レヴェナント 蘇えりし者のレビュー・感想・評価
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ディカプリオ史上最も過酷な撮影
アカデミー賞12部門にノミネート、3部門で受賞を果たした本作。何と言っても主演男優賞に輝いたディカプリオの迫真の演技が見所の一つ。台詞は少ない今回の役柄だが、特に熊に襲われ大負傷を負った後からの目と身体だけの演技が秀逸。これまで色々な役柄をこなしてきた彼だが、自分史上最も過酷な撮影だった、という中で最高のパフォーマンスを見せてくれた。
もう一つの見所はアカデミー撮影賞を受賞したエマニュエル•ルベツキーが手掛ける映像美。まるで自然ドキュメンタリー大作を観ているような圧巻の大パノラマの中で物語が展開される。そして映像の美しさもさることながら、緊迫感•躍動感を際立たせるカメラワークや撮影手法も素晴らしい。CGを使っているにしても一体どうやって撮ったんだ?と思うようなシーンが各所にあり、物語の進行を追うと同時に撮影のテクニックにも随所で感心させられた。
物語の進行も無駄が無く、裏切り、復讐、家族愛、仲間の絆、人間の本性が映し出された傑作である。是非鑑賞をお勧めする。
おもいがけずの大作
鬼気迫るとはこの事でしょう
印象に残るのは
生傷が絶えない!
アメリカ西部開拓時代の話。
狩猟団体に属している主人公がインディアンの襲撃を
かわしながら毛皮を運ぶ道中で熊に襲われて瀕死になり、そこで仲間に置いてけぼりにされるどころか息子を殺されて復讐するストーリー。
熊に襲われるシーンなんかリアリティ満点✨
瀕死の状態で土から這い出た後から生傷生活の始まり。
インディアンに見つかり川の濁流に流される。
馬を強奪するも仕返しに遭って崖から転落。
生肉食べて吐き出す。
寒さを凌ぐ為に馬の内臓を取り出して馬の体内へ入る。
ラストで耳を噛み千切られる。
などなど生傷が絶えない!!(笑)
それでも復讐する為に過酷な自然環境の中を生き抜いて
目的を達成することができた主人公。
ジェラルドをインディアンに引き渡して
「神に委ねる」的なことを言ってましたけど…。
いや、そりゃ殺されるに決まっとるわww
インディアンに引き渡さなくても
腹と太ももをナイフで刺されて、横っ腹は斧で切られ、おまけに指も切断されて…。あの豪雪地帯。
放っておいても死んだよ、絶対…。
最後に、この映画の見所シーンは
狩猟団体の隊長がグラスが生きていたことを知り
ジェラルドと一緒にグラスのことを頼んだ男にぶちギレたシーンだね。
男「ま、まって!死んだと思ってたんだ!」
隊長「祈りの言葉を言え!!」
男「知らなかったんだ、助からないと思って」
隊長「いいから祈りの言葉を言えーー!!!」
男「…ブツブツ(祈りの言葉)」
隊長「黙れ、黙れーー!!!」
男「…!?」
この理不尽なやりとりは笑うしかないよね…(笑)
運のいいやつ
疲れた
暑い夏に最適
アリカラ族の襲撃後、船を捨て森の中を進んでいた一行。そんな中、ヒュー・グラス(ディカプリオ)がグリズリーに襲われ瀕死の重傷を負う。仲間たちは彼の応急手当をして運ぶが、途中ヘンリー隊長(グリーソン)はブリジャーとフィッツジェラルド(ハーディ)に彼の最後を看取り丁寧に埋葬するように命じる・・・
フィッツジェラルドは厄介な怪我人を楽にさせようと殺そうとするが、それを止めようとしたヒューの息子ホーク(フォレスト・グッドラッグ)を刺し殺してしまう。そして瀕死のヒューを置き去りにしてフィッツジェラルドとブリジャーは先に出発した仲間の元へと急ぐのだった。
何とか這い出して一人彷徨うヒュー。途中、先住民の一人に助けてもらい、旅を続ける。ようやくキャンプ地にたどり着いたヒューはケガの治療を受けながらも息子の復讐へと燃える。
一緒に行った隊長もやられるし、凶悪ぶりを発揮するフィッツ。彼もまたインディアンに頭皮を剥がされた経験のある蘇りし者だったことが面白い。
ディカプリオの演技がすばらい
マカロニウェスタンのような復讐劇だったら、最後は悪者を撃ち殺してスカッとするのであるが、この映画はいまいち後味が悪かった。殺される前に彼が、「俺を殺しても息子は戻ってこない」と言ったが、まさにその通りである。
最初は白人対インディアンとの戦いの物語かなと思って見ていたが、息子を殺されてからは、復讐劇の映画だなと分かってしまう。結局、どんでん返しもなく、あとはディカプリオの一人芝居的演技と、厳しいが美しい冬山でのサバイバルを堪能する映画となった。ただ、その二つはどちらも予想外に素晴らしかった。
特にディカプリオについては、タイタニックの頃までは、単なるイケメン俳優くらいにしか見ていなかったが、「ブラッド・ダイヤモンド」あたりから、演技派俳優として認識するようになった。今回初めてオスカーを取ったが、納得する演技だった。
あと、音楽がいいなと思ってスタッフを確認したら、坂本龍一だった。
レオ様の演技と熊の戦いと馬との落下
熊との戦い臨場感あり、馬との落下も本物にしかみえない。レオ様の演技を堪能する映画でした。歴史上、アメリカに原住民いたのに、侵略して酷いことしたから、後から来た西洋人が酷い目に遭っても仕方なし。と言うことか。
独りよがり、テクニック重視?
【単なる復讐劇ではない骨太な自然×宗教映画⁈】
・アメリカ西部開拓時代に生きた罠漁師ヒュー・グラスさんが体験した過酷なサバイバル旅を描いた伝記モノのアメリカ映画。
・超シンプルに言うと、息子を殺された父親の復讐劇が西部開拓時代の大自然の中で繰り広げられる、という大枠ストーリー。
∟少し、詳細に記載すると…主人公グラスとその息子ホークがガイドとして同行していた毛皮ハンターたちが先住民の襲撃を受け拠点に戻る途中、グラスが熊に襲われ重傷を負う。先を急ぐ隊員たちは、もう死ぬだろうグラスを最後に埋葬するために2人だけ残して先を進む。残った2人のうち、ジョンという男が結構な自己中で、早く隊に追いつきたいからグラスを殺そうとする。それを見つけた息子ホークは止めようとするも殺されてしまう。グラスは声も出ない中、息子が殺されるところだけを目の当たりにした。やがて、2人はグラスが死んでいないのに形だけ埋葬してその場を去る。その後、生き残ったグラスによるジョンへの復讐劇が始まる、という大枠ストーリー。
[お薦めのポイント]
1.劇映画でありながらドキュメンタリーのように大自然を堪能できる
2.過酷なロケを乗り越えて撮影された骨太な映像作品
3.劇映画らしくないリアリティの追求
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[物語]
・物語の核となる部分はいたってシンプルな復讐劇。そこに自然の厳しさ、宗教的な考え方、を取り込んだ物語となっており、シンプルな復讐劇だけでは終わらない構成になっていました。
[演出]
・自然と宗教をかなり丁寧に描いています。ゆえに、上映時間も約2時間30分という超大作に。
・はじめは、単に復讐劇を観るんだな、と思いましたが、途中のサバイバルがかなり丁寧に描かれているので、趣旨を忘れてしまうほど。ただ、それがこの映画の見どころなのかもしれません。普通に便利に、生きれてしまう今とは違う西部開拓時代。火を得るのも、食べ物を得るのもとても難しい状況下で必死に生きる人間が描かれており、なんだかわかりませんが、「生きる力」を感じ取れるような演出になっているのではないでしょうか。
・熊に襲われた後の、回復の遅さ、というリアリティもすごいです。大体、この辺てはしおられるものですが、こちらも丁寧に描かれている。この丁寧さが映画の魅力かもしれません。
[映像]
・大自然が圧巻です。
・熊にやられた後のグラスの痛々しい体の表現もよかったです。
[音楽]
・「自然」にあった壮大な音楽。といって、音楽だけが目立つわけではなく、裏でしっとりと奏でてくれるものでした。
[演技・配役]
・ディカプリオさん、やはりすごいですね。毎度思いますが、苦しみの表現が特にすごいなぁ、と思います。こちらまで苦しくなるほど共感させてくれます。
[全体]
・映画の概要説明では、「ただの復讐劇」のように感じてしまいましたが、この映画は「復讐劇」はほんの一部でしかありません。どちらかというと自然の厳しさや宗教的な考え方を提供するために「復讐劇」という一本の骨を中心に通しているだけで、周囲の肉付けは全く異なるものではないでしょうか。それでも、概要説明に惹かれて一度鑑賞すると2時間30分、止まらずに見入ってしまう魅力がありました。ありがとうございました。
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#全体3.5 #物語3.5 #演出3.6 #演技3.5 #配役3.5 #映像3.7 #音楽3.6
ただただ一言、『凄い』。
家族への愛、復讐心、そして人間とは。大自然の中に放り出された人間の無力さ。醜く争い、差別し、殺し合い、奪い合う。
熊(グリズリー)との闘いはあくまでも序章。縄張りや家族を守る為に敵を殺す動物、私利私欲の為だけで見境無く殺す人間。大自然の中でどちらが本当の鬼畜なのか。
度々挟まれる壮大で厳しい自然の景色に、人間とは何かを考えさせられる。自然の明かりのみでの撮影により、幻想的で何処か穏やかに没入感を体感出来る。
本物の動物を使い、リアルな食事シーン、"死"という現実を身近に感じさせる演出。『重い』『暗い』『グロい』という言葉が、正にピッタリの映画だと思う。だが、これはこの"作品"への『褒め言葉』。
綺麗に終わらせられる訳が無いなんて、脚本の段階で監督も俳優も分かっている。だからこそ、ディカプリオも全身全霊で、グラス役にぶつかり、賞を獲ったと思う。
本作は観客を楽しませる方向性が全く違う。
名作【ジョーカー】と同じカテゴリーで、この映画は万人受けの娯楽作品ではなく、圧倒的で有無を言わさず考えさせられる作品。
実在した罠猟師ヒュー・グラスを元に、その1人の人間の生き様を本気で演じる、レオナルド・ディカプリオという俳優。2時間半、覚悟してじっくり味わって欲しい。
五感に響く作品
アメリカの伝説だからピンとこなくても仕方ない
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