マネー・ショート 華麗なる大逆転のレビュー・感想・評価
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これまた、一周回って「邦題絶賛論」
「キックアス」「マネーボール」「それでも夜は明ける」
ブラッド・ピットプロデュース作品にロクなものがない。作品内でも、作品外でも、自分がいいカッコをしなければ気がすまない。出れば、あからさまに浮いた役、出なくてもその「薄っぺらい作家性」を振りまく。
「マネー・ショート 華麗なる大逆転」
はじめはこの邦題はさすがに、とは思った。
だが鑑賞後、むしろほめたい気になった。
この副題は「それすら皮肉」であることは史実でもわかるからだ。
また一方、その邦題はこの「何の意味も持たない、むしろ有害な映画」であることを痛烈に皮肉っている。
それは「マネー・ショート」という訳の分からない造語だけでもよくわかる。配給会社はこの映画を「産廃」と理解しているからだ。
冒頭からこの映画は教えてくれる。
「わかった気になることが一番危険なことだ」
初めからこの映画は言っている。だがこの映画でわかることは何一つない。この映画で得ることは何もない。
銀行家にも歯車は存在する。
そんなことは一切無視し、一方的に空売りを仕掛けたものに「結果」の視点でしか描かれない。
こんなものでわかった気になることが全く恐ろしい。
それをこの映画ははじめから確信犯的に「わかった気になってはいけない」と逃げ道を作っている。
全く卑怯な映画だ。
それに輪をかけ、相変わらずブラッド・ピットが臆面もなく、悟った風にセリフを吐く。「薄っぺらさ」が際立つシーンだ。
全く気持ち悪い。
証券用語を知らないと面白くないかも
【鑑賞のきっかけ】
株式投資を行っている人間にとって、「株の大暴落」というのは、大きな関心事です。
本作品は、2008年に起きた大暴落「リーマン・ショック」を描いており、しかも実話に基づくとあれば、観ないわけにはいきません。
【率直な感想】
鑑賞が始まってすぐに、意外なことに気づかされます。
「空売り」という字幕のふりがなに「ショート」と書いてあるのです。
邦題の「マネー・ショート」から、連想するもの。
ショートというと、日本では、「電気がショートした」のように使っているので、「株が暴落した」→「投資の資金がショート、つまり、大損失を食らった」というように、考えてしまうのではないでしょうか。
でも、「ショート」の意味は違いました。
原題は、「The Big Short」なので、直訳すれば、「大規模な空売り」という意味になります。
しかし、ここで、本作品は、観客を選ぶ作品だな、と感じたのも、正直なところです。
「空売り」といっても、株式などの投資に関心を持っている方でないと、何のことか、よく分からないのではないか、と思います。
「リーマン・ショック」を引き起こした要因のひとつが、「住宅ローンを証券化したもの」。つまり、「債券」です。
この「債券」についても、どのような仕組みで、儲けることができるのか知らないと、物語を楽しむのは困難な気がしました。
しかも、「リーマン・ショック」というのは、住宅ローンを債券化していた銀行が破綻して、資金を失った企業が続出し、株価が大幅に下落した、というような単純なものではないのです。
その裏には、紙くず同然になった債券を、かき集めて、新しい「債券」を発行するという手法がありました。
また、本作品の主人公は、多くの人々が財産を失った中、巨額の利益を上げます。
そこには、「デリバティブ取引」という金融派生商品が使われているのですが、この仕組みを理解するのは、ちょっと難しいかもしれません。
【全体評価】
冒頭にも書きましたが、本作品は証券用語を理解しているかどうかで、楽しめるかどうかが、分かれる作品と感じました。
個人的には、とても楽しめる作品でした。
第一級のブラックコメディだ。
サブプライム住宅ローン危機を予測した投資家たちが、いかに危機を切り抜けたかを描く。その過程で、住宅ローンの杜撰さ、格付け機関の不正行為、銀行の詐欺的な行為などを、赤裸々に描いている。
深刻で複雑な題材を、詳細に描き、サブプライム住宅ローン危機を、最も分かりやすく解説した映画だと思う。それでも、出来れば基礎的な専門知識を、鑑賞前に知っておいたほうが良いと思う。
複数の投資家の話が描かれていて、ほとんどが実在の人物をモデルにしていて、いくつかの名前や経歴は変えているが、かなり忠実に再現している。多くの情報が詰め込まれ、ユニークな表現手法も効果的だ。
格付け会社や銀行の詐欺的な手法や隠蔽に対しても、シニカルに批判している。タイムリーな話題を痛烈な皮肉で取り上げ、テンポも悪くない。ほろ苦い教訓を面白く見せている、第一級のブラックコメディだ。
簡単に言えば、キャピタリズムは出鱈目つう事だ
『簡単に言えば』CDSとはリスクを保険として空売りする事。
要するにほぼ『詐欺』まがいのお話。
市場が暴落すれば、保険の値が上るって事。
但し、現在は規制されているので、そんな事は出来ない。
簡単に言えば、キャピタリズムはラスベガスのスロットマシーンって事。但し、これまでのコミュニズムはそれに国家が絡む。同じ市場主義。本来のコミュニズムは実現されていない。
この映画で『気づかなかった』『読み違いだ』と言うがそれは虚偽であり、彼等は確信犯である。勿論、人の命なんて考えていない。
また、銀行とか個人を『間抜け』みたいに語っているが、みんな知っていて、悪者がいるとすれば、自由と民主主義を語るお国にあるんじゃないかなぁ?
格付けに関しては、対象が映画とかも考えた方が良いと思うね。
『分かった♥全部売れ!』
事の本質など分かるわけもない。
つまり、この言葉が本質を語っている。
株は逆目に張るのが常識らしい
マ王、その昔に自営業やっていて当時のリーマンショックの煽りは少なからず経験してます😶
兎に角、仕事の数が一目で判るくらい減り日本でも各方面への打撃は大きく、連鎖倒産の影響からマ王のトコも売上回収不可の会社がありました💦
本作を鑑賞するにあたり、債券とかサブプライムローンとかの金融市場の事を理解してないと全く面白くない映画になるので、最低でも「債券」と「ローン」の仕組みくらいは予備知識として必要です✨
ちなみに「債券」とは、国や地方公共団体、企業などが資金調達する為の有価証券で、投資家からお金を借りれるシステム。
投資家は債券を購入して発行してるトコにお金を貸す。発行元は見返りとして利子の支払いを行い、満期になると元本の返済を行う。
主な特徴として、額面と利率があらかじめ決まっているので、計画的に資金運用をしたい場合に適している。
債券はいつでも売買できるけど時価は変動するので額面金額より高くもなるし低くもなる←株と似てる
また「ローン」とは、借金させてくれる商品の総称であり(借金そのものではない)例えば「車ローン」「住宅ローン」とはそれぞれに対して企業がお金を出してくれる商品名であり、現ナマを用意するシステムではない(それは借金、借入れという)
出してくれたお金を利子付きの分割払いにするのが一般的。
ちなみに「サブプライムローン」とは、アメリカでのローンの中でプライム層(優良客)よりも下位の層(サブプライム)向けに作られたローン商品の事。主役は勿論、住宅ローンですわ。
コイツが極めてクセ者なのはガバガバのローン審査というトコ(収入欄記入無しでもOK、街の浮浪者、ペットの名前でも通過した)
当然回収なんて出来る商品ではないのよ(サブプライムローンは後になると利率が高くなる仕組みだったから尚更)
そこでサブプライムローンは証券化(ローンはあくまで商品なので)されるのさ(証券とは、株や債券などの事。 財産形態の一つであり、発行元の信頼性から金銭的価値があり証券という形にすることで金融市場において売買出来る)
こうしてサブプライムローンは債券化、更にはパッケージ化(福袋的に他の債券と混ぜて売られた。後述のMBSとか)されて世界中にバラ撒かれる事になる。
更にはMBS→Mortgage Backed Securitiesの略。Mortgageはアメリカでは住宅ローンを意味するらしいのでモーゲージ債と言われる
CDO(Collateralized Debt Obligation)→債務担保証券の事。実態はサブプライム住宅ローン債【BBB】がメインだったが他の債券と混ぜて一見すると安全な債券【AAA】に思えた
CDS(Credit Default Swap)→対MBS債券みたいなモン。MBSの価値が下がって初めて儲かる保険のような債券
合成CDO→CDSのCDO版
と、投資素人にはワケが解らん用語が頻出するけど(マ王自身もこの説明が正確なのか判らない)主人公達は「サブプライムローンは必ず破綻する」と理解して(信じて)合成CDOやCDSを買い占めるというのが大体の流れ。
2007年夏頃から住宅価格が下落し始め、サブプライムローンの価値が下がる(サブプライム住宅ローン危機)
同時にサブプライムローンに関わる債権が組み込まれた金融商品(MBSとかね)の信用保証が失われ市場では投げ売りが相次いだ。
2008年終盤にはリーマン・ブラザーズ倒産による悪名高きリーマン・ショックが起こり、高い信用力を持っていたAIG、ファニーメイやフレディマック(証券会社や金融機関)が国有化される事態となった。
コレ、サブプライムローンが破綻したから主人公達は儲かったけど(どんだけ儲けたかは観て確認してくれ)破綻しなかったら自殺級の借金を背負う事になる、人生を賭けた勝負だったのよね(CDSはMBSの価値が下がらないと持ってるだけで額面の金を捨てなければならない)
証券は人が損をした金で儲けるシステム。
マ王は、人の不幸で儲けてはいけない、と教えてもらったので、世の中がどれだけ「今はゴールドを買うタイミング」「暗号資産は価値が上がる」「資産運用は令和の常識」「出来ない人間は老後が地獄」とか脅されようとも自分を信じて手を出す気は無い。
その為の一軒家だし(ローン無し、固定資産税も少額)その為の庭での野菜栽培なワケで、微々たるお金でも生きていける(贅沢なんて考えてない)知恵を絞ってるのよ。
人間、上を見て生活したらキリが無い。
幸せなんて1日3食頂けるだけで充分過ぎる。
食べたくても食べれない人を見ているマ王は、雨風凌げて眠れる場所と食べたい物を食べれる健康があれば、後は彼女ぐらいかなぁ←今のマ王には最後だけ贅沢
映画館での鑑賞オススメ度★★☆☆☆
意外に豪華俳優陣度★★★★☆
MBS購入者にはホラー映画度★★★★★
そこまで華麗でも大逆転でもない
サブプライムローン破綻で儲けた男たちの物語
原作本も読んだことがあるけど
難解だったので、本作のほうがわかりやすい
登場人物の名前が原作本と違う人もいた
CDSやCDOなどの難しい金融用語がたくさんでているが
途中でメタ的に解説が入る
それでも難しい感じは否めない
本作は基本的に登場人物が
独立して動いており、個々人が設けるために
CDOの保険になるCDSを購入をして
CDOが破綻をすると、儲かるという仕組みらしい
中盤で破綻に賭けた登場人物たちが
債務不履行が増えているのに
なぜ債券は上昇しているのかわからないので
ラスベガスで市場関係者に会いにいくと
関係者はみんな楽観的で、格付け会社も機能していない状況だった。
ラストは登場人物たちは賭けに勝って大金を儲けるが
湿っぽい感じであまり華麗ではない
結局、投資銀行などにまともに責任を取らせることができなかったからなのか?
ラストで「ウォール街は看板をかけ替えたCDOを売っている」
と書いているので
今も金融危機の芽が育っている?
とにかくテンポが良い
評価3.7
まさにマネーゲームといった作品。
ちょいちょいとメタ的な演出で入る視聴者への解説がわかりやすく、金融知識がなくても楽しめました。
他にも細かいカットインとかの演出が沢山あるのですが、中でも村上春樹の引用が出てきたのにはびっくりしました。
物語はリーマンショックでの経済危機を予見し、うまいこと出し抜いた男たちの実話に基づいた話。
とにかくテンポが良く、このスピード感が金融なんだろうなって思わされました。
ラストも着地が見事で、最後まで飽きる事なく観れました。
皆が一方方向を見ている中、現状を自分自身でしっかり評価し、周りと異なる行動を起こす姿のカッコ良さ
アダム・マッケイ 監督による2015年製作(130分)のアメリカ映画。原題:The Big Short、
配給:東和ピクチャーズ。
俳優陣が豪華でビックリ!そして、リーマン・ショックの実態は良く分かっておらず、そういう意味で大変に興味深い映画であった。ただ、この映画を見て、サブプライムローンやその派生商品について理解し、格付け会社のいい加減さも分かっただけに、多くの投資銀行が派生商品を売りまくったのが、信じられない思いがした。先々破綻するのは、めに見えてるのに。みんなで突き進んでいたらリスクに気が付かないというのが、多くの人間の性ということなのだろうか(先々明るいとはとても思えない中での日本の株高も同様?)。
そういう意味では、実に怖い映画であった。住宅ローンの幾つかが破綻しているのに、それらを寄せ集めた債券の価値が上昇するとは。実態とかけ離れても、盲目な大勢が上ると思えば短期的には上がるのが相場ということか。そういう中で、格付け会社の欺瞞を知り、冷静にバブル破綻を読んでいた人間が複数存在してというのは、米国社会の奥深さか。
そういう彼らに興味覚えたので、そのモデルも含めて列挙しておく。皆が一方方向を見ている中、現状を自分自身の目でキチン見て評価し、周りと異なる行動を起こす姿はなんともカッコ良かった。
マイケル・バーリ(クリスチャン・ベール)元神経科医の金融トレーダー。ヘヴィメタル好きで、常にTシャツ・短パン・裸足の変わり者。1971年生まれ、UCLA卒。現在でも、著名な個人投資家として影響力大の様。
マーク・バウム(スティーヴ・カレル)フロントポイント・パートナーズのリーダー。モデルはスティーブ・アイズマン: 1962年生まれ、ペンシルベニア大学及びハーバード・ロー・スクール卒。現在ニューバーガー・バーマン・グループのポートフォリオマネジャー。
ジャレド・ベネット(ライアン・ゴズリング)ドイツ銀行の行員。モデルはグレッグ・リップマン: 1968生まれ、ペンシルベニア大卒。現在,米国ヘッジファンドマネージャー。
ベン・リカート(ブラッド・ピット)引退したトレーダー。ジェイミーとチャーリーに協力する。モデルはベン・ホケット。
チャーリー・ゲラー(ジョン・マガロ)若手個人投資家。モデルはチャーリー・レドリー。
ジェイミー・シプリー(フィン・ウィットロック)若手個人投資家。ベンの隣人。モデルはジェイミー・マイ。
監督アダム・マッケイ、製作ブラッド・ピット 、デデ・ガードナー 、ジェレミー・クライナー 、アーノン・ミルチャン、製作総指揮ルイーズ・ロズナー=マイヤー、 ケビン・メシック、原作マイケル・ルイス、脚本チャールズ・ランドルフ 、アダム・マッケイ、撮影バリー・アクロイド、美術クレイトン・ハートリー、衣装スーザン・マシスン、編集ハンク・コーウィン、音楽ニコラス・ブリテル。
出演
クリスチャン・ベールマイケル・バーリ、スティーブ・カレルマーク・バウム、ライアン・ゴズリングジャレッド・ベネット、ブラッド・ピットベン・リカート、マリサ・トメイシンシア・バウム、カレン・ギランイーヴィ、メリッサ・レオジョージア・ヘイル、ジョン・マガロチャーリー、フィン・ウィットロックジェイミー、ジェレミー・ストロングヴィニー、
レイフ・スポールダニー、ハミッシュ・リンクレイターポーター、トレイシー・レッツ、アデペロ・オデュイエ、バイロン・マン、マーゴット・ロビー、セレーナ・ゴメス。
リーマンショックと何だったのか?が考えるきっかけになる映画
銀行マン、証券マン、政府までも、他人の不幸は放っておいて自分の利益を追求する
その連鎖が止まらなかった
世間一般の人は悪いことは考えたくない
そこに漬け込んだ
そして世間一般の楽観的な大きな波は、その業界の中での冷静な判断を鈍くする
この映画はそんな嘘ばっかりの状況を見破った人たちの物語
リーマンショックを詳しく勉強するモチベーションになる映画
そして身近な問題として住宅を購入するリスクを考えさせられる
ギャンブル化する金融市場
リーマンショックがテーマのノンフィクションを原作に、演出で軽妙に見せるがしっかりと辛口なメッセージが伝わってくる社会派作品。
色々とショッキングな米国の金融業界の内実が描かれていて勉強になってしまった…。
アメリカの人口も多いので一括りにはできないけれど、一般的に言って、日本人のように赤信号でもみんなが渡っていたら自分もつられて渡っちゃうようなことはしない人達だと思っていたので、老舗の大手金融機関までが全く新しい金融商品に雪崩を打って飛びついていたという事実にとても驚いた。より大きな利潤の追求、つまり売上ることが先走って、冷静な判断を放棄していたし、顧客優先という倫理観も失われていた。
それから、この事件の後始末は、映画の中の最初のシナリオのように処理して欲しかった。アメリカの良心を信じる昭和BBAとしては、非常に悲しい。しかも、その後も(今も)それに類する商品が売られているなんて…TT
かなりドキドキする映画☆
2008年のリーマンショックでアメリカの住宅ローンが破綻すると悟った4人のチームのアウトローな方々のドキドキする話でした👀
一般人は危機感を感じながらも購入した証券を持つことしかしてないけれど、CDS(証券)を大量に空売りすることで儲けられると彼らは考えてリスクを背負って賭けに出てました☆
話の規模がおっきくて見入っちゃうけど、サブタイトルに華麗なる逆転とあるけど、アメリカ的には逆転ではないのかなとも考えさせられました🥲
なぜならアメリカは800万人の雇用を失い、600万人住居も失い、銀行や政府の不正が露になったし。。。
大打撃をうけたけどこれによって大きく世界がうごいた背景を知れるとても興味深い作品でした🎞🇺🇸
リーマン…
ショック…
これは効いた…
が、ほんの些細なマネーゲーム…
アホではないか!と思うほどのショックの中身…💧
こんな事で俺等は…
腹が立ってしょうがなかった!
欲どおしい金持ちのせいで…
それにタカる亡者のような連中のせいで…
これらが全て事実かどうかはよくわからんが、アウトラインはこれだろう。
バカにでもわかるように人間の欲を表してくれてた。
巧みな解説技法
非常にわかりやすい例えや、演者の反応から難解さは感じなかった
本作の解説技法は卓越している
冒頭のマーク・トウェイン(『トム・ソーヤーの冒険』著者)の名言は無視することになるが
本作を見るには少し肩の力抜いたほうが良いのではないかな
わかったつもりで見る視聴者へ皮肉な気分を味わわせる趣向なら中々面白い
米国住宅バブル崩壊を投資家視点から描いた作品
主人公たちの奔走、その一方センメルヴェイス反射している銀行家たちの様子を面白おかしく映している
全くストーリーに関係ない本当にくだらない雑談で図付きの説明
フィクションはフィクションとして明確に説明
メタ的な表現で入る注釈
急に説明に挟み込まれるシェフ、女優
こうした解説技法や笑いの塩梅がとてもよい
名優たちをつかったコメディとして楽しめた
吹替版もとても良い
ただ住宅バブル崩壊の様子を知りたいなら
『キャピタリズム〜マネーは踊る〜』を見ればいいかな
あちらはドキュメンタリーとして面白い、多分本作も参考にしているだろう
さて、問題の邦題だが"ショート"の意味が金融用語でそもそも馴染みがないのに
わざわざ原題から変えて意味不明にするとは驚愕する
原作本に『世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち』というとてもいいタイトルがあるのに
「ビッグショート?何の話か分かんねえな、金の話だろ、"マネー"つけとけつけとけ、うーん、そのままだと客入らないから、そうだな逆転劇ってことにしとくか、そんなに違わないだろ、あとは・・・お、ウォールストリートって言えばそういや最近『ウルフ・オブ・ウォールストリート』主演のレオナルド・ディカプリオの作品で『華麗なるギャッツビー』ってのがあったな、よし副題は華麗なる大逆転にしよう!」
って程度の発想にしか思えないが・・・
この手の作品に手をだす客層を理解していない残念な邦題
そして字幕も"401k"と書いて誰が確定拠出年金だとわかるのか・・・
難解だとすればこうした字幕の不親切さがある
良作
一般的な知識人かどうかが試される映画
投資や金融·世界情勢に対して、日頃からアンテナを張れている「並以上の社会人」にとっては、これは単なる脚色された常識であり、ラストにも驚きはない。
いわゆる歴史ドキュメンタリーである。
投資や債権に全く興味がなく、日々を徒なる肉体労働と酒と煙草と女(男)に浪費する「その他の人」らには、おそらく理解不能だろう。
でも、好むと好まざるとに関わらず、世界ってこうやって動いてるわけですわ。
学生時代に勉強をせず、Fラン大でのコンパ三昧を活かしてブラック企業の下働きをしてる皆さん。
もしこの映画で少しでも良心に呵責を覚えたなら、とりあえず株でもやりませんか。
少しは世界の仕組みが見えてきますよ。
とまれ。
映画としては細かいネタとちょこちょこ挿入されるヘヴィメタルが、いい感じで緊張を緩和してくれる。
堅苦しい金融映画ではないが、娯楽対策でもない。
だって、普通の社会人には「常識」ですから。
例えるなら「毎年やる忠臣蔵」みたいなもんかな。
クリスチャン・ベールがすごい
なんだろ。
でも理解はできる。つまり、みんなが常識と思っていることが実はそうじあなかったって話。よくある。ほとんど99%は小さいから問題もない。例えていえばネットのコピペとおなじ。
だれも「なにも疑わない」し「調べもしない」。特に金融関係だと短期的な投資とリターンになるから、売れていれば問題ない(笑)
この映画を観たのは2-3回目だと思う。
大好きなクリスチャン・ベールの演技はここでもすごい。
緊張感がずっと最後までつづいている。
この映画のポスター、コピー、サブタイトル、予告編は詐欺である。
私は、「事実を基にした映画」と最初に出る映画が嫌いである。
仮にラストがいまいちでも「だって、これは事実ですから」って
逃げているような印象を受けるからである。
結果から言うと、この「事実を基にした」映画は成功である。
実は我々は(私は)リーマンショックについて詳しくは知らない。
しかし、結末だけは知っている。それが、この映画の最大の見どころ。
鑑賞前のリーマンショックの知識
米国のサブプライムローンの崩壊により、リーマンブラザーズが破綻したことに
端を発した世界的な金融危機。
そうではないよ!金融とか、破綻とか投資とか難しいから嫌いでしょ?
簡単にまとめるから知っておいて!知らずに損をするのは、あなたたち庶民ですよ!
という映画である。
劇中しばしば、俳優たちがカメラ目線で語るシーンがある。
これが実に効果的。
「はい、今難しい単語が出てきました。それを簡単に説明するから見てね。」
という意味合いである。
つまり、この映画はバラエティテレビでいうところの再現VTRなのだ。
業界を上から牛耳っている連中のなんと卑劣で汚染されていることか。
一部逮捕者はでるかもしれないが、大半はのうのうと大金をもらい
罪を償うどころか、いまだハイクラスな生活をしている。
割を食うのは底辺の庶民たち。
なにも金融だけの話じゃない、医療業界、食品業界、テクノロジー業界、
そして政界。
あんたら庶民は、自分で調べることも考えることもせず、上から操られてばかり。
今回だけは分かりやすく教えてやるから、今後は自分で調べて考えなさいよ。
と、言われている気がした。
サブタイトル「華麗なる大逆転」華麗でもないし大逆転でもない。
ポスター 4人が連携して絡むこともないし、俳優の名前配置も間違ってる。
4人はアウトローでもない。
「クセのある4人の、金融を題材にした痛快大逆転もの」
と思って観たあなた(私)。
すでに広告代理店に操られているよ。
世界的金融危機のトリガーとも取れる出来事です
題名であるマネーショート(空売り)ですが映画内では空売りなんて誰もしていません。
空売りと同じ理屈でとあるデリバティブ(金融派生商品)が破綻することで儲ける方に賭けた人たちの実話に基づいた物語です
映画の中で核となるデリバティブ「CDO」は銀行や投資銀行が企画販売した商品です。
この中身が「優良株とか債券詰め合わせセット」と「そこそこの株とか債券詰め合わせセット」と「激ヤバ株とか債券詰め合わせセット」とその他数多の金融商品から成るものです。組み合わせ商品セットを組み合わせすぎて売っている側もその内訳がわからなくなっています。
混ぜるのも激ヤバが入っているのもハイリスクハイリターンだと説明して売れば構わないのですが、最悪なのは銀行や投資銀行は優良株が含まれていることをいいことにズブズブの関係にある格付会社にAAA(トリプルエー)の評価をつけさせたことです。
誰だってAAAでハイリターンなら買います。こうしてCDOは一般投資家や他所の銀行や投資銀行にも広く多く売られてしまいました。
サブプライムローンという言葉ばかり独り歩きしていますがこの「激ヤバ株とか債券詰め合わせセット」の中にサブプライムローンを債権化したデリバティブがそこそこ含まれているというだけです。
そしてもう一つの核となる「CDS」です。
こちらはCDOの破綻に備えた保険です。CDOにもしものことがあった場合、CDOが大暴落して大損こいた時に一定の金額が補償される保険証券です。
但し売る側はCDOが暴落するとか全然思っていないので映画の中でも「マジでこんなの買ってくれるの?バカじゃないの」って感じでニヤニヤしながら大量のCDSを売る様子が描かれています。
そしてそしてこのCDOの中身、目論見書を読み解き絶対破綻すると気づいた一部の人たち、個人投資家や小さな投資会社や二人で立ち上げたベンチャー投資会社などごくごく限られた人たちがCDSを買いまくるわけです。
CDSは保険なので掛け金が必要です。
CDOの数%にすぎないとは言え元がデカいので掛け金もバカになりません。
保険金はCDOが破綻しないと発生しないのにそれがいつか誰にも分からない状況です。
現実にサブプライムローンの焦付きがアメリカ全土で起こり始め、サブプライムローン債券が含まれるCDOもなんかヤバいのではと皆が少しずつ感じ始めます、それでも国や格付け機関が全然問題ないと公言するので腰を浮かせつつも逃げ始められない人たちの様子、CDSを買った人たち、CDOの破綻に賭けた人たちの「こんな状態なのになんで破綻しないんだよ」がドキドキします。
でもでもやっぱり現実は止められません。
サブプライムローンの焦付きがアメリカ全土で一気かつ大量に起こったためCDSを販売した銀行とか投資銀行、つまり破綻するCDOの補償金を払わなければならないところの株が大暴落します。その差はあれど億ドル単位を支払う義務のある金融機関はとても持たないだろうという投資家たちのごくごく当然の反応です。
株価は大暴落して多くの金融機関が破綻の危機に見舞われますがリーマンブラザーズを除く金融機関、ドイツ銀行やゴールドマンサックス、モルガン・スタンレー、クレディスイスなど多くの銀行や投資銀行は国益に対するダメージを理由に公金、つまり税金が注入されて救済されます。
リーマンが救われなかったのはとりわけCDOやCDSの取扱量が多かったこともありますが国とのパイプが他と比べて太くなかった。ズブズブ度が低かったためとも言われています。
この映画で最も見逃せないこととして金融危機の余波は一般企業や労働者を直撃して倒産、仕事や家を失ったということ。そしてダメージを負った人々は救われることなく路頭に迷い悲惨な現実を生きることになったということそして何よりCDOを販売した諸悪の根源である銀行や投資銀行を救ったのはそんな市井の人々が納めた税金という点です
そういう映画です。
資産運用や金融商品の勉強してる人なら、ハマるはず!
初めて見たのは2019年
もう何度も見た
自分は株やETF、外国為替で資産運用しているが
金融の知識がないと、何のことかわからないかもしれない
そういう自分も1回目見たときはよくわからない部分があり
調べてから見直した
実話が元になってるとのこと
サブプライムローン問題がやっと理解できた
(100%ではないが)
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