グレートウォールのレビュー・感想・評価
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万里の防衛線
レンタルDVDで鑑賞(吹替)。
最近怪獣映画を手掛けているレジェンダリー、最高。中国の映画会社に買収されたことに難色を示す声もありますが、キャストが国際色豊かになったり、個人的には好印象です。
本作もしかり。しかも歴史物と云うのが良い。中国の歴史物なのに何故白人が主人公なのかと云う批判が巻き起こったそうですが、白人を英雄視している内容では無い気が…
万里の長城は怪獣軍団の襲撃を防ぐためにつくられた要塞だった、と云うなんとも興味をそそる設定がお見事。特撮怪獣映画好きの血が否応無しにたぎり、興奮の坩堝でした。
ハリウッド大作に比べて低予算なのは否めませんが、CGで描かれた「饕餮」は凶暴そのもの。怪獣らしいなぁ、と…
人間大なところが恐怖を掻き立てて来ました。軍隊怪獣である点も「ガメラ2」のレギオンみたいで面白かったです。
万里の長城に仕掛けられた数々のカラクリ兵器が素晴らしい限り。「そうくるか!」と観ていて楽しく、興奮しまくり。
中国映画ならではなワイヤーアクションも見どころ。美女部隊が華麗にバンジーを決めるシーンがお気に入りです(笑)。
長城防衛戦や都での市街戦など、迫力の場面が目白押し。絶体絶命の状況下で戦う戦士たちが只管カッコ良かった!
批評的にも興行的にも成功とは言い難い評価を受けた本作ですが、予定調和的なストーリーも、観ていて安定感のある抜群のアクションも、最高の一言。大変面白かったです。
[以降の鑑賞記録]
2023/06/04:Netflix(吹替)
※修正(2023/06/04)
映像美
ダイナミック差や映像美。
兵のスタイリッシュな動きなどは、見てて楽しい。
ただ、ストーリー性は特に感嘆するものはない。
しかし、この手の映画は頭使わなくていいのでこれはこれでいい出来だと思う。
見て損はない。
これでいい。これがいい。
中国×ハリウッド。無駄に壮大。無駄に豪華。
主人公は弓の名手。美人で強い女将軍。憎めない相棒。強キャラに見えてあっさり死ぬ先代将軍。
なんかすごい敵が出てくる。敵は強力にして大量。かと思ったら意外とわかりやすい勝利条件。
あとはもうゴールに向かって一直線。無謀な作戦。無理な展開。無茶な戦い。でもやっぱり無敵の主人公。
何も考えず、晩酌ついでに観ると良い。
大規模で大味な珍作
60年に一度攻めてくる大量の怪物から都を守るために、万里の長城で大量の兵士たちの戦いに、火薬泥棒のマット・デイモンが巻き込まれる物語。
「マッドマックス怒りのデスロード」+「300」+「スターシップ・トゥルーパーズ」って感じ?
「HERO」のチャン・イーモウらしい、大規模で大味な珍作。
でも、嫌いじゃない。
アジア最高の娯楽映画!
Amazonプライムで無料放送をしていたので期待せずに視ました。
感想は、映像がとにかく美しい!
アジア発のアクション映画ですが、映像の美しさや、マットデイモンが主役ということで、ハリウッド映画と言われても信じてしまいます。
女将軍役のジンティアンは本当に綺麗。青い甲冑姿がとても似合っていましたし、手足の動きも美しいです。ジンを見るだけでも本作を見る価値はあると思います笑。今年はパシフィックリムの続編にも出るとのことで楽しみです。
約2時間、難しいことは考えずただアクションを楽しめる映画でした!
禁軍の軍装が美しい
禁軍の軍装が美しい。
色分けされた軍隊が整然と。
方やモンスターも整然と。
モンスターの出現の理由が当時の皇帝の暴虐に帰されていることが、中国らしい。
革命思想の国だね。
こういうモンスター映画にありがちな、大ボス倒すと他も死ぬって設定は無いよな。
個体じゃ無いってことだよね。
今まで自分のためだけに戦ってきた。だがここに来て分かった、“戦う意味”を!
【グレートウォール:おすすめポイント】
1.リン・メイ司令官役の「景甜(ジン・ティエン、1988年7月21日- )、中国の女優、歌手出身)がとにかく美しい!個人的には10年ぶりのヒット!!
2.饕餮(とうてつ)との戦闘シーンは見応えあり!
3.マット・デイモンはやっぱり渋い!
4.アンディ・ラウもカッコイイ!
【グレートウォール:名言名セリフ】
1.ウィリアム・ガリン役マット・デイモンの名言名セリフ
→「誰も信じないから、生き残れた。」
→「今まで自分のためだけに戦ってきた。だがここに来て分かった。“戦う意味”を。」
2.リン・メイ司令官役ジン・ティエンの名言名セリフ
→「信任(シンレン)が我々の旗。互いに信頼している。いかなる場合も、いかなる時も。」
→「禁軍の兵士は私利私欲では戦わない。大義に命を捧げる。」
チャン・イーモウのファンタジー
昔々の中国、欧州から黒色火薬を盗むためにやってきた男たちがいた。
盗賊に追い詰められ、万里の長城に逃げ込み捕まってしまう。
弓の名手の盗賊(マット・デーモン)が、中国軍の美人隊長(ジン・ティエン)と親しくなってしまう。
そして怪物がもの凄い数で襲いかかってくる。
チャン・イーモウ監督はこれまでの武侠映画もファンタジーみたいなものだが、今回はエンターテインメントに徹している。
まさかのモンスターハンター
ポスターを見て興味があったから見たけど、イメージと全然違う映画だった。まさか、モンスターハンターみたいな感じとは。
その点を踏まえて観るのであれば問題ないかもしれない。悪くはない映画。
■良かった点
・CGや登場する人数に手が凝っている。
・ストーリーがシンプルで分かりやすい。
■残念だった点
・これ、モンスターハンターみたいな感じって点。(勝手な)イメージと大きく違った。
モンスターハンター
ストーリーはさておき、ありとあらゆる中世の中華兵器とシチュエーションを使ってバトルしまくる!
万里の長城ということでヒストリックなのかなと思ったけどそんなことはなかった。ボスラッシュに継ぐボスラッシュで爽快アクション!
映像娯楽、い~~もぅ!
チャン・イーモウが俳優としての経験を踏まえた上でオーディエンスに魅せたいアクションというものが観れた気がした。万里の長城でこんなに破壊を伴いながらガンガン闘うなんて、壮大というか、豪華過ぎる!(笑)歴史好きには楽しめる映像娯楽作品。
色鮮やかな蒼の甲冑もきらびやかな中国ならではの王宮衣装もすごく素敵。黒髪のきりりとした顔立ちで禁軍の将軍に上り詰める女将軍もベタ過ぎるんだけど(しかもややツンデレ!)、これがまた可愛いんですな~。RPGに出てきそうな武器庫など、厨二心を存分にくすぐる要素もちりばめられている。
饕餮のCGが杜撰で動きも大味だなぁ という思いはあったが、アジアの歴史アクションってなぜかそういうところにすんなりと目をつぶれるから不思議。饕餮なんてキャラクター?としては凄く肝心なところなのに…。
頭のヒラヒラを広げて仲間と意思疎通しようとするとこはちょっと可愛かった。
最後の最後までアクションシーンに一切気を抜かない勢いがあって楽しめた。火薬つけた饕餮に弓を放つも何度もペシペシはねのけられるシーンが特に好き。
ストーリー展開は凄く単純で、むしろやや単純過ぎるというかそもそも練ろうとしてないでしょ?アクション撮りたかっただけでしょ?くらいのものなので映像以上の要素を求めて観たら多分つまらない部類に入ってしまうと思う。ウィレム・デフォーの役どころはたぶん不要だったかな。
レジェンダリーピクチャーズ大丈夫か?
視聴:1回目
推薦:脳ミソが疲れてるけども何か映画見たい時
感想:レジェンダリーピクチャーズを買収したあとは金に物を言わせて作ってきてるけど、この映画はその最たるもの。質がどんどん落ちてますよ。おバカムービーとしては金かかりすぎ映画でマット・デイモンもよく出たなという代物。ヒロインの人をレジェンダリーは推していきたいんだなぁと思いながら観てました。300でのカッコイイ盾戦術ををモンスターがやってみたらこんな感じとかネタを転用してる感じが目につきました。槍戦術はぶっ飛んでて良かったですが。2回は見ないかなぁ。
(´⊙ω⊙`)
万里の長城の成り立ちの話かとおもいきや…!!
マット・デイモンがチャン・イーモウ監督のファンだから実現した作品だと、どこかで聞いた気がしますがまさかこんな内容(ジャンル)だったとは!
近くの映画館出で上映していなかったのでレンタルまで待ちましたが、劇場で観ていたらひっくり返っていたかも…(笑)
マットはきっと、いろいろなジャンル、いろいろな役柄にと、重宝されるアクターなんだなぁ〜
センスのない俺様プロパガンダ映画
最近Blu-ray化されたので1つレビューしたい。
この物語の時代背景は宋代らしい。
ちょっと歴史をかじった人間ならこの時代に万里の長城を越えて攻め寄せてくる敵は1つしか思い浮かばない。
後にラストエンペラーで有名な「清」と同じ民族の満州族である。
当時は「女直」とか「女真」と呼ばれていた。
この映画の趣旨は見え透いている。
漢族の古代の妖怪辞典『山海経(せんがいきょう)』に記載されている饕餮(とうてつ)などという怪物に仮託してはいるものの異民族を撃退する国威発揚映画である。
なお筆者は1年半の北京留学中に万里の長城に5回ほど訪れている。
有名な登り口が数カ所あるが、八達嶺はまさに現代になってほぼコンクリートで固められたものだし、一番綺麗な登り口と言われる司馬台ですら後の王朝の明が基礎を作りさらに清代に補強工事されたものである。
そもそも有名な登り口周辺からちょっと外れるとレンガがなくなって土塊が剥き出しで崩落している無惨な光景になっている所も多かった。
地元の住民たちが家を建てる際にちょうどいいやというのでレンガを持って行ってしまうらしい。
(筆者が行った時よりは今は大分整備されているのかもしれない。)
そんなだから宋代の長城がどんなだったかなんて誰も知らない。ただ1つ言えるのは地平線の先まであんなに綺麗な長城は地球上には存在しないということである。
まあフィクションだからそこはしょうがないか。
さて漢族は四方の異民族をかつて「北狄(ほくてき)」「南蛮」「東夷(とうい)」「西戎(せいじゅう)」と呼称した。
5世紀に編纂された『後漢書』には日本のことが記載されているのだが、これが「東夷伝」である。
さて上記4つを英訳してみよう。「Northern Barbarian」「Southern Barbarian」「Eastern Barbarian」「Western Barbarian」になる。
なんてことはない東西南北の野蛮人という意味である。
古代ギリシャ人も自分たち以外は「バルバロイ」という蔑称を使ったが似たようなものである。
それ以降の周辺異民族の名前の付け方も、「倭(矮小なやつら=日本)」「匈奴(びくびくしたやつら)」「鮮卑(鮮「すくな」くて卑しい)」など蔑みの意味を含むことが多い。
「朝鮮」の名称も裏では「朝貢(みつぎもの)が鮮(すくな)い」という意味を込めているという。
このような呼称に端的に現れる考え方を華夷思想といい、漢族が世界の中心でそれ以外は蛮族であるという意味になる。
日本も古代は今では同じ民族であっても関東から東は「蝦夷(えぞ、えみし)」という蔑称で呼んでいたし、戦国時代以降幕末期まで西洋人を「南蛮」や「夷狄」「毛唐」「紅毛」と呼んでいたので似たようなものであるが、彼らのように現代においても自国を「中華」と呼ぶほど傲慢ではない。
結局お隣さんは古代から現代まで俺たちが一番偉いという意識から抜けきれていない。
その癖して歴史的には実際の戦争になるとあまり強くない。
はっきり言うと名前負けしている。
古代から現代まで漢族の統一王朝というのは十指に満たない。
始皇帝で有名な「秦」は羌族(きょうぞく)という西方の異民族の王朝である。
秦の前には夏、商、周という漢族の王朝が代々続いていたのだが、周王朝の末期は権威だけの存在になっていて各地方に国家が乱立して日本と同じような戦国時代に突入する。
その時代の末に他国から野蛮な異民族と馬鹿にされていたのをバネにして力をつけ、他の漢族の国家をことごとく滅ぼしてしまったのが秦になる。
秦はお金や長さや重さなどの単位、漢字も統一しているし、無用だ!と言わんばかりにさまざまな本を焼き尽くし、学者を殺しまくっているので、実はこの時点で漢族の文化が結構な割合で一度破壊されてしまった可能性がある。
現在我々が使っている「漢字」も正しくは「秦字」かもしれない。
また遣隋使や遣唐使で有名な「隋」も「唐」も漢族ではなくツングース系の北方騎馬民族の王朝である。
「元」はもちろんモンゴル族の建てた王朝であり、前述したように「清」は満州族の王朝である。
秦から数えて漢族の統一王朝は「漢(前漢、後漢)」「晋」「宋」「明」の4つしかない。
このうち「晋」は三国時代を経て100年ぶりにやっと統一したと思ったらわずか20年で内部分裂して、北方騎馬民族の匈奴につけこまれ、またまた戦国時代に突入してしまう。
本作の時代背景である宋も五代十国という戦国時代を統一したものの西は「西夏」、北は「遼」という異民族におびやかされ、しまいには満州族の建てた王朝の「金」に北半分を奪われてしまう。
かの国の歴史を眺めると可哀想になるくらいに弱い時期が長い。
なお現在まるで漢族の文化のように思われているチャイナドレスも満州族の風習であり、人民服も日本の鉄道員の服装を孫文が真似て作らせたものである。
さすがに現在は長城以北の満州族の土地も国の一部になっているのでまさか満州族と戦うわけにもいかず、南モンゴルも国の一部になっているしで、表面上は北方異民族と戦えないので苦肉の策として怪物と戦う設定にしたのが見え見えである。
本作もファンタジー映画に分類できるだろうが、プロパガンダ色が強すぎるのと、「中華」という自意識が強過ぎて柔軟な発想に欠けていてセンスがない。
マット・デイモンが演じる西洋人が漢族に感動して「自分はこのために生きてきた」と彼らのために命を捨てるのを決意するシーンなど、あり得ないほどのあまりの純真なデイモンに鼻で笑ってしまった。
どれだけ自国万歳なんだ!
また1点、本作序盤でデイモンらを追う山賊が、テロを起こすという理由で弾圧されているウイグル族のように見えるのも気になる。
唯一良いのは映像だけだが、正直CGも見慣れてきているので他の作品に比べて特段優れているとまで言いがたい。
本作の監督である張芸謀(チャン・イーモウ)は過去に日本未公開の『金陵十三釵』という反日映画も監督している。
いわゆる「南京大虐殺」を扱った映画で、主演はクリスチャン・ベールである。手口は本作といっしょである。
筆者は張が武侠作品である『HERO』や『LOVERS』を監督した当たりから、ん?と思い始めたが、今や彼の作品からは魂を感じない。もしくは体制擁護に回ったために描きたいもののお茶を濁さざるを得なくなっているように感じる。
確かに監督術などの技術は向上しているのかもしれないが、せっかくの張の才能が無駄使いされている。
彼の過去の監督作品には本当に素晴らしい映画がたくさんある。
『紅いコーリャン』『あの子を探して』『初恋のきた道』、 中でも『活きる』は最高である。家族が時代に翻弄されながらも肩を寄せ合って生きて行く姿を描いた感動作である。
共産党批判と取られかねず過去には本国で上映禁止になっていたなど、そんな背景に関係なく本当に素晴らしい映画である。
本作のようなこんな駄作を観るのではなく是非張の過去の監督作品を観てほしい!
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