最後の命
劇場公開日:2014年11月8日
解説
芥川賞作家・中村文則の同名小説を、「誰も知らない」の柳楽優弥主演で実写映画化。子どもの頃に凄惨な婦女暴行事件に巻きこまれた明瀬桂人と冴木裕一。トラウマを抱えたまま成長した桂人は、大人になった現在も人と肌を重ねることに嫌悪感を抱き、最低限の人間関係だけで日々を過ごしていた。そんなある日、桂人のもとに冴木から連絡が入り、2人は数年ぶりに再会することに。ところがその晩、桂人の部屋で顔見知りの女性が殺害される。警察の取調べを受けることになった桂人は、冴木が全国指名手配中の容疑者だという思わぬ事実を刑事から告げられる。桂人役を柳楽、冴木役を「サクラサク」の矢野聖人がそれぞれ熱演。監督は「まだ、人間」でデビューを飾った新鋭・松本准平。
2014年製作/110分/R15+/日本
配給:ティ・ジョイ
スタッフ・キャスト
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2021年3月16日
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いろいろこっちの想像力に丸投げだから、もう少しそこまでの背景があったらよかったんじゃないかな。
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冒頭のレイプされた女はホームレスみたいな生活をしておいてその時が初めてのレイプだったのか?そうでなかったのか?知的障害を持つ女の人がみんなそうとは思わないけど、ああいうセックスを喜んでしまう人もいるのだと認識しているが、彼女の死因は何なのだろう?全部分かる必要もないのだけど、情報がふわっとしすぎている。少年2人が贖罪意識を背負うきっかけの出来事なのだから納得感がないのは痛切。物語に気持ちが行かなくなる。
少年2人の家庭環境もしっかり描くべき。
なぜなら、レイプを目撃した少年みんなが加害者になってしまうわけではない、深いトラウマを背負い込むわけでもない。
普通の少年たちと何が違って何が同じなのか?子役のキャスティングもいかにも普通の子役を使っているだけに分かりづらい。
トラウマが人の人生を左右するという事をさも当たり前の前提として創作するのはおかしい。すべてはキャラクター次第。原作を読んでみたい話だと思った。
こういう映画で、台詞の間がやたら長いのは集中を削ぐことにしかならないと思う。間を表現する事で何かを伝えられるというのは演出する側の奢りに思う。
2018年7月24日
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鑑賞方法:VOD
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出てる俳優もいい。雰囲気もいい。でも惜しい。やっぱり脚本がダメなのかな。これじゃただの傷を負ったナルシストが自己陶酔するためだけの作品。もちろん人が壊れる理由なんて些細なものでも十分なのかもしれない。この作品の理由付けが足りないわけでもない。ホームレスのレイプを目撃した少年のトラウマは計り知れないものがあると思う。一人は加害者であることに興奮し、一人は被害者であることにとらわれてしまう。そんな二人の間で少女の純真が破壊されてしまう。その設定は納得できる。でもやはりこれではただのメンヘラ少女漫画の域を出ていない。その理由はやはりあまりにも物語ありきの展開になってるからかも。連続暴行殺人は事故で、それは少女を守るためだったというオチや、3人ともが壊れてる展開なんかはもうちょっと説得力持たせて欲しかった。3人だけの世界では完結した美しい物語なのかもしれないけど、この世界に生きているのは3人だけじゃない。いろんな人との関わりの中で生きている現実がまるで無視されている。そのへんに気を使って脚本を組み立てればもうちょっと感情移入できる作品になったと思う。3人ともいい演技していただけにもったいない。
2017年4月29日
Androidアプリから投稿
主たる3人の人間いずれも問題だらけであり、凡人としては素直に感情移入できない。よく解らなかったのは、潔癖性と陵辱性への分裂である。原作を読まないと解らないということか?