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現時点、「地獄」を映像に解り易く具現化すると
結構近い事になるかも知れない、という映画。
遙か(でも無い)未来に有り得る目的の為
SF映画でしか有り得ない方法で
問題を解決しろとの上からの愚かな御達しを
実行する下層階級の人達の話。
音楽がかなり好き。
仲間はみんな感染系ゾンビ的(でいて個性的!)に
なり果て一人ずつ哀れな末路を辿ります。
(いや、ゾンビ要素はゼロでした。
ひたすら凶暴!ひたすら戦う!
勝利か!然らずんば死か!)
各個の事情、心情が納得いくだけに、辛い。
イカれ方がみんな違うンですってば!
怒りよりも悲しみに狂うヤツとか、
それぞれのウィークポイントを丸出しにして怒り狂う。
狂うベクトルが全員違う。ウィルスとは怒りそのものなのか。
ちゃんと作り込んだなあと、感心してしまった。
普段マトモな人程、悩み苦しみながら怒り狂う。
何でこんな事でこんな目に遭わなきゃイカンのだ。
更には結果何でこんな死に方しなきゃイカンのだ。
意外とセリフ少なめ、
ほとんどが叫んでて、会話じゃなかったりする。
で、やっぱ哀しい。
心情の吐露、自身の開示、幽霊の呻き声。
で、絵的に好き。光る光る。
光ってない箇所には悲しそうな眼が映っている。
でまた、目の芝居がレベル超高い。
だから喋らない。まして説明なんてレベル超低い事はしない。
互いを推し量る、密かに露わにする、
言葉じゃない意図を語る。
やっぱり台詞には意味が希薄だ。
目で示す。目にしか顕れて来ない。
愛する妻が地球(らしいな、やっぱり)で待っている
もうすぐパパになるゲーム好きな男は家族の為に
結果、地球外生物の侵略を赦す。
で、帰って来て泣く泣く、本当に泣く。
自分が自分なのかどうかも判らない。
だけど泣けて泣けてしょうがない。
妻が安堵してくれた。迎えてくれた。
それこそが全て。それでいい。
地球外生物に、成長と進化、という言葉を示し
一縷の望みを託した。
地球こそがひたすら続く地獄で、
人類こそ成長しなければならないからか?
(でもコレ、そもそもがマヌケ野郎のチート行為が招いた
災いなんだよね。賢くない・・・。
といえども、そんなモンなんだろうなああ・・・。)
今この現実の地球も、化石燃料とその奪い合いによって
滅びようとしていることはお忘れなく。
(疑いの余地あり、という陰謀論も聞いた事あるけどさ。)
まあ、呑気なこの国ではこの後何世代が
こんな呑気な平和を享受出来るのか。
既にそんな平和は夢と消えたのか。
滅ぶ時には我々のようなアホ先祖が
怒りの対象になるのか。
しかし、このフィクションにおいても
「文明」の最小単位である「家庭」に
それこそ、一縷の望みが顕れる。
美しく光ってて、夢のようだ。
「破壊」では無く
「存続」「成長」の為にだけ機能する共同体にしか
「希望」が映されていない。(個人的感慨になるけれど。)
「戦争」を現在行っている、容認している国家における
「家庭」とは、非人間的な「ムラ」の最小単位なのであって
「順列」が確実に存在し、「圧力」によって維持するしかない
苦しい空間なのではないかと想像されてならない。
・・・・。
それからやっぱ
映画を理解出来なかった人が
自分の選択眼の貧しさを悔やむ事は許す。
でも絶対に評価を下げるのはやめろ。
オレの好きな映画が
レベルの低い連中に蔑まれるのは
我慢ならんのだよ。