「命を預かる職業にかける誇りと責任感に感動」ハドソン川の奇跡 月野沙漠さんの映画レビュー(感想・評価)
命を預かる職業にかける誇りと責任感に感動
2016/09/09、日比谷セントラルビルのワーナー・ブラザーズ映画試写室で鑑賞。
ハドソン川に不時着した事故は映像のニュースとともにまだ記憶にあたらしいけど、その飛行機の機長のサリー機長が取った判断についての責任を問われていたことは知らなかった。
もちろん、起きてしまった事故に対する厳しい検証は必要だけど、NTSB(国家運輸安全委員会)の追求はサリー機長の判断がミスであると誘導したがっているとしか思えない陰湿なもので、よほど精神力が強くないと彼らに立ち向かえないだろうと言う内容の審問会でした。航空会社や保険会社の思惑が裏で糸を引いているのではと勘ぐられても仕方ないものでした。
そんなピンチに陥っているサリー機長をよそに街の人達はのんきで、サリー機長を英雄と讃え、陽気に賛辞の言葉を投げかけてきます。それがサリー機長の気持ちとは対照的で、英雄とはいえ孤独感を演出していました。
何度か記憶のフラッシュバックのように事故の時の映像が繰り返されるのですが、その時の緊迫感がスゴイ。プルアップ!プルアップと機械音声で警告を繰り返しされる様は日本航空123便墜落事故の音声を思い出しました。不時着した後、乗客が全員避難したのを確認して最後に機体から脱出するサリー機長。そして病院に運ばれ、検査を受けている時に155人の乗客全員が無事だと報告を受け、初めて安堵の表情を浮かべます。その責任感の強さに、うるっと泣いてしまった。
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