光をくれた人

劇場公開日:

光をくれた人

解説

「ブルーバレンタイン」のデレク・シアンフランス監督が、孤島に流れ着いた赤ん坊を我が子として育てる灯台守夫婦の愛と葛藤を描いたM・L・ステッドマンの小説「海を照らす光」を映画化したヒューマンドラマ。第1次世界大戦後のオーストラリア。孤島ヤヌス・ロックに灯台守として赴任した帰還兵トムは、明るく美しい妻イザベルと幸せな日々を送りはじめる。やがてイザベルはトムの子を身ごもるが、立て続けに流産と死産に見舞われてしまう。そんな矢先、男性の死体と生後間もない赤ん坊を乗せたボートが島に流れ着く。赤ん坊に心を奪われたイザベルは本土に報告しようとするトムを説得し、赤ん坊にルーシーと名付けて我が子として育てはじめるが……。トム役を「それでも夜は明ける」のマイケル・ファスベンダー、イザベル役を「リリーのすべて」のアリシア・ビカンダーがそれぞれ演じる。

2016年製作/133分/G/アメリカ・オーストラリア・ニュージーランド合作
原題または英題:The Light Between Oceans
配給:ファントム・フィルム
劇場公開日:2017年5月26日

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映画レビュー

4.5本年度最高の1本!シアンフランスは裏切らない!妊活中のおっさんはこのメロドラマをこう見た!

2017年5月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

新作が発表されると必ず観に行く監督が3人いる。

ニコラス・ウィンディング・レフン。ドゥニ・ビルヌーブ。デレク・シアンフランス。

レフンの「ネオン・デーモン」でいきなりがっかりし、ビルヌーブの「メッセージ」でさらにがっかりした。後者については今年のワーストにしてしまいたいくらいだ。

いずれも「らしい」映画だったし、それぞれの持ち味を発揮したものであったのは確かだが、いずれも持ち味発揮が、観客置き去りの表現になっていたことに、その底の浅さにがっかりしたのだ。

そして、デレク・シアンフランス。

日本での「ムーンライト」の公開を早めることで、その煽りを食らって公開延期。ゆえに注目度はかなり低い。だが、「ブルー・バレンタイン」、「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ」続けて大傑作を放った監督である。もはや何の威厳も感じないオスカーの作品に追いやられたこと程度で本作へのオレの関心度は下がるわけがない。

運悪くも?「光」というタイトルがかぶってしまっての日本公開でどこまでもついていない本作だが、このあまのじゃくなおっさんが徹底的に本作を支持する。

はっきり言おう、本年度ナンバー1。

「光をくれた人」




デレク・シアンフランスがメロドラマ?と初めは思ったのは事実だが、先の2本も思い出せば、そうだった。「愛」「夫婦」「親子」の物語だ。

本作のストーリーはとてもベタだ。あまりにもベタだ。だが、その話を美しい絵と3人の役者と丁寧に整理された脚本に感服する。

ここまで堂々と、ベタなメロドラマを、自分のスタンスで観客を楽しませてくれていることは本当にすごいことだ。

以前からのあまりに熱い「人物への寄りの画」がここでもいかんなく発揮。

さらに今回は舞台が舞台だけに、自然の美しさが加わり、特にその引きの画が本当に素晴らしい。岬の灯台、地平線、船を旋回するカメラ。

音響効果もとてもよく、常に鳴り響く風と波の音のなかでもセリフはよく聞こえる。

役者については、3人みんな素晴らしいが、特にファスベンダー。序盤の孤独な姿、中盤の笑顔、後半の決意の顔。

ビカンダーも「幼な妻」感がとっても良く、感情的に行動する姿がかわいくも、とても危うく、だが愛おしい。

ワイズのほうもこちらは「若い旦那」との恋に生き、ヒステリックになりがちな役を抑えて好演。

だが、本作を忘れがたい1本になっている理由としては、タイミングが、私ごとながら、妊活中である、ということもとても大きいかもしれない。

ここで他の作品のネタバレをするわけにもいかないが、「メッセージ」のあのラストには絶対に考えられないのはそのためもあるかもしれない。

だが、そんな私的なことを除いても、本作の映画の「力」は圧倒的である。レフン、ビルヌーブが「こざかし」く見えるほど。

追記

ファスベンダーの行動に疑問を抱く人もいるかもしれない。だが彼は失ってきた人、奪ってきた人なのだ。そしてラストでわかるように、結果「与えてきた」人なのであるゆえ、「赦し」を得た人なのだ。

そう、それはファスベンダーだけでなく、主要人物3人とワイズの夫と父親も含め、みんなそうなのだ。

だから、あのラストは必要であり、死ぬほど泣けてしまうのである。

「光をくれた人」

良き邦題。

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しんざん

3.5主演二人の間で交わされる濃密な空気はやはり健在

2017年5月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

「ブルー・バレンタイン」や「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ」で夫婦間、そして父子のクロニクルを描いてきたシアンフランス監督が初めて挑む原作物にして、初時代劇、初のドリームワークス作品。これほど初めてづくしながら、演技の域を超えた親密さを生み出す彼独自の演出法は健在だ。6週間にわたる共同生活や、ごく少数のスタッフだけで行った撮影などによって、ファスベンダーとヴィキャンデルの間には見事なまでの信頼感と濃厚な空気が醸成されるに至っている。彼らにレイチェル・ワイズを加えた3人の登場人物は誰もが光を失う悲しみを知っている者たちだ。それぞれの思いの中で胸が張り裂けそうになりながらも、「たった一度の許し」をめぐって下されるそれぞれの決断。二つの海がぶつかり合う過酷な環境下で描かれる力強いラブストーリーであると共に、世代を超えたクロニクルという側面も垣間見え、シアンフランスの力作に仕上がっている。

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牛津厚信

5.0愛とは欠点をゆるすこと

2023年12月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい映画、若い人ほど理解しがたいかも。
この映画は極限まで追い詰められた人が自分の欲に負けて過ちを犯しますが、私は気持ちが分からなくもないから、評価も難しく簡単にレビューできずにいました。

私も子供は結婚すればできると思ってたらそうでもなくて。
一人目は心拍確認後にお別れ、パートも辞めて半ばうつ気味になりかけましたがホットヨガに出会い回復し1年半後にまたパートに出ます、2回目の妊娠。2回目は出産までいきましたが常に不安でした。

うまくいかず自暴自棄になりかけた頃に、旦那からまじめな顔で養子をもらおうとか言われました(旦那は他人の子でも愛せる人だとは思う)。でも日本の養子縁組は要件のハードル高くて色々と難しかった。

昔、銀行のCDにお金を忘れた人がいて次に使った人が持って帰り、それが防犯カメラに写っていて泥棒になった事件があったけど、お金に困ってたら自分だってやってしまうかも。子供にはウソはばれるからつかないこと、誰もいないところで金目のものを拾っても盗らずに警察にとどけるか、見なかったことにして触らないかのどちらかにするようにと言っていますが、戦時中に食べるの無くてリンゴ落ちてたら食べるよね。

極限状態はその人により同じ条件でも違ってくるから一概に非難できない。それに人って欠点あるじゃない誰でも。それ考えるとレビューが難しくて書けませんでした。お涙頂戴的な映画に一見すると見える映画だけど、人間の持っている不完全さを描いたように感じました。

昔見た映画で奥さんのどこが良いのか?との質問に、「欠点を許してくれる」と答えた旦那がいて、その台詞が忘れられない。

この映画のテーマもそこにあるのかな。相手の欠点をどこまで許せるか。
灯台の旦那は奥さんの欠点も含めて愛していたのだろうね、冷静な判断ができればもっと良かったのでしょうけど、旦那自身も追い詰められ極限状態だったのでしょうね。

実母の旦那の言葉もまた良かった。私も許せる人になりたいと強く思う。

人間の弱さと、おろかだからこそ愛しいのではないか、許せる人は強いなと、色々考えさせられる映画でした。リアルでもネットでも誹謗中傷する人ほど脆く危うい感じがする、許すことは強くないとできないからね。

ラスト手紙も含め必見です。

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ころん

2.0光の描写がとても綺麗な映画。中身はない。

2023年9月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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Oliver