野火

ALLTIME BEST

劇場公開日:2015年7月25日

野火

解説・あらすじ

1959年に市川崑により映画化された大岡昇平の同名小説を塚本晋也の監督、脚本、製作、主演により再び映画化。日本軍の敗北が濃厚となった第2次世界大戦末期のフィリピン戦線。結核を患った田村一等兵は部隊を追放され、野戦病院へと送られる。しかし、野戦病院では食糧不足を理由に田村の入院を拒絶。再び舞い戻った部隊からも入隊を拒否されてしまう。空腹と孤独と戦いながら、レイテ島の暑さの中をさまよい続ける田村は、かつての仲間たちと再会する。戦場という異常な空間で極限状態に追い込まれた人間たちが描かれる。共演にリリー・フランキー、俳優デビュー作の「バレット・バレエ」以来の塚本監督作品への参加となるドラマーの中村達也。

2014年製作/87分/PG12/日本
配給:海獣シアター
劇場公開日:2015年7月25日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

インタビュー

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10
  • 画像11
  • 画像12
  • 画像13
  • 画像14
  • 画像15
  • 画像16
  • 画像17
  • 画像18

(C)SHINYA TSUKAMOTO / KAIJYU THEATER

映画レビュー

4.0 戦争の地獄

2025年11月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

驚く

斬新

原作未読で1959年の映画化も未見。いやはや凄かった。戦争の地獄、フィリピンの地獄、飢え、渇き、ジャングル、孤独、爆撃、一斉掃射、死、殺人、人肉食……。まさに地獄絵図。「ジャワの極楽、ビルマの地獄、生きて帰れぬニューギニア」という言い回しはよく聞くが、フィリピンもまた十分に地獄だったんだなと思わせてくれる。これが本当の戦争なんだろう。終盤、フィリピンの美しい海や山や空の風景が長々と映されるシーンがあるんだが、明らかに地上の地獄と対比して極楽浄土を連想させるシーンで、それだけ主人公たちが死に近接したところにいることを見事に表現していた。

塚本晋也監督はもっと大作として作りたかったらしいが、出資してくれる会社がなく、仕方なく自主映画として作り上げたそうだ(主演も兼ねてるのもそのためか?)。しかし、かえってそれが強烈なリアリティーを生んでいるように思った。リリー・フランキーも見事な怪演でした。

人肉食の問題を差し引いても、凄惨でリアルな戦闘描写は見方によってはなかなかにグロいんだが──というか人肉食についてはさすがに直接的な描写は避けているので、戦闘シーン(というより日本兵がほとんど一方的に射たれまくるシーン)のほうがよっぽどグロかったりするんだが、今この時代を考えると万人におすすめしたい映画である。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
バラージ

2.5 戦争が奪ったのは命だけではない

2025年9月5日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

太平洋戦争末期、フィリピンのレイテ島に取り残された日本兵たちの姿を描いた作品です。
様々な攻撃により次々に命を落としてゆく兵士たち、巻き込まれて死んでいく島民たち。
とても多くの死を描いています。
本作のテーマはもちろん戦地の極限状況下での人間を描くことですが
ラストを観て感じました。
たとえ戦争で命を奪われなかったとしても、戦争に行く前には確かに自己の中にあったものをまるで戦地に置いてきてしまった用に感じている空っぽの夫や
体は帰ってきても心は出征前と同じではない家族を迎え入れる妻。
戦争が奪ったものは命だけではなかったのだと。

スプラッターが苦手な私にはきつい映画でした。
市川崑版を機会があれば観てみたいと思いました。ずっと原作を読みたいと思っていた作品です。配信されていたので鑑賞してみました。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
さとうきび

3.5 まるで大災害映画の様なこの映画を、戦争映画として8月に見る意義はあるのだろうか?

2025年9月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 3件)
共感した! 12件)
Kazu Ann

4.0 カラーだからよりグロい

2025年8月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

驚く

1959年公開の市川崑監督の映画を塚本晋也監督、脚本、製作、主演により再び映画化した。
日本軍の敗北が濃厚となった第2次世界大戦末期のフィリピン戦線で、肺病を患った田村一等兵は部隊を追放され、野戦病院へと送られた。しかし、野戦病院では食糧不足を理由に歩ける田村の入院を拒絶され、再び戻った部隊からも穴も掘れない隊員は要らないと再度拒否されてしまった。空腹と孤独と戦いながら、レイテ島をさまよい続ける田村は、かつての仲間たちと再会した。しかし、食料難から○肉を・・・という話。

先日、野火(1959)を観てサルの肉に衝撃を受けたが、本作はモノクロからカラーとなりよりグロくなってたのと、白旗持って降参した日本兵が現地の人に撃たれたシーンの伏線が有ったのが良かった。
塚本監督の演技も良かったし、リリー・フランキーや中村達也も良かった。
長さ的にもこのくらいで良い気がした。
やはり、反戦作品だなぁ、と思う。

コメントする 5件)
共感した! 10件)
りあの