風の谷のナウシカのレビュー・感想・評価
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息を呑む風の描写
壮大な音楽と、風を切って飛んでいる様が自分も風を切っているように感じた作品。
宮崎駿監督作品の中で、映画としては初めて映画館に小学生の頃、観に行きました。
飛ぶ表現、腐海の描写、この風の谷の世界観を彩どる音楽、どれを取っても描く事の限界が無いような、非常に美しい作品で、心に深く刻まれた映画です。
当時は子供ながらに人間の創造力と環境の事も考えさせられました。
そして何より、宮崎駿作品のヒロインらしさそのものの、ナウシカの天真爛漫さに爽やかな風の様な、それでいて、アクションもイケる勇敢な姿に自分まで強くなった気持ちになったり😊
今見るとユパ様の大きな愛でナウシカを見守る様子や、他のおっちゃん達の働き者な様子に心を打たれる。。。
クシャナ殿下の部下のクロトワも、な〜んか腹黒くていい味出してる。キャラがそれぞれ立ってて脱帽。
感動という言葉の意味を体感した、初めての映画作品であった。
宮崎駿監督のターニングポイントとなった伝説的な作品! (評価は庵野秀明監督らのオーディオコメンタリーも込みで)
これまで何度か見た作品ではありましたが、初めてDVDのオーディオコメンタリーも含めて見てみました。
物語りの設定は、産業文明が崩壊した1000年後で、(腐海の中では)大気中に毒があり、登場人物らはマスクをしていたりもするので、ちょうど今の時代と共通点もありそうです。
本作は宮崎駿監督が自分の名前だけで自立した初めての映画で、スタジオジブリの初作品とされています(厳密には、「風の谷のナウシカ」だけはジブリ前身のトップクラフトですが)。
当時は財政的にも厳しかったようで、宮崎駿監督が脚本や絵コンテ、レイアウトだけでなく、原画、さらには、動画さえも直して描いたりしていたようです。
オープニングとエンディングはさっぱりしていて、オープニングで原画スタッフまで出す映画は、私の記憶ではこれが初めてかもしれません。(それくらいスタッフが少なかった、とも言えると思います)
見どころとしては、「エヴァンゲリオン」で有名な庵野秀明監督が、駆け出しの時にラスト近くの巨神兵のシーンを描いているところと、金田伊功という「現在の多くのアニメーション作品のアクションシーンに多大な影響を与えたアニメーター」が描いたシーンでしょうか。
アニメーションの効果的な動きで重要なものに「パース」(遠近法を使った画面構成)というものがあって、この「パース」を使うことで、キャラクターなどに、より迫力のある動きをさせることができます。宮崎アニメでは、「天空の城ラピュタ」、「となりのトトロ」、「魔女の宅急便」、「紅の豚」、「もののけ姫」に至るまで、金田伊功氏の原画が宮崎駿監督作品のクオリティーを大きく支えていた面もありました。
例えば「風の谷のナウシカ」では、アスベルの登場シーンが象徴的でしょうか。
アスベルは、いわゆる「ヒーロー」的な立ち位置ですが、最初の登場シーンは「殺人鬼」にしか見えません。これは、「パース」を使った作画手法に加えて、目を設定とは程遠いほど違うように見せている上手さがあります。このように味がありシャープでダイナミックな映像を当時から確立していて、原画スタッフではトップでクレジットされています。
さて、私の中で「風の谷のナウシカ」は、何か他の宮崎駿作品とは違う、とずっと思っていたのですが、今回、DVDのオーディオコメンタリーを合わせて見て初めて気付いたのは、ヒロインのナウシカは、庵野秀明監督曰く「宮崎駿監督のダークサイドを背負った人物像」なのだそうです。
確かにこれ以降の宮崎アニメのヒロインは、人を殺したりはしないですよね。
とは言え、自然との共生を目指し、優しく強い正義感を持っているのでナウシカの人気は非常に高いわけですね。
ラストシーンも当初は別のパターンだったりしたようですが、私はこの最終版で良かったと思います。
現代のアニメーション映画の最先端を担う「エヴァンゲリオン」等にも影響を与えたといえる本作は、宮崎駿監督のみならず「日本のアニメーション映画のターニングポイント」になった作品と言えるでしょう。
なお、オーディオコメンタリーでは、演出助手だった片山一良氏が進行する感じで庵野秀明監督が、ワンカットごとに素直に褒めたり、宮崎駿監督のことをけなしたりと、なかなか愛に溢れた面白い出来になっていました(笑)。
いずれにしても、CGが使えない時代で、ここまで手書きで勝負できるって凄いことだと思います!
【98.67】風の谷のナウシカ 映画レビュー
🏰作品の完成度
宮崎駿監督の長編劇場用作品第二作である『風の谷のナウシカ』(1984年)は、単なるアニメーションの枠を超え、戦後日本映画史における一つの極点として評価されるべき傑作である。原作漫画の壮大な物語世界を、劇場映画としての約116分という尺の中に凝縮する手腕は、驚嘆すべき構成力と卓越した取捨選択の妙に裏打ちされている。物語は、腐海と呼ばれる有毒な森と、巨大な蟲(むし)が支配する荒廃した世界を舞台に、人間同士の対立と自然との共存という、重厚なテーマを掲げる。特に、物語後半の、トルメキア・ペジテ両国の争いと王蟲の大暴走がもたらす悲劇、そしてナウシカの自己犠牲と奇跡的な再生に至る展開は、観客の感情を揺さぶり、カタルシスをもたらす。
作画技術は、当時の東映動画やテレコム・アニメーションフィルムで培われた、セルアニメーションの到達点を示すものであり、メーヴェで空を翔けるナウシカの躍動感、荒々しい戦闘描写、そして腐海の持つ不気味な生命感の表現は、公開から時を経てもその鮮度を失わない。この作品が、後にスタジオジブリへと繋がる、作家主義的な長編アニメーション映画製作の礎を築いたという点で、その歴史的意義は計り知れない。テーマの深遠さ、映像の迫力、そしてヒロインの魅力が見事に融合した、紛れもない「完成された」映画体験を提供する作品である。
🎬監督・演出・編集
宮崎駿監督の演出は、類稀なる空間認識能力と運動描写への偏執的なまでのこだわりによって特徴づけられる。風の谷の人々の暮らしや、腐海の生態系の描写に見られる細部への徹底したリアリズムは、観客をその架空の世界へと引き込む強靭な説得力を持つ。特に、メーヴェでの飛行シーンは、風を感じさせるカメラワークと、滑らかな作画により、アニメーションにおける飛行表現の模範を確立したと言える。編集は、物語の緩急を巧みにつけ、情報量の多い世界観を短時間で提示しながらも、飽きさせないリズムを生み出している。クライマックスの緊張感と、ナウシカが聖なる存在として昇華される瞬間への感情的な昂ぶりへの移行は、見事なテンポと構成の賜物である。
👥キャスティング・役者の演技
声優陣のキャスティングは、主要登場人物の内面に潜む複雑な感情の機微を見事に捉えている。
• 島本須美(ナウシカ): 主演。風の谷の族長の娘であり、腐海を愛し、蟲と心を通わせる類稀なヒロイン。島本の声は、ナウシカの持つ清らかで透き通った優しさと、時に激しい感情を爆発させる強靭な意志を、見事なまでに両立させている。特に、愛する父を殺され、激情に駆られてトルメキア兵を斬り殺すシーンの魂を削るような叫びと、王蟲の群れに身を投じる際の慈愛に満ちた静かな決意との対比は、声の演技の限界を押し広げている。彼女の演技なくして、ナウシカというキャラクターが持つ普遍的な魅力は、これほどまでに確立されなかったであろう。その功績は計り知れない。
• 納谷悟朗(ユパ・ミラルダ): 助演。ナウシカの師であり、剣の達人。腐海を旅する放浪の剣士としての孤高の精神と、ナウシカに対する深い愛情と信頼を、納谷の重厚で深みのある声質が完璧に表現している。その声には、長年の旅で培われた哲学的とも言える達観が滲み出ており、物語の道徳的な柱として機能している。
• 松田洋治(アスベル): 助演。ペジテ市の少年で、ナウシカと行動を共にする。当初は復讐心に燃える硬質な少年の印象が強いが、ナウシカとの交流を通じて心優しき共存の道へと目覚めていく心情の変化を、松田は瑞々しくも力強い声で的確に演じ分けている。若き日の危うさと純粋さが、物語に奥行きを与えている。
• 榊原良子(クシャナ): 助演。トルメキアの若き皇女。冷徹な軍人としての威厳と苛烈さの裏に、父と国に翻弄される孤独を抱える複雑な女性像を、榊原の低く響く知的な声が体現している。その声には、抗いがたいカリスマ性と、悲劇的な宿命を背負った女性の痛切な感情が込められており、ナウシカの対極に位置する存在として、物語の緊張感を高めている。
• 京田尚子(大ババ): 助演。風の谷の長老。物語の知恵と歴史の継承者として、京田の貫禄と温かみのある声は、観客に古代からの教えの重みを伝えている。クレジット上は最後の方に登場するが、物語における精神的な支柱としての存在感は絶大である。
📜脚本・ストーリー
原作漫画から物語の一部分を抽出しつつ、劇場作品として完結させるための卓越した再構築がなされている。終末的世界観の中で、ナウシカが単なる平和主義者ではなく、理想と現実の狭間で苦悩し、行動する「行動するヒロイン」として描かれている点が重要である。「戦争と環境破壊」というテーマは、制作当時から現在に至るまで普遍的な警鐘として響き続ける。腐海の謎、王蟲の生態、そして巨神兵の存在といったSF的なギミックを盛り込みながらも、物語の核は生命の尊厳と異種とのコミュニケーションに置かれており、そのメッセージ性の強さは揺るぎない。
🎨映像・美術衣装
美術監督の中村光毅による荒涼とした大地と異様な生命感に満ちた腐海の対比は、この作品の視覚的なアイデンティティを決定づけている。腐海の描写は、現実の菌類や昆虫をデフォルメしつつ、緻密な生態系として描き出されており、想像力の豊かさに圧倒される。メカニックデザインも秀逸で、メーヴェのシンプルながら機能的な美しさ、トルメキアのコルベットやバカガラスといった兵器の無骨な迫力は、物語の世界観にリアリティを与えている。ナウシカの衣装は、その動きを妨げない機能美と、風の谷の文化を感じさせる象徴的なデザインであり、ヒロインの清廉さを際立たせている。
🎼音楽
久石譲による音楽は、本作が彼のキャリアにおける記念碑的な作品となった。シンセサイザーを大胆に取り入れたスペーシーで壮大なサウンドは、荒廃した世界のスケール感と叙情性を見事に表現している。「風の伝説」に代表されるテーマ曲の雄大さは、ナウシカの行動力と希望を象徴し、クライマックスの「ナウシカ・レクイエム」は、悲劇性と奇跡の瞬間を荘厳に彩る。
• 主題歌: 『風の谷のナウシカ』
• アーティスト: 安田成美
🏆受賞歴
本作は、公開当時、国内外の主要な映画賞において高い評価を獲得している。
• 第39回 毎日映画コンクールにおいて、大藤信郎賞を受賞。
• キネマ旬報の1984年度読者選出日本映画第1位に選出。
• 第2回 アニメフェスティバルにおいて日本アニメ大賞 最優秀作品賞を受賞。
• 日本SF大会において星雲賞 メディア部門を受賞。
これらの受賞は、本作が技術的革新性と芸術的価値の両面で、当時の日本のアニメーション界に新たな地平を切り開いた事実を雄弁に物語っている。
✅総合スコア結果
作品[NAUSICAÄ OF THE VALLEY OF THE WIND]
主演
評価対象: 島本須美
適用評価点: S (10)
助演
評価対象: 納谷悟朗, 松田洋治, 榊原良子, 京田尚子
適用評価点: A (9)
脚本・ストーリー
評価対象: 宮崎駿
適用評価点: S (10)
撮影・映像
評価対象: 高橋宏固, 白神斎
適用評価点: A (9)
美術・衣装
評価対象: 中村光毅
適用評価点: S (10)
音楽
評価対象: 久石譲
適用評価点: S (10)
編集(減点)
評価対象: 鈴木常吉, 瀬山武司
適用評価点: -0
監督(最終評価)
評価対象: 宮崎駿
総合スコア:[ 98.67 ]
色褪せない輝き
いまさらレビューもないほど、評価は確定していると思うけど。あくまでも個人的な感想と思い出を。
公開当時は、就職したてで、毎日職場に向かうバスの中で映画館の看板をボーッと見ていた。その中に、『ナウシカ』があり、「あ、映画になったんだ…」ぐらいの感想だった。
やがてレンタルビデオ全盛の時代になり、当時は貸しビデオ屋さんがグレーの商売だったこともあり、正規のルートじゃないところでトトロも、ナウシカも見た。
アニメ映画のトレンドはSFアドベンチャー路線で、ナウシカはちょっと違う流れ。しかも少女が主人公とあって、なんとものめり込めないものがあった。
ところが今になって思えば、これがすべて大正解の選択で、原作のマンガ連載時からそろそろ40年の時を経て、いまだに色あせない。テーマも、キャラクターも、フィルムも。そして音楽も。
絶望の中に希望を見出す名作
今朝(2025/08/15)までに、数回に分けて観ました。
海外渡航の巧妙で、ネトフリアプリで久しぶりにジブリ映画を観ることができました。日本で配信されていないのが未だに謎です。先日遂に配信解禁になった『火垂るの墓』を皮切りに、他の作品も配信が解禁されることを願っています。
さて、風の谷のナウシカ、この言葉を見るだけでストーリーのあらましが頭に浮かんでしまう人も多いと思います。映画は原作のごく序盤だそうですが、それだけでも胸が詰まる様な哀しい世界観です。
ナウシカの存在は、そんな哀しい世界に射し込む一縷の光です。豊かな喜怒哀楽の表現に加え、優しく温かい母性を感じさせる島本須美の声は、ナウシカの人物像に見事に合致しています。
王蟲をはじめとする虫達の動き、人々の細かな動きはジブリらしくて、作画に手抜きを感じさせません。
暴力により、半死半生にさせられた王蟲の幼生を止める際、酸の湖に足を突っ込んでしまった時のナウシカの叫び声は、今思い出すだけでも辛く、込み上げるものがあります。だからこそ王蟲の赤ちゃんは我にかえる事ができたのでしょうね。
完全体には遠く及ばずに、強制的にクシャナに復活をさせられた巨神兵の、それでも甚大な破壊力はたった二発の砲でも戦慄するのに充分でした。しかしそれをモノともしない王蟲の群れに、更に血の気が引きます。
丸腰で暴力に抗う、ナウシカの姿に感動を覚えると同時に、現実世界に続くやまない諍いを思い出し、全ての人の心にナウシカが存在すれば、人も虫も動物も植物も自由で平和に暮らせるなどと、叶わぬ希望を願ってしまいます。
本作は、鑑賞を通じて親から子へ、子から孫へと、問題について語り合い、家族や友人の間で地球環境のこれからを考えて欲しく思います。
40年以上経った今、大スクリーンで鑑賞しても全く色褪せていません。 改めて世界中でスタジオジブリ作品が人気で高く評価されている事由が理解できます。
約65年の歴史に幕を下ろす丸の内TOEIさんにて『さよなら丸の内TOEI』と題した特集上映が開催中。
本日は『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『魔女の宅急便』の劇場大クリーンでの貴重な上映に参加。
『風の谷のナウシカ』(1984年/116分)
ご存じスタジオジブリ第1回作品(当時はトップクラフト制作、のちにスタジオジブリに改組)、日本テレビ『金曜ロードショー』で何十回も視聴しましたが、劇場の大スクリーンでの鑑賞は初体験。貴重な上映機会ですから500席のチケットは一瞬のうちに完売でしたね。
40年前の公開当時は『未来少年コナン』『カリオストロの城』『赤毛のアン』などの名作劇場の宮崎駿監督が劇場新作を制作するぐらいの印象、劇場で鑑賞をしなかったことは今でも心残りです。
歌番組では安田成美氏がデビュー曲として本編では流れないシンボルテーマソングを歌唱している姿が印象に残っていますね。改めて調べてみると作詞・松本隆氏、作曲・細野晴臣氏の強力タッグに驚きです。
原作漫画をそのままのきめの細かい丁寧で美麗な作画、CG処理がない当時の王蟲(オーム)の生命感があふれる独特の動き、空を疾走するスピード感、久石譲氏の壮麗で広がりあるサウンド、ナウシカ役・島本須美氏の優しく品のある声…40年以上経った今、大スクリーンで鑑賞しても全く色褪せていません。
改めて世界中でスタジオジブリ作品が人気で高く評価されている事由が理解できます。
ストーリーも科学文明の発達に対する警告と人と自然との共生など、以後の監督作品の根底に流れるテーマが描かれていましたね。
原作は未見、続編などの噂も聞き及びますが、本作だけで見事に完結していますね。
生涯ベスト1
ガッツリSFじゃん映画NO1
映画として、世界的な傑作である。
何度目の鑑賞なのだろうか?
レビューしていなかったのが不思議だ。
兎も角、この映画の公開がチェルノブイリ事故の前と言う事で、社会学的にも非常に価値のある作品と思っている。
『少女終末旅行』はこの作品をアンチテーゼとして、オマージュしていると僕は思っている。
この約10年後に彼は『オン・ユア・マーク』を作る。少女終末旅行はこの作品こそリスペクトしていると僕は感じている。
世界的な傑作である。
しかし、このジブリにも、『腐海』の如く『胞子の毒』が徐々にやって来る現実がある。
大人気の理由がいまいち分からず
あまり見ないくらい高評価で驚いた。
称賛のコメントばかり…
正直、そこまで好きなシーンや感動が自分には無かった。
虫や戦闘がそもそも苦手なのでただ好みに合わなかったのもあると思う。
また、主人公のナウシカは勇敢で優しく聡明で村の人々に慕われる理由がよく分かるが
虫を理解しコミュニケーションが取れること、
他の人に真似できないような危険な行動をやり遂げられてしまうことは
あくまで彼女が選ばれた存在だからと思って見ていたので、特別にナウシカを好きになるポイントも自分には無かった。
特別な力がなければ、彼女は何もやり遂げられずすぐに死んでしまっていたかもしれない。もしそうなれば行動は同じでも無責任で無鉄砲だが、
無茶を可能にする能力があり、それを自身で理解しコントロールできるからナウシカは英雄となった。
どうしてもナウシカを「能力」として見てしまいあまり感情移入することがなかった。
最後は王蟲の怒りをどうにか鎮めて帰ってもらいハッピーエンドだったが
腐海の浄化作用で綺麗にしてもらわなきゃいけないのなら、どうせ全て飲み込まれることになるのでは?
ナウシカは虫や自然の意思に任せていつか飲み込まれ亡くなることを望んでいるのだろうか。
それなら今村を守ろうと足掻いていたのはどういうことなんだろう?
原作があるようなのでそれを見れば分かるのでしょうが、そこまではいいかなぁ。
それこそテレビ放送では何度となく観てますね。
原作未読。正直この続編なら観たいかな。原作漫画通りにやってくれたらなあ。
さすがに現代の目で見ると映像のクオリティは物足りないところもあるけど、いまでもさまざまなシーンが脳裏に浮かぶ。マスクとっておじさん達が大慌てするとこ好き。大人になるとクロトワみたいな捻くれたキャラにも、ちょっと共感するところが出てきたり(悪人では無いしね)、地球規模の大きな話なんだとわかってきたりと、見方も変わってくるように思う。
公開初日映画館で観に行きました
今では考えられないんですが立ち見でした
新聞の告知なんかも大事にとってアニメージュなんかも買い漁って今思うときっとナウシカに恋でもしてたのかな?って
でも当時はアニメ好きは色眼鏡で見られたのでナウシカが好きとは誰にもいえませんでしたね
慈しみの姫
宮崎駿監督は一貫して環境破壊や戦争をテーマに作品を作り続けている。この作品の舞台となるのは「火の七日間」と呼ばれる産業文明を崩壊させた大戦争後の世界。人間の身勝手な行いから汚染された大地には、腐海と呼ばれる有毒な瘴気を放つ菌類が生育する森が拡がっており、そこでは巨大な蟲と呼ばれる生物が生態系を支配している。
人間はその腐海の影響を受けていない土地で細々と暮らしているが、周辺国を支配しながら強大な軍事力を持った大国のいくつかは、腐海を焼き払って蟲たちから再び世界を人間のものに取り戻そうと策を練っている。
現実の地球の環境問題にも訴えかける内容だが、この作品の独特の世界観が素晴らしい。冒頭からほんの少しのテロップが流れるだけで、詳しい世界観は語られないのだが、メーヴェに乗ったナウシカが腐海の森に入っていくシーンですぐにもこの世界に引き込まれてしまうような感覚を味わう。
腐海の森の神秘的な描写に、王蟲を筆頭に蟲たちのフォルムの独特さ、そして風の谷の見たことのない風景なのにどこかノスタルジーを感じさせる描写。
何よりも自然を愛し蟲たちと共存しようと歩み寄るナウシカの慈しみ深いキャラクターに魅了される。
自然や蟲たちには優しいナウシカだが、自分の父を殺したトルメキヤの兵士に対しては有無を言わせず憎悪のままに襲いかかる。
トルメキヤ軍を指導するのは若き女帝クシャナだが、腐海の森を理解しようとするナウシカとは正反対のキャラクターだ。
決して彼女は純粋な悪として描かれているわけではないが、自然を支配しようとする人間の傲慢さを代表しているのは明らかだ。
少しでも自分たちの利益のことだけを考えるのではなく、他人に歩み寄る心があれば世界は平和になるのに、人はなかなか理解し合うことの出来ない生き物だ。
トルメキヤは世界を支配するために、かつて世界を滅ぼした巨神兵の生き残りを復活させようとする。しかしそれは再び世界を炎で焼き尽くす行為でもある。まるで核の炎のように。
有毒で人が住むことの出来ない腐海が、実は人間によって汚染された土壌を時間をかけて綺麗にしていたという事実が分かるシーンは色々と考えさせられた。
ナウシカは人と蟲たちの間に立って、何とか愚かな戦争を止めさせようと奮闘する。自分を犠牲にしてまで、世界を救おうと懸命に飛び回るナウシカの姿には何度も心を打たれる。
王蟲から伸びる金色の触手にナウシカはが包まれるシーンは、とても美しくいつまでも心に残る。
久石譲の楽曲も素晴らしく、どの場面を取っても無駄なところがない、ジブリ作品の中では一番の傑作だと思っている。
5点つけないのは、宮崎駿の原作の最終刊を反映していないから。
これぞヒロイック・ファンタジー
初めてこれを見たときはめちゃくちゃ感動したなあ。全く無駄のない完璧なストーリーだなと。そして何よりナウシカという主人公の気高さ・強さ・勇気・優しさ、美しさ。他の人間との関係性が希薄に感じるくらいの主人公の存在感は凄いと思いました。名シーンは多すぎて語り切れないのですが、僕は吊り下げられた王蟲の幼体を助けに行くシーン、空中からポットに飛び乗っていくシーンが好きです。射手も目を疑うような蛮勇とも言える行為。それを敢行するナウシカの勇気に心を打たれます。そしてそれが王蟲の暴走を鎮めるあのエンディングにつながっていくと...。そんなの無理やろとか野暮は言わない。いや、本当に感動しましたね。
原作を読むと、この映画は物語のきれいなとこだけを抽出したような話になっているとわかりますが、映画・エンタメとしてはそれで良いです。美しく気持ちよく終わる。万人に受け入れられるエンタメとしてはうまく切り出していると思います。
続編を作ろうという話も動いているようですが、原作に忠実に作るとすると続編というよりもリブートでしょう。テーマ的には宮崎駿さんが認めていないという進撃の巨人にも近い話ですよ。世界は残酷で、戦わねば勝てず、結局、人の社会は人同士の争いであると。見たいような見たくないような....でも上映されるなら必ず観に行くだろうなあ。
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