シャトーブリアンからの手紙
劇場公開日:2014年10月25日
解説
ドイツの巨匠フォルカー・シュレンドルフが、第2次大戦時、ナチス占領下のフランスで、1人のドイツ人将校が暗殺されたことから、ヒトラーが150人のフランス人の銃殺を命じたという史実を映画化した人間ドラマ。1941年10月20日、ナチス占領下のフランスで1人のドイツ人将校が暗殺される。ヒトラーは報復として収容所のフランス人150人の銃殺を命令。過度な報復に危険を感じたパリ司令部のドイツ軍人たちは、なんとかヒトラーの命令を回避しようとするが、即日50人、さらに1日ごとに50人と3回にわけての刑執行にするのが精いっぱいだった。政治犯が多数収容されているシャトーブリアン郡のシュワゼル収容所では、銃殺されるフランス人のリストが作られていくが、その中には、映画館でドイツ占領に反対するビラをまいたために収容された、まだ17歳の少年ギィ・モケも含まれていた。ギィは、塀を隔てた女子収容所にいる同い年の少女オデットに恋をしていたが……。
2011年製作/91分/フランス・ドイツ合作
原題:La mer a l'aube
配給:ムヴィオラ
スタッフ・キャスト
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2022年4月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
当時のつらい状況の映画だったけど、ストーリー性が乏しいというか、なにか信念を貫いての反乱とかもなく、ただ「終わり」に向かっての流れだけのようにも感じた。
実話に基づいたものだったろうけど、映画にするなら、見てる側に訴えかけるような、もうちょっと見応えもあった方がよかった。
でも、自分が処刑する側の、権限があるくらいの立場なら、実際はそのまま収容所に生かしておいて、「処刑したことにして」、処刑した報告をベルリンにしてたかも。
どーせドイツからはわざわざフランスまで確認には来ないだろうし。
でもそんなのん気なことも言ってられない時代の話で、まさしく「命令の奴隷になって」粛々と命令を遂行していく現地の軍人たち。
今も、東欧で起きているロシア軍の蛮行にも似た虐殺の「命令の奴隷たち」とも重なるとこがあった。
2019年5月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
2018年6月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
フランス人たちもだが、ドイツ兵の方が印象的だった。
戦争を描いた映画の中では印象に残らない、といった感じ。
2015年8月2日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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ブリキの太鼓のフォルカー・シュレンドルフ監督作品ですよ。
ブリキの太鼓でも、ナチスをグロテスクに諷刺していましたよね。そういうとこ、ドイツは凄いと思う。
本作は第二次世界大戦時のナチ占領下のフランスで、150人のフランス人が銃殺された史実を元にしています。
発端はナチの1人の将校が暗殺されたことなんですが、ヒットラーは17歳の少年を含む150人を殺せと命令します。
彼等が殺されるまでの4日の出来事を、17歳の少年目線で描いています。
フランスではこの他にも、「サラの鍵」に出てくるるヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件(1万3152人)などがありますが、あまり知られていないように思います。
シャトー・ブリアンというのは地名で、そこの収容所がありました。
17歳の少年が最後に家族に当てた手紙が、タイトルになっています。
淡々としてます。でも確かに迫ってくる死の恐怖を、背中に感じる。
まるで自分が死を待つような心境になって、震えました。
当時フランス政府は存続していましたが、ヒットラーが17歳の少年を殺すのさえ止められなかった。
シュレンドルフ監督は、17歳の少年に訪れる死を誤魔化しません。
無力とはこういうこと。静かに語りかけてきます。
ラスト。死に行く老人が砂に埋もれた自身の義足を脱ぎ捨てるところが、心の解放を自由を求めるメタファーのように思えました。
同時にドイツ兵達の葛藤も描かれています。命令に従うのか?良心に従うのか?
理不尽な銃殺に耐えられず嘔吐するドイツ兵(可愛い顔をしてたので調べたところ)は、後のノーベル賞作家ハインリヒ・ベルがモデルのようです。ヒットラー青年団に入るのを拒み、その後もずっと反体制を貫いた人です。
フォルカー・シュレンドルフ監督は現在76歳。
残りの人生を何に捧げようと思っているのか、よく分かる作品でした。