セッションのレビュー・感想・評価
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"ジャズ"に取り憑かれた奇人達…
久々の再鑑賞。しかもDolby ATMOSだから音響がスゴい。
ジャズが音楽学院で学ぶ教科だったなんて妙な違和感。
最初は講師のフレッチャーの変態ぶりに圧倒されたが、よくよく見直せばアンドリューもなかなかの変態ぶり。(^^;)
最後のジャズフェスでは互いに騙し騙されだったが、最後の最後に2人ともゾーンに入って悦っている様子が救いだったのかも。
アンドリュー役のマイルス・テラーもフレッチャー役で凡ゆる賞を総なめにしたJ・K・シモンズも流石の名演だった。
セッションシーン良いですね
まるでホラー映画、なんだか自分が怒鳴られている気分になる…。
いわゆる芸術の世界って、今でも無意識パワハラ、モラハラ、セクハラが横行しているのではと改めて感じた。
死ぬほど努力するのは当たり前、けれどその頑張りも、圧倒的な才能の前では吹っ飛ぶのか?
ずっと息をつめて、酸欠状態で観ていた。
フレッチャーは、完璧な演奏が頭の中にあって、それを体現できるプレーヤー以外はゴミと思っている。
そう考えなければ理解できないような言動を繰り返す。
死に物狂いでフレッチャーの要求に応えても、より自分に合うプレーヤーが現れれば、彼は全くためらわず交代させる(屈辱的な罵倒付きで)。
演奏者の精神状態は奏でる音に現れるので、フレッチャーの音楽は絶対にヒリヒリ、しんどいだろう。
観客として彼の音楽を聴いても、私は「ブラボー!」とは思わないと信じたい。
「我が人生に悔いなし」と生きてきた私。
けれど、今10代に戻れたら、何か楽器を弾けるようになりたいと本作を観て思った。
さすがにドラムは嫌なので、ギターかサックスか、少し変化球で和太鼓か。
楽しくんなければ音楽じゃないわい!とフレッチャーとニーマンに伝えたい。
音楽を扱っているが、音響設計は大した事ない
狂気VS狂気
序盤から狂気による緊張感が凄いんです。
って、言うとホラー映画みたいですが。
ある意味で、ホラー映画より怖くて緊張感が有るかも。
何故なら、狂気と狂気がぶつかり合うから。
そして、それはクライマックスの演奏シーンまで続くんです。
最後の最後だけ、狂気と狂気が融合した様には見えるけど。
狂気の中からしか誕生しない物って有ると思うの。芸術の分野は特に。
だからと言って、それを全面的には肯定できないんですけどね。
それでですね、今回の上映ありがたい事にパンフレットを売っていたんです。
パンフレットを読んだら、監督自身がドラマーの経験が有って、恐怖を感じる様な厳しい環境で音楽をやっていたみたいなんですね。
なので、この作品は当然その経験がもとになっているのでしょうが、これ以外の作品にも根底にこのような狂気が流れているのかもしれません。
そうやって考えると、今『ラ・ラ・ランド』を観たら、印象が変わりそうな気がします。
ニコルがかわいい。 普通片親系は母!な所、父親なのがなんかいい。 ...
叩け、叩け、叩け! 血が騒ぐ!
4月9日(水)
またしても、極私的公開時見逃して再公開劇場初見シリーズ?「セッション 4Kデジタルリマスター版」をTOHOシネマズ日比谷の4KDolby-Atmosで。
いつも言ってる事だけど、映画は映画館で観るのを基本としているので、殆ど配信では観ない。円盤持っているのも基本は映画館で観た作品である。
と言う訳で、もはや伝説にもなっているJKシモンズの鬼教師フレッチャーの怪演をやっと映画館で観る事が出来た。
今なら絶対ハラスメントで駄目なやり方でフレッチャー(J・K・シモンズ)は罵詈雑言を浴びせ、追い込んで行く。
本作を観た日に、趣味でオーケストラやっている娘が家に帰って来たので聞いてみた(彼女は公開時にセッションを観ている)。
「101小節目頭から、なんてあんな風に練習するの?」「コンサート前の練習なんてあんなもんだよ。先生も必死で(フレッチャーと)変わらないよ」
へぇ〜そうなんだ。趣味でやっててもそうなら、プロを目指すプレイヤーは必死だろう。
フレッチャーは色々な手を使ってニーマン(マイルズ・テラー)にプレッシャーをかける。ニーマンの友人のドラマーを主奏者に呼んでライバル心をあおったりもする。
あの指導の仕方で天才や伝説のプレイヤーが生まれるとは思わないけれど、ニーマンはフレッチャーに必死に食らいついて行く。しかし、演奏会への途上のアクシデントでスティックを忘れて取りに戻り事故る。それでも血だらけでプレイするがアウト、ニーマンはドラムを辞めるのだが…。
ラストの約9分にわたるプレイは圧巻だった。そこに至るまでの二人の駆け引き、教師の座を追われたフレッチャーの怒りの報復、復帰したニーマンの意地、全てが混ざりあった"セッション"の中でニーマンは叩く。
叩け、叩け、叩け!プレイ中に緩んだシンバルを締めなおして継続させるフレッチャー。
ニーマンは叩き抜く。
不満は、恋人ニコルの扱い(よりを戻そうするのを含めて)と復帰する時に仕舞ってあったドラムセットを引っ張り出すだけで練習するシーンが無かった事。
助演男優賞、録音賞、編集賞(音楽(音)とシンクロする編集が見事)3部門のアカデミー賞受賞も納得だった。
見終わった時に心地よい映画ではないが、凄い映画だった。
「WHIPLASH」と並ぶ演目が「キャラバン」だった。知っている曲で良かった。
まぁ、私が聞いていたのはベンチャーズだけどね。
おまけ
ニコルがバイトしている映画館へ父親と映画を観に行って知り合うが、上映しているのがジュールス・ダッシンの「男の争い」。ここは名画座か?
期待度◎鑑賞後の満足度◎ 性格悪~いツルッパゲのオヤジ(でもジャズ愛は熱~い)と、確かに友達少なそうな頑固で自己チューな若者(でも負けん気と努力は人一倍)との音楽バトル。アメリカ映画近来の力作。
Not my fxxxin’ tempo!!
何度か観ている作品ですが、スクリーンで観たことがなかった事と4K&Dolby atmosで再上映ということで鑑賞しました。
スパイシーなフレッチャーの指導がニーマンを追い詰め、彼の焦りと苛立ちがヒシヒシと伝わる前半。フレッチャーも丸くなったか…と思わせてそんなことある訳なかった後半。教え子だった時はもちろんフレッチャーのペースだったのが、最後はニーマンがフレッチャーを飲み込んでいく…!
何よりも好きなシーンはラストでドラムソロを叩く息子を隙間から見つめる父。あの表情が本当に堪らんのです。
自分にとっては実にリズムもテンポも良い作品です。
再上映に感謝🙌✨
圧倒的な没入感に大興奮 でもシンバル投げ伝説を持ち出されてもね……
ご存知デイミアン•チャゼル監督の出世作。私は最初に見たとき、これはすごい、大傑作だと大いに興奮したものですが、鑑賞直後の興奮から醒めると、結局は暴力礼賛じゃないの、いろいろとやり過ぎてるし、といった、内容に対する嫌悪感がふつふつと湧いてきて、あれはいったい何だったのだろうかと思うようになっていました。私のこの作品に対する評価は大きく揺らいで今を迎えております。
再鑑賞を前にして、私のこの作品に対するスタンスをQ&A形式で示すと下記になります。
-傑作と思うか?: イエス。傑作には違いない
-ひとに薦められるか?: イエス。薦めて鑑賞仲間を増やして、この作品についていろいろと語り合いたい。ただし、薦めるひとは選ぶかもしれない。
-好きか?: ノー。同じ監督の作品なら『ラ•ラ•ランド』のほうがはるかに好き。
-自分の生涯お気に入り映画のリストに入るか: ノー。絶対に入れたくない。今回がこの作品の生涯最後の鑑賞になるかも。
ということで、見てまいりました、公開10周年記念デジタル•リマスター版の上映。どうだったかというと、まあ、なんというか、つまり、そのぉ……いいっ!! いきなり首根っこを押さえつけられてスクリーンの中に引きずり込まれたような没入感を味わい、クライマックスまで息つく間もなく一気に駆け抜けました。やはりタダモノではないですね。体感時間が非常に短い、極上の映画体験でした。
やはり初回鑑賞時の記憶があやしくなっていたようで、今回、少し認識を新たにした部分もあります。最初に見たときには、主要登場人物のふたり、フレッチャー(J.K.シモンズ)とアンドリュー•ニーマン(マイルズ•テラー)の行動の原動力となっているのは、完璧なジャズを目指しての、もっと芸術至上主義的な側面寄りの何かだと思っていたのですが、今回見た感じでは実際にはそういった面もあるにせよ、エゴやプライドといった、もっと人間臭いどろどろとした何かではないかと考えるようになりました。まあ、ふたりともエゴが強くてプライドが高いですからね。ということで、初回鑑賞時はより良い芸術を生み出すためにちょっと違ったゾーンに入ってしまった人たちの物語みたいな受け取め方をしていたのですが、今回はニーマンの上昇志向やふたりの間の私怨、そのもととなっているエゴやプライドに目が行って、思ってたより人間臭い話だったんだなと思うようになりました。二回の鑑賞で共通しているのは圧倒的な没入感と鑑賞直後の大興奮です。
今回の鑑賞で気づいたことは他にもあって、私がこの作品のことを好きになりきれないのは、この作品がファシズムとか反知性主義とかいった、いかがわしくて怪しげな何かを持ち合わせている感じがするからだと思いました。チャーリー•パーカーはシンバルを投げつけられなくとも偉大なサックス•プレーヤーになっていたと信じたいです。まあでも面白かったし、これが生涯最後とか言わず、また見たくなるかも。
ありがとう再上映
今回初めて鑑賞。DOLBY ATMOSで音よろし。
ジャズはフリーに楽しむものという印象があったが、
このような軍隊みたいな世界もあるのかと恐れ慄く。
フレッチャーは終始鬼だが、最後の最後にアンドリューと音で魂通わせるシーンは言葉では表せないほど最高だった。
アンドリュー、おとなしそうで対人関係も苦手、フレッチャーに何度も痛めつけられるのに最後これでもかと実力見せつけてくれた。最高のカタルシス!
作品を観ている間、ずっと心がたかぶっていたが
ラストは音楽の力で感情を最高の最高レベルまで高め上げてくれた。
エンドロール後、あーっと叫びたくなるほど余韻が素晴らしい映画だった。
Jack the JAM
ずっと気になっていた作品を、リバイバルにて。
オープニングからもう音が格好いい。
そして初登場時からハッキリと分かるパワハラモラハラ教師フレッチャーのヤバさ。笑
彼が本当に曲者で、最後まで一筋縄ではいかない。
ショーンの死に涙を流しながらも死因を偽り、丸くなったかと思えば強かに復讐を仕掛ける。
対するニーマンは、最初はナヨナヨした雰囲気。
しかしフレッチャーの熱気と狂気にあてられてどんどんと“そちら側”へ踏み込んでゆく。
中盤以降、特に演奏中は輪郭すらシャープに見えるほど。
普通なら終盤にフレッチャーの真意が明かされて感動的な共闘関係になりそうなものだ。
いや、実際言葉に偽りはないだろうし共闘もする。
しかしそれは殴り合いながらの共闘だ。
「本当は良い人でした」なんて優しい真相は用意されておらず、それでも音楽やプレイヤーへの愛は本物。
最後のセッションで否応なく熱くなるあの姿から、それは疑いようもない。
彼におもねることなく挑みかかるニーマンも、もう同じ所まで行ってしまったのだろう。
睨み合いながらも楽しそうな2人が印象的。
口元の演技が魅力的だったニコルをあの扱いにするのは勿体ないが、本作には必要な措置だった。
その分、本番直前に復縁を狙おうとしたのは余計かも。
半年以上のブランクから最後の演奏の説得力を出すには、「実は練習続けてました」くらいは欲しかった。
あの後の2人の関係を描かないのは賛否が割れそう。
個人的にはフレッチャーの年齢になったニーマンの様子とかで何かしら臭わせて締めてほしかったかな。
とはいえ、ジャズにはまったく詳しくない自分が前のめりになるくらいには、素晴らしい作品でした。
天才アーティストの心理
評価が高いので、その理由が知りたくて観ました。
完璧を求める指揮者ってこんな人なんだなー。ドラムのタイミングで速いか遅いかが素人には全くわからない。しかし、作品として完成をイメージしてる人には、僅かな違いが許せないんだろう。
変人、奇人と言われる所以はこんな部分に表れるんだろうな。
ラストシーンまでモヤモヤ感が抜けず、こんな大舞台でも引きずり落とそうとする変人に付き合ってられるかー。はめやがってー。って主人公の気持ちになって観てました。しかし、与えられる側だと、相手の思うつぼになることを逆手に取って、主導権を握る辺りからの大逆転劇。
ドラム主導で、周りはプロの演奏家。観客のために合わせざるをえず、痛快な10分間。きっと、指揮者もこの大どんでん返しに驚きながらも、こんなやり方で仕返してくる主人公に嬉しさが出てきたんだろう。
しかし、この指揮者の怪演を演じることのできる演技力は圧巻。名作と言われるのが分かりますね。
最初から最後までずっと緊張感
やっぱ凄ぇよ…(4Kリマスターを観て)
ムビチケカード回遊をしていたら、不意に本作が再上映との事で、早速観てきました!
結論。歳を重ね、更に面白さupです!
実は、要所のお父やん重要っぽい(完璧に理解は出来ていない)、ニコルこんなキュートだったっけ?、コノリーのピエロっぷり、その他etc...と新たな&思い出しの気付きがあり非常に楽しめました。
J・K・シモンズのフルメタルジャケットよろしくのセリフ回しも、相変わらず狂気で最高でした。
以前は、終盤のシーンは“上出来(good job)”と言ってると思っていましたが、改めて観ると違うっぽいような…笑
また、本作のエンドロールの入り方は、個人的にTOPです!!(あのドラムは踊るかのようで狂気です!!)
是非、観た事がない方&見て時間が空いた方、絶対気付きがあります。
是非、映画館でご観賞ください!!!
真剣勝負に人格は要らない
真剣勝負に於いては、パフォーマンスへのリスペクトは人格とは関係ない。
真剣勝負!というほど大げさでなくても、ゴルフとか麻雀とかトランプゲームの大富豪でもいいのですが、真面目に勝負に向き合ったことがある人なら誰でも心当たりがあると思います。普段は〝嫌な奴だなぁ〟と避けてるような人がメンバーにいても、その人の良いパフォーマンスに対しては、人格とは関係なく率直に「上手い」とか「いい手だな」というふうにプレー自体に自然な気持ちでリスペクトの気持ちが湧いてきます。
アンドリューはひとことでは言えない複雑な気持ちを〝自分の土俵〟ですべてプレーとして発揮しました。
始めは土俵の外で、陰湿に仕掛けていたフレッチャーも最高のプレーを見ているうちにプロとしての魂に火がついて、気が付けば同じ土俵に立っていました。
不器用で人間関係に気を使うのが苦手な人でも、何かひとつ自分の土俵といえるものがあると少し違った世界が見えてくるような気がします。
映画館で観るべき映画
昔WOWOW契約していた頃家のTVで観て色々衝撃受けて最後度肝抜かれて「この映画は絶対映画館で観るべき映画だ!!」と思ったのを覚えてる。時が流れリバイバル上映で映画館で観られて嬉しい。私は音楽は小中高の音楽の授業で習っただけだから音の良さや主人公の技量もわからないけど本当最後は圧巻なのでぜひたくさんの人に映画館で観て欲しいと思った。J・K・シモンズだからあのトラウマ級の鬼教授が演じられるんだろうね。一昔前はこんな怖い教授本当にいたのかな〜?お互い最後復讐し合ったけど結局音楽で繋がった感じだよね。主人公のマイルズ・テラーはトップ・ガン マーヴェリックのルースター役の俳優さんなんだけど困り顔が何とも可愛い。マーヴェリック映画観た時セッションに出てた俳優ってことに全く気付かなかったよ。マーヴェリックでも軽快にピアノ弾いてたね♪
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