シャトーブリアンからの手紙のレビュー・感想・評価
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うーん、
当時のつらい状況の映画だったけど、ストーリー性が乏しいというか、なにか信念を貫いての反乱とかもなく、ただ「終わり」に向かっての流れだけのようにも感じた。
実話に基づいたものだったろうけど、映画にするなら、見てる側に訴えかけるような、もうちょっと見応えもあった方がよかった。
でも、自分が処刑する側の、権限があるくらいの立場なら、実際はそのまま収容所に生かしておいて、「処刑したことにして」、処刑した報告をベルリンにしてたかも。
どーせドイツからはわざわざフランスまで確認には来ないだろうし。
でもそんなのん気なことも言ってられない時代の話で、まさしく「命令の奴隷になって」粛々と命令を遂行していく現地の軍人たち。
今も、東欧で起きているロシア軍の蛮行にも似た虐殺の「命令の奴隷たち」とも重なるとこがあった。
哀しい史実
予備知識無しで観たせいで「シャトーブリアン」っていう名前で、なんか牛肉の高級なヤツ?みたいなイメージで。
ところが、映画はそんなのんきなモノではなくて。
1941年10月に実際に起きた「ナント事件」と呼ばれる歴史上の事件を描いた映画でした。
歴史にはとんと疎いので、予備知識も無しに観ちゃったら、分かんないんじゃないかとも思いましたが、ドイツに占領されたフランスでのお話で、さすがの私でもヒトラーの独裁くらいは知ってます。
それで、この映画は、その程度の知識で充分でした。
そのくらい丁寧に描かれてます。
歴史上の事実という事で、観てて実に辛いものです。
一人のドイツ人将校が銃撃暗殺されて、その報復として150人のフランス人を銃殺にせよと命令が出てしまうという、とんでもない事件です。
私は、この事件の事すら知らず、さらにはフランスのシャトーブリアンという場所に収容所があったとかも全く知らず。
映画なので、多少の脚色はあるのでしょうけど、実際にそこに居た人たちの証言なども元にしてたり、タイトルにある「手紙」とそれを書いた少年の事は、フランスでは伝説的に有名との事で、実際にこんな事が起きたのだろうと映画を通して実感します。
それにしても、このテの戦争悲劇は切ないです。
もう、どうしようもないくらい切なくて苦しい気持ちになるものです。
3年ほど前に観た映画「やがて来たる者へ」を観た時もそうでしたけど、実にやりきれない想い。
映画の中に出て来る「命令の奴隷になるな」というセリフは効きます。
この映画は極端な史実ですが、案外普段のサラリーマン生活でも「命令の奴隷」になってるんじゃないでしょうか?
今のこの日本でも、理不尽な命令の奴隷になって人生誤ってしまう人も多いのかも知れません。
そして、案外自分自身も理不尽な命令の奴隷であり、他の誰かに理不尽な命令を課してしまっているのかも知れません。
そんな事も含めて色々と考えてしまう映画なので、特にオススメはしません。
ココロに余裕が無い時は観ない方がいいのかも知れません。
ズシーンとココロに重い映画でした。
史実に基づいた意欲作
戦時中の事実を描いた作品だそうですが、何の予備知識も無しに観ました。
理不順な報復ともいえる仕打ちですが、それに巻き込まれる人々。
戦争下では仕方ないことなのでしょう。
それらが美しい映像で描かれています。
主義主張のある者、ただ巻き込まれた者、それぞれに哀愁があります。
そんな中で、泣ける作品です。
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