アラヤシキの住人たち

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アラヤシキの住人たち

解説

「ナージャの村」「アレクセイと泉」の本橋成一監督が、長野県小谷村にある共働学舎の1年間を追ったドキュメンタリー作品。北アルプスの山裾にある長野県小谷村。谷間の山道を1時間半歩いた先にある真木共働学舎は、自由学園の教師だった宮嶋眞一郎により、生きることの根源的な意味を考える「共に働く学び舎」=「共働学舎」として40年前に創設された。2階建ての大きな茅葺きの家で、20~60代の男女数十人が送る共同生活に1年間カメラが密着し、自然とともに共働学舎で暮らす個性あふれる住人たちの姿を描く。

2015年製作/117分/日本
配給:ポレポレタイムス社、ポレポレ東中野
劇場公開日:2015年5月1日

スタッフ・キャスト

監督
プロデューサー
大槻貴宏
撮影
一之瀬正史
編集
石川翔平
録音
石川雄三
MA
石川雄三
助監督
佐久間愛生
制作進行
中植きさら
スチール
本橋成一
ナレーション
渡邉早紀
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フォトギャラリー

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(C)ポレポレタイムス社

映画レビュー

2.0多くの説明はないが、障害を持った人、社会生活に疲れた人がたどり着き...

2017年7月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

多くの説明はないが、障害を持った人、社会生活に疲れた人がたどり着き、住みつく者もいれば、また去ってゆく者も。

自給自足の生活をしている四季を追う。生活の生々しさがあるはずだが、そこまでの生々しさ、グロさはない。ホント淡々と生活している映像。

讃美歌歌ったり、ミーティングで聖書のフレーズを読んだりするってことは、このNPOはキリスト教が母体となっているのか。

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キッスィ

5.0モトハシ・ワールド、雪を戴くアルカディアの山懐に住むミューズたちの「音楽の世界」。

2015年5月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

幸せ

自由学園の宮島真一郎先生が始められた共同学舎はもう40年も経過していた。
ボク自身も一度は訪れてみたいと思いつつ、その世界を体験する事もなく、時は過ぎ去っていた。
しかし今回、本橋さんの映画のおかげでその実体に少し触れることができた。
残念ながら、先生は完成を待たずして亡くなられてしまったのだが。

昨年の秋、写真家本橋さんの「上野駅」の再版を機会とした個展を見に行った。
久しぶりにお会いした彼もまたすっかり白髪。
しかし、話は終始撮影中のアラヤシキの話ばかり。
彼が夢中になる世界は、今はすっかりよく判る。
今回もまたナージャやアレクセイを引き継ぐ、彼自身による映画製作、モトハシ・ワールドだ。

彼の話す真木の面白さは、映画が始まりにすぐ気がついた。
この世界は決してドラマではない。
ドキュメンタリーでも記録映画ではない。
出産はあるが死はない、夜明けのラジオ体操はあるが就寝はない。
何事も決して声高に語ることなく、ただただ真木の里の時間が流れる。
六本木で会ったのだが、彼はそのとき、すっかりアラヤシキの住人だったのだ。
「いま撮影中だから見においでよ、しばらくあそこにいると、もうぜんぜん時間が違うんだよね」。

いろんな人がいろんなことをつぶやき、いろんなことに夢中になる。
決して、各々は理解し、つながっているわけではない。
人と人とのコミュニケーションとは決して言葉のことではない。
人々は、人に伝え、人を知るため、ともに食べ、ともによく働く。
強制するものは何もなく、あるのはただただ流れる時間、住人たちはその時間に身を任せ共に生きている。
そう、この世界はまさに桃源郷、いや違うな、それは「音楽の世界」と言って良いのかもしれない。

熊よけのカウベルを鳴らしながら山道を1時間半、人里から離れた小さな窪地では犬が吠え、山羊が鳴き、風が流れ、アラヤシキが建つ。
白馬連邦の山並みに囲まれた小さな集落。
かっての小谷村真木の住人たちは今は里に下り、共同学舎にその地を委ねた。
現在、この真木の外、全国5カ所に拠点を持つ学舎は、知的障害や精神的障害を持つ人々を含め、農事に関心を持ち働ける人を誰をも受け入れ、共同で生活している。
誤解されては困る、ここはコミューンでもサティアンでもない。
「競争社会ではなく、協力社会を」宮島先生の呼びかけに応じて参加した人たちは、あるひとときを米や野菜をつくり、山羊を飼い、チーズやソーセージ、菓子やパンをつくり、そしていつか山を下りていく。

真木は音楽のような世界と感じたのは、描かれた時間の流れにリズムがあり、メロディーがあるからだ。
ひとりひとりがいて、ともにある世界、さまざまな声、さまざまな音、さまざまな思いがさまざまに錯綜するが、雨と風と雪の世界に響く、食事を知らせる板木の音だけが生々しく、毎日、その世界を秩序づけている。

音楽の世界とは人間がいきる秩序だった世界のことだ。
宮島先生は「あなたという人は地球始まって以来、絶対にいなかったはず、あなたという人は地球が滅びるまで出てこないはず」と語っている。
バラバラで各々個性を持つ一音一音は決して誰からも強制されることなく、しかし、ともにあるためのハーモニー(秩序)を持ちリズムを刻む。
そんな世界がモトハシ・ワールド、雪を戴くアルカディアの山懐に住むミューズたちの「音楽の世界」。

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kthyk

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