人間狩りに放射能汚染…社会の闇えぐった問題作2作品、今夏初上陸
2015年7月7日 21:00
[映画.com ニュース]日本未公開の異色映画を紹介する「初公開! 世界のどす黒い危険な闇映画」の第3、4弾が発表された。「荒野の千鳥足」(1971)、「SCUM スカム」(79)に続き、社会の闇をえぐりとったピーター・ワトキンズ監督作「懲罰大陸★USA」(71)、ニール・ヤング監督・主演作「ヒューマン・ハイウェイ」(82、ディレクターズ・カット版)の2作品が、今夏に日本初上陸する。
「懲罰大陸★USA」は、「傷だらけのアイドル」で知られるBBC出身のワトキンズがメガホンをとったフェイクドキュメンタリー。70年のベトナム反戦デモ学生射殺事件をきっかけに、米政府による反政府的な危険分子の人間狩りを描いた問題作だ。
第24回カンヌ映画祭での上映を経てニューヨークで公開されるも、国家権力による暴力を告発した衝撃的な内容から、わずか4日で上映が打ち切られた。その後も「どんなことがあっても本作をアメリカのテレビで放送できることはない。永遠に放送しない」と闇に葬られてきたが、2010年ミラノ映画祭に正式出品された。
ニール・ヤングが自己資金300万ドルを投じ、バーナード・シェイキー名義で撮りあげた「ヒューマン・ハイウェイ」は、放射能に汚染された街を舞台に、原発を風刺。ヤングのほか米ロックバンド「DEVO」、デニス・ホッパーらが出演。ヤングは、DEVOのメンバーとともにアルバム「RUST NEVER SLEEPS」の代表曲「Hey Hey, My My」を披露している。2014年の第39回トロント映画祭で、突如ディレクターズ・カット版がお披露目された。
「懲罰大陸★USA」は8月29日、「ヒューマン・ハイウェイ」は9月12日から東京・新宿シネマカリテほか全国でレイトショー公開。