湯を沸かすほどの熱い愛のレビュー・感想・評価
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ガツン!とくるファミリードラマ
原作モノや続編があふれる今、オリジナルでもこれほど胸にガツンとくる映画を作れるのだと証明する力作。奇をてらわず、どっしりとした王道のファミリー・ドラマを描き上げている点、スタッフもキャストも実に肝が据わっている。
“大衆浴場”という絶滅危惧の文化は本作の象徴ともいえよう。多くが「しょうがない」と簡単に諦めてしまうところを、本作のお母ちゃんは絶対に諦めない。自らの死期を悟るや否や、自分の望むことすべてを、がむしゃらなまでに成し遂げようとする。その意地と根性が伝播し、人の心を裸にさせる。そうやって裸になった心と心をしっかりと繋いでいく。ある意味この人は“歩く大衆浴場”だ。
見方によっては死にゆく者のエゴかもしれないが、周囲が「彼女に賭けてみたい」と思うのは、この歌舞伎の人情物から飛び出してきたようなヒロインのなせるわざ。宮沢の熱演、お見事。肌にジンジンくるほどの湯加減が、観る者の心をいつまでも心をポカポカと冷まさせない。
中野量太監督の商業映画デビュー作は期待を超える出来!
「チチを撮りに」が良かったので、本作も期待はしていたが、予想をはるかに超える大傑作。エピソードを積み上げていくなかで、映像から伝わる感情をコントロールするのが格別にうまい監督だと思う。
宮沢りえの役どころは、夫が家出中、娘は学校でいじめられていて、さらに自分は末期ガンを宣告されてしまうという、まさに踏んだり蹴ったりの女性。ところが、持ち前の強さと明るさと愛情で、家族と出会ったすべての人を変えていく。その慈愛ぶりはまるで聖人のようだが、宮沢が実に人間らしく、魅力たっぷりに演じている。
観賞してから何日もたつのに、思い出すだけで涙腺がゆるみそうになるシーンがいくつもある。彼女が出会った人々を愛であたためたように、映画を観た人の心にもきっと「熱い思い」が残るはず。新作が待ち遠しい監督が、またひとり増えた。
出演者全ての人が最高の演技をしています。号泣でした。
キャスティングが素晴らしい
イジメに負けるな!は時代遅れ?
母の大きな愛と愛ゆえの強さ
大切な人に勧められて
凄く賛否ある有名な邦画
3回目の鑑賞だが3回共に心が震える大好きな作品。
ストーリー構成がとても良くて、宮沢りえの やつれて行く演技に感動させられる。子役二人も良い。
他人の感想を読むと賛否ある。「母親の身勝手な押し付け」や「ラストの共同作業で台無しだ」等。
ラストシーンのドン引きは分かるが、双葉が余命を知り その後に周りを巻き込んで 強引に押し付けていく行動は結果的に丸っと収まっているのでいいだろうと私は思った。双葉の母親以外は。
母親の主張に説得力を感じない
嫌なことにも逃げずに立ち向かい、強く生きるというのが今作のテーマなのだろう。しかし自分には全く刺さらなかった。
まず、学校で虐められていて激しく登校拒否をする娘に、宮沢りえ演じる母親が、逃げてはいけないと言うのに全く説得力を感じなかった。逃げるとこの先の人生でどうして困るのか、逃げなかった場合はどんな良いことがあるのか。そういった具体的な内容が説教の中になく、ただ逃げてはいけない程度の主張しかない。そのため全く説得力が無い。
確かに、理不尽で嫌なことは大人になって社会に出てからも起こるし、我慢しなければいけない状況も出てくる。しかし社会は広い。そして大人には無数の選択肢があって、自分に適切な環境を自分の意思で選ぶことができる。虐めに耐える根性が無いと生きていけない訳じゃない。それでも学校での虐めに耐えて通うことにどんな意味があるのか、母親の主張には説得力が感じられない。
また、娘に何年も会っていない実の母親に会わせる必要性も感じられない。ここでもまた「逃げるな」というが、そもそも何で「逃げ」になるのか意味がよく分からない。この母親になぜか魅力を感じて様々な人が周囲に集まってくるが、その理由がよく分からない。そのため、強く生きるという今作のメッセージが全く伝わって来なかった。
終盤の、病床に付す母親に人間ピラミッドでエールを送るシーンも、いかにもお涙頂戴的で正直馬鹿馬鹿しかった。
生きたい、生きたい〜
双葉さん、人間出来過ぎ。
安澄の制服の件、下着になるのはおかしい。
裸になっているのに担任なぜ慌てない❓
上から何かかけに行くとか。
養護教諭ももうちょっと心配してあげて。
教室で無くなったのなら、見つかるまで探したれ‼️授業潰してでも皆で探したれ‼️
時間足らなければ、都合つけてとことん探したれ‼️
そしたら、安澄下着にまでなる必要も無かった。
また、なぜクラスの者が嘲り笑う⁉️
体育と違う、と言う⁉️
この中に誰か犯人いるのに。
だけど、安澄のこのエピソード、何の為❓
双葉がいなくなっても強く生きるようしむけた
と表したい為❓
鮎子にしたら知らない人ばかりだから、
しんどいなぁ。特にこの子聡い子だから、
だいぶストレス溜まっていたと思う。
朝からしゃぶしゃぶ、豪勢。
三人で。大丈夫かな?
松坂桃李若い。
突然安澄に実母じゃない、
生みの母に挨拶しに行きなさいってムチャ❣️
自分がいなくなり父親しか居なくなるから
何かの時に女親として支えて欲しいから❓
やはり無理だった。
双葉が自分の母が迎えに来てくれると言った時、
安澄たちの反応。
双葉の実母の居場所がわかったのに。
リリぃさんは変な役多いな。
まぁ、あれぐらいしても許す。
夜中病院の庭でピラミッドしてもなぁ〜。
オダギリジョー、情け無い役上手いなぁ、
見舞いに来ないのは、湯を沸かさなあかんから?
安澄が最後に双葉にかけた言葉、
安心して、一人にしないから、って⁉️
どういう意味なんだろう❓
銭湯でのお葬式?
やはり家から送り出してあげようという気持ちかな。
死にゆく母が家族を繋ぐ!
まずは観終わってすぐに感じたことは、日本アカデミー賞主演女優賞の宮沢りえ、助演女優賞の杉咲花の迫真の演技に、ただただ拍手を送りたいと思いました。喜怒哀楽すべてを演技きったお二人のすさまじい演技力あってこその作品ではないでしょうか。これぞプロ!と思わせられます。
余命2カ月宣言を受けたおかあちゃんがやっておくべきことを命がけでやり通していきます。この映画全体に言えますが1つ1つが非常に重い課題です。通常の映画であればどんよりと凹むようなテーマばかりなのですが、おかあちゃんのたくましさと明るさで、映画の中だけでなく観ているこちら側も何だか救われている気持ちになります。
いじめられている娘を立ち向かわせた母、女にだらしがない頼りにならない旦那を連れ戻し銭湯を再開させる母、旦那が浮気した相手の子供を引き取り育てる母、自分の余命が少ないのに周りにいつも元気づける母。全ての人を思い不幸も幸せに変えていくおかあちゃんは偉大でした。強さそして優しさを感じます。
2時間ちょっとという時間で、これだけたくさんの話を混ぜ込んでいますが、全くだらけることもなく中途半端にすることもなく、1つ1つにしっかり意味を持たせた物語になっています。通常ならドラマにできるくらいの濃い内容をよくぞこれだけ詰め込んだと感じます。
さらに見事と思わされたのは、細かい伏線のようなシーンが後にすべてつながっていき、何一つ無駄なシーンがなかったです。もう、ずっとこの作品にのめり込み時間を忘れて見入ってしまいました。例えば、娘の安澄が手話を読み解くシーン、ヒッチハイカーが子供達におかあちゃんから産まれてきてうらやましいと話したシーン、蟹のお礼の手紙を安澄に書かせていたシーンも全てが意味があり繋がるのです。
本作評価が非常に高い映画ではありますが、ラストだけ結構賛否両論となってしまっているようですね。急に恐ろしいカルト映画のような終わり方をしてしまっています。正直私もラストはびっくりしましたし、なんだか今まで語ってきたことを無かったことにするくらいの衝撃度でした。しかしながら、終わってみて改めて考えると、あのおかあちゃんだもん、普通な終わり方させたらそれはそれでラストでがっかり映画の評価なります。そう思うとラストああするしかなかったんではと思えてくるほどです。
「湯を沸かすほどの熱い愛」ラストでこれだけタイトルが意味を成してくるとは。。。
素晴らしい映画でした。
双葉という人の熱さに衝撃を受けた
安澄(杉咲花)がいじめられる場面、学校に無理やり行かせる双葉(宮沢りえ)はリアルで怖かったです。杉咲花さんと宮沢りえさんの、迫真の演技対決みたいな凄い映画です。
おしっこで濡れたパンツを使って「鮎子ここにあり」は好きなシーンです。
後半、ロードムービーのような旅行先でのエピソードも普通じゃなくて、ドキドキハラハラしたり怖い氣持ちになったり、もらい泣きもしました。
ピラミッドとスフィンクスのアイデアも良かったし、夫(オダギリジョー)の愛の深さにも感動しました。
葬儀を全て自分たちで執り行い、「ダメでしょ」「でも全く問題ありません」という会話が何のことかと思えば...よく見れば人を燃やしてお湯を沸かしているではありませんか...
衝撃的なラストで締めくくった『紙の月』(2014年 公開)以来の宮沢りえさん主演映画の、再びみる衝撃的なラストでした。
家族とは何か?残された人生で何を残すのか。
最後はずっと涙でしたーーー。
母と血の繋がりのない娘2人、みんな実母と別れているって状況が同じやったことに衝撃。
余命2ヶ月、残された家族がたくましく生きていけるように、厳しさの中にも愛情ある母の関わりが印象的でした。
自分たちの命もいつか尽きるから。
1日1日を無駄にせず、後悔ない生き方したいなと感じる映画でした〜。
いっぱい感動して、いっぱい泣いたことはしか覚えていなかった。
7年前に観たこの作品、覚えていたシーンとストーリーは4つだけである。
①主役の宮沢りえが、癌で亡くなること。
②家業がお風呂屋さんだった事。
③長女の杉咲花は学校で、イジメを受けていて、なぜか
白い下着姿になるシーンがあった事。
④ラストの葬式の後、お風呂屋の高〜い煙突から赤い煙が出ることと、
その理由。
一番忘れていたのは、松坂桃李が出演してた事。
(ヒッチハイカーの青年でした)
オダギリジョーが夫なのと、駿河太郎はなぜか印象にあった。
杉咲花の生みの母親は、聾唖の女性(篠原ゆきこ)で、赤ん坊の声が
聞こえない事を苦にして出て行き、その後の子育てを宮沢りえがして、
生母だと言い聞かせていた。
お母ちゃん(りえ)は余命宣告を受けてから、出来る限りの、
申し送りを完璧にして死んでいく。
レンタカーで杉咲花ともう一人のオダギリジョーの連れ子伊東蒼を乗せて、
杉咲花の実母の食堂に向かい杉咲花に母親と対面する様にする。
そして最後に幼い日に捨てた自分の実母に会いに行く。
ここでも探偵の駿河太郎は瞬時に場所を見つけ出す。
「そんな娘なんか産んだ覚えがない・・・」と言い放ったリリィさん。
「一眼だけ・・・」
母親が家族と仲良く談笑する姿に切れて、
思わず門の上のシーザーを投げつけるりえ。
窓ガラスがガチャーン割れる。
そしてラストシーン。
葬式を済ませて、桃李が釜を炊き、夫と子供たちは
「幸の湯」の湯船に浸っている。
銭湯の煙突からは赤い煙が、
お母ちゃんの大好きな赤の煙がモクモクと流れる。
宮沢りえの死に目の病人のリアル、
杉咲花が既に立派な演技巧者であった事。
伊東蒼もまた天才の片鱗を見せ付けている。
良い映画だった。
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