完全なるチェックメイト
劇場公開日:2015年12月25日
解説
「ラスト サムライ」の名匠エドワード・ズウィックがトビー・マグワイアを主演に迎え、伝説の天才チェスプレイヤー、ボビー・フィッシャーの半生を映画化した伝記ドラマ。アメリカとソ連が冷戦下にあった1972年。15歳の時にチェスの最年少グランドマスターになった経歴を持つボビー・フィッシャーは、その突飛すぎる思考と予測不能な行動のせいで変人として知られていた。アイスランドで開催される世界王者決定戦に出場することになったフィッシャーは、チェス最強国ソ連が誇る王者ボリス・スパスキーと対局。両国の威信をかけた「世紀の対決」として世界中が勝負の行方を見守る中、一局目で完敗したフィッシャーは極限状態に追い込まれながらも、驚くべき戦略でスパスキーに立ち向かう。共演に「17歳の肖像」のピーター・サースガード、「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」のリーブ・シュレイバー。「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」「イースタン・プロミス」のスティーブン・ナイトが脚本を手がけた。
2015年製作/115分/G/アメリカ
原題:Pawn Sacrifice
配給:ギャガ
スタッフ・キャスト
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2022年6月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
アメリカの天才チェスプレイヤー、ボビー・フィッシャーが世界王者ソ連のボリス・スパスキーに挑む実話を基にしたお話。
天才ゆえの奇行。米ソ冷戦下ということもあったかもしれない。
精神をすり減らして勝利を得る、すごい世界だなぁって思った。
2022年3月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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本作は冷戦時代に活躍した天才チェス・プレイヤー「ボビー・フィッシャー」の人生を描いた
実話に基づく悲劇であり、伝記である。
従って、アニャ・テイラー=ジョイ主演の連続ドラマのように決して華やかさもなければ、ハッピーエンドも用意されてない。
「夢見る少女」には敬遠される作品ではあるが、私はこの作品で描かれる男同士の戦いと苦悩が醸し出す「質実剛健さ」に魅了された。
さて、本作は天才少年ボビーがチェスに目覚め(というよりチェスをすることで現実逃避をしていたのか?)から華麗なる快進撃、最年少でグランドマスターの称号を獲得、そして終生のライバルであり、ソ連の世界チャンピオン「ボリス・スパスキー」との数々の対戦を主に描いている。
特に印象深いのは3つ。
1つ目はもともと情緒不安定だった少年が成長するにつれ、精神が蝕まれていくシーン。
2つ目はライバル・スパスキーに勝利してもちっともうれしくなさそうなボビーとそれを心配そうに見つめているセコンド・ビル神父の表情。
そして、最後の3つ目はボビーがビルに語る「すべては理論と記憶。選択肢は多いと思われるけど、正しい指し手は一つだけ。他に行き着く場所はない。」というセリフ。
このセリフはチェスというボードゲームに対するボビーの解釈と同時にボビー自身のこれからの人生の行く末に絶望していたものだと解釈できる。
月並みだがどんなにIQが高く、その力が存分に発揮できる競技や居場所を見つけても、
それに伴う名声や富を獲得してさえも、必ずしもその人が本当に求めるもの(幸せというと陳腐な表現になるが)ではないということ。
少なくともボビーに安息の日と本当に求めているものは手に入らなかったのではないかと思われる。それは本作を見ていても明白であり、とても心を締め付けられる。
2022年1月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
トビーにボビー。似てる〜?
チェスも将棋も全くわからんので、残念ながらすごい手と言われてもピンと来ず。
でも、まぁ、すごいのね、ということで。
音に敏感になるのは天才故なのか。
被害妄想が日増しに大きくなるのは見ていて悲壮感があった。
スパスキーが似たようなことを言っていたという設定により、まんざらボビーの被害妄想ではないという印象を与えたけど、いい加減にしろよ、と言いたくもなる、かな。
ロシアは本当にやりそうだけどさ。
「チェック」「メイト」がやたらかっこよく聞こえてしまう、マグワイア。
神経質そうな感じとか、適役だったな。
アメリカが弱っていた頃だから余計にヒーロー扱いだったらしい。
アメリカのために戦っていたわけじゃないのに、結果アメリカンヒーローに。
アメリカ人でもないのに、なんだか嬉しくなった。不思議。
とはいえ精神的には悪化の一途だったというボビー。
誰もいなくなった公園に置かれたチェステーブルに物悲しさを感じた。
2021年7月16日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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実在したチェスプレイヤーの話なので大きな話の展開等はそれほど見られなかったが、ボビー・フィッシャーの精神的な面、もはや狂気ともいえる部分がしつこく映し出される。
途中から「もうお腹いっぱいかなー」と感じる事もあるが、しんどくはない。
ライバル役のスパスキーのリーブ・シュレイバーも寡黙な感じであり、どっしりとした体格と雰囲気も相まってワクワクさせる。しかしスパスキーも途中から狂気じみた一面が見え隠れし、その場面でもチェスと言う競技の過酷さを物語っているのだろう。
また各国の威信を全面に背負い、冷戦の代理戦争の様な重圧の中での試合はとんでもないプレッシャーだったに違いない。
しかしながら、その重みという点では描写が淡々としており、入り込めなかった。
余談ではあるが、40手ほどで決着する試合もあったが、そこに至るまでに数万、数億通り?(もっとか?)の手の中から選択し、進めていかないといけないのはもはや理解不能である。
しかしながら将棋の方が取った手駒を再度、盤に戻すことが可能なルールなのでその数は天文学的な数字になるとの事を昔聞いたことがある。(チェスプレイヤーも将棋の棋士にもなれません、、、)
一番残念なのはやはり盤上でのやりとりに緊迫感があまり感じられなかった。もっとヒリヒリするやり取りを楽しめると思っていたが、、。(当方がチェスを理解していない可能性アリ)
他の人も書かれているが、トビー・マグワイヤの少しイカれた感じの演技が非常に良かった。