愚行録のレビュー・感想・評価
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みんな壊れてる
みつこさんが不幸なことに
美しかったことですね。
あーはなりたくないなって思いましたよ。
親にも知人にも利用されて利用されまくって相手にされなくなるみつこが可哀想すぎて。そして兄も闇が深かったとても。
田向と同僚のやったやった!あいつエロかっただろ?とか付き合ってるつもりでいるみたいあっちは。みたいな
やけにリアルなシーンもあって
でもちゃっかり美人と結婚してて、、、
まぁあーゆう殺され方は自業自得だと思う
とにかくイヤミスだなぁておもった
決してストーリーはハッピーエンドではなく、上映中ずっと鑑賞している...
決してストーリーはハッピーエンドではなく、上映中ずっと鑑賞している方を重くるしい気分にさせてしまう映画です。週刊誌記者がある一家殺人事件の犯人像を追う中で出会う人々に聞かされる過去の出来事、その中で起こる人間のとても嫌な心の側面、、、嫉妬、怨恨、疑心、恐怖、不義、虚偽、、、が露呈されていくことになります。これに鑑賞している方は少しずつ引き込まれていくことになるでしょう。
渦もしくは禍
温度がない…。
どこか虚ろで、どこか流れてて、そこはかとかく諦めてて、早く終わりだと告げてくれと懇願するかのようで…。
真綿で首を絞められるかのように、ジワジワと逃げ場を無くされていくような…何かに侵食されていく…袋小路から抜けだせず、歩きだした先には意地の悪い迷路が広がっているような…。
結果的に公式な記録には、何一つ残っているわけではない。
彼や彼女がやった事柄は、記憶にだけ刻まれている…。
自分だけが知っている罪。
ただ、何というか…性善説を説くわけではないのだが、環境のような渦の存在を否定はできない。
映画の内容を省みるに、登場する人物、台詞を喋る人達全てが、無意識な悪意を孕んでいるようにも見えたりする。
ただ、だからといってそれを回避する術などないように思う。
と…まあ、こういう類の話が好きな方は、好きなのであろう。
俺なんかは、なんでこんな暗い話を金払ってまで観させられなきゃならないんだと、理不尽な怒りに苛まれる。
とはいえ…やはり、両主役ので演技たるや見事なもので、とくに満島さんの独白などは…何が憑依してるんだと思ってしまう。
小出さんの、無責任な青年も良かったなあ。
地なのかと思う程、マッチしてたなあ。
後、音楽が好きだった。
語弊があるな。
音楽の雰囲気と、入るタイミングが好きだった。
そして、満島さんに纏わりつく「手」が、不気味で良かったなあ。
不安だったり、目に見えないモノなんだろうけど、それを「手」として表現してたのが、なんとも言えず…全ては人の所業で、人から意思を持って発信されるモノなのだと言われているようであった。
カースト社会
ロバート秋山のクリエイターズ・ファイルばりに、どっかで見たことある、キャラの濃い登場人物たち。
そして一皮むいたらやな奴ばっかりが次々に出てくる。
んだけど、そいつらも生きるため、自分を守るため、自分の欲を満たすため、に必死なので、身勝手さも含めて滑稽で、人間くさくて、憎めない。
上流社会に憧れてもがく。しがみつきたくてもがく。それってそんなにいいもの?とか口では言いつつ嫉妬でもがく。
そんな彼らを客観的に観ている自分は、あたかも神が地上を憐れみをもって眺めているようなつもりでいたけど、見終わってからも、私はそっち(もがく)側にはいないよな?大丈夫だよな?とそら恐ろしくもなる。
途中までは主人公と同じ目線にいたはずなんだけど、、途中からは意外な展開で突き放される。
俳優が皆うまい。
妻夫木、満島、小出は安定の演技。
小生意気な臼田あさみが可愛くて、好きになりました。
後半に向けて...
性善説を信じる大人にはズシンと腹に来る映画である。擦れているのか、個人的感想は「こんなもんだ」であった。哀しいが。
愚行者達はあくまでも一見善人に見せかけた仮面をかぶっている。それが社会に溶け込む為の暗黙の掟である。
そんな愚行者達の中で生き抜かなければならないのが人間社会の正体であると思う。誰も守ってなんかくれない。身を守るためには自衛しかないのである。
田中兄弟はその自衛行為を自身の手で行ったのだ。ただそれだけだ。
自衛の手段は人それぞれだ。一家惨殺事件で犠牲となった田向夫妻にしても本質的には同じなのだ。関係を持ってしまった職場の同僚と手を切るための自衛行為。内部生に混じって自分の立ち位置を死守するための自衛行為。
人の犠牲の上に人の自衛行為は成り立っている。自分がその場所を死守するためには蹴落とされる誰かがいる。必然的に。そしてそれは、善人然としていればしているほどスムーズに行われる。蹴落とされた人間は蹴落とした人間からは記憶にも残らない。しかし逆はーーー。
そんな重い内容を考えさせる内容だっただけに、もっと田中兄弟に感情移入して鑑賞に浸りたかった、というのが正直なところ。より耐え難い孤独を感じたかった。努力しても育った環境には逆らえない、という絶望を肌で感じたかった。後半のクライマックスに向かうにつれて、なんだか細かい部分が気になり、少し冷静になったのである。
大学に行くための時頭のよさとか、大学の諸々の費用とか、例の撲殺シーンの軽さとか。
大学に受かり、親との決別を確信する喜びの絶頂から転落していく迄にも様々な葛藤があっただろうし、夏原さんへの憧れもそんな葛藤のシーンがあればより引き立つ気もする。
育った環境の「隠と陽」が影のようにぬるぬると障害付き纏う恐怖と言ったら。
鳥肌と冷や汗
満島ひかりの独白シーンは本当に怖かった。
肋骨の音とかの下りの時、冷や汗がでました。
人を刺した事がある人間の語りのようで
その演技力に圧巻でした。
大学の性悪マドンナと、女を踏み躙りながら
エリートコースを歩もうとする男と
その恐ろしい遺伝子を持つ子供の息も止めた
妹にそりゃそうなっておかしくないよって
少し同情した。けど最後の落ちに驚いたね
物語主旨はいいが映画化にもうちょっと工夫して欲しい
「たくさんの選択から必ず一番いい選択肢をして、その後努力を惜しまない。」
一見すると何の問題もないポジティブな話だけだけど、実は裏がある。
田向だけじゃなく、よこから見れば人みんな問題を抱えてる。すなわち人間ってのは愚か者だ。
この映画は田中のインタービューを通じ、様々に関係し合っている人々のストーリーを語る。
日本小説や映画にこういう心理的犯罪的暗い映画がたくさんありつつ、この物語もまた色々見た人に考えさせる。
単に物語には4.0点だろう。
が、見終わった後、何だかたくさんの話が散らかっちゃって、整理しようとしてもまた順序的に混乱状態に陥る。
確かに小説のこういう感じの内容を映画化するのも難点あるだろうと。
だがこの映画は形式上見飽きやすい部分もあり、なんか見てインパクトが残りにくいというか..
例えば、時空間の断片化はしすぎる!シーンの転換/場所の転換のため違和感のあるカット数が多くて「雑!」の感じにもかかわらず、何度も人物の後ろ姿を映ってからショットをカットする。三回以上だと思う。しかもその後ろ姿の保つ時間も中途半端な感じで、何となく気持ちよくないんだなあー
カメラの揺れで単一類型のシーンを表現することも多すぎる。
それに俳優の演技はとてもよかったがこれ以上感情を出せるなんじゃないかなーと。唯一小出恵介の演じた役はクズで良かったが、大学生を演じるなんてちょっと無理かも!あるいは外形にもっと工夫したら?
最後音楽もとにかく暗くて存在感なし。
誰の目線からみても人間の嫌な部分が顕著に現れる映画。登場人物はみん...
誰の目線からみても人間の嫌な部分が顕著に現れる映画。登場人物はみんな愚かだが、なにかと共感できる部分もある。自分のの引き出しのどこかに必ず眠っている気持ちを掘り起こさせる感じ。嫉妬とか羨望とかって、人をどこまでも狂わせるんだなあと改めて。世間から見たらなんでも出来る人であってもその気持ちは必ずある。人が誰のどこに嫉妬し羨望するかなんて人それぞれだなあって思った。
突き付けられる人間の性
序盤のバスのシーン。上から目線で「席を譲れ」と命令する男に対して、言われるがまま席を譲りつつも脚が悪いという芝居をした男。「賢いやり返し方だな〜」と思った私もまた愚行者なのだろうか。いや。この映画で繰り広げられる大小さまざまな愚行には、大抵の人が自分と重なる部分を感じるのではないだろうか。だって人間だもの。
主人公の雑誌記者が事件の関係者に取材をする事で、次第に事件の真相が明るみになっていくという展開。なるほど、映画を観ている人も主人公と同じ感覚が味わえるのか〜と思っていたら、な〜んだ。主人公は全てを知った上で取材してたって事なのね?ラストのバスのシーン。証拠隠滅という目的を果たし終えた主人公は、序盤の同じシーンような愚行を犯さない。なるほどね。まんまと騙されました。
怒り セブンの意図的に画像を落とす等演出はよかったのだが
いきなり本編からで観てる側で考えながら追って下さいと言った感じのテンポの遅く個々の回想シーンが解説もなく前後言葉だけでエロシーングロは皆無R指定になるようなシーンが無かったのが物足りないし迫力に欠けた面も!!
話は胸糞だけど
いわゆる後味悪いいやーな話だけど、なーんかこれ、しゃれてる。え?そこで無音で引きなの?いーじゃん!あ、終わりそう、ここで終わって欲しいな、説明しないで欲しいな敢えて・・・終わるじゃん!いいじゃんか!
さり気ない伏線は全て回収されて、でもわざとらしさが一切なくて、しかしわかりにくさもない。冒頭のバス内のシーンのエピソードにテーマの全てがあるっていう、そういうのって好きだし。話は超絶胸糞悪いくせにとても気持ちのよい映画でした。(流れとか、色とか、少ない言葉、など、細部の中に全てがある)
「わたし、秘密って大好きだから」このキャッチーなセリフがなー、そういうことかよ、あんまりだよ。。。
ひとことひとこと、セリフが魅力的なので、原作本を読みたくなって注文しました。
重たいけど面白い。
「仕掛けられた3度の衝撃」の3度というのは正直どこを言ってるのか分からなかったが、私の中で衝撃は5度ぐらいありました.....いや、冒頭のシーンから騙されました。ほんと気分が悪い。
出演者、皆さん有名で美男美女なはずなのに、登場人物に華はない。みんなそれぞれのドス黒さがあって、グロい訳ではないが、それに似た気持ちになる。
一度は観て損はない映画、そして、色々考えて欲しい。身の回りの愚行録が、実はたくさんあるかもしれない。
DVD借りてもっかいみたい。原作も読みたい。
よかった
妻夫木聡の甘ったるい感じが苦手だったのだが、すっかり渋みと貫禄が出ていい味が出ていた。最初誰だか分からなかったほどであった。
満島ひかりのメンヘラっぽさが真に迫り、本人としても周囲もつらそうだった。あんな大学に行かなければいいし、行ったとしても上層の連中なんか気にしないで過ごしていればよかったのにとしか思えない。あんな嫌な連中の仲間になりたがった時点で残念だ。
登場人物が感じの悪い人物ばっかりでつらかった。いい面と悪い面を誰しももつものだが悪い面ばかりを見させられてしんどい。
重い…
原作が好きだったのと、中村倫也さん目当てで観賞。
冒頭から、重厚な雰囲気にグイグイ引き込まれました。BGMがほぼないため、映画館でポップコーンのガサガサ音が気になるくらい(笑)
予想していた通り、原作に比べ衝撃度は低め(文章ならではの仕掛けがあったから、これは仕方ない)、それでも、映像ならではの細かい人物描写があり、各登場人物の愚かさが、これでもかとばかりに目に映ります。
妻夫木聡&満島ひかりの闇を感じさせる演技はもちろん、中村倫也演じる尾形の軽薄さもとても巧かった。
とにかく、登場人物が全員クズです。なので、結局人間はみな愚かなのだという映画のテーマがとても明確ですね。
白黒はっきりさせたい方にはオススメできないけれど、観るのなら絶対に映画館で。
音や映像にかなりの圧を感じるので、DVDでは魅力が薄れます。
心地よさは皆無。
原作を読んでいないので、終盤に待ち受ける三度の衝撃(真実)に
のけ反った一人である。いや~気持ち悪い。最近ではこの設定を
イヤミスというらしいが、確かによく仕掛けられている。思えば
あのシーン…あ~そういうことなのかと後で振り返れば面白いが、
しかし愚行というからには辟易するまで人間の愚かさを浮き彫り
にしていく展開なので、場面そのものにも心地よさは皆無である。
まず冒頭でグイと掴まれる。映画ファンならすぐ「あ!」と思う
あの名場面がなぜここで…?というあたりから不穏な空気が流出。
主人公の記者・田中の聞き込みに観客の全神経が集中する。また
並行して描かれる田中の妹の告白。これが何を意味しているのか。
なぜこの妹は育児放棄で勾留されているの?という謎もサラッと
解明してしまう衝撃まで、暗くどんよりとグレーがかった色合い
の映像が心まで憂鬱にさせる。あ~早く真犯人が知りたい!誰?
こいつか?なんて思わせる田中の取材が続くけど、誰一人として
善人がいないという…酷い状況。確かに他人を貶めて楽しもうと
いう人間は昔からいるものだが、こうして語らせるとより愚かさ
を間近に感じられ(自らをも振り返り)嫌な側面を見せつけられる。
そして後半に入り突然物事をひっくり返すような場面に出くわす。
総てが判明した後の気持ち悪さときたら特筆もので衝撃を受ける。
(騙される脇役俳優一人一人も選び抜かれた感のあるキャスト陣)
愚行
主演2人の演技に圧巻。壊れてしまった自分を必死に保つ光子と深い闇を抱えながら日常にもぐる田中。この2人にしかできない演技だと思う。
前半、田中が関係者たちに取材していくシーン、みんなわかりやすく愚かで見ていて嫌になった。けれど、宮村から電話がくるあたりから徐々に全てが繋がっていってゾッとした。オープニングとラストのバスのシーン、不気味で印象的。
市川由衣の「誰の子供だと思う?」というセリフや光子の母の「何か勘違いしていませんか」というセリフから推測される真実。セリフとセリフ、愚行と愚行が繋がって見えてくる登場人物たちの本性。
その愚行は小さな嘘、保身のための嘘、誰かのための嘘、そして自分自身を欺く嘘。そしてその嘘はやがて自分の中で本当になっていく。
光子が、一家殺害を独白するシーンで見せる涙は張り詰めていたものが切れ、捕らわれていた手から解放されたということなのだろうか。
ちひろの死を受け、光子が田中と話すシーンの虚しさに涙がこぼれそうになった。
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