道頓堀よ、泣かせてくれ! DOCUMENTARY of NMB48

劇場公開日:2016年1月29日

解説・あらすじ

「AKB48」の姉妹グループで、大阪・難波を拠点に活動する「NMB48」の初のドキュメンタリー。原発事故で非難を余儀なくされた人々を追った社会派ドキュメンタリー「フタバから遠く離れて」などがベルリン国際映画祭に出品された経歴を持つ舩橋淳監督が、初めてアイドルを題材に作品を手がけた。「アイドル不毛の地」と言われ続けてきた大阪に誕生したNMB48。2011年のデビューから5年が過ぎ、地元・大阪城ホールはもちろん、東京の日本武道館2日間も満員にするなど、大きな成功を収めるに至ったが、そこには、従来のアイドルたちが隠そうとしてきた泥臭さや、汗にまみれた人間臭さをさらけだすメンバーたちの姿があった。不格好でも夢にしがみつき、もがき苦しみながらも成功を勝ち取ってきた、大阪の少女たちの5年間を記録した。

2016年製作/121分/G/日本
配給:東宝映像事業部
劇場公開日:2016年1月29日

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(C)2016「DOCUMENTARY of NMB48」製作委員会

映画レビュー

4.0 「君の代わりは何処にも居ない」と「代わりなんて幾らでも居る」のはざま

2016年2月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

「フタバより遠く離れて」の舩橋監督作と知って俄然興味が湧き、気恥ずかしさを乗り越えて劇場に足を運んだ。過去にもたまたまAKBブランドのドキュメンタリーを観たことがあるが、観ごたえは本作が格段に上。ファン向けではなく、AKBやNMBを全く知らない海外の人にも通用する作品だと思う。明らかにスターの輝きを持ち、安心して見ていられる中心メンバーだけではなく、その他大勢に紛れてしまいそうな危うい存在のメンバーにも目を向け、丁寧に追っている点が、ドキュメンタリーとしての面白さや深みを与えていた。
繰り返し考えさせられたのは、「君の代わりは何処にも居ない」と「代わりなんて幾らでも居る」のはざまについて。アイドルである彼女たちは、当然前者を目指す。しかし現実には、日々後者に向き合わざるを得ない。
私たち一般人が仕事を続ける中でも、この二つのバランスは悩みどころだ。前者であってこそやりがいがあるけれど、そればかりではしんどい。行き詰まったり燃え尽きたりしそうな時などは、後者が救いや支えになる。ところが、アイドルという職業では、後者は決定的な打撃となってしまう。そんな中、家族にとっての彼女たちは、確実に「代わりはいない 」存在であり、家族との繋がりが重要な意味を成していると感じた。劇中、2組の家族が登場するが、それぞれに、ぎこちないながらも和やかな空気が流れており、印象に残った。
加えて、彼女たちを追いながら思い起こしたのは、たまたま最近関わるようになった同年代の少女たちと、少し年上の新社会人たちだ。同年代の彼女たちを知るまで、AKBブランドは同性受けしないものと思っていた。ところが、彼女たちは、食い入るように歌い踊るメンバーたちを見つめ、総選挙に入れ込む子もいる。理由を聞くと「かわいいから」くらいしか答えてくれず、疑問が解けずにいたが、本作のおかげで、少し理由が分かった気がした。「今だからこそ」の輝きをつかんで存分に活かし、磨きたい。でも、その先への不安や諦めもある。だからと言って立ち止まれない。…否応なしにじわじわと決断を迫られる十代は、つくづく酷な年代だなと感じさせられる。(私個人は、あまり戻りたくない…。)同年代には、まさに彼女たちは、近くて遠く、遠くて近い、共感を呼ぶ存在なのかもしれない。
また、私の職場は、毎年たくさんの新人がやって来るが、いつの間にか、ふっと去っていく人が少なくない。一方、グループを辞めていくメンバーたちは「◯◯を目指すため」と理由を明確にして去るが、これもハードなことだと感じた。「疲れたから」「向いてないから」「…とりあえず休みたい」は、ない。辞める瞬間まで、いや辞めてからでさえも、彼女たちはアイドルであることをどこか求められているのだ。…どう折り合うかは本人次第とはいえ。
AKBブランド・ドキュメンタリーは今後も作られていくのだろう。是非、舩橋監督には(辞めたメンバーを含め)今後も彼女たちは追い続けてほしいと思う。

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cma

3.5 闘いは続いていく

2025年7月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

驚く

斬新

ドキュメンタリー映画や劇映画を多数手がけている舩橋淳が監督。舩橋はアイドルのことを全く知らなかったためもあってか、NMB48を知らない観客向けに映画の中でかなり丁寧な説明している。ドキュメンタリーとしてオーソドックスな作りで、全体的に重く暗い雰囲気の映画に仕上がっているのが特徴で、取り上げるメンバーを少数に絞り、アイドルグループを現代の格差社会・競争社会の象徴として位置づけ、その中で苦闘する少女たちの姿を描いていた。

HKT48の映画とほぼ同じ時期に観た(いずれも地元には来なかったのでレンタルDVD視聴)が、両作の共通点の1つは中心テーマがメンバー間の人気格差だということ。グループの中心となり全国区の人気となるメンバーに対して、加入後数年を経ても下積みにとどまる者もいる。それでも踏みとどまる者、別の道へ進む者など様々なメンバーの姿が描かれているが、HKT48の映画ではある種のハッピーエンドに終わらせ、暗くなりすぎないように注意しているのに対して、NMB48の映画では「1つの闘いが終わっても、また新たな闘いが続いていく」というような締め方になっているのが印象的だった。個人的にはNMB48の映画のほうが好みだ。

もう1つの共通点は、それまでのAKBグループドキュメンタリーでは取り上げられていなかった「ファン」の姿が描かれていること。考えてみればファンというのは不思議な存在で、応援しているものがどうなろうと別に実質的には損も得もないはずなんだが、それでも応援せずにはいられない。誰だって何かのファンなわけで、映画で描かれているアイドルファンの姿は実はスポーツファンなどと何も変わらない。映画ファンとしての我が身を振り返ってみても、なかなか考えさせられるところがありました。

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バラージ

3.5 等身大のNMB48

2018年7月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

山本彩、渡辺美優紀、山田菜々。
アイドル不毛の地“大阪”で3人を中心に吹き始めたNMB48という新しい風。

AKB48がアイドル戦国時代の頂点に立ち、
SKE48という初の姉妹グループが波に乗り始めた頃、彼女たちが誕生した。

アイドルに必要な歌唱力、ダンスだけでなく、大阪という地で鍛錬されたトーク力を武器に、先輩のチームに殴り込む。惜しかったのは、彼女たちの今までの道のりにフォーカスを合わせすぎて、本来の武器が劇中で強く感じられなかったこと。

NMB48はどこまで成長できるのか、輝くことができるのか。等身大のNMB48がこの映画に映っている。

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くらげ

2.0 鉄人山本、初選抜沖田

2018年6月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

・結成してすぐに吉本新喜劇の舞台にたてる環境のNMB
・「僕たちは戦わない」で最後列になったさや姉が感じた屈辱
・選抜未経験ながらダンスのセンスが買われさや姉のアンダーとして活動する沖田の密着が縦軸かな
・入ってから一番変化があった白間
・ファンの描き方が一歩引いていて昼のノンフィクションみたいな距離感
・ファンの側からタニマチってはっきり言うんだな
・これだけの目に見える競争社会はやはりAKBグループだとまざまざと見せられる

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mimiccu

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