アメリカン・スナイパーのレビュー・感想・評価
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この映画が世界を変えるような、そんな可能性を感じる。
戦争映画。デビューしてない方は分かりやすい。これぐらい主人公が際立ってるとかなり見やすい。ながく生きた人が見ていた世界をまとめてくれた。信念を持った男を信念を持った監督が映画にした。信念は恐ろしく様々なものを見えなくさせる。「この映画!是非見てください!!」と声を大にできない理由はまだ自分の中で整理できない問題だから。そして、映画の中で整理させてないから。
ノンモンで流れるクレジットに、涙したのは何かを突き付けられた気がしたから。映画館を出るとそこは違った世界に見えるようで何も違ってない。
もしかすると、何はともあれ見てみれば?この映画はイーストウッドの見ている世界を、一人の伝説の男を描くことで伝えている。
あとは受け取らないと進めない。
だから、何はともあれ見てみれば?
そう言える映画は、素晴らしいと言えるかもしれない。なんだろうか…その先を知りたい。もっと深く突き詰めたい。そういう感情になる映画はきっと人生を変える。
映画に対して新しい考え方を提示してくれた。
素敵な出逢いをした夜でした。
とてもアメリカ的
戦争なんかするもんじゃないと痛感する。しかし、鑑賞中、ずっと考えていたのは、アメリカから見た正義に過ぎないことで色んなことが動き、アメリカ国民も乗せられているという印象だけだった。戦争関係を含めた消費前提の資本主義の限界なのか?
圧巻だった
2013年、2年前まで生きてた人の話である。
思想的にも、環境的にも今の僕らが対峙してる現実の話だ。
そして、彼はごくごく標準的なアメリカ人であった。そう思えた。
僕と同じ世代に生きた人の選択。
この映画には、なんの脚色もなくその部分が描かれてるような錯覚を覚える。
彼を取り巻く環境は、充分、非現実的である。
日本人の僕から見れば。
160人以上を射殺した伝説の狙撃手。
人を撃つという職業。
戦場への帰還。
日常への生還。
命の輪郭。
これらの感覚や感情は、全て現実である。
僕ではない誰かが抱き続けてるリアルである。
最後、無音のエンドロールがとても印象的だった。
良き羊飼いの選択肢はないのか
愛国心を持つ者同士が戦えば、そこには悪も善もない。 アメリカの大義名分は「対テロ戦争」だが、過激派や原理主義者たちも、各々の掲げる正義はあるだろう。正義と正義がぶつかれば、宗教論争に似て終わりはない。永遠の平行線。
この映画は、お涙ちょうだいもなく、クリスをことさらヒーローに仕立ててもいない。 クリント・イーストウッドの主観は極力排除され、 至極客観的に作られている。 言い換えれば、事実をありのまま伝えクリスの内面を脚色していない。 それが故人に対する敬意であるように、エンドロールも無音。観客の感情を恣意的に操作していない。
よくあるフェイクのアクション映画では主人公が敵を倒すたびに爽快感を味わうが、この映画ではクリスが誰かを撃つたびに、自分が銃を構えたような緊張感が走る。目に見えない速さで飛んでくる武器が、隣の人間を肉塊に変える。虚飾のない戦闘シーンの生々しさは見ていて嫌悪感を伴った。
タヤが言う。「あなたが守りたいものはここにある」と。海の向こうで誰かを殺すたびに、国内でテロが起きる確率が増えていく。では何から守ってるのか。イラク戦争はただの自己満足ではないのか。そのことをクリスは自問自答しただろうか? それとも暗いテレビ画面に映るのは、助けたかった仲間のことだけだっただろうか。
世界大戦下の状況などと違い、国に帰れば誰も戦争を意に介さない日常。ものすごい隔絶だと思う。イラクから帰ってきたクリスが、まっすぐ帰宅できずにバーで過ごすシーンは涙を誘う。
反戦映画ととるか、愛国映画ととるかは観客に委ねられていると思う。 米国内で、自分等が愛国心の拳を振りかざすたびに、憎悪が生まれていると考える人はいるだろうか?
政治ゲームで疲弊するのは、良心を愛国心に置き換えた一般人。国を守ると信じた行為は、戦闘地の一市民を戦闘員に変えるだけ。もういい加減、神を大義名分の隠れ蓑に使うのはやめてほしい。
本当に国を守りたいなら、個人が戦争に参加しない選択をしなければ。
人間には「羊と狼と番犬の3種類がいる」と教えたクリスの父。そこに「良き羊飼い」の選択肢はないのか。
東林
相変わらずサクッと撮ってる感じが素晴らしい。やっぱりこんな感じにサクサクッと撮れるのはジョニートーとイーストウッドくらいな気が。砂嵐の中での打ち合いとか、ラストのキッチンで拳銃とか素晴らしいのだけど、実はもうちょっと期待してた。イーストウッドの星条旗といったらブロンコビリーのテントなので、今回のラストの星条旗使いのアイデアのなさとか物足りない。
大量破壊兵器はどこへ?
アメリカがイラク戦争を起こした理由はフセインが大量破壊兵器を隠しているから、というのが大義名分でした。この映画を観るとまるで悪のテロ組織と戦う正義のアメリカという気になってしまいますが、肝心の大量破壊兵器は一切見つかりませんでした。私たちはこのことは絶対忘れてはなりません、911のテロとイラク戦争は本来関係のないものだったはずなのです。それがアメリカのイラク侵攻によってアメリカ自身も経済的にも人的にも多大な被害・損害を被りました。そしてそれが理由でイラクは今日のISILを始めとする最悪なテロ組織が跳梁跋扈する無残な地となったしまったのです。
この映画はそうした真実を一切隠しています。そして戦争のダイナミックさと悲惨さを描いてるように見えますが、実際は真実を隠ぺいしてるだけのようにしか見えません。映画としてはよく出来てるし見どころが多いのでこの点数ですが、やはりこの内容には高得点を付けるわけにはいきませんでした。ガンダムの地球連邦軍とジオン軍の戦いではないのです、リアルな戦争を描いてるのですよ。もう少しまともに事実検証などをすべきでした。
戦争の光と陰
シールズと海兵隊の違いとか、アメリカの兵役の仕組みとか、少し理解できない部分はさておき、主人公が色んな意味で病んでいくのがわかった。
勧善懲悪的なことを言うつもりはないけど、結局は戦争の犠牲者であって、考えさせられる内容だった…。
無音のエンドロール。
観終わったあと、ふと心に浮かんだアンパンマンマーチの歌詞。
何のためにうまれて
何をして生きるのか
答えられないなんて
そんなのはいやだ
何のために争うのか。
何のために生きるのか。
何のために守るのか。殺すのか。
劇中で放たれた無数の銃弾のように
観客の心に撃ち込まれた無数の問いかけ。
無音のエンドロールは祈りにも似た静寂で、
イーストウッドの監督としてのプライドをひしひしと感じた瞬間でもあった。
いま静かに、心からの拍手を送りたい。
戦争に向かう人々の心が描かれている作品。1人の人間を通して、戦争が...
戦争に向かう人々の心が描かれている作品。1人の人間を通して、戦争がもたらす心の闇を写し出している。
今現在起こってる戦争を舞台にしていて、その残酷さに現実味を感じる。
家族と過ごすときにもつきまとう戦地での体験。任務中と日常のスピード感。
戦争への問いかけが込められた作品。
無知を思い知り、平和を祈る
この物語がつい最近の出来事と知り愕然としました
主人公はもちろん、イラク戦争の悲惨さ、この時代に数百人を射殺した人間が英雄視されている驚くべき事実…
世界情勢に余りにも無知な自分が恥ずかしくなりました
本題です
主人公は国を、家族を、仲間を守る為に躊躇いなく敵を射殺します
敵と見なせば子供すら殺しますが、次第に心を病んでいきます
冷徹に見える彼がちゃんと人の心を持った「人間」であることにホッとしましたし、また、心を取り戻せた時にも心底ホッとしました
(欲を言えば、この辺りの過程をもう少し丁寧に描いて欲しかったです)
もし彼の父の教えが無かったら、もし射撃の才能が無かったら、彼はどんな人生を生きたのだろうか
全く彼に共感は出来ませんが、彼のような切ない人生を歩む人がいない世の中になることを願わずにはいられません
戦争というか、男らしさを賛美する映画だと見る向きがあるのも納得でき...
戦争というか、男らしさを賛美する映画だと見る向きがあるのも納得できます。色々見せられた後に主人公をヒーロに祭り上げているかのようなエンディング等は特にそう思われます。
でも、丁寧に観ればこの闘いでハッピーになっているひとが誰一人いないことは明白。
イーストウッド=マッチョ的な考えが浸透していることがイーストウッドの一番の不幸なのではないですかね。
傑作ですが、なんにしても個人的戦争映画ベストワン、戦争のはらわたを超えるものではありませんでした。
ハートブレイク・リッジ
もうこの方も巨匠なんて呼ばれる人なんですねぇ…。初期の監督作はやはりアメリカ的な若さが滲んでましたが、年輪を経てそこを残しつつも自らにも問いかけてる感じが…巨匠なんでしょうねぇ。
色々とズンときましたが、この手の作品群の中では少し辛口になりました。
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