愚行録のレビュー・感想・評価
全251件中、141~160件目を表示
物語主旨はいいが映画化にもうちょっと工夫して欲しい
「たくさんの選択から必ず一番いい選択肢をして、その後努力を惜しまない。」
一見すると何の問題もないポジティブな話だけだけど、実は裏がある。
田向だけじゃなく、よこから見れば人みんな問題を抱えてる。すなわち人間ってのは愚か者だ。
この映画は田中のインタービューを通じ、様々に関係し合っている人々のストーリーを語る。
日本小説や映画にこういう心理的犯罪的暗い映画がたくさんありつつ、この物語もまた色々見た人に考えさせる。
単に物語には4.0点だろう。
が、見終わった後、何だかたくさんの話が散らかっちゃって、整理しようとしてもまた順序的に混乱状態に陥る。
確かに小説のこういう感じの内容を映画化するのも難点あるだろうと。
だがこの映画は形式上見飽きやすい部分もあり、なんか見てインパクトが残りにくいというか..
例えば、時空間の断片化はしすぎる!シーンの転換/場所の転換のため違和感のあるカット数が多くて「雑!」の感じにもかかわらず、何度も人物の後ろ姿を映ってからショットをカットする。三回以上だと思う。しかもその後ろ姿の保つ時間も中途半端な感じで、何となく気持ちよくないんだなあー
カメラの揺れで単一類型のシーンを表現することも多すぎる。
それに俳優の演技はとてもよかったがこれ以上感情を出せるなんじゃないかなーと。唯一小出恵介の演じた役はクズで良かったが、大学生を演じるなんてちょっと無理かも!あるいは外形にもっと工夫したら?
最後音楽もとにかく暗くて存在感なし。
誰の目線からみても人間の嫌な部分が顕著に現れる映画。登場人物はみん...
誰の目線からみても人間の嫌な部分が顕著に現れる映画。登場人物はみんな愚かだが、なにかと共感できる部分もある。自分のの引き出しのどこかに必ず眠っている気持ちを掘り起こさせる感じ。嫉妬とか羨望とかって、人をどこまでも狂わせるんだなあと改めて。世間から見たらなんでも出来る人であってもその気持ちは必ずある。人が誰のどこに嫉妬し羨望するかなんて人それぞれだなあって思った。
突き付けられる人間の性
序盤のバスのシーン。上から目線で「席を譲れ」と命令する男に対して、言われるがまま席を譲りつつも脚が悪いという芝居をした男。「賢いやり返し方だな〜」と思った私もまた愚行者なのだろうか。いや。この映画で繰り広げられる大小さまざまな愚行には、大抵の人が自分と重なる部分を感じるのではないだろうか。だって人間だもの。
主人公の雑誌記者が事件の関係者に取材をする事で、次第に事件の真相が明るみになっていくという展開。なるほど、映画を観ている人も主人公と同じ感覚が味わえるのか〜と思っていたら、な〜んだ。主人公は全てを知った上で取材してたって事なのね?ラストのバスのシーン。証拠隠滅という目的を果たし終えた主人公は、序盤の同じシーンような愚行を犯さない。なるほどね。まんまと騙されました。
怒り セブンの意図的に画像を落とす等演出はよかったのだが
いきなり本編からで観てる側で考えながら追って下さいと言った感じのテンポの遅く個々の回想シーンが解説もなく前後言葉だけでエロシーングロは皆無R指定になるようなシーンが無かったのが物足りないし迫力に欠けた面も!!
話は胸糞だけど
いわゆる後味悪いいやーな話だけど、なーんかこれ、しゃれてる。え?そこで無音で引きなの?いーじゃん!あ、終わりそう、ここで終わって欲しいな、説明しないで欲しいな敢えて・・・終わるじゃん!いいじゃんか!
さり気ない伏線は全て回収されて、でもわざとらしさが一切なくて、しかしわかりにくさもない。冒頭のバス内のシーンのエピソードにテーマの全てがあるっていう、そういうのって好きだし。話は超絶胸糞悪いくせにとても気持ちのよい映画でした。(流れとか、色とか、少ない言葉、など、細部の中に全てがある)
「わたし、秘密って大好きだから」このキャッチーなセリフがなー、そういうことかよ、あんまりだよ。。。
ひとことひとこと、セリフが魅力的なので、原作本を読みたくなって注文しました。
重たいけど面白い。
「仕掛けられた3度の衝撃」の3度というのは正直どこを言ってるのか分からなかったが、私の中で衝撃は5度ぐらいありました.....いや、冒頭のシーンから騙されました。ほんと気分が悪い。
出演者、皆さん有名で美男美女なはずなのに、登場人物に華はない。みんなそれぞれのドス黒さがあって、グロい訳ではないが、それに似た気持ちになる。
一度は観て損はない映画、そして、色々考えて欲しい。身の回りの愚行録が、実はたくさんあるかもしれない。
DVD借りてもっかいみたい。原作も読みたい。
よかった
妻夫木聡の甘ったるい感じが苦手だったのだが、すっかり渋みと貫禄が出ていい味が出ていた。最初誰だか分からなかったほどであった。
満島ひかりのメンヘラっぽさが真に迫り、本人としても周囲もつらそうだった。あんな大学に行かなければいいし、行ったとしても上層の連中なんか気にしないで過ごしていればよかったのにとしか思えない。あんな嫌な連中の仲間になりたがった時点で残念だ。
登場人物が感じの悪い人物ばっかりでつらかった。いい面と悪い面を誰しももつものだが悪い面ばかりを見させられてしんどい。
重い…
原作が好きだったのと、中村倫也さん目当てで観賞。
冒頭から、重厚な雰囲気にグイグイ引き込まれました。BGMがほぼないため、映画館でポップコーンのガサガサ音が気になるくらい(笑)
予想していた通り、原作に比べ衝撃度は低め(文章ならではの仕掛けがあったから、これは仕方ない)、それでも、映像ならではの細かい人物描写があり、各登場人物の愚かさが、これでもかとばかりに目に映ります。
妻夫木聡&満島ひかりの闇を感じさせる演技はもちろん、中村倫也演じる尾形の軽薄さもとても巧かった。
とにかく、登場人物が全員クズです。なので、結局人間はみな愚かなのだという映画のテーマがとても明確ですね。
白黒はっきりさせたい方にはオススメできないけれど、観るのなら絶対に映画館で。
音や映像にかなりの圧を感じるので、DVDでは魅力が薄れます。
心地よさは皆無。
原作を読んでいないので、終盤に待ち受ける三度の衝撃(真実)に
のけ反った一人である。いや~気持ち悪い。最近ではこの設定を
イヤミスというらしいが、確かによく仕掛けられている。思えば
あのシーン…あ~そういうことなのかと後で振り返れば面白いが、
しかし愚行というからには辟易するまで人間の愚かさを浮き彫り
にしていく展開なので、場面そのものにも心地よさは皆無である。
まず冒頭でグイと掴まれる。映画ファンならすぐ「あ!」と思う
あの名場面がなぜここで…?というあたりから不穏な空気が流出。
主人公の記者・田中の聞き込みに観客の全神経が集中する。また
並行して描かれる田中の妹の告白。これが何を意味しているのか。
なぜこの妹は育児放棄で勾留されているの?という謎もサラッと
解明してしまう衝撃まで、暗くどんよりとグレーがかった色合い
の映像が心まで憂鬱にさせる。あ~早く真犯人が知りたい!誰?
こいつか?なんて思わせる田中の取材が続くけど、誰一人として
善人がいないという…酷い状況。確かに他人を貶めて楽しもうと
いう人間は昔からいるものだが、こうして語らせるとより愚かさ
を間近に感じられ(自らをも振り返り)嫌な側面を見せつけられる。
そして後半に入り突然物事をひっくり返すような場面に出くわす。
総てが判明した後の気持ち悪さときたら特筆もので衝撃を受ける。
(騙される脇役俳優一人一人も選び抜かれた感のあるキャスト陣)
愚行
主演2人の演技に圧巻。壊れてしまった自分を必死に保つ光子と深い闇を抱えながら日常にもぐる田中。この2人にしかできない演技だと思う。
前半、田中が関係者たちに取材していくシーン、みんなわかりやすく愚かで見ていて嫌になった。けれど、宮村から電話がくるあたりから徐々に全てが繋がっていってゾッとした。オープニングとラストのバスのシーン、不気味で印象的。
市川由衣の「誰の子供だと思う?」というセリフや光子の母の「何か勘違いしていませんか」というセリフから推測される真実。セリフとセリフ、愚行と愚行が繋がって見えてくる登場人物たちの本性。
その愚行は小さな嘘、保身のための嘘、誰かのための嘘、そして自分自身を欺く嘘。そしてその嘘はやがて自分の中で本当になっていく。
光子が、一家殺害を独白するシーンで見せる涙は張り詰めていたものが切れ、捕らわれていた手から解放されたということなのだろうか。
ちひろの死を受け、光子が田中と話すシーンの虚しさに涙がこぼれそうになった。
人間の愚かさ
終始淡々と、そして暗鬱な雰囲気で物語が進み、どんどんと引き込まれていったところでアッと展開が変わって騙される。よい映画でした。エンターテイメント性もまずまずながら、これはやはり作品の風刺性というのか、込められたメッセージや意味を考えながら観る映画です。ぼーっと観ていると、終わったあとん? と思ってしまうかも。
登場人物ですが、どの方も演技が上手く、変に若手の人気俳優など起用していない点に好感を持てました。やはり特に妻夫木さんと満島さんの演技力は圧巻。妻夫木演じる主人公・田中は、ほぼ表情もなく、台詞も少ないのですが、ダークさ、心の奥底に隠し持つ闇のようなものを見事に感じさせてくれました。冒頭のバスのシーン、心底怖かったです。満島演じる光子も怖かった。心を壊した光子の、空を見ているような据わった瞳が印象的です。
個人的には、小出恵介さんがゾクッと来ましたね。普段明るい役柄ばかり拝見しているので、そのギャップで恐ろしくなりました。
物語の内容は案外わかりやすく、犯人像など序盤でほとんど検討がつきました。なので、本格ミステリーというか、謎や真相を解き明かす過程が好き、というような方はがっかりされるかも。
それにしても本当に、人間の愚かさを存分に知らせてくれる話です。出てくる人物人物、皆最低で不気味です。それでも、彼らの一人一人の姿は、必ず観ている私たちに当てはまります。私はどのタイプなのか考えてしまいました。
冒頭シーン
冒頭のバスのシーンは秀逸。見事に騙されました。
皆んなが皆んな愚行。
あまりの愚行ゆえに騙されまくりました。
妻夫木さんと満島さんはとでも良かったですが、大学生の満島さんはちょっと違和感かな?
自分が階級社会とは無縁故にか?
もしくは満島ひかりのルックスがあれば、ルックス格差社会の上級コースに乗れるのでは?という違和感か?
私も秘密大好き。
決して他人事ではない。
人間がしでかす愚かな行為の記録。
人はなぜ嘘をつくのだろう。
自分に都合のいいように嘘をつく。
自分にとって都合の悪いことを聞かれると反射的に嘘をつく。
バレると分かっていてもその場しのぎで嘘をつく。
平気な顔して嘘をつく。
ましてや自分は嘘が上手いと思い込む。
日常的に嘘をつく人は罪悪感なんてこれぽっちも感じていない。
嘘で物事が平穏に進めば、それでいい。
みんな嘘大好き。自分のことばかり。
そのくせ自分のことは何も語らない。
人のことは自慢げに他人に話す。
自分しか知らない他人の秘密は話したくてしょうがない。
ホント人間てどうしようもなく自分勝手で哀れな生き物だと
つくづく呆れる。
嘘をついたら回り回って自分に返ってくるということか。
現実社会の殺人事件の容疑者は動機の理由を口を揃えてこう答える。
「殺すつもりはなかった。」
やはり、ぷつんっと頭の中で何かが切れてしまうのだろうか。
エンドロール流れる静まり返った空間。嫌な気持ちになった。
そういえば妻夫木くん、最後の光子との面会シーン。
過去最高の表情。なんとも言い難い、情けなくて、不憫で、愛おしい。
救われてないのに救われた気持ちになった。
いい味出てきましたね。妻夫木くん。
二度観に行ってしまいました・・・これって愚行?
好きです♪
とても良かったです。暗い、嫌な気持ちになる感じ、雰囲気、どれも私 好みです。「怒り」に似たところもあると思いました。犯人は誰かな?と見る側に推理させて、衝撃の事実を突きつけられる流れ。好きです 笑
妻夫木聡(主人公)の暗くおとなしい性格。声 小っさいな~と心の中で突っ込みながら見てました(笑) そんな彼が妹のために取った行動は素直に衝撃を受けましたし、満島ひかりの演技も大変リアル(自然)で、この2人だからこそかな、と思いました。
気になったのが学生時代の なつはらさん。
大人っぽくて大学生には見えません。笑
他のキャストは見事に学生を演じていたと思います(とくに臼田さん)。
とにかく私が好きな雰囲気の映画です。
こういうのはデートには向いてないのかな、とは思いますが 笑
連鎖していく
救いようのない後味の悪ーい作品。(良い意味)
何とも切なくて悲しくて虚しくて。
それは、特別ではなくて、普通の人が経験してもおかしくはない事の蓄積により連鎖していく闇の心。
ここもか、ここもか、と繋がっていく感覚はとても気持ちが良かったけれど、なんとも胸糞悪い話です。(良い意味)
主演お二方の怪演あってこそでした。
どんな言葉を並べても褒めているようには聞こえないけれど、とても秀逸な作品でした!
愚行録の真理
まず田中は確信犯だった。取材はあくまで表向きであり、真の目的は光子が関与している事を知る人間を消すことだった。宮村から光子が関与している一報があった時、田中は眉1つ動かなかった。光子が犯人である事を知っていたからだ。そして煙草の細工は計画的だった事を表していた。さて、この作品の最大の見せ場は冒頭と最後のバスのシ--ンである。冒頭のシ--ンは田中のスイッチが「ON」になった事、最後のシ--ンは「OFF」になった事を表している。今から愚行を極める田中、そして目的を達成した田中。更に最後のシ--ンにはもう1つの意味が隠されている。我が子が死んで安堵していたのである。これこそ究極の愚行である。光子の独白がその事に対して悲観的でなかったのは、光子も安堵していたからだ。監督はこの全く救いの無いスト--リーを何とか商業作品とするために、出来るだけ美しい映像と直接的な暴力描写をわざと無くしていた。そしてその演出を全て理解し演じていた主演の二人に心から拍手を送りたい。
… 動機が陳腐。
妻夫木聡、満島ひかりの共演はとても観がいがありました。
ただ、一家惨殺事件の真相を解明して行く内容にしては、大学生の恋愛とか児童虐待のトラウマとか… 一家惨殺まで結び付けるには動機が陳腐であまりにもステレオタイプ。
現実にこういった事件があるだけに、もっと掘り下げた物を提示して欲しい。そのてん同じテーマの李相日監督の『怒り』はその意味を考えさせられる作品でした。
近年の邦画のコマ割りデザインのポスターがダサすぎ!
ストーリーより、誰が出ているかによって観客動員に結びつくと言う、観客の映画を選ぶ能力低下による物なのだと思うが… どの映画も同じにしか見えない。
ポスターは作品の世界観を伝えるイメージビジュアルでもある訳なのだから、映画会社ももっとプライドを持って作品のイメージを創りをして欲しい。
全251件中、141~160件目を表示