籠の中
劇場公開日:2013年12月7日
解説
若手監督と若手俳優たちが、一般から募った新人俳優も交えたワークショップを通じ、映画を作り上げていく企画「全力映画」。その第2弾で製作された4作品のうちの1本。東京でひとり暮らしをしている英美は、同郷の達哉と再会し、割り切った体だけの関係を結ぶ。しかし、英美が達哉を強く求めるようになったことから、2人の間に亀裂が入り始め、英美の心は静かに狂い出していく。監督は、長編デビュー作「-×- マイナス・カケル・マイナス」(2010)がローマ国際映画祭などに招待された伊月肇。
2013年製作/35分/日本
配給:アークビジョン
スタッフ・キャスト
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2016年1月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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籠の中の鳥が示す暗喩は一体何なのだろう。日常の生活の中で削られる精神なのか、思うようになれない現実からの逃避願望なのだろうか、好きな男を籠の中に押し込んでおきたい独占欲の意味なのだろうか。
そんなことをつらつらと考えさせられる作品である。
ストーリーは、浮気癖のある男との付き合いの中で段々と焦燥感が相俟って破綻の道へ進み、最後は刃傷沙汰を引き起こすという、良くある粗筋なのだが、その心の機微を丁寧に描くことで、細かい心理描写が演出されている作品である。だからこそ前述にあるように、色々想像を巡らせる余裕を観客に与えている作品なのだろう。
短編ならではの趣深い映画である。