野火

ALLTIME BEST

劇場公開日:

野火

解説

1959年に市川崑により映画化された大岡昇平の同名小説を塚本晋也の監督、脚本、製作、主演により再び映画化。日本軍の敗北が濃厚となった第2次世界大戦末期のフィリピン戦線。結核を患った田村一等兵は部隊を追放され、野戦病院へと送られる。しかし、野戦病院では食糧不足を理由に田村の入院を拒絶。再び舞い戻った部隊からも入隊を拒否されてしまう。空腹と孤独と戦いながら、レイテ島の暑さの中をさまよい続ける田村は、かつての仲間たちと再会する。戦場という異常な空間で極限状態に追い込まれた人間たちが描かれる。共演にリリー・フランキー、俳優デビュー作の「バレット・バレエ」以来の塚本監督作品への参加となるドラマーの中村達也。

2014年製作/87分/PG12/日本
配給:海獣シアター
劇場公開日:2015年7月25日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

インタビュー

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10
  • 画像11
  • 画像12
  • 画像13
  • 画像14
  • 画像15
  • 画像16
  • 画像17
  • 画像18

(C)SHINYA TSUKAMOTO / KAIJYU THEATER

映画レビュー

3.5戦争反対‼️

2024年9月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 2件)
共感した! 1件)
りか

4.0久々に再見してみて

2024年9月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

リアルタイムで観てから大分時間が経ちましたが、先日「ほかげ」を観てとても感動しました。同時に、戦争後に生まれて普通に生きていることのありがたさを改めて痛感し、戻ってきました。

世間的には「野火」のほうが有名で評価されてますか?わたしとしては「ほかげ」の方が好きだし感動しました。

どちらも、戦争の実態と、翻弄された人達(軍人、現地の人、日本に残った人)の姿を蒸せるような暑さの中で描いて、繰り返すべきではない戦争、犠牲になった人達への追悼、その上で成り立っている今の平和を強く感じさせてくれます。その中ですが、わたしは日本に残された人達たちの姿を追った後者の方により感動を覚えました。

塚本監督、本当はもっとダイエットして出演したかったのでしょうか?リリーさんとか全体的には細い役者陣だったと思います。

あの戦闘シーンは本当に怖いです。演出としても上手いなぁと思いました。見えないところから(相手を見せない)タマが飛んでくる。「地の群れ」でも感じたマジの恐怖です。味方の脳ミソ踏んづける辺り、ゾクッと画面を見入りました。

戦後を生き抜いた方々、日本を復興させてくれた方々、頭が下がります。あのような現地を体験されて、その後どのように精神的に立ち直ったのか、下世話で恐縮ですが興味があります。「野火」の塚本監督は戦後奇妙な後遺症(癖なのか?)が出ています。「ほかげ」の河野さんは完全にフラッシュバックが出ています。でも大森監督は幸せそうに夕食を食べれています。少なくともわたしだったら銃声(のような音も含む)がしたら普通ではいられなくなるような気がします。上司からの携帯着信音の比ではないです。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ウルスアベイユ

3.5太平洋戦争末期のフィリピンが舞台。 これはもはや戦争ではなく、一方...

2024年9月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

太平洋戦争末期のフィリピンが舞台。
これはもはや戦争ではなく、一方的な日本兵の駆除作業。
日本兵は降伏することさえも許されなかった。
そこまでやるかと思ったが、現地人に被害が及ぶので仕方がないことだったか。
あの状況で生き延びた主人公の悪運の強さには驚かされた。
また、リリー・フランキーの怪演も健在。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
省二

4.5吐き気すら感じさせるほどの画で描いた、 南方の“戦争体験”

2024年9月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

 すべてが理不尽、全てが不条理、その中でかろうじて人間性を律した男の眼から見る“惨状”・・・。本作は第二次世界大戦の末期、フィリピンの戦線における日本軍の悲惨さを、生臭さを一切取らずに描いている怪作です。

 ストーリーの舞台は、戦争末期のフィリピン戦線です。敗色濃厚で武器も食料もないなか、肺病を患った主人公:田村は部隊からは除け者にされ、野戦病院では重傷ではないと厄介払いされる。行く当てのない田村は病気の中、わずかな食料を持ってジャングルの中をさまよう。しかし、行くとこ行くとこ人間の所業とは思えないような、まさに地獄絵図の世界だった・・・てな感じです。

 正直、あんま考えることはないかもしれません。

 その画を見て、おぞましさを感じることに特化したような作品と自分は思うています。

 理不尽な暴力、不条理な対応、白骨化していく死体、ウジがわいてるのに生きた人間、戦場の血生臭さ、そして生きるために仲間を手にかける味方。この世界には良識など一切ない。残酷で、おぞましくて、吐き気すら感じさせる世界。まるで自分も体験しているかのような感覚すら感じるくらい、

 「それが戦争なんだ」と、言っているかのような説得力ある画です。

 歴史資料を見れば、フィリピンも含めた南方戦線の困窮ぶりを知ることができます。自分もある程度は知識としてこういうことが起こっていたのは知っていました。しかし、たとえフィクションだったとして、ここまでリアルに再現した画は観たことがありませんでした。まさに「どれだけ戦争が、人間性を失わせる嫌なモノか」を強く訴えているように感じました。
 しかも、これが“自主映画”であることにもっと驚きです。本作の監督で主演も務めた塚本晋也さんは、並々ならぬ思いで本作を描いたのでしょう。逆に言えば、自主製作という大きな制約があったからこそ、その“制約内での自由さ”を全面的に表現することができたゆえのモノかもしれません。

 この映画は、グロテスクな描写を省かずに描いているため、かなり刺激的な部分もあります。苦手な人がいるかもしれません。しかし、自分は本作こそ必見であると思います。

 87分という短さに、「戦争は嫌」だと思わせる内容がふんだんに盛り込まれているからです。

 それは、一種の反戦につながると、自分は思うからです。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
asukari-y