her 世界でひとつの彼女のレビュー・感想・評価
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ナカメキノにて鑑賞
あまりにも純粋に孤独と愛を描いた映画。
ほぼずっとおっさんが映ってるのに、とてもとても美しい映画。
不思議なリアリティのある大人の寓話かなぁ。
ちょっとパーソナルに刺さり過ぎて、客観的な判断が出来ませんが、誰しもこんな想いを抱えて生きているのでは?と思わせられる作品で、登場人物皆の抱える想いに共感しました。
私にとってはどうやら恋愛映画の新たなベストワンになりそうです。特におじさん、おばさんの域に差し掛かっている人には是非見て欲しいですね…(コレが恋愛映画なのか、若干の疑問は残りますが。)
もう少し落ち着いたら、もう一回見て考えてみます。
『ラースと、その彼女』よりも辛辣な切ないにも程がある恋物語
離婚協議中のセオドアは新発売のOS を購入。Siriを遥かに凌ぐ高性能の彼女はセオドア君の要求を完璧にこなす最高のパートナーとなるが、いつしか彼女はセオドアにとってかけがえのない大切な存在になっていく。
ラブドールに恋をする『ラースと、その彼女』とテイストは似ているものの、こちらの方がより辛辣。スマホ片手に街中でダンスやビーチでデートなど、スマホを始終弄っている中年ならかなり身につまされるお話。劇中の通行人は皆ブツブツ独り言を言っていてOSと会話しているのか人間と会話しているのか判別がつかない近未来で、自分に都合のいい女性像をとことん追求していくとそれは人間という枠を飛び越え、信仰にも片足突っ込むことになる。主演のホアキン・フェニックスが見事にダメ男を体現、声だけのスカーレット・ヨハンソンをはじめ、エイミー・アダムスやルーニー・マーラ等女優陣がものすごくキュート。特にセオドアの回想シーンに出てくる元嫁キャサリンを演じるルーニー・マーラの透明感は素晴らしいです。そしてホイテ・ヴァン・ホイテマによる近未来にしか見えないロケ撮影がとてつもなく美しいです。
グッときます
最上の恋愛映画
すごく好きです、こればかりはセンシティブになってもいい、映像も音楽も言葉も、最高の瞬間としか思えない。
どうしてセオドアは不幸だったのか。前妻のキャサリンとも初めは互いを愛していたけれど、徐々に考えがズレ始め、まともに会話もできなくなってしまう。それこそ、どんな恋愛映画のような恋をしても、ほとんどの終わりはこれぐらい悲しい。
ただでさえ中身は女と評されるセオドアに、サマンサの真摯さは救いであった。サマンサはセオドアの憂鬱を追っ払い、セオドアはありのままの、機械であるサマンサを素直に愛し、二人は、セオドアが書く手紙ぐらい完璧な関係。ユニークだけどよくある恋愛の始まりとは変わらない。しかし、次に起こるべきことはすれ違いしかない。サマンサの完璧さを持ってしても、ずっと変わらぬ存在でいることは不可能だった、そしてとんでもなく進化し続ける。結局、サマンサはセオドアから離れることになった、前妻と同じ。
この結末には絶対ならないでくれと思ったヤツになったけど、映画だからしょうがない、監督が言いたいことを言う場だから、「her」は、人間には必ず別れが訪れると言いたいみたい(そして愛した人は一緒愛し続ける)。
エイミーが自分をbitchと言ったように、サマンサもbitch。いや、クソbitch。でもサマンサとの恋は本当に幸せそう、その時間を観れただけでも、この映画には★★★★★の価値はある。
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スカヨハが声だけでこんなに人を魅了できるのにびっくりし、それに監督がソフィア・コッポラの元夫だったことにもびっくりした。ますますこの映画に圧倒されたような……
視点は面白いんですが。
人工知能に恋をするおじさんの話なんですが、イマイチ感情移入できないかんじがしました。OSですから基本的には自分からなにかを提案することもないですし、大きく意見が違うこともない。ときどき気分を害したりしますが生身の人間に比べたら聞分けがよいわけです。そういう人格にいやされたい主人公というのは現代人の典型かもしれません。僕もそういうプラトニックな愛にあこがれた時期がありますが、やっぱりものたりないですよね。だって基本的に自分の意見に賛成な人間といても結局は自分の考えを繰り返し確認している行為にすぎないわけですから、自分が変化するということがなくなるだけでなく、エゴが肥大する危険性もあるわけです。 多分監督の狙いはそういう部分ではなくて、OSのとった最後の行動のように個人の男女の愛情から性と時間と空間をこえた果てしない愛の世界ということのような気がしますが、その辺の結論もすごくナイーブですね。
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