「フィルメックス」コンペ出品の吉田光希監督、映画ならではの表現を模索
2013年11月25日 13:35

[映画.com ニュース]開催中の「第14回東京フィルメックス」のコンペティション部門に出品されている日本映画「トーキョービッチ,アイラブユー」の上映が11月24日に行われ、吉田光希監督が観客とのQ&Aを行った。
文楽の「曽根崎心中」を原作に、劇団「オーストラ・マコンドー」によって上演された演劇作品をベースにした本作。風俗嬢の初江と義徳は店で知り合い、不倫関係を続けていたが、義徳が同僚の借金の連帯人となったことをきっかけに2人の関係が妻に知られるところとなる。
吉田監督にとっては3本目の長編映画となるが、過去2作について「リアリズムにこだわって、登場人物の感情を描いてきた」と語り「逆にこれまで積極的に取り組んでこなかったのがセリフやダイアローグ、出来事が次々と起こること」と説明。「これまでやらなかったことに挑戦しようと、セリフや出来事をとにかく多くしようと思った」と本作について語る。
本作に取り組むきっかけは「『曽根崎心中』をと言うよりも、まず舞台の映画化に取り組んでみたいと思ったところから始まっている」そうで、「セリフという要素を多く取り込みたかったから。ダイアローグの多い舞台を映画にしたらどうなるのか興味がありました」と自分の中での課題と挑戦を語った。
また本作を含め、自身の作品において「人が死ぬのがいや」と語る吉田監督。そのため、「曽根崎心中」をベースにしながらも結末をあえて変更しているが、これについて「人が死ぬことで、見る人の感情を動かすのは簡単。だからこそ、そうではないアプローチをしたいんです」とその理由を語った。
また、ヒロインの初江が建物から飛び降りる印象的な冒頭シーンと、意外なラストシーンにも触れ「脚本の段階ではいずれのシーンでも、初江のナレーションが入る予定で実際に収録もしたんです。元々の演劇にもセリフとしてそれはあったんですが、言葉として情報を伝えるのではなく、映画なのだから映像だけで印象付けたいと思い、あえて使いませんでした」と語るなど、監督なりの独自の哲学や挑戦を随所に取り込みながら、本作を完成させたことを明かした。
「トーキョービッチ,アイラブユー」は12月7日より新宿K'sシネマのプロジェクト「全力映画」の1作品として3週間限定でレイトショー公開。
第14回東京フィルメックスは12月1日まで有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ日劇、ヒューマントラストシネマ有楽町で開催中。
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