紙の月のレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
宮沢りえと小林聡美
あっぱれ!
私は貢いだ過去があるので
その行為の高揚感、自己満足、虚しさ、苛立ちが手に取るようにわかったし
流石の女性作家作品だと思えた。
この作品は果たして男性に伝わるだろうか
一緒に行きません?と声かけた宮沢りえ…
逃げて行く姿を呆然?いや少し羨望いや
何を表していたかの表情で見つめる小林聡美…
ラストが作り物ってオチだったけど
観て良かった!
簡単に人を信用してはいけない。
転げ落ちて行く疾走感〜
《お知らせ》
「星のナターシャ」です。
うっかり、自分のアカウントにログインできない状態にしていまいました。(バカ)
前のアカウントの削除や取り消しもできないので、
これからは「星のナターシャnova」
以前の投稿をポチポチ転記しますのでよろしくお願いいたします。
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この所の宮沢りえの演技に魅力を感じて観に行ったらなかなかの秀作。
観終わった直後は梨花が大学生に溺れて行く過程が
少々性急過ぎて飲み込めなかったけれど
偶然にラジオで吉田監督のインタビューを聴いたら
「原作を読んだ時に感じた女性が走って行く姿」を
形にしたいとの事で、この犯罪に対して
何か特別な理由を作って共感させるのでは無く
何かきっかけがあれば良いも悪いもぶち壊して
坂を転げ落ちるように踏み外してしまう「人の危うさ」を
疾走感として表現していたとすれば
大学生に溺れて行く性急さや、
最初にお金に手を付けてしまった理由の安易さも、
テンポの良さ重視の演出と言うことになるのかな〜。
犯罪の性質上、映る映像はありふれた街の風景なので
爽快感は比べようもないのだけど
梨花が手にしたお金とその気分は
「テルマ&ルイーズ」の様に
行き場の無い高揚に向かって走って行く。
嘘を隠す為のジタバタさえも逆に笑ってしまう。
宮沢りえもさることながらこの映画
小林聡美が安定の良い仕事してて流石。
同じ様な状況の役を11年前に『すいか』と言うTVドラマで
演じていて、その当時のセリフを
宮沢りえとの対決シーンで思い出してしまった。
『すいか』の方は大金を横領して逃亡した元同僚が
なぜか時々電話をして来ては、
横領したお金でアレをしたコレをしたと報告され、
その度に自分だったらどうしただろうかと
思いをを巡らすだけで
結局は「踏み外せない人」を演じてました。
あまりにまんまな設定なので監督は意図して起用したのかしら?
と思ったくらい。
大島優子も良かった。
大きなくりくり目で世の中を見回して抜け目無く生きて行く
小動物の様でした。(笑)
うーーーーん、、、、
面白かったです。
宮沢りえさんとても綺麗でした。
ただひたすらに好き同士だった2人。大金を渡すと変わってしまった関係性。庶民的な感覚を持っている自分からしたら「そんなことしちゃだめだ!」と思うようなことをさらっとやってくれるところは少し気持ちが良かったです。
中盤のスピード感がすごかっただけに後半がだれたような印象を受けました。
オチが私はあまり好きではなかったです。
「やりたいことはやりたいじゃないですか?」
確かそんな台詞ありましたよね・・いい台詞だ、僕の場合は実現させる術がないですが(涙) イヤらしい意味でなく女性更衣室での会話とかの場面好きなんです(笑) 主人公は悪いことしてるのにハラハラしながら「大丈夫?バレてない?あまり大金じゃないほうがいいんじゃない?」なんて心配しながら応援してしまいました(笑) あの若い男に天罰下ればよかったのに・・
クライム映画なんだけど綺麗な世界観
紙の月
ニセモノ
凡庸
【”宮沢りえVS小林聡美” 平凡な主婦が巨額横領に走り、崩壊していく姿を描く作品。The Velvet Underground and Nicoの”Femme Fatale”の曲調も印象的である。】
ー 近年の邦画の中では頭一つ抜きん出た一品。ー
・取り分け、宮沢りえ、小林聡美の二大女優の演技が今作の素晴らしさを成り立たせている。
・一線を越え、加速度的に横領額が増え、比例して華やいだ姿になっていく梅澤梨花(宮沢りえ)の姿。
彼女が、平林光太(池松壮亮)と横領した金で、ホテルのスイートルームではしゃぐシーンの虚しさ、怖さは忘れ難い。
・真面目な後方事務員、隅より子を演じた小林聡美の抑制した演技。対照的な窓口係、相川恵子を演じた大島優子の描き方も上手い設定だなと唸った。
・妻の気持ちに全く気付かない夫の姿(田辺誠一)、銀行の中間管理職井上を慇懃に演じた近藤芳正も忘れ難い。
・それらを各役者さんから丹念に引き出した、吉田大八監督の手腕も素晴らしい。
<宮沢りえさんの何かが憑いたような素晴らしすぎる演技と、「The Velvet Underground and Nico」の「Femme Fatale」の使い方も印象的な作品である。>
<2014年11月15日 劇場にて鑑賞>
同僚の奥さんが不倫をしてしまって
破られない月
そそられるテーマ。
個人での横領のニュースをきくたびに、
正直なところわくわくする。
もちろん倫理的にアウトだし、紛れもない犯罪なのだけど、犯人は何にお金を使ったんだろう?と巡らせたり、「宝くじ当たったらどうする?」といった話題に通じるような手の届かないロマンを感じてしまう。
こちらの映画はそんなミーハーお茶の間心を満たしてくれるような気がして、ずっと気になっていた。てっきり若い男に溺れ、貢ぐために横領し、身も心もボロボロに…という話だと想像していたのだけど、実際には一癖ある映画でおもしろかった。観賞後に監督が吉田大八さんだと知って納得。この方の映画、とても好みだ。
「腑抜けども…」、「クヒオ大佐」、「パーマネント野ばら」、「美しい星」をかつて鑑賞したことがあるが、並べてみるとどの映画も人間の痛さや弱さを全面に、絶妙に突いていて、言ってしまえば世間的に「イタい人」主人公みな変人なのだけど、どの主人公もその信念を決して曲げず、でもその信念は真理さえも突いている気がして、観ている側としてはこの映画の小林聡美さんのように、信念を貫き通す主人公を結局止めることなどできないのだ。その主人公たちの姿や信念は真似したくないし真似できないのだけどどこか羨ましくもあり、多分好きになってしまっているのだろう。小林聡美さん的ポジションで、この監督の他の映画も観てみたい。
この映画の主人公の横領は、過度な募金精神から始まる。幼い頃に「良いこと」として教えられたことが傾いていく。募金に限らず、幼い頃に教えられた「良いこと」に縛られている大人はたくさんいると思う。揺るぎない「良いこと」信念には、要領の加減によってそれが「良くないこと」に傾くという思考が入る余地などない。暴力的な正義の起源は全てそこにある気がする。
何事もほどほどに。でもやっぱり宝くじ当てたいし横領した犯人にこれからもロマンを感じてしまうだろう。蓋を開けてみれば、そこには到底持続不可能な刹那的な快楽しかなかったとしても。
数年前に観てとても印象に残ってた作品の、2度目の鑑賞。こんなに大金...
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