ハッピー・イヤーズ

監督自身の身の上、父親と母親の不和を題材にしたというが、よくあそこまで面白く、また考えさせられるものが出来ると感心する。

物語は前衛芸術家の夫の躓き、そして不倫とそれを知った妻の反発から始まり、子の撮ったビデオにより結果的には元の鞘に収まるというものだが、それに至るまでに、自分にはいい加減な夫と妻の不倫相手の女性！、弟の屈託のない言葉などといった事がうまい具合に配置されていて、飽きさせないだけの内容になっている。また肝心の当時の空気というものも自然と理解出来るようになっているので、単なる娯楽作品ではないイタリアを切り取った映画の代表として日本人は観賞出来る安心感がある。