エレファント・ソング

劇場公開日:2015年6月6日

エレファント・ソング

解説・あらすじ

「Mommy マミー」「トム・アット・ザ・ファーム」などの監督作で注目を集めるカナダの若き俊英グザビエ・ドランが俳優として主演し、精神科病棟で繰り広げられる心理劇を描いたサスペンスドラマ。ある日、精神科医が失踪し、患者のマイケルという青年だけが手がかりを知っていた。院長のグリーンはマイケルから事情を聞こうとするが、マイケルは巧みな話術でグリーンを罠に取り込み、翻弄していく。共演は「スター・トレック」のブルース・グリーンウッド、「カポーティ」のキャサリン・キーナー。

2014年製作/100分/カナダ
原題または英題:Elephant Song
配給:アップリンク
劇場公開日:2015年6月6日

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(C)Sebastien Raymond

映画レビュー

3.5 グサヴィエの

2025年12月21日
iPhoneアプリから投稿

苦しみが伝わってくる様な映画でした勿論映画の中の話。

映画館で見てラストは衝撃だった。

かれは医師に嘘を交え本当の様に話をする。

グサヴィと院長のブルースの演技が、映画を見ていくうちに徐々にに息苦しさを感じたのは、ラストを予感出来たのかも知れない。

ドラン やはり演技でも天才と改めて思った作品。

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ken

4.0 「不在」であることが存在を主張する

2024年3月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ある精神病院の患者であるマイケルと、精神病院の院長であるグリーン。二人の意思と駆け引きが重厚な今作はサスペンスに富みつつ、「愛」をめぐる苦しみと救済の映画でもある。

まず、導入部が良い。病院の経営者がグリーン院長と面談する導入は「全てが終わった後」という時間軸だ。
「マイケルを担当していた医師が失踪した」という事件と、「その後さらに病院で起こった出来事の顛末」を聞き取るシーンで、既に二つも謎が提示される仕掛け。
時間を行ったり来たりしながら、謎に迫るこの仕掛けが、ラストまで来るとまた違う意味を持つ。

さらに色調が良い。全体が薄い緑色に染まったような病院の雰囲気。ナースのカーディガンも緑、グリーン院長のカップも緑、そもそも院長は名前も「グリーン」。そんな緑色の世界でマイケルのジャケットは赤みがかって目を引く。
コントラストがマイケルを際立たせ、不穏さをまとわせながらも美しく引き込まれる。

冒頭に書いた「愛」をめぐる苦悩もまた、「愛されたい」のに「愛されない」マイケルと、「愛していた」のに「愛すべき相手を失った」グリーン院長の対比になっている。

二人の「愛」に対する現在の状況も対比だ。
マイケルは精神病院の問題児だが確かに「愛されている」。ただし、それはマイケルの求める形ではない。マイケルの望む形がどういうものなのかは明示されないが、マイケル自身は「自分の求める愛の形」が病院では叶わないことに絶望してしまったのだと思う。
退院か死か。飄々として見えるマイケルだが、その渇望は既に限界を迎えつつあった。

一方のグリーン院長は「愛されること」を重荷に感じている。彼の愛を必要としているオリビアがいるのに、グリーン院長は彼女に向き合おうとしない。
クリスマス休暇を病院で過ごすことに安堵しているようなグリーン院長の態度に対抗するため、オリビアは職場に電話をかけたり、暖房の修理を頼んだり、果ては病院にまで訪ねて来るのである。
側にいて欲しいオリビアから逃げるグリーン院長。彼が逃げたかったのは、愛すべき相手を失ってしまう苦痛だ。

注意深く幾重にも強調されるマイケルとグリーン院長の二項対立。その対立が映画が進んでいく過程で絡まりあい、マイケルが言うように「心が通じあって」くるのだ。
表面的にはとても通じあっているようには見えないのに、確かにそう感じる。
狭い部屋の中で、マイケルはくるくると部屋をかき混ぜるように移動し、グリーン院長の心もかき混ぜようとする。

真なる目的のために、グリーン院長を翻弄するマイケル。マイケルが目的を遂げた時、図らずも「心が通じあって」いたグリーン院長にも変化が訪れる。そしてそれはマイケルの求めた「愛」を再び手にする道を切り拓いた。
親から与えられる無償の愛。運命の相手と育む至高の愛。マイケルが渇望し、グリーン院長の手のひらからこぼれてしまったもの。
表面的になぞると大したことない話のように思えるのに、幾重にも重ねられた演出と俳優の演技がシンプルなストーリーにダイナミックな感情の振り幅をプラスしている。
「愛し愛されること」を「愛」という核心をあえて「不在」にすることで際立たせる手法はお見事としか言い様がない。
チョコレートの箱に空のスペースがあることで、むしろそこに入っていたはずのチョコレートが目立つように。

心理サスペンスとしても見応えがあるが、ヒューマンドラマとしても一押しの美しい映画だ。

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つとみ

3.5 【“只、僕の話を聞いて欲しかった・・。”幼き頃に母が目前で自死した青年の心の闇と再生を求む姿を天才、グザヴィエ・ドランが演じた作品。】

2023年10月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

■美しい青年・マイケル(グザヴィエ・ドラン)は、14歳の時にオペラ歌手の母が目の前で自殺し、それから現在まで精神病院に入院している。
 ある日、彼の担当医ローレンスが失踪した。
 院長のグリーンは、マイケルに事情を聞こうとする。
 だが、彼は話をする代わりに条件をつける。

◆感想

・美しい青年・マイケルの精神病患者を装って、精神病院で暮らす姿はどう見ても精神病患者ではない。彼はそれを装っているのである、
 但し、彼は自身の母が実の前で自死した事による大きなるトラウマを抱えている。

・彼は主治医のローレンスとの性的関係を匂わせ、事実ローレンスは病院からいなくなる。
ー この辺りは真相を知ると、”思わせぶりだな”と思うのであるが、それを補うグザヴィエ・ドランの新たなる担当医、グリーンへの挑発まがいの行動、言動を観てチャラにする。
  グザヴィエ・ドランは若くして製作した諸作品でカンヌで異例の若さで幾つかの賞を受賞している。
 だが、今作を観てもこの方の演技力は凄いと思う。
 天は二物を与えるのである。-

<彼が最後に禁断の実の入ったチョコを口にし、絶命するシーン。
 元々、彼は母を失った時点で、生きる気はなかったのであろう。
 スッキリした気分には成れないが、今作は俳優としてのグザヴィエ・ドランを堪能できる作品である。>

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NOBU

4.0 喪失という体験を抱えた先にあるもの

2023年9月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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sumu