間奏曲はパリで

劇場公開日:

間奏曲はパリで

解説

フランスの名女優イザベル・ユペールが、ハンサムな青年と紳士的な外国人、そして実直で武骨な夫というタイプの異なる3人の男性の間で揺れ動く女性を演じたロマンティックストーリー。ノルマンディーの田舎で夫のグザビエと夫婦で畜産業を営むブリジット。子どもたちも無事に巣立ち、穏やかだが平穏な日々が続く中で、遊び心を忘れないブリジットは毎日に変化をもたらそうとするが、夫は無関心。そんなある日、近所のパーティで魅力的なパリジャンの青年スタンと知り合ったブリジットは、夫に内緒でパリに出かけることを決める。日本では「フランス映画祭2014」でも上映されている。

2013年製作/99分/PG12/フランス
原題または英題:La ritournelle
配給:KADOKAWA
劇場公開日:2015年4月4日

スタッフ・キャスト

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(C)2014, Avenue B et Vito Films, Tous droits reserves.

映画レビュー

4.0【”私だって、巴里に出て非日常的な素敵な生活を過ごしたいわ。”マサカノ、イザベル・ユペール、主演のラヴ・コメディ。軽やかなテンポのストーリー展開と、鮮やかな夫婦愛溢れるラストも素敵な作品。】

2024年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

幸せ

■フランスの田舎町で牛農場を営むブリジット(イザベル・ユペール)とグザヴィエ(ジャン=ピエール・ダルッサン:同じく名優である。グザヴィエ・ドランじゃないよ!)は、穏やかで幸せながらも平凡な毎日を過ごしていた。
 ある日パーティーで出会った魅力的な男性スタン(ピオ・マルマイ)に心を奪われたブリジットは、密かにパリ行きの手配を進め、自身の皮膚の診察と夫には偽り、彼との再会を目的にした一人旅に出かける。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・ご存じの通り、イザベル・ユペールは現代フランスを代表する大女優である。
 近年では、ポール・バーホーベン御大の変態性溢れる作品に主演したり、(だが、作品のレベルは高い。)、同じく名匠であるミヒャエル・ハネケ監督の諸作品に出演し、その存在感を強烈に放っている。

・今作で、彼女が演じたブリジットは牛農場を営むグザヴィエと相思相愛の間柄で、平凡だが確かなる生活を送っている。
ー 二人が、仲良くダブルベッドで寝る姿。ブリジッドの胸に出来ている痣を気遣う夫。-

・だが、ある日、臨家にパーティーに来た若者達の中のスタンに”何となく”気を惹かれた彼女は巴里に夫には痣の治療のためと言い、2泊3日の旅に出る。
ー グザビィエは、彼女が治療に行った筈の医院が、既に閉めていると知り、そわそわし始める。-

■ブリジッドは、スタンと出会い、更に同じホテルに泊まっていた歯科医ジェスパー(ミカエル・ニクヴィスト:同じく名優。早逝が惜しまれる。)と、観覧車に乗ったり、束の間の逢瀬を楽しむのである。
 だが、彼女は決して一線は越えないのである。

・グザビィエは妻の浮気を知るために巴里に行く。
ー だが、彼も又、気にしていたトランポリン演者になると言っていてやや行き違いのあった息子の稽古場に行って息子の演じる姿を見て安心したかのように帰る姿なども、沁みる。-

<そして、ブリジッドが家に帰って来た時に、グザビィエは歯科医ジェスパーが言っていた、”死海に浸かると良いらしいよ。”と言う言葉を聞いていて、ブリジッドに細かい事は言わずに”たまには、旅行に行かないかい?”と言って死海行きの飛行機チケットを渡すのである。
 ラストシーン、二人で死海に浮かぶ姿。最初は頭を併せた形で、けれど最後は二人で抱き合うように浮かぶ姿もとても良い。
 今作は、派手さは無いがイザベル・ユペール始め、ジャン=ピエール・ダルッサンや故、ミカエル・ニクヴィストの確かなる演技が醸し出す雰囲気が素敵な作品である。
 二人が、旅行に行く際に、ブリジッドが巴里の路上で買い物をしている時に無許可故に摘発されそうになったインド人の若者を雇い入れているシーンなども、ジワリと沁みる作品でもある。>

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NOBU

3.5こんなドキドキを味わってみたい

2021年7月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

知的

《お知らせ》
「星のナターシャ」です。
うっかり、自分のアカウントにログインできない状態にしていまいました。(バカ)
前のアカウントの削除や取り消しもできないので、

これからは「星のナターシャnova」

以前の投稿をポチポチ転記しますのでよろしくお願いいたします。
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中年女性の恋の話。
そう書くとちょっと昼メロっぽいものを想像しそうですが、
そこは恋のお国のフランス。カラッと明るくそしてロマンティック。

良い人だけどちょっと頑固な夫、平穏だけど変わり映えしない生活。
ブリジットの何となく物足りない日々に突然現れた若いイケメン。
若い女の子を振ってしまって、
たまたま居合わせた自分に優しくしてくれる。
これって何かの始まり?
そして医者の治療と偽ってイケメンに会いにパリに出掛ける
ブリジットの姿が可愛くもありちょっと痛くもある。

若いイケメンとのシーンは期待と不安が綯い交ぜになった
ブリジットの緊張が伝わって来て切ない。

で、その後に登場する中年男がなんと魅力的な事か〜

長年連れ添った夫婦でも、と言うか長年連れ添った夫婦だから
気が付かない事がなんと沢山ある事だろう?
長年連れ添った夫婦は何処からか、
恋愛では無い別の関係になって行くんだな〜〜。

恋がしたい!と人は幾つまで思い続ける事が出来るのだろう?
こんな大人の恋の映画がもっと観たい。

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星のナターシャnova

4.5安心の“元サヤ”

2021年5月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ノルマンディーって田舎なんですねー。
安心の“元サヤ”。

パリが舞台の、先進的で いかにもフランス映画~という舞台設定ではないのです。

以前観たのは「5時から9時の恋人カンケイ」。ああいったフランス人のショッキングな“夫婦公認・婚外愛人契約”ではなくて、本作品は農村を舞台とする、ウェットな後ろめたさ物。

これ、「東芝日曜劇場」みたいに、どこにでもある倦怠期の夫婦のすれ違いと、子育ての悩み。そしてちょっとした“過ち”。
でも元サヤに戻るってストーリーなのでした。

そんな田舎の家庭の物語が、ちょうど良い感じで、日本の我々にも波長が合うのかもしれません。
おそらく本国フランスでも首都ではなく、地方都市の一般家庭や、田舎に両親を持つ若者たちに支持されるタイプの、ノスタルジックな映画なのではないかな?両親のことを想い、自分の今を想い。少し古めで等身大の。

反抗、不足感、そしてちょっとした過ちのエピソードを経て、初老の夫婦はお家に帰ります。
フランス映画もパリを離れて田舎に行けばドラマは糠味噌くさい。逆にこれがとても新鮮で作品を楽しめました。

・・・・・・・・・・・・

うちの母、
運転免許を取ったのが40才を過ぎてから。
免許証をゲットしたその日に彼女は帰って来ませんでした。家出敢行。
一体どこに行ったのやら(笑)

翌日、
「ああ、楽しかった!遠くまで行った。車で寝た。やってみたかったの!」と破顔の笑顔で帰ってきました。

旅は命の充電。
僕らは かつては狩猟の民として大陸から渡ってきた漂泊の民族ですもの。ふと何処かへ足が向いてしまうのは(理由はさておき)、当然といえば当然なのかもしれません。
その僕も下駄履きのままで学校の寮から失踪して、一週間長崎を歩いたことが。
これって母方の血ですかね?
帰ってみたら山狩りもあったようで、自分の捜索願を自分で取り下げに警察に行きました。
「婚約者の方がどんなに心配されたかわかってますか?」とお巡りさん。僕があんまり反省している様子がないのでポリスマン怒ってました。

でもね、夫婦、婚約者の間柄であっても、対話の不満もあれば、対話中断の必要もたまにはあるのですよ。
独りになること、そのために旅に出る必要ってあるのです。

・・・・・・・・・・・・

牛のようなグサヴィエ。
羊のようなイザベル・ユペール。
愚鈍な牛と拠り所を求める羊。
夫婦、妙なるかな。

オルセー美術館でグザヴィエが買ったポストカードは、チャールズ・スプレイグ・ピアースの「羊飼いの少女」です。
オルセー収蔵のミレーやピサロの同名の作品ではなく、遠くアメリカ出身のピアースの現代絵画を持ってくるあたりが、妻ブリジットの心の旅を表現する、隠れた演出です。

・・・・・・・・・・・・

【エンディング、妻の湿疹】
知り合いの牧師さんから聞いた話、
原因不明の湿疹で各地の大学病院を巡っていたティーンの女の子。万策尽き果てていた。ダメ元で近所の小さな皮膚科に紹介したのだと。
お爺さんのお医者さんが話を聞いて
「そうか、そうか、」
「辛かったろう、辛かったろう」と泣きながら赤いぶつぶつの腕をさすってくれたと。
その日を境に湿疹が消えていったのだと。

エンディング、
死海で 付かず離れず、たゆたいながら、泥パックでお互いに触れ合う二人。
どうぞブリジットの湿疹が治りますように。

・・・・・・・・・・・・

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きりん

3.5落ち着かなくてもいいのでは?

2020年5月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

60歳近くになると人間いつ死んでもおかしくないから、やりたい事はやってしまった方が絶対に良いですよね。しかも、パリに2泊でしょ?ちょっとした冒険でもない気がしますが、家庭があるとそうなるのかなあ。パリ冒険の後にイスラエル旅行なんて、理想ですね。

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ミカ