トーキョービッチ,アイラブユー
劇場公開日:2013年12月7日
解説
近松門左衛門の「曽根崎心中」を翻案し、現代の東京を舞台に繰り広げられる悲恋を描いた演劇ユニット「オーストラ・マコンドー」の同名舞台を映画化。監督は、第20回PFFスカラシップ作品「家族X」(2011)で商業デビューした俊英・吉田光希。風俗嬢の初江は、客として知り合った義徳と不倫関係を続けていた。しかし、義徳が同僚から借金の保証人を頼まれ、経済的な窮地に陥ったことから、義徳の妻に不倫関係が露呈してしまい……。将来が期待される若手監督と若手俳優たちが、一般から募った新人俳優も交えてワークショップを行い、映画を作り上げていく企画「全力映画」の第2弾で製作された全4作品の1本。13年・第14回東京フィルメックスのコンペティション部門に出品。
2013年製作/70分/日本
配給:アークビジョン
スタッフ・キャスト
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2016年1月19日
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鑑賞方法:映画館
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近松門左衛門の作品で『曽根崎心中』が題材である。心中モノというジャンルがあるとすれば、それがこの近松作品が一番メジャーなのかもしれない。とはいえ、社会の歴史で憶える位で、実際には読んだことがない人が多いのでは。かくゆう自分もそうだが。。。
話はそれほど難しい内容ではなく、親友の嫉妬により、借金を抱えてしまった男が、追い込まれた先が周りから反対されていた惚れた女郎と一緒に死ぬこと。あの世で添い遂げる為の死出の詣でである。
今作品は、その下地があってのストーリーなのだが、現代社会にも通じる普遍的なテーマなのかもしれないと考えるほど、江戸時代との差がないことを痛感させられる。
男も女もそれぞれが思惑があり、でもなかなか旨くはいかない。諦めようと思うだが、でもそこには又、救ってくれる人も現われたり・・・
最後のラストは近松とは違い、心中は回避されるのだが、そんなラストの乾いた情景も又、作品を表現していて趣深い。
男のだらしなさ、女の諦めが悪いさま、でもそれでも生きていくという強いメッセージを訴えていた。