ミュージシャンのニール・ヤングが300万ドルの自己資金を投じ、バーナード・シェイキー名義で自らメガホンをとった反核ブラックコメディ。核廃棄物処理場によって放射能汚染された街。ガソリンスタンドで働く自動車修理工の青年は、夢の中でネイティブアメリカンと一緒に歌ったりコンサートを開いたりする。ガソリンスタンドの隣にあるダイナーには、気まぐれなウェイトレスや狂気に満ちたコックがいた。やがて、原発事故が発生し地球は滅亡してしまう。核廃棄物処理場の作業員をロックバンド「DEVO」のメンバーたちが演じ、ヤングの代表曲「Hey Hey, My My」を一緒に演奏する。デニス・ホッパーが狂ったコックを怪演した。共演に「ウエスト・サイド物語」のラス・タンブリン、「パリ、テキサス」のディーン・ストックウェル。オリジナル版は1982年製作。日本では劇場未公開だったが、2015年「日本初公開!世界のどす黒い危険な闇映画」の第4弾作品として、14年のトロント映画祭で上映されたディレクターズカット版が劇場公開。
伝説的ロック歌手のニールヤングさんが自費300万弗をつぎ込んで作ったミュージック・ビデオ仕立てのコメディ映画。映画製作当時、スリーマイル原発事故もあり、彼の1970年のヒット曲After The Gold Rushも核戦争の嘆きだった、宇宙開発や大量破壊兵器など、科学文明が急激な勢いで発展してきた時代に対し、この歌は「見ろよ、母なる自然が逃げ出していく」と、アンチテーゼを歌っている。核で世界の終りになる最後の一日を描きたいと動機は見上げたものなのだが、できた映画の内容は別物。 まともな脚本も無く殆どアドリブ、出演者もどんな筋書きだったか覚えていないと言う体たらく。わざとらしいドジキャラや笑えないギャグばかり、インド映画顔負けのミュージカルシーン。たしかにニールヤングだから音楽シーンが売りなのでしょう。ただ自身もカバーしていたボブディランの「風に吹かれて」を替え歌にして「全ての答えはおならの中~」といじっていました、まるで小学生かよと突っ込みたくなりますね。好意的に見れば社会問題などあまり関心の無い若者やお馬鹿連中にこそ見て欲しくて意図的に稚拙に作ったのでしょうかね・・。