メッセージのレビュー・感想・評価
全682件中、621~640件目を表示
うまい
どの視点で観るかで評価が分かれる映画
原題はARRIVAL
邦題はメッセージ
この違いだけでも観点が異なる。前者は宇宙人の介入による地球平和、後者は宇宙人の言語の意味に注目している。
SFによくある宇宙介入による地球破壊を望めば、本作はあまりに地味であり、期待はずれだろう。
また相対性理論やワームホール、宇宙理論も出てこないので、そういったSFを望んでも肩透かしを喰らう。
これは、宇宙人が、破壊されゆく地球に救世主的な役割を果たすリアリティのあるSFであり、「言語」が地球破壊や地球平和をもたらす「武器」になるという深いメッセージが述べられている。「言語(言葉)」が世界を一つにする、というのは、少し考え込んでしまうような内容である。
またこの宇宙人の言語には時制がないため、過去も未来も全て現在形で表現される(らしい)。そのためか、この作品は現在も未来(過去)も並列で描かれる。主人公のHANNAHという子供の名前は後ろから読んでも同じ、というシーンが何度か出てくるが、過去も未来も同じ、よって時間が存在しない、という老荘思想的な時間論を描く手助けをしている。未来を透徹した目を持つ者(ルイーズ)だけがわかる世界なのだろうか。
相変わらず、最近のSFは米国と中国の一騎打ちであり、日本は蚊帳の外である。チャイナマネーなくして成り立たなくなったハリウッドの今が悲しい。
人間の未来は
邦題『メッセージ』より原作の短編『あなたの人生の物語』と言う方がしっくりくる。
SF映画では久しぶりに面白い映画だった。
SF好きならアーサーCクラークの名作『幼年期の終わり』『2001年宇宙の旅』をイメージするかもしれない。
柿の種の様な謎の存在が突然世界各地に現れる。
これはいったい何だと世界が騒ぎ出す。
ここまではベタなファーストコンタクトSF映画。
そして主人公の過去の娘を失った事への悲しみの映像から始まるともしかしてタルコフスキーの『惑星ソラリス』と近いのかと思いながら見出すが途中ではたと気付く。
なるほどと!
SF映画でたくさん描かれてきてる異星人とのファーストコンタクト物。
描き方を失敗すれば二番煎じだとか言われかねない。
エイリアンとのコンタクト方法もエイリアンの造形(タコ足宇宙人)もご愛嬌というところ。
しかしこのエッセンスを映像としてここまで見せてくれるのは監督の才能ですね。
書のような異星人の文字は中塚翠涛さんの書を思い浮かべた。
柿の種型の宇宙船?も2001年宇宙の旅のモノリスのようだったし過去のSF映画のオマージュもある気もしますね。
彼等は何故地球にきたのか?
そして何を伝えたいのか?
人間たちはとういう行動を起こすのか?
彼等と出会ったことで人間たちはどう変わって行くのかと想像は膨らむ。
昨今のSF映画は派手なCGとドンパチで食傷気味だったが久しぶりにじっくり見られる映画でよかった。
また監督のドゥニ・ヴィルヌーヴはこれこら公開予定の『ブレードランナー2049』も監督しておりこちらもいまから楽しみだ。
"ばかうけ"からのメッセージ
「メッセージ」字幕版で鑑賞。
*概要*
ある日、突如として地球上に降り立った巨大な球体型宇宙船。言語学者のルイーズは、謎の知的生命体との意思疎通をはかる役目を担うこととなり、“彼ら”が人類に何を伝えようとしているのかを探っていく。
*主演*
エイミー・アダムス
ジェレミー・レナー
*感想*
開始早々、冒頭から独特の雰囲気で、何度も睡魔に襲われましたw
感想は、まぁまぁでした。そんなに面白くはなかったです。
あの物体はどこから来たのか、なぜやってきたのか、言語学者ルイーズが解き明かすのです。劇中に何度かルイーズの頭の中でフラッシュバックが起こるのですが、その意味が後半になると分かるのですけど、まだ少し解らない部分があったので、1回観ただけじゃわからないです。もう1回観れば分かるかな。。(^^;
あと豪華キャストの演技、落ち着いた雰囲気、BGMが素晴らしかったです。(^^)
監督曰く、あの物体のモデルが日本のお菓子"ばかうけ"だったらしいですね。正直、驚きましたw
何度も眠たくなりましたけど、、色々と考えさせられる作品でした。\(^^)/
武器を提供
未来が見えてしまう主人公ですが、それでも前に進んでいこうというシーンはとても素敵でした。理解不能な宇宙人の文字をみるみる解読していく主人公を見て、言語学者の凄さも分かりました。
話が進んでいくにつれて、これからどういう展開になっていくのかが気になってくるので、飽きることはありませんでした。楽しめた。
噛めば噛むほど空想が膨らむ、これこそSFだ。ドゥニ・ビルヌーブの演出力の勝利
アカデミー賞では作品賞や監督賞を含む、6部門もノミネートされながら、音響効果賞の1冠だけ。いつも通りのSF作品への”シオ(塩)対応”だが、世界的に大ヒットしたSFの新機軸である。
原作は、中国系アメリカ人テッド・チャンの短編小説、「あなたの人生の物語」(Story of Your Life)。テッド・チャンは本業がテクニカルライターなので、25年を超えるキャリアで20作品に満たない超寡作主義のSF作家である。短編ばかりなのだが、すべてがハイレベルいう創作の天才でもある。
しかし、この原作はいったいどうやって映画化するんだ?って感じの代物。言語学という切り口でエイリアンとコミュニケーションするという難解な内容を持ち、その言語学の話が、物理学を勉強した人でないと知らない。"ラグランジュ力学"というものを使った話なのである。また、7本足(ヘプタポッド)のタコ型のエイリアンって、造形としては昭和世代に懐かしい古いタイプの宇宙人だ。宇宙戦争でもなく、人間 VS エイリアンでもない。映像化するにもジミな風景しか浮かんでこない。
これは監督ドゥニ・ビルヌーブの演出力の勝利なのだ。地球へ襲来してくる宇宙船の造形や数、地球側の各国政府や軍隊の対応、そのエイリアンとのコンタクト方法、すべて映画オリジナルである。タイトルも"Story of Your Life(あなたの人生の物語)"でなく、"Arrival(到来・出現)"であって、つまり小説の実写化ではなく、完全な映像リメイク版といっていいだろう。しかし原作の”いいところ”を推し量ることができるようになっている。このドゥニ・ビルヌーブ監督が、今年秋の話題作「ブレードランナー 2049」(名作の続編)に抜擢されたことに、心がときめく。
とはいえ、原作のエッセンスを知っていたほうが理解は早い。「あなたの人生の物語」はそのタイトル通り、"あなた(You)"=2人称で書かれている。まだ生まれていない”わたし”の娘”あなた”に対して語りかける。つまり未来を予言するようなSFなのである。エイリアンとの遭遇によって、未来を理解する能力を得てしまった博士の話。ここを押さえて観れば、いろいろ分かってくる。
それにしても人間の概念と、宇宙人の概念が違うという局面を理解するのは、アタマの固い人、常識にとらわれすぎの人には難解だろう。あなたはどうでしたか? 2度観たほうが、より理解は進むかもしれない。
もしかして未来に生まれる娘は、遺伝的または後天的に、博士の予知能力を得てしまっているのかなぁ…なんて考え始めると、噛めば噛むほど空想が膨らんでいく。これこそSFだ。すごく面白い。
(2017/5/19/TOHOシネマズ日本橋/シネスコ/字幕:チオキ真理)
催眠術にかけられたような(_ _).。o○
SFか…ドラマか…
ハズレ
とても好き
知的なSF作品
柿の種
世界中12箇所に現れた宇宙人とコミュニケーションをとり、地球にやってきた目的を探るアメリカ代表言語学者チームの話。
予告編やCMで宇宙人を題材にしたコミュニケーションを図ろうとするマジメで硬いドラマという情報と印象のみ持って鑑賞。
序盤で登場したアメリカ軍人の横柄さにこのパターンかと思いつつも、ちょいちょい差し込まれる子供とのやり取りとも交じり合いどう展開するか期待したが…進行上仕方ない処もあるけれど遅々として進まず謎解き的な面白さもない言葉と文字の解析に眠くなってくる。
軍の方向性と主人公の立ち位置は案の定、宇宙人とのやり取りとリンクする子供とのやり取りのカットが徐々に増えてきて…問題が起きた後唐突に会話が成り立ち始めて、ってなんだそりゃ。非ゼロ和ゲームとか説明的過ぎるしどんな会話だよ。さらには3000年云々言い始めてげんなり。
最後もぼんやり、取り敢えず皆仲良くね。
伝えたいことがある上に知的であろう筈の宇宙人の伝達手段や見た目のチープさとかは目を瞑るとして、ワクワク感もハラハラも感動も衝撃もなくてふ~んという感じ。
風呂敷広げすぎ?
未知の言語を解読する先に何があるのかと思いきや…えーそんなこと?!
哲学的とかなんとか触れ込みもあるようだが、特に思索的でもないし複雑な話だとも思わなかった。
時制のない言語を覚えたら、未来予知までできるようになる、ってさすがに無理があるんじゃないでしょうか?笑
それに天才物理学者の唯一の活躍が、
1/12に気付くだけって…w
作品のメッセージは理解できますが、
イマイチ乗り切れなかったな。
お子さんのいる女性などにはグッとくるのかも?
映像と音響は素晴らしかったです。
最後になるほど!ってなった! 最初の方から?って疑問になる部分もあ...
SF史に名を残すであろう傑作!
素晴らしい映画を観てしまった。
何から話せば良いのだろう。SF黄金期である50年代から現在に至るまで、ありとあらゆる手段、アイデアでSFは私たちに感動と興奮を提供し続けてきた。しかし、近年は画像・映像処理技術の目を見張る進歩にも関わらず、そのアイデアは既視感のあるような、またこれか。というようなものばかりであった。(近年での快作といえば、『インターステラー』『オデッセイ』くらいである。)さらに、尺の問題もある。SFというのはその性質上、2~3時間という限界は、明らかに短すぎるのである。従って、書籍原作のSFは勿論原作の方が楽しめるし、『星を継ぐもの』『幼年期の終り』などのSF界最高傑作らは、映画化不可能と言われたりする(幼年期の終りはドラマ化した。中々良かったので是非観て欲しい。)。
ゆえに、本作品も予告編を見る限り、まさに『幼年期の終り』に酷似しているし、『未知との遭遇』系のストーリーは既に万策尽きている。過去の名作を超えることはできないだろう。そう考えていたのだ。
しかし、本作を観て、震えが止まらなかった。変わった時間の進行のストーリーだが、ヘプタポッドがルイーズに与えた「武器」、これによって全ての伏線が1度にして回収される。ストーリーを中間で折り返し、エンディングとイントロダクションを同時にし、2つのストーリーを同時に追っていく。「武器」はルイーズだけではなく、私たちにも与えられていたのだ...これによって『メメント』を想起させる革新的な時間構成となった。冒頭で亡くなった娘、彼女が意味するところとは。この興奮は是非劇場で味わって欲しい。
ちょっとクセのある理論物理学者、「殻」の人知を超えた神々しさ、重力、ヘプタポッドの期待を裏切らないフォルム、ヘプタポッドと初めて意思の疎通がとれたシーンの美しさ...SFファンが手を叩いて喜ぶ定番要素は勿論全て詰まっている。そしてそれを2時間に上手く収めてきた。
『未知との遭遇』『コンタクト』を超えられない?いやはや、『メッセージ』は今までにないリアリティー、映像技術、そしてアイデアをもってして私たちにSFの本気を叩きつけてきた。これは間違いなくSF史上に残る名作となるはずだ。
これほどの傑作にリアルタイムで出会えたことが本当に嬉しい。これだからSFはやめられないんです!!
観て良かった。心が穏やかになりました。
事前の知識を持たないままスクリーンに臨んだ。初めはワクワクして見入ったが、途中から変わった。結果、宇宙万有の教義を示してるような示唆に富んだ作品だった。決してSFという括りで囲うべきではない、謎は多いがモノリスよりもずっとわかりやすい種型の船。その中には多くの示唆があり、地球外生命体は現れるが決して怖さは感じず、暖かで豊かな奥深さがあった。SFとミステリーと家族と愛と人間のあらゆる側面、そして戦争と平和…シナプスを次々と繋げるストーリー。
〈人間の中に答えがあるのにそれを自らだけでは見つけられない。だから彼らはそれを教えに来た。そもそも戦争は、平和のため、自らを守り強くなるために起こす。それは手段として平和のためにならないことを人間は忘れている。このままでは未来に自らを切り刻む世界戦争が起きるのは明白。だから、それをさせないために、平和に導く方法は、人間の中に既にあるんだ。それを思い出して欲しい。その方法とは、最高の人間の『武器』である言葉なのである。言葉で歪んで捻れた人と人との関係は言葉で修復できるんだよ。未来を見つめ、今、自分達が出来ることをやりなさい。そうすれば、人を痛めつける武器ではなく、平和を希求する言葉を使おう。『未来』と『言葉』。このことを思い出して欲しいから来たんだ〉というメッセージ。
原題のArrivalから題名をメッセージに変えたのは、この映画の本質の主題を表現。なるほど〜でした。観て良かった。大好き。
全682件中、621~640件目を表示