劇場公開日 2016年7月1日

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アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅 : 映画評論・批評

2016年6月28日更新

2016年7月1日よりTOHOシネマズ日劇ほかにてロードショー

女性賛歌と人生訓。バートンが製作に回りディズニー色増した続編

2010年公開のティム・バートン監督作「アリス・イン・ワンダーランド」は、ルイス・キャロルの児童文学「不思議の国のアリス」を原作としながらも、主人公の設定を7歳程度から19歳へ変更し、ストーリーも大胆に改変。ジョニー・デップが得意の白塗りで扮したマッドハッターや、ヘレナ・ボナム・カーターの頭部をVFXで巨大化させた赤の女王をはじめ、ヴィヴィッドで奇天烈なキャラクターたちもバートン風味満点のアドベンチャー娯楽作だった。

その続編となる「アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅」。バートンは製作に回り、「ザ・マペッツ」のジェームズ・ボビンが監督を引き継いだ。「Alice Through the Looking Glass」という原題の本作も、キャロルの「鏡の国のアリス」の要素を取り入れつつ、前作と密接につながる新たな物語を紡いでいる。

アリス(ミア・ワシコウスカ)は前の冒険で、ハッターと助け合いながら、アンダーランドと呼ばれる世界の救世主になった。だが今回、家族の悲劇の記憶にとらわれ衰弱死しそうなハッターを救うため、時間旅行装置に単身乗り込み、追っ手をかわしながら過去を変えようと奮闘する。自立した女性像がより強調されているのは明らかで、これは配給のディズニーが近年一層力を入れてきた路線(代表格は「アナと雪の女王」)と一致する。

アリス2部作の脚本を書いたのは、リンダ・ウールバートン。実は彼女、「美女と野獣」「ムーラン」「マレフィセント」といった具合に、強い女性を描き続けている“ディズニー御用達”の脚本家だ。今作では、ハッターの過去をたどる旅のなかで、白の女王(アン・ハサウェイ)と赤の女王の幼少期から続く確執も示して、主要キャラクターを深掘りした点も見逃せない。

他者の過去に触れることで、自身の“今”という時間の大切さを知る。現代に生きる女性に贈られる人生訓は、シンプルで力強い。バートンが具現化した奇矯なキャラたちで説くには、少々真っ当すぎる気もするけれど。

高森郁哉

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