スプリットのレビュー・感想・評価
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シャマラン節炸裂のジャンル分け不能作品
M・ナイト・シャマラン監督最新作。一時期不調だったシャマラン監督、前作『ヴィジット』で復活をうたわれたが、個人的には「?」の前作。
しかしながら、本作の後も『アンブレイカブル』の続編の企画が進行しているというニュースも聞き、さぞやシャマラン節復活だろうと期待の本作。
ケイシー(アニヤ・テイラー=ジョイ)、クレア(ヘイリー・ルー・リチャードソン)、マルシア(ジェシカ・スーラ)の女子高生3人。
友人の誕生パーティの帰り、何者かに誘拐され、監禁される。
誘拐したのは謎の男(ジェームズ・マカヴォイ)。
3人にはただの潔癖症の男に見えたが、出てくる度に人格が変わっているようにも見えた。
それもそのはず、男はフレッチャー医師(ベティ・バックリー)のもとに通う多重人格者だった・・・
というハナシで、『ルーム』や『10クローバーフィールド・レーン』などで流行の変型監禁もの映画。
監禁もの映画での面白さの中心は、被害者がどのようにして犯人を倒して脱出するか。
なんだけれども、この映画、監督がそんなところに面白さを求めていないのはありあり。
登場する犯人は多重人格だけれど、監禁場所がどれぐらい脱出不可能なのか、犯人がどれだけ危険なのかはあまり描かれず、ひたすら謎の男の行動に描写が集中するからだ。
だいたいにおいて、犯人が精神分析医と長々やりとりする場面なんて、通常の監禁もの映画では不要。
でも、この映画では尺を割く。
で、そのやりとりが興味深く、男の人格を握っているのは誰で、その狙いが何なのか、そこのところに関心が集まる。
もうひとつ興味深いのは、フレッチャー医師が早々に語る説で、「多重人格者は、往々にして、人格によってその肉体的反応までも変化させる」というもの。
あれれ、これって、どこかに記憶がある。
思い出したのは、初期のデヴィッド・クローネンバーグ作品。
「精神の変化に基づく肉体の変化」。
『ビデオドローム』『ザ・フライ』など、精神変貌と肉体変貌が合致していた映画。
そうなると、この映画の結末は、謎の男の肉体変貌だということは早々に気がつく。
ならば、何に?
キーワードは24番目の人格。
事件の首謀者といえる3つの人格が時にいう「ビースト」。
ほほぉ、そうなるのね。
さらに、興味深いのは、ときおりフラッシュバックさせる、監禁された女子高生のひとりケイシーの回想。
父と叔父とともに幼い時分に出かけた鹿狩りの物語。
この鹿狩りの物語は、その後、ケイシーのトラウマへと繋がり、そのトラウマは謎の男と呼応する。
ここいらあたりのハッタリ感満載の物語の重層性は、シャマラン節炸裂である。
さらに、細かい描写にもシャマラン節が炸裂する。
どこだかわからない監禁場所、しかしながら、各ドアの錠は差し込み式のちゃちな物。
簡単に逃げ出せそうなのに、逃げ出せないように焦らす演出(針金で差し込み式錠を外そうとするしつこい描写などに顕著)。
伏線を張っているにもかかわらず、説明しないぶっきらぼうな演出(ケイシーが鍵の在り処を見つける描写はかなり唐突だが、その直前でちょこっとだけ写している、とか)。
後半になればなるほど、この手の演出が増えてくる。
そして、映画はこの手の演出が増えて、監禁ものから別の種類の映画に変質する。
まさにシャマラン節。
そして、着地点にはビックリ。
監禁ものだったことすら忘れさせられる。
それにしても、冒頭に挙げた次回作のニュースを知っていたので、ラストのラストは愉しめた。
ただ、このままでは次回作は超人ものの変型になりそうで、ヒーロー映画全盛の現在としては、「?」と思ってしまうのだが。
もうちょい欲しかった!
怖すぎるわけでもなく、丁度いい映画でした。
マガフォイの演技も主人公の女の子の演技もドクターの演技も本当に素晴らしかった!!!
キャスティング最高!!
ただ、24人目がいきなりビーストになって
拳銃を打っても死なないとかいきなりファンタジーになりすぎて違和感を感じた
24人目をビーストではなく、人肉好きなサイコパスという設定にして
最後のサイコパスと主人公の女の子の戦いがもっと深かったら
もっと映画に入り込めて、終わってからの余韻が大きかったかも
この監督は、観る人の期待や予想を裏切るのが好きなんだな、きっと。つ...
多くの「変質者の犯罪」はこうして、原因の根絶を怠り、片付けられていくのだろう。
多重人格者を演じるジェームス・マカボイの変容ぶりと、幼児期のトラウマを引きずっていることを匂わせるアニヤ・テイラー=ジョイの影のある可愛さに目が離せない。
単なるサイコもので終わっていなかった。最近では監禁ものといえば『ルーム』があったが、こちらの方がスジが練られている。アニヤ演じるケイシーが追い詰められ、絶体絶命のときに顕れた彼女の過去。この場面のやり取りに、僕は涙した。失意の経験をした者同士しか分かり合えない感情にあふれていた。このあとケイシーは、叔父さんとどう接するのだろう?もしかしたら、何かが目覚めたりしないか?
ラストシーンで、この事件に酷似した事件があったこと、この先まだ事件が起こるであろうことが暗示される。
もうどうなるか気になって仕方ない。続編、早く!
知識と創造力の暴走
個性的作家の圧倒的世界観に魅せられた。一つの着想から、絵的に画面の細部に至るまで、アーティストとしてのこだわりを感じる。
ただ、凡人には理解しかねる部分が少ないくないと感じるわけで、幾度かとてつもない退屈感に襲われた。これは監督の中の至高なる創造力の賜だろうと過ごしてしまえば、全体的には楽しめたといえる。
美しいものは画面に映えるといわんばかりの配役とロケーションだったけれど、作品との関連性が薄いと感じるわけで、あくまで美意識をもった絵づくりのための素材なんだなぁと思ってしまうところ。それ故に作家の意志を感じるのだが─。
最後の落ちもいまいち理解できなかったけれど、監督の以前の作品が関係しているのだと、後で知る。その作品も見たはずだが記憶にない。続編がでる前に予習というか復習しておこう。
異様
期待通り‼
23人格男vs女子高生ってコピーとはちょっと違った感じはあったけど...
あまりに荒唐無稽
作品全体に緊迫感がない。
どうにも緩い雰囲気でハラハラできなかった。
そしてクライマックス、ビーストの覚醒。
これがシャマランらしいのかどうかは
知らないが、自分にはあまりに荒唐無稽過ぎた。
リアリティの範囲内で話をまとめるのかと
思いきや急にギャグ映画に変身してしまい
興ざめした。
家に帰って
解説を読んだら中々興味深い話だと思ったが、
「アンブレイカブル」を鑑賞してるのが
前提の作品というのが納得いかない。
だったら「アンブレイカブル」の続編とか、
対になっている作品だとか言ってもらわないと
こちらはどうしようもない。
知らんがな!という話だ。
いや、「アンブレイカブル」を
観たことはあるのだ。
しかしうろ覚えだった。
その為、最後のブルース・ウィリスの登場は
結構興奮したがそれまでを一本の映画として
評価した時に面白いとは思えなかった。
消化不良
頭の中がマカヴォイでいっぱい
シャマラン初体験
オープニングロールとエンドロールがバックにちゃんと24個あったのが好き。
まさかの前振りほぼ無しで襲われる女子高生にワクワク
23人格って謳ってるけどほぼ3、4人格くらいしかメインで出なかった。
とはいえマカヴォイの演技が本当に凄かった。
9歳だよ でおなじみヘドウィグは可愛く見えたし、パトリシアの佇まいは美しかったし、デニスは神経質で不気味だった。
終盤少しでてくるビデオ日記でも、表情や動きと口調も完全に何人もの人格を演じ分けていて迫力とリアリティがあった。
女子3人が監禁されてからの足掻きや駆け引きは緊迫感が伝わってきて楽しめた。
最初は3人同じ部屋だったのにバラバラにされて1人で部屋に閉じ込められるなんて絶望感すごいし。
たびたび挟まれるケイシーの過去、叔父から性的含む虐待を受けてるってことでいいのかな。
叔父に銃を向けたとき瞳の色が変わっていたのでケイシーも多重人格なのかなと思い、デニス達とどう絡んでいくのか楽しみだったんだけど特に変わりなかったのが残念。
24人目の「ビースト」が覚醒して2人を喰うのは面白いんだけど、ビーストの外見が意外と普通だったり超人的な能力がそこまでズバ抜けて表現されてなかったのは残念。
ケビンのフルネームを叫んだだけですぐ大人しくなったのには笑った。
最後にまた謎の伏線を残して終わるし面白かったのにちょっと急に置いてけぼりくらった感がすごい。
続編らしき映画が2019年公開だそうで、次はケビンVSケイシーの濃厚な絡みを楽しみにしてまかヴォイ。
傑作??駄作??
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