赤ちゃんよ永遠に

劇場公開日:

解説

たえまない人口の増加によって、人類は生存の危機をむかえる、という現実的なテーマをSFタッチで描く。なお原題の「Z.P.G.」は「ZERO POPULATION GROWTH」(人口増加率ゼロ)の略である。製作はトマス・F・マディガン、監督はマイケル・キャンパス、脚本はマックス・エーリッヒとフランク・デ・フェリッタ、撮影はマイケル・リード、音楽はジョナサン・ホッジが各々担当。出演はオリバー・リード、ジェラルディン・チャップリン、ドン・ゴードン、ダイアン・シレント、デビッド・マーカム、シェリア・リードなど。日本語版監修は高瀬鎮男。

1972年製作/97分/イギリス
原題または英題:Z.P.G.
配給:ヘラルド映画
劇場公開日:1973年2月24日

ストーリー

二十一世紀のある年、人々は世界連邦会議の決定を聞かなければならなかった。「今後三十年間、すべての出産を禁止する。違反者は死刑。」人口は二十世紀から増加を続け、人類の存続に重大な危機をもたらしていた。食料は不足し、大気の汚染によって酸素も不足して、配給制がとられていたが、これ以上の人口増加には耐えられなかった。ラス・マクニール(O・リード)と妻のキャロル(G・チャップリン)は博物館の職員だったが、他の夫婦と同様、切実に自分たちの赤ん坊をほしいと思っていた。中には法律にそむいて出産する夫婦もいたが、嫉妬にかられた他の女性に密告され、親子供ども公開の処刑場で窒息刑にされた。クリスマスの夜、キャロルは夫に、妊娠四ヵ月であることを打明けた。あえて簡単な避妊処置をしなかったのだ。ラスは驚ろいたが、妻の気持を理解し、見つかれば殺されることを承知で二人の赤ん坊を産む決心をした。地下の一室で出産は無事終った。だが赤ん坊が高熱をだしたため知人の医者に駈け込んだとき、隣りに住むジョージ(D・ゴードン)の妻エドナ(D・シレソト)に見つかってしまった。絶対絶命の危機だったが、エドナは口外しないから赤ん坊を抱かせて欲しいといった。エドナ夫妻はやがて、赤ん坊に異常な関心をよせ抱いたりあやしたりするだけでは満足しなくなり、四人の共通の子供にしようといいだした。拒絶すれば密告するという。キャロルは、決死の思いで生んだ赤ん坊を他人に渡すことなどできなかった。彼女はエドナに本物に見せかけた人形を渡し、家の中にとじこもってしまった。偽物だと知ったエドナは半狂乱となり保安警察に通報した。一家はすぐ処刑場に連行されたが、この事態を予測していたラスは、処刑場の下に排水管が通っており、自分の家の地下空気孔とつながっていることを発見していた。半球形の容器を上からかぶせられ、窒息するまで十二時間かかる。脱出に成功した三人はゴムボートに食料をつんで沖へ向った。やっと小さな島にたどりついたが、そこにはおよそ生物と名のつくものは見あたらず荒涼とした墓場を思わせた。ラスとキャロルは気がつかなかったが、砂浜には碑が建っており文字が刻んであった。「放射能汚染地域。立入禁止。37基のポラリスミサイルをこの地下に埋める。第四軍地区司令官」と…。

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スタッフ・キャスト

監督
脚本
マックス・エーリッヒ
フランク・デ・フェリッタ
製作
トム・マディガン
撮影
マイケル・リード
プロダクション・デザイン
Anthony Masters
音楽
ジョナサン・ホッジ
編集
デニス・ラニング
日本語版監修
高瀬鎮男
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