特撮ヒーロー大好きオヤジにとっては、それなりに楽しめました。あくまでそれなりでしたが・・・。
なぜ、邦画ではヒーローものが酷評されるんだろう? 日本では、特撮ヒーローものは結局子供のものなのかな。子供のおつきで親が見に行くみたいな・・・。
観る側にとって、アメコミヒーローみたいなデートコースで見てもいいような感覚ってのはないんでしょうね。 で、作り手側もその意識しかない。
派手な戦闘シーンがあって、ヒーローがたくさん出てくれば子供たちは満足すると。変に難しくしたって、子供にゃわからんだろうと。大人はこんなの見ないと。
でも、子供の頃から特撮ヒーローが大好きで、夢を持ち続けている大人もいるんですよ。その証拠に、アメコミヒーローものはあんなにヒットしてるじゃないですか。
キカイダーもあんなにかっこいいコスチュームができて、撮影技術も進歩してるんですからアメコミに引けを取らない素晴らしい作品になってるんじゃないかと期待していたんですが・・・。
結局、作品から愛が感じられないんですよね。「キカイダー」という作品に対する・・・。
この作品ではエンドロールでテレビ放送の時の主題歌を流してくれてますが、どうなんでしょう?リブートですからわざわざ昔の映像も流すって必要性はあるんでしょうか。 自分たちみたいなオヤジ世代に媚びている姑息な手段にしか感じられませんでした。
そんなシーンが作品中の随所で感じられました。 良心回路を狂わすギルの笛にしてもそうです。あの描き方はあまりにも中途半端すぎる。苦しむなら苦しむで、もっと随所で出てくれないと。媚びるなら媚びるで、音楽だけでなく、笛を吹いてくれても良かったような。
そして、何より、この作品で一番納得いかないのがキカイダー弱すぎ! マリやハカイダーが後から出来て性能がいいのはわかってますが、それにしてもなんで負けちゃうの! 確かに前半こっぴどくやられて、最終的に勝利を掴みとるっていうのはヒーローものの醍醐味ではあるんだけど、この作品やられっぱなしじゃないですか! マリとの戦いにしても、変身前のロボットになんでボコボコにされなきゃならないの。良心回路による弱さを表現したいならそれは大きな間違いでは?
たとえば、最初にボコボコにされるのは仕方ないにしても、ミツコとマサルに危機が迫った時、良心回路の影響で火事場のバカ力的なものが作用して変身できないマリをやっつけておけば、次回作(あれば)でのビジンダーとの戦いが生きてくると思うんだけど。
火事場のバカ力作用の影響で一時的に機動がストップしたところで、ミツコとマサルが連れて行かれて、マリも回収されたってことにすれば、ヒーローもののストーリー的にも面白くないかな~。
とにかく、キカイダーに対しての愛がないから、こんな弱いキカイダーしか描けないんじゃないかな。キカイダーが苦戦するのは、ギルの笛が鳴る時だけでいいのに。
映画館で見た時には、結構、楽しめた感じだったけど、今回、改めて見直したら、ちょっとガッカリが多かった。
もう10年なんだよね。やっぱり続編は無理かな。