ハドソン川の奇跡のレビュー・感想・評価
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良い意味で予想を裏切られた
事故後に焦点が当たっていたのが意外で、良い意味で予想を裏切られた感じです。見る前はなんとなく、事故それ自体を追う半アクション的な要素が濃いのではないかと、敬遠していました。
データとシミュレーションで繰り返されし導き出された「答え」は、機長の判断が間違いだと示す。しかし、そこには欠落した重要な要素が存在する。
熟練のパイロットの判断がそれら情報処理を凌駕する。そこにこの作品の気持ちよさがあり、監督がこの題材を取り上げた理由もそこにありそうな気がします。
コンピューターにはない人間の能力、それを感じられるように、という。
4に近い3.5点
いきなり事故後の葛藤から始まり、フライトのシーンも抑制的なので、パニックものやオーソドックスなヒーローものを想定していると肩透かしを食らうかも。
いまどきのハリウッドムービーにしてはCGはちゃちに感じられた。
トラブル時のアナウンスや機内の様子はそれこそ生存者の証言からリアルに作られているのだろう。そのためか割とあっさりしておりあまり緊迫感はない。顛末を知っていることもあるだろうが。CAもあまり動揺が見られず落ち着いて粛々と行動する。リアルに徹したらそうなったのか、表現力不足でそうなったのかわからないが、もう少し逼迫したテンションが伝わる演出があるとよかった。また、トラブル前に事故の日のNYがいかに極寒かを表す描写も欲しかった。ラストのジョークにも影響するので寒さの強調は重要だ。
が、この作品の見どころは後半、公聴会から。ロジカルにではなく咄嗟にした本能的な判断だったため、矛盾するデータを突きつけられ判断の正しさへの自信がゆらぎかけた機長の巻き返しには高揚した。
この作品はプロフェッショナリズム賛歌である。
ナイスチーム
悪くないが…,
んーん…。
巨匠と名優ここにあり。
結果的にコンピュータと人間のせめぎ合いのようになっていて、そこが最大の見どころだった。
旅客機がハドソン川に不時着したのは知っていた。
でも当時は「ふーん、そうなんだ、助かってよかったね。」くらいにしか思わなかった。
まさかこんなことになっていたとは知らなかった。
その後のことはまったく報道されていないか、報道されていたとしても見ていなかった。
そんなに面白そうな事件ではないので、原作本を見たとしてもたぶん読まないし、師匠(特別に尊敬しているので、イーストウッド監督を師匠と呼ばせていただきます。)の映画でなければ見なかった。
見てみたら師匠の映画はいつもそうだけど、すごく面白い上にいろいろ勉強になる素晴らしい映画だった。
考えてみたら、事故によりとんでもない損害が出ているわけだから、機長の判断が正しかったかどうか調べるのは当然だ。
しかしその調べ方がコンピュータシュミレ-ションというのに驚いた。
データ(たぶん全ては把握できない)を入れたコンピューターが空港に戻れたから機長に過失があるというのなら、最初から全部コンピューターにやらせろ、あるいは指示させろ、ということになる。
でも、もしコンピューターが操縦あるいは指示していたら、川に不時着などということをあらかじめプログラムされているということは考えにくく、それこそ大惨事になっていた可能性が高い。
結果的にコンピュータと人間のせめぎ合いのようになっていて、そこが最大の見どころだった。
そして何が正しいのか間違っているのかよくわからないところが、師匠の一連の映画のテーマにも合っていた。
内容的には、事故のシーンを分割して、機長のフラッシュバックとして、少しづつ全編にわたって入れていく手法がよかった。
これが、現実感を失わずにパニック映画的な面白さを出していて、最後まで飽きずに見られた。
そして最後の最後に一番盛り上がるシーンを持ってきていて、ラストシーンに一番感動、続くエンドロールにも余韻が残り引き続き感動、本当に最後の最後まで無駄なく作られていて、素晴らしい仕上がりだった。
クリントイーストウッドの安定感
この作品の存在を知った時、正直見に行く気は全く沸かなかった。
ノンフィクションものというやつは焦点がころころ変わったり、流れをぶった切って当事者本人のインタビューシーンを入れたりして、作品として中途半端なイメージがあったからだ。(このイメージはドキュメンタリー作品の話かもしれないが…)
この作品はそんなネガティブなイメージを払拭してくれた。
そもそもこの作品を観に行こうと思ったのは、ラジオ番組で他の映画「真田十勇士」が取り上げられていたから映画を観に行こうと思ったのが始まりだった。
映画館のホームページを観て「ちなみに…」という感じで観てみるとクリントイーストウッド監督の作品がやっている。しかも評判はかなりいい。「これは観るしかない…」急遽予定が変わったのだ。
この作品は2009年、飛行機をニューヨークのハドソン川に不時着させた飛行機の機長の物語だ。
乗員155名を救った機長とその家族の苦悩を繊細に描き、それを効果付ける緊張感のある不時着シーン。
多くの命を預かるということ、それが如何に重大なことで責任の伴うことか改めて実感した。全世界のパイロットに敬意を表したい。
僕はこの事故の結末を知らなかったからか、最後まで続きがどうなるか緊張して観ていた。しかし、その緊張感も後腐れ無く解消してくれた。観ていてスッキリする作品だった。
やっぱりクリントイーストウッドは最高だ。期待を裏切らない素晴らしい作品を撮ってくれた。次の作品も観たいと思わせてくれる。
劇場内は落ち着いた大人が多かったが、小学生くらいのお子さんを連れた方もちらほらいた。多分、不時着水の緊張感は子供にも伝わっているだろう。
トム!
トム・ハンクスに出会ったのがあまりに遅かったので、皆さんの素晴らしいレビューには、勉強するばかりです。
でも、トムに出会い(個人的に出会ってなくて映画!って、当たり前ですね)、いろんな役をこなすこと、声がいいこと、役に合わせて痩せたり太ったりすること、ぜーんぶ、ザ・役者なので大好きです。
彼のこだわりも、好みです;手袋片っぽとか、タイプライターとか。
いろんな役ができる、マジシャンみたいなトム。コロナから立ち直って良かったです。コロナという名の男の子からの手紙のお返事も素敵です。
トム・ハンクスがアメリカ合衆国の大統領になればいいのにと、半分思います。でも、トム出演の映画を見ることできなくなったら、あまりに残念なので、どちらか選べと言われたら、トムには役者でいて欲しいです。
ハドソン川の映画と関係ないことばかり、失礼いたしました。
やっぱりトムハンクス好きやわー
普通の日々と奇跡
奇跡というか不運中の幸運?
トムハンクスも老けましたね。いや、それは役作りだって。
イーストウッドには感服。
ちょっと前から気になっていた作品で監督がイーストウッドということで鑑賞した。
実際に起きた旅客機事件をテーマにしたサスペンスドラマであり、今までグラン・トリノ、アメリカン・スナイパーなどのイーストウッドの作品を見てきたが本作で感じたのはイーストウッドが心理描写に長けているということだった。
トム・ハンクス演じる主人公の心理を彼自身による事件当日の回想を通して、徐々に明らかにしてゆく。この作品はすべて主人公の中で自己完結してゆくものである。その表現の仕方が絶妙で、自分で自分を疑う状態から徐々に自分自身を信じる状態へと描写してゆく。その描写の過程で事件の全貌も明らかになり、鑑賞者はすんなりと事件の一部始終をも理解できるような作りになっている。
実話のストーリーに対して多彩なアプローチで表現できるイーストウッドには感服である。
感動した!
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