14の夜

劇場公開日:

14の夜

解説

「百円の恋」で第39回日本アカデミー賞の最優秀脚本賞を受賞した脚本家・足立紳の監督デビュー作。「百円の恋」同様の足立によるオリジナル脚本作品で、1987年の田舎町を舞台に、性への妄想を膨らませる中学生たちの姿を、バカバカしくも真面目に描いた青春劇。町に1軒だけあるレンタルビデオ屋でAV女優・よくしまる今日子のサイン会が開催されることを知ったタカシら4人の中学生は、まだ見ぬ女性の胸への憧れに駆り立てられる。主人公タカシ役はオーディションで選出された新人の犬飼直紀が演じ、光石研、濱田マリ、門脇麦、和田正人、浅川梨奈(SUPER☆GiRLS)、健太郎らが共演する。

2016年製作/113分/PG12/日本
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
劇場公開日:2016年12月24日

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(C)2016「14の夜」製作委員会

映画レビュー

4.0さえない青春を微熱で活写。ダメ親父な光石研が最低で最高

2016年12月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

楽しい

「中二病」という言葉に象徴される、14歳頃の心の状態。自意識過剰で、性的な興味と妄想で頭が一杯、でも仲間も大事で、やる気が出たり出なかったり。

十代の成長物語といえば、少年ジャンプの三大原則でもある友情・努力・勝利を描く作品が多いが、本作はその3要素がどれも中途半端で不完全燃焼。しかしだからこそ、現代日本のリアルな青春の気配を濃密に漂わせる。ポジティブなストーリーからはこぼれ落ちてしまうような、くだらなくたわいない、かといって冷め切っているわけでもない、ほどよい微熱の瞬間の積み重ねが、大人になるための準備になるのだろうか。

メインはもちろん14歳の少年たちだが、その1人の父親が絵に描いたようなダメ親父ぶりで、でも光石研が演じると妙な説得力とえも言われぬペーソスがある。尊敬できない父親の存在が、少年の不安と将来への悲観の一因になっていることも、さりげなく重要な視点だと思う。

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高森 郁哉

4.5ちょいエロな和製「スタンド・バイ・ミー」を聖夜に是非ご覧あれ!

2016年12月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

ダメ教師を絵に描いたような父親、愚痴ってばかりの母親、ダメ息子を擁護することしか知らない祖母。そんな安らぎも感動もない家で鬱屈した日々を送っている14歳のタカシが、同じく、パッとしない仲間たちと何となく連んでいる図が、まずいい。学校でも成績はイマイチ、スポーツは苦手、オマケに熱中する対象もない14歳たちの、恐らく日本に住む同世代の最大公約数的な有り様が、端からしみじみと胸に染みるのだ。その後、映画は彼らが町のレンタルビデオ店で開かれるAV女優、よくしまる今日子(←ナイスなネーミング)のサイン会へと向かう、文字通り危険で切ない「14の夜」へと怒濤のハンドルを切るのだが、それとて、タカシのダメな日常をチェンジする起爆剤にはならない。大人になった時、振り返って懐かしむこともないだろう。それでも、否、だからこそ、掬い取る価値があるひと夏の出来事を、オーディションで選んだ新人くんたちと一緒にカメラに収めたこれが監督デビュー作になる足立紳の、フラットな視線と鋭いユーモアのセンスを称えたい。涙はない代わりに、いつまでもクスクスと笑っていられるちょいエロな和製「スタンド・バイ・ミー」を、何も予定がない聖夜に是非ご覧あれ。

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共感した! 3件)
清藤秀人

3.0一夜で大きく成長

2023年1月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

色々ありすぎた一日。ありすぎた夜。彼は確実に生まれ変わった。どんなに14歳がくだらなくてちっぽけだということを悟った。かっこ悪い大人を見て、その中の一部だということを自覚しただろう。

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いつこ

3.5男ってこんなモンです…みたいな頭を割って観たような映画!

2021年11月13日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

興奮

『喜劇 愛妻物語』などを手掛けた足立紳監督の長編デビュー作。風紀を意識しなくてはいけない新幹線で観てしまいました。スミマセン…。笑

厨二病でありながら、家庭環境とかもあって…複雑に絡み合った感情も全て性のせいにする!みたいな野蛮さが良い。時代的にも、カーストや関わりたくない部分も諸々見えるから、ある意味新鮮。今なら失望で孤独を抱えていくのであろう背景も、グッチョグチョになれ!と感情のオーバーヒートで許されそうな気さえしてしまうからズルい。

AV女優が見れるから会いにいく、という下りしか把握してなかったので、この展開はかなり意外。誰からもその存在を忘れられてしまうのでないか、という漠然とした感情も案外可笑しく思えるのだろう。ただ、刻まれる時間はもっと小出しにしないとあまり意味を成したようには思えなかった。その一方、大人になることを知ってしまえば、強い自分になれた気さえしてくる事の感情は共感できる。

青木柚と門脇麦が出ていることくらいしか把握してなかったのだが、意外とメンツが豪華。相変わらずおっぱい要員でキャラクターを演じることの多い浅川梨奈に、まだ事故も改名もしていない伊藤健太郎。それに、金子大地の風格よ。カッコ良すぎる。

とびきりアホなんだけど、人間臭いのが勝ってくれるから観終わった後は凄く爽快。やってくれたな…と思う。ホント、男ってこんなモンでスミマセンって感じ。笑

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たいよーさん。