花戦さ

劇場公開日:

花戦さ

解説

野村萬斎が、戦国時代に実在した池坊専好という京都の花僧に扮し、天下人である豊臣秀吉に専好が単身立ち向かう姿を描いたエンタテインメント時代劇。織田信長が本能寺で倒れ、天下人が豊臣秀吉へと引き継がれた16世紀後半。戦乱の時代は終わりを告げようとしていたが、秀吉による圧政は次第に人々を苦しめていた。そんな中、町衆の先頭に立った花僧の池坊専好は、花の美しさを武器に秀吉に戦いを挑んでいった。萬斎が池坊専好を演じるほか、豊臣秀吉役に市川猿之助、織田信長役に中井貴一、前田利家役に佐々木蔵之介、千利休役に佐藤浩市と、豪華な役者陣が顔を揃える。

2017年製作/127分/G/日本
配給:東映
劇場公開日:2017年6月3日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第41回 日本アカデミー賞(2018年)

ノミネート

最優秀作品賞  
最優秀監督賞 篠原哲雄
最優秀脚本賞 森下佳子
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(C)2017「花戦さ」製作委員会

映画レビュー

3.5独裁者の暴走を止めるのは庶民の教養だ!!

2017年6月11日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

怖い

己の野望のために人命を軽んじる戦国の武将、信長に、命あるものの尊さを以て対峙しようとした華道界のレジェンド、池坊専好の、文字通り命がけの戦いは、改めて華道の奥義というものを我々に教えてくれる。生け花独特の時に大仰にも感じる表現が、実は限りある植物のはかなさと、だからこそ生まれる力強さの証明だと気づかされるからだ。野村萬斎の個性が専好の飄々としてユーモラスな佇まいとマッチしている。狂言と華道の融合とでも言おうか。それにしても「花戦さ」とは美しくも生々しいタイトルだ。"独裁者の暴走を阻止できるのは、庶民の教養とユーモア以外の何ものでもない"という映画のメッセージは、恐らく作り手の思惑を大きく超えて、今を生きる日本人の心に深く突き刺さるだろうから。

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清藤秀人

4.0喜劇の体をとりつつも、日本の美意識をしっかり映像化

2017年6月10日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

楽しい

狂言師の野村萬斎が主役というだけあって、上品なドタバタ喜劇の体裁でストーリーが進む。その一方で、花を生けるというソフトな表現手段で権力の横暴に対抗する、そんな「和の心」が後半の展開を牽引する。喜劇だからといってけっして終始騒々しいわけではなく、花を生けたり茶をたてたりするシーンではきちんと静謐な時間が流れる。

もちろん、華道家元の池坊が協力した生け花の数々を作中で楽しめるほか、利休庵で深い光沢を放つ漆の黒、素朴な味の陶器など、日本の美意識がわかりやすく映像化された印象だ。

往年のチャンバラ時代劇に馴染んだ世代には、花をもって天下人を制すというコンセプトは物足りないかもしれない。それでも、いわば「草食系ヒーロー」のコメディーとして、今の時代感覚に合う快作だと思う。

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高森 郁哉

4.0京・頂法寺の花僧・池坊専好の話

2024年11月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

感想

私は華道や茶道を詳しくは知らない。しかしその道は其々に深淵で極致としての終わりは無い。だからこそその道の世界は素晴らしいのだという。侘びと寂び。この感性を受け入れて自身で解釈しないとこの作品の感想は語れないと感じる。

茶人千利休との交流を通じるうちに専好は悟る。
茶の道は束の間。茶は飲み干したら後には何も残らない。飲み干すまでの束の間である。しかしその束の間こそが活(生)きるという事。活きると生きるを掛け合わせる事で人の生き方、人生の活かし方を知るー。

華道はまさしく花の道。自然の野に咲く木花を活けるとは束の間の花や人の活き(生き)方を考え感じる事。束の間とは人の道、言うなれば人生の生き(活き)方と通じるものがあるー。茶も花も人も道の考え方は同じである。人の生き方により、茶も花もその活かし方は変わるはず。

自分の生き方を生け(活け)るものにしようとした人とその人に関わり、心を活かそうとした人々の話。専好の利休と悩みを分かち合った貴重な時間。利休亡き後その四十九日に六角堂に専好をはじめ多くの市井の人々が供養の為立花した話が感動し涙を誘う。無人斎道有の娘、蓮の話なども興味深く、さらに前田利家邸での秀吉との対面により奉納された立花と無人斎筆と思しき墨絵を通じて、(実際は長谷川等伯筆「枯木猿猴図(こぼくえんこうず)」という猿を描いた墨絵を利家の子、前田利長が所有していたという。等伯と無人斎との関係は不明。秀吉が無人斎に自分の肖像画を依頼したが、洒落で猿猴図を奉納した為、無人斎を忌み嫌い無人斎を抹殺。絵図は徹底的に排除されたという。)侘び寂び本来の美意識とは何なのか。千利休が茶を通じて説いた人の道とは何ぞやということを秀吉自ら再意識する話が感動する。

脚本・演出◎
実話と相まった骨太な話の展開。素晴らしい脚本。
視線と凝視のアップ描写がその人物が想いを馳せている内容に観ている者の気持ちをも掻き立てられ想像させる演出手法となっていて素晴らしい。

配役
出演者の皆様の演技は素晴らしい。
特に専好役の野村萬斎氏の演技は秀逸。

⭐️4

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Moi

2.5淡々と

2021年10月16日
スマートフォンから投稿

カバー写真から喜劇の様な物語かと思ったら、戦国時代の僧侶、茶人、武士の淡々とした静かな戦さ。
お花は美しく、うっとりと魅了されました。
ストーリーは淡々としており退屈でしたが、野村萬斎なので見れる映画でした。

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wataridori76