間奏曲はパリで
劇場公開日 2015年4月4日
解説
フランスの名女優イザベル・ユペールが、ハンサムな青年と紳士的な外国人、そして実直で武骨な夫というタイプの異なる3人の男性の間で揺れ動く女性を演じたロマンティックストーリー。ノルマンディーの田舎で夫のグザビエと夫婦で畜産業を営むブリジット。子どもたちも無事に巣立ち、穏やかだが平穏な日々が続く中で、遊び心を忘れないブリジットは毎日に変化をもたらそうとするが、夫は無関心。そんなある日、近所のパーティで魅力的なパリジャンの青年スタンと知り合ったブリジットは、夫に内緒でパリに出かけることを決める。日本では「フランス映画祭2014」でも上映されている。
2013年製作/99分/PG12/フランス
原題:La ritournelle
配給:KADOKAWA
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2021年7月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
《お知らせ》
「星のナターシャ」です。
うっかり、自分のアカウントにログインできない状態にしていまいました。(バカ)
前のアカウントの削除や取り消しもできないので、
これからは「星のナターシャnova」
以前の投稿をポチポチ転記しますのでよろしくお願いいたします。
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中年女性の恋の話。
そう書くとちょっと昼メロっぽいものを想像しそうですが、
そこは恋のお国のフランス。カラッと明るくそしてロマンティック。
良い人だけどちょっと頑固な夫、平穏だけど変わり映えしない生活。
ブリジットの何となく物足りない日々に突然現れた若いイケメン。
若い女の子を振ってしまって、
たまたま居合わせた自分に優しくしてくれる。
これって何かの始まり?
そして医者の治療と偽ってイケメンに会いにパリに出掛ける
ブリジットの姿が可愛くもありちょっと痛くもある。
若いイケメンとのシーンは期待と不安が綯い交ぜになった
ブリジットの緊張が伝わって来て切ない。
で、その後に登場する中年男がなんと魅力的な事か〜
長年連れ添った夫婦でも、と言うか長年連れ添った夫婦だから
気が付かない事がなんと沢山ある事だろう?
長年連れ添った夫婦は何処からか、
恋愛では無い別の関係になって行くんだな〜〜。
恋がしたい!と人は幾つまで思い続ける事が出来るのだろう?
こんな大人の恋の映画がもっと観たい。
2021年5月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ノルマンディーって田舎なんですねー。
安心の“元サヤ”。
パリが舞台の、先進的で いかにもフランス映画~という舞台設定ではないのです。
以前観たのは「5時から9時の恋人カンケイ」。ああいったフランス人のショッキングな“夫婦公認・婚外愛人契約”ではなくて、本作品は農村を舞台とする、ウェットな後ろめたさ物。
これ、「東芝日曜劇場」みたいに、どこにでもある倦怠期の夫婦のすれ違いと、子育ての悩み。そしてちょっとした“過ち”。
でも元サヤに戻るってストーリーなのでした。
そんな田舎の家庭の物語が、ちょうど良い感じで、日本の我々にも波長が合うのかもしれません。
おそらく本国フランスでも首都ではなく、地方都市の一般家庭や、田舎に両親を持つ若者たちに支持されるタイプの、ノスタルジックな映画なのではないかな?両親のことを想い、自分の今を想い。少し古めで等身大の。
反抗、不足感、そしてちょっとした過ちのエピソードを経て、初老の夫婦はお家に帰ります。
フランス映画もパリを離れて田舎に行けばドラマは糠味噌くさい。逆にこれがとても新鮮で作品を楽しめました。
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うちの母、
運転免許を取ったのが40才を過ぎてから。
免許証をゲットしたその日に彼女は帰って来ませんでした。家出敢行。
一体どこに行ったのやら(笑)
翌日、
「ああ、楽しかった!遠くまで行った。車で寝た。やってみたかったの!」と破顔の笑顔で帰ってきました。
旅は命の充電。
僕らは かつては狩猟の民として大陸から渡ってきた漂泊の民族ですもの。ふと何処かへ足が向いてしまうのは(理由はさておき)、当然といえば当然なのかもしれません。
その僕も下駄履きのままで学校の寮から失踪して、一週間長崎を歩いたことが。
これって母方の血ですかね?
帰ってみたら山狩りもあったようで、自分の捜索願を自分で取り下げに警察に行きました。
「婚約者の方がどんなに心配されたかわかってますか?」とお巡りさん。僕があんまり反省している様子がないのでポリスマン怒ってました。
でもね、夫婦、婚約者の間柄であっても、対話の不満もあれば、対話中断の必要もたまにはあるのですよ。
独りになること、そのために旅に出る必要ってあるのです。
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牛のようなグサヴィエ。
羊のようなイザベル・ユペール。
愚鈍な牛と拠り所を求める羊。
夫婦、妙なるかな。
オルセー美術館でグザヴィエが買ったポストカードは、チャールズ・スプレイグ・ピアースの「羊飼いの少女」です。
オルセー収蔵のミレーやピサロの同名の作品ではなく、遠くアメリカ出身のピアースの現代絵画を持ってくるあたりが、妻ブリジットの心の旅を表現する、隠れた演出です。
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【エンディング、妻の湿疹】
知り合いの牧師さんから聞いた話、
原因不明の湿疹で各地の大学病院を巡っていたティーンの女の子。万策尽き果てていた。ダメ元で近所の小さな皮膚科に紹介したのだと。
お爺さんのお医者さんが話を聞いて
「そうか、そうか、」
「辛かったろう、辛かったろう」と泣きながら赤いぶつぶつの腕をさすってくれたと。
その日を境に湿疹が消えていったのだと。
エンディング、
死海で 付かず離れず、たゆたいながら、泥パックでお互いに触れ合う二人。
どうぞブリジットの湿疹が治りますように。
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2020年5月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
60歳近くになると人間いつ死んでもおかしくないから、やりたい事はやってしまった方が絶対に良いですよね。しかも、パリに2泊でしょ?ちょっとした冒険でもない気がしますが、家庭があるとそうなるのかなあ。パリ冒険の後にイスラエル旅行なんて、理想ですね。
2020年4月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ネタバレ! クリックして本文を読む
ノルマンディーの田舎で農業を営む夫婦。
決して不満がある訳ではないが、妻ブリジットは無関心な夫と倦怠感に何かを求めていた。
ある日パリからやって来た青年と知り合い、夫に内緒でパリへ旅行へ。
平凡な日常から離れ、束の間の満ち足りたひと時。
年下の青年、パリで出会った紳士的な初老の男性とのアバンチュール。
端から見れば自分勝手な不倫映画であるが、そこはフランス映画。ユーモアとおシャレのロマンチック・ストーリーに仕立てあげている。
イザベル・ユペールがその魅力のほとんどで言ってもいい。
『ピアニスト』や『エル/ELLE』などでシリアスやインパクトあるイザベル・ユペールだが、今作はとてもチャーミングだった。
ブリジットは夫に嫌気が差した訳ではない。夫婦仲は良好。でも、もうちょっと自分に関心を持って欲しい。
ある時夫は妻が自分に内緒でパリに行った事を知り、こっそり後を追う。
そこで見たものは…、初老の紳士と楽しげにデートする妻の姿。
この時の夫の姿は侘しい。
オチは大体予想出来る。
ブリジットはひと時の旅行を経て、自分の人生や夫への愛を見つめ直す。
夫もまた然り。妻への愛に応えられなかった自分にも否がある。
いい夫婦、いい映画。
何かと不倫が問題になる現実世界では理想的で都合良すぎる話かもしれないが…。
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