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時をかける家族たちが先祖のじいちゃんを救う話。全く期待してなかったけど面白かった。良かった点は2つある。
1つめは、「ワンシチュエーションなのに飽きない展開」だ。
序盤はよくある遭難ホラーかと思いきや、全員が血族と分かる中盤以降はがっつりタイプリープ物に。一度に二度楽しめる作品。
遭難、小屋、斧、訳あり見知らぬ男女、ホラー要素の寄せ集めみたいな設定。最初はトムが何考えてるか怪しくて「コイツ絶対裏あるだろ...誰か殺しそう」と思ってたけど、全然違くて予想外れた。そもそもホラー路線じゃなかったのね。トムさん、見かけで判断してごめんよ。
中盤からは登場人物の全員が血縁関係だったという衝撃の事実が発覚。誕生日の伏線だったり、ジョディとサマンサが会話してる時の距離感だったり、なんとなく「もしやこの2人親子なのでは...?」と、若干感づいてしまった部分もあったけどね。それでもワンシチュエーションで家族が一丸となって先祖を救う、という新鮮な設定に終始ワクワクして観れた。
救われる立場のじいちゃんが一番荒ぶってて笑った。アンタをみんな救おうとしてるのに非協力的で、挙げ句の果てには孫をぶっ殺しちまうだなんて...。でも、このじいちゃんが物語に緩急をもたらしたから必要な存在だったのかもしれない。ジョディ、サマンサ、トムの三人だけだったら、のっぺりした展開になって飽きてたかも。ありがとう、じいちゃん。
2つめは、「ジョディの印象が最初と最後でまったく違う」こと。
冒頭からの強盗でワルなジョディと、最後の上品なお嬢さまジョディでは、とても印象が変わって驚いた。髪やメイクだけで人はあんなに変われるんだね、役者さん凄いわ。
ジョディの成長も分かりやすいのもいい。強盗や人殺しの罪を犯すジョディが、本来会うはずなかった家族にあって徐々に改心していく。家族が実際に側に居て会話できる、これだけでも大事なんだと気付かされた。
俺は母子家庭で父親という存在がよくわからないけど、父親が居ない分母親と祖父母にたっぷり愛情注いでもらったから優しい人間になったと思っている。もし、これでだれからも愛情を受けずに育ってたらガラッと悪い方に性格が変わっていたかもしれない。
個人的にエンディングが好き。普段EDは観ないですっ飛ばすんだけど、この映画は最後までずっと観ちゃった。ジョディとサマンサが2人で浜辺を歩いてるシーンと、哀愁ただよう音楽が絶妙にマッチしてたから。余韻が心地よいから皆んなもED味わって欲しい。
知名度低いし、タイトルとパッケージからB級映画臭ぷんぷんしたけど舐めてた。だけど良い意味で裏切ってくれたので、タイムリープものが好きなら観て損はない1本だ。