ブランドン・ラウスのひさびさの主演作ということで、期待して見てみましたが、もう「ひどい」の一言。そういわれると、どうひどいのか見てみたい人もいるかもしれませんが、時間のムダです。彼のキャリアに、また汚点が一つ増えましたね。まあ、マーク・ハミルもとんでもないクソ映画に出演しているので、いつか巻き返してくれると信じています。温かく見守りましょう。
映画は、火星までの有人宇宙飛行を想定した、長時間密閉空間でサバイバルするという、現実に行われている実験の一種で、リアルに取材して、きちんと描けばきっと面白くなる題材です。
ところがこの映画は、脚本の段階ですでにいくつかの問題を抱えていて、それをクリアしないまま撮影に入ってしまったので、話のボロが繕いきれない。見ていくほどに「???」疑問が沸き上がってきます。
たとえば、ラウス演じる船長役のセオは、ミッション直前に失恋してやけ酒をあおり、二日酔いでミッションに当たります。マスコミも数十人駆け付けた記者会見で、そのことを恥じもせず告白します。他の乗組員は当然、この船長に不信感を抱くでしょう。ところが、医療担当のエミリーは実はその失恋の相手で、そこから400日のミッションがスタートするので、この二人な関係がどうなるのかは、ストーリー上の宿題になります。でも、この二人、どうにもなりません。
乗組員は全部で4人。それぞれが精神にダメージを負っていき、関係にもヒビが入っていきます。
そしてミッションの中盤、いきなり電源がダウンし、コントロールセンターと連絡が取れなくなります。とりあえず節電でしのぐという結論のまま、何の行動も起こさない船長(笑)さらには、謎の侵入者があらわれ、この人も、いつの間にか消えます。。。宇宙船の中で生活するという模擬ミッションなのに、宇宙船を模したモジュールには、ダクトがあり、外につながっています。(ええっ?)自分たちの尿をリサイクルして飲み水にするほどの、完全隔離のはずなのに?
どうやら、地球で何か起きたらしい。という結論に至りますが、彼らが生活するモジュールは地球にあるし、、、
で、なんのかんので、ミッションを中断し、脱出に成功しますが、外の世界は核戦争のあとのように変わり果てています。このシーンも含み、CGは使わず、手作り感満載なので、画面はとにかくチープです。どうやら、月に何かが衝突し、地球の環境が変化してしまったようなのですが、近くのダイナーは細々と営業を続け、質素な料理と、密造酒みたいなものを振る舞います。(なんでダイナーがあるんだよ?というツッコミは届かず)
謎の敵に、クルーが捕まり、残されたのは、セオとエミリーの二人だけ。彼らがどこに消えたのか、まったく触れることなく400日のミッションが終了します。
なんと、ミッションはまだ継続していたのです。月に何かが激突したことも、彼らがモジュールを放棄して、近所のダイナーで食事していたのも、全部含めて、400日のミッションコンプリート!コントロールセンターから、祝福のメッセージが届き、映画はぶっつり終わります。
なんじゃそりゃ。
時間返してくれ。
2017.11.30