残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋のレビュー・感想・評価
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防ぎようのない恐怖が蔓延する世の中は怖い
関連ムーヴィ『鬼談百景』を観てから観ました。
怖い映画は好きなのですが、うーむ、今回はいまひとつ。
怖いのは怖いのですが、なんだか文脈が乱れているというか・・・
作家である私(竹内結子)のもとに届いた女子大生(橋本愛)からの手紙。
読者からの届く実話(?)をもとに、現代の百物語を連載している私の心に、ちょっと響いた。
いわゆる団地の怪談なのだけれど、セオリーとは異なって横並び・縦並びでもない。
通常だと、その部屋に「謂れ」があることがほとんどだけれど、その「部屋」に謂れはない。
女子大生が過去を探っていくと、その土地に数々の謂れがあった・・・というハナシ。
へへへ、面白いねぇ。
怪談ってのは、まぁ、そんなものだ。
ある種の「限定された空間・時間」の中に、非日常=恐怖というものを押し込めて、日常を安楽に暮らそうというもの。
その土地土地に根付いた怪談は、あって無べなるかな。
この映画では、その「非日常」要素が、何年何世代にもわたって残っている、というのが面白い。
主人公である私の夫が、新築住宅の地鎮祭の際に私にいう言葉が興味深い。
「土地には、何人も何世代も住んできたのだから、血なまぐさい土地なんてない」
そう、つまり、時間的に「非日常」は、あるとき忘れてしまうということ。
まぁ、それがあるから、人間って生きていけるんだけれど。
ということで、この映画の「縛り」は空間的なものかと思って観ていたら、ありゃ、件の「住んではいけない部屋」の根源を探っていくと、遠く離れた土地に根源があったという。
ありゃりゃりゃ、こりゃダメだ。
作り手が勝手に、自分で拵えた埒を破ってしまっている。
うーむ。
まぁ、時間も空間も超えて「非日常」の穢れが連綿としていく・・・というのは怖いのかもしれないが、そういうのはどうもインフルエンザとかのウィルス感染を思い出して、かえって怖くない。
防ぎようがないから怖いのかもしれないが、この映画では、そういうようになっていない。
私に加担するかのように、興味本位で首を突っ込む佐々木蔵之介の作家は、最後に憑りつかれない・・・
これってミステリー的にはちょっと合点がいかないなぁ。
まぁ、そもそもホラーなので、ミステリー的納得を求めてはいけないのかもしれないが、それだったらミステリーのような語りは止めてほしい。
しかし、たぶん、こういう「防ぎようのない恐怖」というのが現代におけるいちばんの恐怖なのだろう。
ああ、なんだか、むかしの怪談が懐かしくも、羨ましいよ。
もう無理
ホラーはあかんのです。
苦手なのです。
でも、この監督の作品結構見てるので、見ちゃいました。
結果後悔。
あまりホラー見ないので何ともなのですが、
最後は納得いかない。
他の人はどうなったのよ。
なんであの人たちだけなのよ。
…そういうこと考えたらいけないのかな…
やっぱオカルトはちょっと‥
穢れの根底が暴かれていくところは興味深かったが、最後は本当にイマイチ過ぎた。穢れに触れてしまったことで祟られるなら、何故主要キャストの当事者でなく他のどーでもいー脇役メンバーが祟られる?結局竹内結子の首は祟りじゃなかった?けど電話が来た?中途半端なおわりかたでもやもやしすぎた。
久々に正統派
ホラー映画を見て怖いと思うその基準は人によって様々ですが、この映画はいわゆる直球型の、ドカンと来るホラーではなかったので、全然怖くないと言われれば確かにそれも正解と言える映画でした。
しかしJホラー全盛期を髣髴とさせる、ジワジワと来るような、ある種邦画でしか描けないホラーに仕上がっていたと言う点では、久々にブルっとさせてもらえましたし、やっと「まともな」Jホラーを見れて私的には意外と満足度は高かった作品でしたね。
監督が中村義洋監督でしたし、キャストもかなり豪華でしたので、近年弱体化が激しいJホラーとは一線を画す内容なのではないかと、かなり期待はしていたのですが、まあその期待には十分応えてくれた作品だったのではないかなと。
やや締め方に安っぽさが出てしまった(それまでとは明らかに路線も違いましたし)のがちょっと勿体無かった印象は残りましたが、一番大丈夫そうな人でもああなってしまうと考えると、物凄く恐ろしいしジワジワは来ますね・・・。
しかしまあどちらかと言えば、この映画はミステリー要素の方が強かった映画と言えましょうか。
その辺で好みは分かれそうですが、一つの怪奇現象の元を辿って調べれば調べるほど、少しづつ驚愕の事実が明らかになって身震いするその手法は、お見事の一言だったと思いました。
スムーズに時代を遡るので、混乱することも無く、物凄く説得力も感じ、また映像も恐怖感を煽る古めかしさだったので、思わず寒気を感じてしまいました。
今、自分が住んでいる土地も、元を辿れば・・・って考えただけでも怖いです。
登場人物に特に色はなかったし、特別感情移入できる演出も施されていなかったので、話だけを見ればやや退屈も、あくまで主人公は恐怖そのものと考えれば、この演出にしたのはある意味納得。
竹内結子&橋本愛自体は十分堪能できましたので、個人的にはOKです!
まあとにかく、久々に上質のJホラーを見させてもらいましたよ、さすがは中村義洋監督作でしたね。
ミステリーとホラー、どちらかに寄せるべき
ミステリーとホラーを融合させようとしたのでしょうが、どっちつかずの中途半端な出来に。音の使い方、空間の使い方は上手かったので、びびりやすい私にとっては多少怖い部分もありましたが、内容的には全体的に薄めかなと。土地にまつわる歴史が徐々に紐解かれていくのは面白かったですが、幽霊の表し方はちょっと雑すぎるかなーと。貞子でも思いましたが、最近のホラーって幽霊の表し方が雑なものが多い気がします。あれぐらいなら、いっそ無い方が想像力を掻き立てられてより怖かったかなと。キャストは皆さん演技派な方ばかりだったので、ナイスチョイスだと思います。橋本愛さんが好きなので観ましたが、やはり彼女はこういう作品だとより映えますね。あとは、ラストシーンの出版社での出来事は納得がいきませんでした。オチの作りが少し甘いですね。原作にどこまで忠実に撮られているのかは分かりませんが、原作を読みたいとは思いませんでした。
ホラー要素はあるが、ホラーよりサスペンス
新たなJホラー
ゾクゾク
その土地にまつわる霊的なエピソードを辿って行くと・・・
最後にあんな結果になってしまったのは、お祓いをしなかった
からだ!
掛け軸に睨まれて昨夜から震えが止まらない。
ただの風邪かもしれないし、原因不明の・・・
ホラー嫌いな私でも
どこにもないよ
凄い
少し甘めな評価だけど…
浸透する何か
ジワジワ怖かった。
静かに、劇中で語られる事実だけが淡々と紡がれていく。
いや、逆か。
紐解かれていく。
特に、驚くような演出もない。
だが、絡め取られていく恐怖感を感じていた。まるで、隣の空席にでもソレはいるような感じである。
リングの時も思ったが、「音」による作品への色付けってホントに効果的だ。
身近な分だけ、臨場感が豊かだし、もっと言うと、今の映画館の音響システムを駆使したら、観客に後ろを振り向かせる事だって出来るんじゃないかと思う…。
案の定、1人の部屋に帰りたくなくなった。
俺んちでも音がする。
いや、してた。昔からずっと聞こえてるから、さして気にも止めなかったんだけど、ぶっちゃけ音の原因はわからない。
突き止めようと思った事もない。
昔から鳴ってたから。そういうものだと思ってた。
ずっと聞こえる訳じゃない。
時折「ギシッ」とか「カタン」とか「コトン」とか。
…劇中で語られるような事、なのかもしれない。
物語的には、凄くよく出来ていた。
小さな事から広がり、巻き込まれて波及し、連鎖していく恐怖。
裏付け、事情、決して過剰な演出をするわけでもなく、あるがままに囚われていく登場人物たち。
リアクションを細かく拾い、繋げていく編集とアングルが秀逸だった。
何より、それを提示した監督が素晴らしい。
1人でお住まいの方は、夜を覚悟して観に行くと良いと思う。
なんというか、対処のしようがないのだ。
傍観するしかない。
祈るしかない。
祈るにしたって何にだろうか?
どちらも得体がしれないって上では同義のような気もする。
有効かつ確実な手立てがないのだ。だから、怖いのかと思う。
対処のしようが分かれば、怖さも半減するのだろう。得体の知れなさは変わらないのだけども。
ああ、それともう一つ。
この作品の予告編は失敗作だ。
バラし過ぎだろう…予告編により構築した進行が本編にもそのまま当てはまり、なんだかネタバラし感満載だった。
そして、案の定、本編を見ながら、その予告編を回顧しなかった事はなかった。
いちいちスクリーン以外の事に思考が削がれ邪魔なのである。
ああいう、サスペンス要素の強い作品には不向きな作りの予告編だった。
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