愚行録のレビュー・感想・評価
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求不得苦
私が毎晩違う男と夜な夜な遊んでいた頃。
まだ出演している殺された俳優(名前は伏せる)が
スキャンダルを起こしていなかった頃。
私がまだ新宿に希望を抱いていた頃。
映画館で働いている男が
セックスしたあとに、
観た方がいいよ、と言っていた映画。
レンタルで見つけたので今更ながら観てみた。
この物語の重さ、歯痒さは異常だけれど
逆に思い切り針を振り切っているため
なんだか現実味が無いのが
正直な感想。
まあ、エンターテインメントとしては
最高じゃないのかしら。
白田あさ美の演技が良かったわ。
満島ひかりは 「THE_女優」
観て損は無いと思う。
まあ、要するに
欲しい物が手に入らない苦しみは
これ程ない苦しみなんだよってことよね。
寂聴が言ってたわ。
映画の宇宙
監督の略歴を知って納得。
遠過ぎず、近過ぎないカメラ
執拗な映像トーンの一貫性
違和感を一切感じさせない音楽の浸透力
顔芸にならない演出
ストーリーの描写ではない。起こることの描写から内部のフィクションに至る。
そういう全体をこの映画の宇宙が飲み込んで、そのシッポをまたそれが飲み込んでいる。こんな日本映画見ましたという感想。
懐かしの東欧映画へのオマージュか。
次回作楽しみです。
面白い
原作のかなり忠実な再現。
ただ事件な関する関係者のさまざまな語りで構成される小説に比較すると謎が解き明かされタイミングが少々早い。
小説と映画の構造上の問題もあるが、別のストラクチャーもありえたと思うし、その方が傑作になったはず。まあないものネダリながら。
満島ひかり、松本若菜の女優陣がいい。
小出がまるで現実の人生を再現するかのような浅薄さを見事に、不気味なまでに表現している(笑)
いや〜!今後が楽しみな監督のデビューが本当に嬉しい。 原作は未読な...
いや〜!今後が楽しみな監督のデビューが本当に嬉しい。
原作は未読なので原作との違い等、解らない部分は多いのですが。
例えば昨年公開された『怒り』と比べたら、観客の受けは絶対的に悪いでしょうね。
最後にスッキリ出来る『怒り』に対して、胸にモヤモヤが全然抜けないのだから。
でも、このどうして良いのか解らない感情の残り火は消えないままなので、観る人を選ぶ映画だと思って下さい。
カメラのアングル等、個人的にゾクゾクとする演出が随所に見受けられましたね。
そして、何と言っても満島ひかりだ!
満島ひかり。
彼女の存在は一見すると小さな存在だ!
だが、やはり満島ひかりは満島ひかりだった。
その事実を観客は最後の最後に思い知らされる。
いや〜!凄かったわ( ;´Д`)
(2017年2月18日 イオンシネマ板橋/スクリーン7)
今年一の邦画
映画館で見ました。面白かった!!!個人的には今年一の邦画。むしろ数々の邦画の中でもトップレベルのお気に入り作品。
なんにも考えずに見て欲しいです。展開の予想とかせずに見て欲しいです。
ラストの展開に鳥肌モンでした。愚行…その文字の通り。人間の汚いところが出ています。
ドン引き
何とも言えない展開と結末に絶句…犯罪者の愚かさに同情の余地なし。当然、愚者に共感するのも不可能、いろんな意味でガッカリした作品。劇場で観なくてもTVドラマで十分。途中も退屈でzzz…。
2017-38
満島ひかりに吸い込まれるかと思った
妻夫木聡の生気のない眼の中に覗く薄気味悪さも素晴らしい。
狂気のように見えるそれは、どこまでも理性の中で行われる愚行。
1つ明かされるごとにゾクゾクし、胸が高鳴った。
ちなみに小出恵介は慶應出身。
みんな壊れてる
みつこさんが不幸なことに
美しかったことですね。
あーはなりたくないなって思いましたよ。
親にも知人にも利用されて利用されまくって相手にされなくなるみつこが可哀想すぎて。そして兄も闇が深かったとても。
田向と同僚のやったやった!あいつエロかっただろ?とか付き合ってるつもりでいるみたいあっちは。みたいな
やけにリアルなシーンもあって
でもちゃっかり美人と結婚してて、、、
まぁあーゆう殺され方は自業自得だと思う
とにかくイヤミスだなぁておもった
決してストーリーはハッピーエンドではなく、上映中ずっと鑑賞している...
決してストーリーはハッピーエンドではなく、上映中ずっと鑑賞している方を重くるしい気分にさせてしまう映画です。週刊誌記者がある一家殺人事件の犯人像を追う中で出会う人々に聞かされる過去の出来事、その中で起こる人間のとても嫌な心の側面、、、嫉妬、怨恨、疑心、恐怖、不義、虚偽、、、が露呈されていくことになります。これに鑑賞している方は少しずつ引き込まれていくことになるでしょう。
渦もしくは禍
温度がない…。
どこか虚ろで、どこか流れてて、そこはかとかく諦めてて、早く終わりだと告げてくれと懇願するかのようで…。
真綿で首を絞められるかのように、ジワジワと逃げ場を無くされていくような…何かに侵食されていく…袋小路から抜けだせず、歩きだした先には意地の悪い迷路が広がっているような…。
結果的に公式な記録には、何一つ残っているわけではない。
彼や彼女がやった事柄は、記憶にだけ刻まれている…。
自分だけが知っている罪。
ただ、何というか…性善説を説くわけではないのだが、環境のような渦の存在を否定はできない。
映画の内容を省みるに、登場する人物、台詞を喋る人達全てが、無意識な悪意を孕んでいるようにも見えたりする。
ただ、だからといってそれを回避する術などないように思う。
と…まあ、こういう類の話が好きな方は、好きなのであろう。
俺なんかは、なんでこんな暗い話を金払ってまで観させられなきゃならないんだと、理不尽な怒りに苛まれる。
とはいえ…やはり、両主役ので演技たるや見事なもので、とくに満島さんの独白などは…何が憑依してるんだと思ってしまう。
小出さんの、無責任な青年も良かったなあ。
地なのかと思う程、マッチしてたなあ。
後、音楽が好きだった。
語弊があるな。
音楽の雰囲気と、入るタイミングが好きだった。
そして、満島さんに纏わりつく「手」が、不気味で良かったなあ。
不安だったり、目に見えないモノなんだろうけど、それを「手」として表現してたのが、なんとも言えず…全ては人の所業で、人から意思を持って発信されるモノなのだと言われているようであった。
カースト社会
ロバート秋山のクリエイターズ・ファイルばりに、どっかで見たことある、キャラの濃い登場人物たち。
そして一皮むいたらやな奴ばっかりが次々に出てくる。
んだけど、そいつらも生きるため、自分を守るため、自分の欲を満たすため、に必死なので、身勝手さも含めて滑稽で、人間くさくて、憎めない。
上流社会に憧れてもがく。しがみつきたくてもがく。それってそんなにいいもの?とか口では言いつつ嫉妬でもがく。
そんな彼らを客観的に観ている自分は、あたかも神が地上を憐れみをもって眺めているようなつもりでいたけど、見終わってからも、私はそっち(もがく)側にはいないよな?大丈夫だよな?とそら恐ろしくもなる。
途中までは主人公と同じ目線にいたはずなんだけど、、途中からは意外な展開で突き放される。
俳優が皆うまい。
妻夫木、満島、小出は安定の演技。
小生意気な臼田あさみが可愛くて、好きになりました。
後半に向けて...
性善説を信じる大人にはズシンと腹に来る映画である。擦れているのか、個人的感想は「こんなもんだ」であった。哀しいが。
愚行者達はあくまでも一見善人に見せかけた仮面をかぶっている。それが社会に溶け込む為の暗黙の掟である。
そんな愚行者達の中で生き抜かなければならないのが人間社会の正体であると思う。誰も守ってなんかくれない。身を守るためには自衛しかないのである。
田中兄弟はその自衛行為を自身の手で行ったのだ。ただそれだけだ。
自衛の手段は人それぞれだ。一家惨殺事件で犠牲となった田向夫妻にしても本質的には同じなのだ。関係を持ってしまった職場の同僚と手を切るための自衛行為。内部生に混じって自分の立ち位置を死守するための自衛行為。
人の犠牲の上に人の自衛行為は成り立っている。自分がその場所を死守するためには蹴落とされる誰かがいる。必然的に。そしてそれは、善人然としていればしているほどスムーズに行われる。蹴落とされた人間は蹴落とした人間からは記憶にも残らない。しかし逆はーーー。
そんな重い内容を考えさせる内容だっただけに、もっと田中兄弟に感情移入して鑑賞に浸りたかった、というのが正直なところ。より耐え難い孤独を感じたかった。努力しても育った環境には逆らえない、という絶望を肌で感じたかった。後半のクライマックスに向かうにつれて、なんだか細かい部分が気になり、少し冷静になったのである。
大学に行くための時頭のよさとか、大学の諸々の費用とか、例の撲殺シーンの軽さとか。
大学に受かり、親との決別を確信する喜びの絶頂から転落していく迄にも様々な葛藤があっただろうし、夏原さんへの憧れもそんな葛藤のシーンがあればより引き立つ気もする。
育った環境の「隠と陽」が影のようにぬるぬると障害付き纏う恐怖と言ったら。
鳥肌と冷や汗
満島ひかりの独白シーンは本当に怖かった。
肋骨の音とかの下りの時、冷や汗がでました。
人を刺した事がある人間の語りのようで
その演技力に圧巻でした。
大学の性悪マドンナと、女を踏み躙りながら
エリートコースを歩もうとする男と
その恐ろしい遺伝子を持つ子供の息も止めた
妹にそりゃそうなっておかしくないよって
少し同情した。けど最後の落ちに驚いたね
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