君の名は。のレビュー・感想・評価
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最初見て凡作に見えた人は幸せ
最初に見た時、年齢のせいか少し醒めた気分で見てしまった。それでもテンポの良い展開、うまく配置された音楽に、よくできた作品だと思った。新海誠作品はすべて見ていたのでその映像の美しさは前提として、こんなエンターテイメント作品も作れるのかと感心した。2回目に見た時、オープニングと最後の電車シーンのつながりに、こんなもの初めて見た人に理解されるわけがないと少々呆れた。しかしそれ以降は、見るたびに仕掛けや見逃した伏線がわかって面白い。映画館で1回だけ見ても、若い人なら感情移入しやすいから、展開の勢い、雰囲気で楽しめるだろう。年配の男性が繰り返して見てみるとMacBookやX6800、トリオのHFトランシーバTS-520など見つけて、心憎いガジェットに心踊る。小説やサイド・ストーリーを読めば、曖昧だったり消化不足だったりした点が明快になる。従来の映画鑑賞の感覚からすればどうかと思うが、情報機器が溢れるメディア・ミックスの時代としては許される手法だろう。何回見れば飽きるのか、どこまで把握したら作品理解が終わるのか、少々悩ましい。初見でなんとなくストーリーを追って凡作に見えた人は、深入りすることもなく、それはきっと、それなりに幸せです。
音楽とアニメの映像がキレイ!
CMでかかっていた、前前前世が聞きたくて行きました。
内容は、少し薄いなぁと思いました。ストーリーだけなら、ありきたりな印象。
でも映像と音楽がすごい素敵!!
主人公二人の掛け合いや三葉の妹が、とても可愛く、個人的には日常系アニメだな。
ただ、映像はとても素敵でした。
空、緑、森、湖の自然や、彗星、都会の街並み。
そして、RADの音楽が最高に合ってて、映画というより、絵と音楽を見に行くって感じですね!
思いのほか壮大
最初は男女入れ替わりで、わちゃわちゃするラブストーリーなのかなー、と思いきや。 途中から一気に壮大な話になって行きます。
話もやや複雑で、一緒に見た人とストーリーの見解が違ってしまって。最終的な「現実」は、それまでのストーリーとは異なる現実ですよね?私は町長である父親が最初から動いて避難訓練をさせたのかなと思ったのですが…。一緒に見た人は、爆発などの事実を隠すためにそういう発表をしたんだと言うんですよねー。
あと、最後の階段のシーンはあんな風にすれ違ってから話すんじゃなくて、ストレートに向き合った方が良かったんじゃないかなと思いました。ちょっと違和感がありました。
でもやはり彗星の出てくるところはどのシーンもいいです。本当に背景が綺麗。いい映画を観ました。
「赤い糸」
久々に、「面白かった!」と言い切れる映画だった。
ストーリーが非常に緻密に練りこまれていて、山場がいくつも設定され、展開に飽きがこない。常に続きはどうなるんだ?と引っ張る大きな興味が出てくる。
まるで1クールで展開されそうな膨大なプロットで、しかも時系列がかなり複雑なのに、急いでる感じがなく、分かりやすく、自然に最後まですっと観れる。
入れ替わりの面白さ、楽しさ
入れ替わりが失くなり、相手探し
2人の時間がずれていることが判明(山場1)
入れ替わりの再現の試み
危機回避の試み
2人の出会いと、危機回避の成功(山場2)
2人の記憶がなくなるが、相手を探す
2人の再会(山場3)
最後、再会をクライマックスにして終わるのが本当にうまい。これで泣ける人はカタルシス最高だろう。
普通は山場をいくつも設定した場合、後の方の山場は蛇足感が強いものになりがちだ。無理矢理話を引き延ばした感じになってしまう。
また、一番大きな山場を最後に温存しようとすると、今度は途中に蛇足感が出てくる。
その点この物語は、3つの山場が必然的に結びつけられていて、この必然性をベースの部分で支えるように世界観が作られている(主人公が巫女であること、主人公の集落の由来、主人公が祀る神など)。
そして全体のストーリーを貫く普遍的なテーマとして、「君の名は」という問いが繰り返し語られる。
この世界のどこかに、自分の運命の相手がいるかも知れない、という、とても古典的な物語(いわゆる、「赤い糸で結ばれた相手」)を、現代的に、複雑に編みなおした。
「赤い糸」は、「赤い組紐」になり、糸は、時間の流れ、運命、人間関係、そして「つなぐもの」という複層的な暗喩として解釈し直された。
赤い組紐は、記憶をつなぎ、現実と夢をつなぎ、出会いをつなぎ、離れた時間をつなぎ、思いをつなぎ、男女をつなぎ、最後には「命」をつないだ。
紐に近いイメージとして、「線」も繰り返し出てくる。こちらは、「世界を分けるもの」として出てくる感じだ。彗星の軌跡、花火の軌跡、手の平に書いた線、スカートを切り裂いた傷。
そして、沈む太陽の光が描く垂直な線は、「世界を分けるもの」でもあり、「つなぐもの」でもあるものとしてでてくる。
このシーンの幻想感、トリップ感はなんというか、言葉に表現できない。時空を超えて、絶対に永久に触れられない、でも、つながっている、という感覚。
景色、風景がきれいなのも良かった。新宿、四ツ谷、市ヶ谷、千駄ヶ谷辺りは見慣れた景色だったので、あー、あそこ、と思うのも楽しい。
音楽も、ストーリーと絵柄に調和していて気持ちよく観れた。
とても完成度が高い映画なんだけど、気になるとこもあった。
彗星(隕石)の衝突で出来たクレーター(もしくはそのようなもの)が、複数あってわかりにくい。
たぶん4つ(?)あると思うんだが、勘違いかも知れない
1. 昔落ちた隕石由来の、御神体があるとこのクレーター
2. 昔落ちた隕石由来の、今は池になっているクレーター
3. 昔落ちた隕石由来の、今は街になっているクレーター
4. 今落ちた隕石由来のクレーター
(1, 4以外は、隕石由来の地形であるとは映画の中で言われていないので、単なる噴火口跡のようなものとも解釈できるのか?)
今見てるのは何のクレーターなのか、もっと分かりやすくしてほしかった。
あと、「設定の不自然さ」。
2人の入れ替わりがたとえ数週間だったとしても、名前、住所などを書き留めたりしない、などということはあり得るか?
入れ替わっていないときに電話を一度もしなかったというのも不自然だし、仮にそうだとして、メール(LINEとかのSNS含む)すらもしないというのは、今の若者の感覚としてちょっとありえない。
そして、3 年間のズレは、かなり容易に気付けたはずだ。テレビ番組、新聞、ニュース、友達との日常会話…。はやりのドラマの話を全くしないですごすということはあり得るだろうか?
2人は序盤の段階では、相手側の「名前」「住所」を書き留めることと、「3年間のズレ」に気付くことは、ストーリー上禁止されていた。
だからこんな不自然なことになったんだが、この辺の理由を匂わす程度でもちょっと言及しておけば、「この辺はストーリー上の都合だよね」と冷めた気持ちを持ってしまうことを防げたかもしれない。
たとえば、入れ替わってる間は現実感がうすくて夢心地で、自分の住所を書こうと思っていてもなぜか忘れてしまう、とか。
不思議な話
たんだん重大な問題にぶちあたります。それを乗り越えたら世界が変わったみたいになります。ですが、変わったあとの世界では別の大切なものを失います。
最後は恋愛成就ですが、…個人的にはあれは擬似ハッピーエンドだと思います。
ただ、こんな解釈をすればいいかも。
「世界が変わっても心では通じるものがあり出会いは必然」
本当のことはワカラナイ部分もあるので
個人個人の解釈にゆだねられている、気がします。
明日また編集するかも
満席に驚きました
ネタバレです
前評判のシン・ゴシラを見に行ったらあれっ?お客さんは??だったので
こちらもかな?と高を括りサービスデイに娘と行きました。
そしたら都合のいい時間は既に完売仕方なく娘だけ観ることに。
諦められないので用事を済ませて終電を心配しながら最終回に私も滑り込みしました。
やはり満席でしたね。
観る価値あると思います。
文句なしの青春映画!!!
見ていて素晴らしい気持ちになったし、色々なシーンに感動して、涙が出ました!瀧と三葉は実は知らない間に運命で繋がりがあって、そこで物語の深みを感じました。タイトルがセリフとして使われるシーンが何度も見られますが、その使い方が上手で聞く度に胸が締め付けられるようなもどかしさを感じました。(感情移入ってやつですね笑)また作品の時代設定からして現在が2016年で3年前が2013年だったからこそできた作品なんだとも感じられました。その頃からスマホは普及してましたから、3年前という設定にしてスマホを使わせたとしても違和感はありませんよね?笑。だからこそ、瀧は途中のシーンまでは実は過去の人である三葉とやりとりをしていたということになるわけだし、全く違和感なくこちらが騙されました笑
本当にいろいろな意味でよくできた作品です!学生のうちに見ることができて良かったです!!!
最高や。。。
ここまで作品の世界観に入り込んでしまったのは初めてかもしれない。まさかここまでとは。。。映画とかを観て、込みあがってくる様々な感情があって、なんも関係なく幸せな気分になれたってこと自体が新鮮すぎて、よくわからないくらい最高でした。。。物凄く考えるとこもあり、考えさせられることもあり、考えなくてはならないこともたくさんあって、観たあともなにかが終わらない。
僕も岐阜とかの聖地巡礼めっちゃしてええって思ったけど、
この作品に込めた思いに対する本当の意味での聖地巡礼って、
物凄く大切な人や場所を失ったとこ、被災地じゃなかろうかとふと思った。忘れないことがないよりも大切なことだと気づくきっかけが改めてできてうれしい。。
夢でもし逢えたら。
君の名は。というタイトルにあのドラマ(古)の焼き直しかと
勝手に想像していた。そうではなかったが^^;内容に於いて
近いところがある。男女のすれ違い、果たして最後に逢える
のかどうか…中高年ならもうこれだけで泣けてしまうだろう。
中盤くらい迄は過去に観てきた名作の世界(転校生や時かけ)
という感じで新味はなかったが、それ以降はセカイ系らしく
展開がSF調に語られる。壮大ながらも深刻で甚大な被害を
孕んだその映像はまさにあの震災をモチーフにしているのが
明らか。突然何時目の前の世界が全て滅ぶことを現在の若者
は体験して知っている。じゃあどうするべきだと行動メイン
の後半はドキドキが目白押しでどうなるのか波乱含みとなる。
美しい映像に田舎の風景や東京の暮しが分かり易く配分され、
都会に憧れる想いや青春時代の初恋などはどこも微笑ましい。
主演の二人は声優としても上出来で、特に入れ替わる場面で
男女の台詞が入れ替わる声も巧く表現していた。入れ替わる
時期のズレやふと発した言葉や持ち物など伏線の収束も巧い。
そして音楽。物語の流れに沿った歌詞やメロディはこんなに
気持ちがいいものかと久しぶりに感じた。昨今に珍しい映画
の印象を高めるメインテーマならもっと作られていいはずだ。
(たしかに夢って起きたら忘れていることがほとんどだわな~)
評価基準の価値観は、人それぞれあってよし
私は映画の評価を、主に
①現代に生きる人を元気にするかどうか
②新しい考え方や見方や価値観を教えてくれるかどうか
で、評価しています。
今回はその他加点ポイントがあって3.5点です。
まず、①元気にするかどうかについては、
10代〜20代前半の、まだ奇跡や夢を信じられる層や、信じたい層には「奇跡的な出会いってあるよね。知らない隣の人を大切にしよう!」と元気を与えてくれると思います。
しかし、それ以上の年齢の社会に出て現実問題にぶつかった層には「そんな奇跡をいつまでも信じて頼っていたら、結婚適齢期を過ぎるまで気づかない」と、そっぽを向かれるのではないでしょうか。
また、②新しい考え方や見方や価値観を教えてくれるかどうか、についてはありませんでした。
ですので、個人的に評価は2.5点ですが、
その他加点ポイントとして、
1.入れ替わりとタイムリープを使って次の展開が気になるようにさせる構成スキルと、「哀」だけでなく「喜怒哀楽」を盛り込むバランス感覚で商業的に成功した
2.RADと神木くんを起用するオタクにはない、もしくはできない若者感覚
3.周囲に何と評価されようと、ご自身の切なさの感覚を表現することにかける素直さと勇気と情熱
4.実際に若い女子に涙させていて、それは人それぞれ人生のステージで、その時その時の価値観として否定されるものではない
ということで、
敬意を表して1点足して、3.5点としました。
本当の出会いには時間が必要
ポップでキャッチーでありながら結構複雑で、とてもスピリチュアルで美しい映画でした。
爽やかで青春感満載で風景も素晴らしく、ストーリー構成も実に巧みなので、深く考えなくても楽しめます。
しかし、深く考えてもかなり楽しめる構造になってます。
この作品では、人と人との距離のことと、解り合うには時間が必要だということを感じ、考えされられました。
物理的には簡単に出会えたりするけど、実は、人と人とはなかなか本当の意味で出会うことは難しい。本作の時間のズレとか会えないもどかしさとかはそのメタファーのように思えてならない。
8年かけて2人が入れ替わったりなんとか互いに名前を覚えていようとする物語は、2人の中で重ねていく精神の旅そのものですよね。
そして、2人でさまざまな問題を乗り越えた結果、ついに名を呼び合う、すなわち真の出会いが訪れるというのがいいんです。
求めあう2人がすれ違いながらも時間をかけて困難を超えながら理解し合っていく、という誠実な恋愛のメタファーの恋愛映画(なんという解りづらい表現だ)だなぁと思いました。
『結い』という概念も魅力的です。個人の意思を超えた悠久の時間の流れと、でもまた再び巡り合うかもしれない希望もあり、胸に残るものがありました。
ただ、すでに起きてしまった災害に対する考え方が軽いというか、都合が良すぎるところはひっかかり、違和感を覚えました。過去を書き換えることは人類にとってのファンタジーだが、作品内で表現されても、もはや良かった良かったで咀嚼できないんだよね。ヘヴィなテーマをドラマを盛り上げるための一要素として軽く扱い過ぎているのではなかろうか。
面白かったし、象徴的な意味を深読みできそうな作品なのですが、上記のような理由でガチっとはハマらなかったです。
良いところはあったんですが…
背景の美しさは言わずもがな。山を歩いてるときのカメラワークは感動しました。
男の子側の世界では既に彗星の事故が起きた後だということを観客に隠して話を進めていたところは、脚本として見事でしたが、あとはあんまり。
全体の構成や音楽の使い方が「教科書どおり」の良さだったんですが、何か足りないです。
この監督の他の作品もそうなんですが、二人きりの恋愛模様を見せるのが時間ばかりかけてて…。
終盤事故を阻止する「ときかけ」や「サマーウォーズ」っぽいワクワク展開が来そうだったんですが、そこもあまり面白くならず。
王道と言えばいいのか何なのか…、ちょっとどっち付かずでした。
過大評価しすぎ
確かに感動、ほっこりはする映画でした。
しかし、このサイトだけではないですが、全体的に高く評価しすぎです。
見え透いた伏線、やけに推してくる題名、彗星の被害のリアリティのなさ等々、色々課題が相見える映画でした。
でも、他の映画にはない良さも感じました。
たとえば情景描写。最初のシーンの、彗星が天を駆けていく、人間が実に非力なように思えるような、迫力の映像はこの映画でしか体験できないことですし、田舎の田園風景、都会の超高層ビルが乱立する間を塗りたくったような青い空もまた、圧巻でした。
TVなどで取り上げられ、話題になった後に見たのですが、まだまだ席は確保しづらいですね。
ここまで、少し色眼鏡を通してみている人が多すぎて、このような高い評価が正当なのか、疑問を感じざるを得ない者の意見でした。
口噛み酒飲みたい
右脳で観る映画
新海誠さんの映画は秒速、ほしのこえのみ視聴しています。
それらの作品と比較してとても分かりやすい話でした。だからヒットしたのでしょう。今までの作品は20代の男性が一番共感できそうな男向け雰囲気映画な印象でしたが、今回は全然違いますね。じわじわ切なさとやるせなさで嬲られることもなく見やすかったです。
こういう手紙などで交流していた人間が実は過去の人物でその過去の人物は実は死んでいてというのはどこかで聞いたことのある話ですが、それに何を+していくかは作り手の個性。新海監督は持ち味である美しい風景と未熟な男女とあらがえないはずの運命とすれ違いと宇宙っぽい何かとポエムと切なさと愛しさと心強さを混ぜ合わせ大衆が食べられる美味しい料理にしてしまったのでした。新海ナポリタン盛り付け上手で美味しい、そんな感じです。
毎日色んなパスタを食べている人は期待しすぎるとがっかりするかもしれません。でも食べたら大半の人が満足できるとっても美味しいナポリタンだと思います。
私も今回の映画が監督の作品の中で一番好きですね。終盤の「すきだ」に普通に泣きました。流れはベタすぎるのですが単純な人間には折れそうな女の子がたった一人の男の子への想いで再び立ち上がる姿は美しいしまぶしいです。遠くにいる誰かが自分のことを好きでいてくれている、幸せをねがっていてくれているという事実は、か弱い女の子に小さな村を救わせる充分なパワーとなったのだ!ああああ!鼻水が垂れました。全体を通して考えてもストーリーのテンポもよく、脇の人物も魅力的、押し付けがましく感動させてはこず、新海さんどうしたと言いたくなる優しいハッピーエンド、面白いなあ。
気になったところはそんなに無いのです。日記をつけているのだから日付のズレに気づきなさいよとかそういうヤボなあれやらこれやらは「そういう運命だったから」なんだと思うことにしています。この映画は細かい設定を味わう映画ではなくもっと感情的で、右脳で楽しむタイプの映画なのだと思うからです。エモーションなのです。エモいのです。そういうわけで随所随所がラッドのエモいMVになってしまったのは仕方ありません。そういう運命なのです。
いい歳をした人間の心にこんなに響いたので青春真っ只中の少年少女にはズドンと突き刺さってしまうのではないでしょうか。うっかり男女でいった多感な中高生は映画を見終わった後みんなカップルになってしまう危険性を感じています。(3ヶ月くらいでわかれるやつです)
そしてうっかり秒速も見ちゃってこじらせてしまう男子が増えちゃうのでしょうか。恐ろしい映画ですね。よしもっかい見よ。
鑑賞環境が良くなくって残念
評判通りまずまず面白かったです!
観て損した!とは思わなかったかな!
ちょっと時間差があったのがちょっとついていけなかったかも・・・
通路挟んで隣に座ってた恐らく高校男子3人組が映画始まってからもうるさいうるさい。
いきってるって感じでダサかったです。
そういう奴らはDVDでも観てろって感じ。
大迷惑!
薄れた夢でも未来を紡げ
昔から2Dアニメとロマンス映画がニガテな自分
(キライとかじゃなく単になんか小っ恥ずかしい)。
なのでニガテ要素2つが壮絶なツープラトン
を仕掛けてきそうな本作を観るつもりは
元々は無かったのだけど、本作の監督の大ファンで
あるという知人から「面白かったですよぉ」
と勧められた手前、ちゃんと観て感想言わないのも
失礼だし……という恐ろしく後ろ向きな理由で鑑賞。
おまけに僕は「新海……誠……ああ……名前……
くらいは……(力無い微笑)」程度の観客です。
まあ最初からネガティヴなこと言ってる訳だが、
感想はというと……いやいや、面白かった!
シナリオも後味も良いしテーマと思える点も好み。
観て良かったですよ知人氏、ありがとうです。
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『男女の人格が入れ替わる』という設定自体は映画
のみならず様々な物語で扱われてきた設定ではあるが
それでもこの物語はステレオタイプに収まっていない。
それはタイムトラベルものとの組合せによる所もあるが、
見応えのある映像、音楽や台詞が刻む快活なテンポ、
先読みしづらくサスペンスフルなシナリオの賜物だ。
まずは写実的な風景描写の美しさ。
冒頭の彗星落下シーンや東京の都市風景も
良いが、軒先の庭から捉えたショットなど、
植物の美しさは特に印象的。
キャラクター達の動作についも、コミカルな
動作は勿論(人の胸揉みながら号泣すんな(笑))、
奉納舞やペンを走らせる指などのここぞという
場面でのリアリティある所作にハッとさせられる。
(これらの精緻さはアニメのキャラクター達に
感情移入させる上では殊更重要なんだろう)
だが一番印象的だったのは、語り口の巧みさ。
例えば主人公2人が“入れ替わり”に気付き始めてから
中盤までの展開は殆ど定石とも言えるものだが、
そこも映像・台詞・音楽によるテンポの
良さで乗り切り、中弛みを感じさせない。
なかでも台詞の応酬のテンポについては特筆すべき。
離れ離れの2人でも、台詞をリズミカルに重ねる
ことであたかも会話のようなテンポが生まれる。
それはそのまま2人が互いに親密さを覚え
始めているという描写にもなっていたのだろう。
そのテンポが最高潮に達するのが、あの中盤だ。
後半の展開も読めなかった。
劇場で幾度となく流れていた本作の予告だが、
“前世”というキーワードや隕石落下跡を敢えて
見せたのはひょっとしたらミスリーディングを
誘ってたのかしら。僕は途中まで、てっきり
タキ側の時系列が昔の方で、しかもそれは有史以前
にまで遡るのではという的外れな予想を考えていた。
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忘れた夢についての語りから、本作は始まる。
大事なことなら忘れないはずなんて言うけれど、
人の記憶なんてものは自由にはできない物。
写真で顔は思い出せても、
年を経るごとに薄れゆくあの人の声。
写真すら取って置かずに離れた為、
輪郭を失ってゆくあの人の顔。
忘れたくない。忘れる筈がない。忘れるものか。
そう歯を食い縛ってみても、人は忘れる。
そういうものだ。
だけど、忘れたこと=些細なこととは限らない。
村での出来事を忘れてしまった後のタキは、
人の心に残る風景を造りたい守りたいという
強い想いを胸に就職活動に臨んでいた。
それは言うまでもなく好きな人を、そして
その人の故郷を救いたいという心の残滓だ。
とうに薄れたはずの記憶なのに、その記憶は
今の彼を未来へ突き動かす原動力となっていたのだ。
大切な記憶というのは、
例えその輪郭を失ってしまっても、その人の
心臓レベルに刻み込まれるものなのかも知れない。
何故かは分からないのに、
何かの拍子に激しく心臓を打ち鳴らす何か。
縁も所縁も無い筈なのに、
大事にしなければと心を突き動かされる何か。
そんな衝動に駆られたことはあなたには無いか。
それはあなたにとって、何か大事な
意味を持つ衝動だったのではないか。
あの結末にも賛否両論ある様子だが
(本作を勧めてくれた知人は、監督の従来作に
従うならすれ違ったまま終わってほしかったとか)、
個人的にはあのハッピーエンドも悪くない。
主人公2人は最後、躊躇う気持ちを捨てて
自らを突き動かす心のままに想いを伝えた。
それは、忘れた記憶から生まれる衝動に関する
この物語の結末としては、至極自然な選択
だったのではとさえ僕には思えるのである。
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ここから不満点。あるいは不思議に感じた点。
一番のそれは「母の不在」だ。
境遇のまるで異なる主人公2人にとって、
母親がいないという共通点は、互いにシンパシー
を覚える上でも無視できない要素であるはずだ。
ミツハ側には“入れ替わり”に関する布石でもある。
なのに、2人の母についての描写は極めて少ない。
いやタキ側に至っては殆ど無い。何か作り手の
意図があるのか、それとも制作の都合上
そうせざるを得ない事情があったのか、
理由は分からないが、不可解に感じる。
また母の不在はミツハと父の確執の根幹でもある。
最後にミツハが父親を説き伏せる展開に
説得力を持たせる為にも、ミツハ-母-父の
関係はもっと詳細に描くべきだったのでは。
もうひとつ腑に落ちないのは、“入れ替わり”に
タキが選ばれた条件は何だったのか?という点。
全くのアットランダムでは無いと感じるのだけど。
まあ“入れ替わり”のシステムを事細かに説明する
のも興醒めなので拘ってはいないが、やや気
になる。
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しかしながら、良い映画でした。大満足の4.0判定で。
このだだっ広い世界で、細い糸と糸とが
撚り合うことなんて滅多にない。その繋がりを
大事にしたいという直感に駆られたなら、
その感情にただただ従ってみるのもいいものかもね。
ああ、勿論、相手の胸を揉むとかの衝動はNGの方向で。
<2016.09.03鑑賞>
85点
5回鳥肌!
設定面白い!
夢の中だけですれ違ってると思ってたし
同じ時代ですれ違ってると思ってたし!
内容知らなかった分驚きの展開すぎた!
ただ、最後、ピタッと終わりすぎ!
階段で気づいて再会して泣く準備
出来てたのに…
そこだけ煮え切らなかった。
新海誠作品の中では傑作。映画としては凡作。
新海誠作品の中では、最も出来のいい作品であると思う。ただ、若い人向けで、いわゆるセカイ系ど真ん中のお話なので、スケールが大きいようでいて、男女二人だけの話なのでかなり小さい。他の人間との絡みも少ない。それでも過去作よりは、まともな作品により近くなっていて、見やすい。若い人(映画あまり見ない人)には流行りそうな作品。
恋心を抱くまでの過程はかなりはしょられていて、映画に出てくる主人公ヒロインはくっつくのが必然、といった共通認識の一点突破してるだけ。リアルな高校生は、逆にこれがリアルなのかもしれないけど。
展開は終始、二人は通じ合ってる、というご都合主義を使いすぎていて、展開や行動がさすがに無理やりすぎる。山に登りまくってますが、距離感が意味不明です。
ラストに至っては、間延びすぎ。君の名は、をハモった上でタイトルが出んだろ、と思ったけど、まさにその通り。そこまでの過程がダラダラとやりすぎ。微妙にすれ違ってるシーンは必要か?無駄。
RADWINPSも多用しすぎでくどい。曲は良いけど、何度も使うのはなぁ。前前前世はいい!
声優はかなり良かった。二人のいきがあってると思えた。男と女の時の使い分けが凄い。
ラストの時空間すれ違いの演出は、アニメ史に残してもいいと思います。
背景が綺麗、内容もイイ‼
TVCM観たときから時間のズレを予想したけど映画観始めたら、そんなに時間のズレがなさそうに見えたが、実は‥やっぱり‼と面白いズレだった。
アニメだけど内容もしっかりあって、もの悲しさが、ずーっと続くんだけど最後はハッピーエンドで、ホッとした。
SFファンタジーだね。
普段はアニメ映画は声優さんに声優して欲しいと思う事が多い中、今回は俳優の声優でも、こちらは気にならなくて、とても良かった。
全449件中、301~320件目を表示