な大上に惹かれていた。
ある男の失踪が加古村組が絡んだ殺人事件へと繋がる。事件の真相に迫ったその矢先に大上が消えた。
数日後、川から上がった死体に日岡は絶叫する。
グラブのママから大上の秘密のノートを渡され、過去の抗争での事実を聞かされた日岡は大上の凄さを実感した。
抗争集結の為に尾谷組に話を持ちかけ五十子会の祝賀会で会長の首を取るようお膳立てし、ラストは尾谷組若頭の逮捕に繋げた。
祝賀会に出席していた警察上司は日岡に弱みを握られる事になる。
大上二代目の誕生か?
松坂桃李は良い俳優さんになりました。
ラストではワイルドさが増してギラギラしてました。
私的には、真珠の件が可笑しかったし、あーそんな人いたなぁって懐かしく感じた。
実際には見たことありませんがね。
超駄作です。
昭和最後の年の広島が舞台らしいですが没入感が全くありませんでした。 街中でレクサスが停めてあるとかそういう細かいところはまあいいとしても 作品自体の完成度が低いというか、台詞一つ一つが薄っぺらいというか キャラクターもステレオタイプな人達ばかりで辟易しました。 ああ俺は今昭和の広島の抗争のど真ん中にいるんだ という瞬間が1秒たりともありませんでした。 ベテラン刑事の破天荒ぶり、新米刑事の成長、極道達の断末魔、見せ場は沢山あったと思いますが 全部肩透かしの演出でした。 カッコいい予告編や、ポスターに力を入れるのもいいけど 今の時代に日本でこういう映画をつくるのは難しいのかもしれませんが もう少しなんとかならなかったのかと思います
ある意味で期待外れ?
面白かったけど、ちょっと期待外れ? 想像では、もっと面白かったはずなのだが…。 あんな簡単に消されるのだろうか?というのが、疑問として残ったが…。 続編? 今回以上には面白くないだろうね…。 観るかも知れないけど…。 実は前売りを間違って二枚買ってしまい…。もう一度観て、感想変わるだろうか?
現代風昭和の雰囲気
昭和に極道映画として風靡した『極妻』のような感じかと思いきや、今の若い人にも受け入れられそうな感じの映画です。 劇場には結構年配の方が多くいました(時間帯的にも・・・)が、若い人でも面白いと感じれると思います。 ただ、血が飛び散るカットや、官能的なカットが度々あるので、苦手な人にはちょっと・・・。あと男の人には、寒気のするカットもありますね。 でも久しぶりに面白い極道絡みの映画に感じました。(最近のは若い人のおふざけのような映画が多い)
期待は裏切られなかったが、評判ほどでもない。 続編がすぐ見たいかと...
期待は裏切られなかったが、評判ほどでもない。 続編がすぐ見たいかというとそうでもない。 ただ任侠映画ときて新しいシリーズが生まれたという感はあったのでそれは嬉しい。
☆☆☆★★ あいや〜( ゚д゚) あれ程の大傑作な小説をここまで改...
☆☆☆★★ あいや〜( ゚д゚) あれ程の大傑作な小説をここまで改変しますか〜! ビックリ‼️ドッキリ‼️ク○トリス じや〜‼️ (原作には無い台詞) 原作を読むと。どう撮ったところで、駄作にはならない…いや寧ろ。どんなに才能が無い監督が撮ろうが、傑作の予感しかしなかったと言える。 それなのに、あゝそれなのに。 極めて普通になってしまったなあ〜(>_<)…と。 いや、面白い事は面白いですよ。 何しろ元々の原作自体は傑作ですから。 別に原作通りに撮る必要性は無いのは理解している。 原作そのものを忠実に描けば。上映時間はおそらく、3時間は優に越えてしまうのだろうから。 実際問題。原作とは違う場面に於いて、優れているところは有る。 先ず何よりも。この原作自体が、新人マル暴刑事の一人称で描かれている点。 それだけに、ヤクザ映画で有りながらも。本来ならば(原作に忠実に描くならば)派手なドンパチは御法度になってしまう。 流石にこれでは観客は納得してはくれないだろう…と考えたのは容易に推測される。 そうしなかった事で、映画の中で何度かの抗争場面が起こり。ヤクザ映画としての活力に溢れる場面は活かされる結果となった。 そしてもう一つ大きな改変として。原作に於いて重要な人物であった、小料理屋の女将《晶子》を。原作には名前だけしか登場しない、クラブのママ《梨子》へと変更しているところ。 画的に見ても、寂しい小料理屋より。より華やかなクラブのママに変更したのは、分からないでは無いし。日岡に若い女性をあてがい、恋愛要素を加えたのも分かる。 それ自体は、大上の意図するところであり。映画オリジナルながらも、原作にてちょこちょこっと出て来る昭和の匂いを感じる箇所でもあった。 若い俳優が主演しているので有る事からも、ある程度のラブシーンは有った方が確かに良い。 (でも今ひとつエロくは無かったのが残念至極) 原作では【章】仕立ての描き方により、狼の系譜が最後に継承されるのだが。映画では敢えて最初から観客側に、日岡の役割を明らかにする。 一見すると違和感が強く、「何だこれ!」…とは思うのだけれど。それによって、次第次第に日岡の心が様変わりして行く様子がきっちりと描かれてはいた。 但し、それによって原作の良さが失われた箇所もまた多く。個人的な意見として言わせて貰えれば。プラスが3っ増えたとしても、マイナス面が7っ位は有るところだろう。 その中でも気になった点を幾つか。 先ずは《晶子》=《梨子》へと変更されてはいたものの。過去の殺人に関する2人の微妙な男女の関係性はそのまま活かされてはいた。でもこの2人は、お互いの悲しい過去を共有する【戦友】の様な間柄でも有った筈なのだった。 大上自身の悲しい過去を知る《晶子》=《梨子》だからこそ。最後に日岡を信用し、大上の意志を託すのだが…。 映画では、その辺りが今ひとつ希薄に映る。 そして警察とヤクザとの癒着。 何故お互いに持ちつ持たれつ。生かさず殺さずをを信条とし、その信頼関係を築いていたのか? 原作にはその辺りの関係性をしっかりと読者に伝えているのに…。 ところが、映画に描かれていた両者の関係性は。単なる損得で動いているだけにしか私には見えなかった。 おそらくシリーズ化を見据えての製作だとは思える。 だけど、今回登場した多くの人物達(特に生き残るヤクザ達等)には。映画を観た限りに於いて、魅力が全く感じられず。今回だけの登場で終わる可能性が高い。 特に一之瀬に於いて。原作では、いずれはその度量の大きさから。全国に名前が轟くかも知れない程の魅力的な人物で有った筈なのだが…。 実際映画に描かれていたのは。まるで血の気にはやるチンピラヤクザにしか見えないのが、凄く残念でならない…。 パナマ帽が無いのはまだ良いが。何故にハイライトだったのか? 映画の中に登場する有る小道具。 原作では後半に至り。この小道具を通じての魂の継承がジワジワと日岡の心へと浸透して行く。 映画の中ではその辺り(小道具の活かし方等)の描写が今ひとつと言ったところでしょうか。 狼の継承で有る筈だったのが豚だった悲しさ。 映画単品で観れば、今年の日本映画としてなら充分にベスト10の中には入るでしょうね。 でもこの原作での映画化で有る以上。本当ならば、今年のベストワンを狙える可能性は大きかったと思えただけに…。 どうでも良い場面だが、昭和のプルトップが凄く懐かしかった。でもショルダーフォーンが登場しないのはちょっと悲しい。 2018年5月13日 イオンシネマシアタス調布/スクリーン9
これぞ映画。
深作欣二監督の諸作を思い起こさずにはいられない映画であった。 深作欣二ほどではないにしろ、たまにカメラが斜めになったり、ナレーションのありようはそっくりだし、なんといっても広島が舞台だし。 「仁義なき戦い」と違うのは、警察が深く関わっているところで、大上(役所広司)のスタンスははっきりしていた。 柚月裕子の原作がしっかりしていて、ほとんどの事柄に裏付けがあって、大上がわけもなく暴れていたわけではなく、他の連中も皆自分のポリシーあってのことである。 白石和彌にとっては、プレッシャーのかかる仕事だったとは思うが、役所広司、松坂桃李をはじめとした役者陣に助けられたのではないか。また白石和彌の演出も良かった。 原作と変えているところは、ことのほかうまくいっていたと思う。 惜しかったのは、竹野内豊の出番がすくなかったことで、あの役なら仕方のないところだが、実はいちばんはまっていたかもしれない。
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